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死刑執行に関する会長声明

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             死刑執行に関する会長声明
1 本日,東京,大阪の各拘置所において、それぞれ1名の死刑確定者に対して死刑が執行された。
2 我が国では,過去において,4つの死刑確定事件(いわゆる免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件)について再審無罪が確定している。また,2010年(平成22年)3月には足利事件について,2011年(平成23年)5月には布川事件について,いずれも無期懲役刑が確定した受刑者に対する再審無罪判決が言い渡されている。これらの過去の実例が示すとおり,死刑判決を含む重大事件において誤判の可能性が存在することは客観的な事実である。
3 しかも,我が国の死刑確定者は,国際人権(自由権)規約,国連決議に違反した状態におかれているというべきであり,特に,過酷な面会・通信の制限は,死刑確定者の再審請求,恩赦出願などの権利行使にとって大きな妨げとなっている。この間,2007年(平成19年),刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律が施行されたが,未だに死刑確定者と再審弁護人との接見に施設職員の立ち会いが付されるなど,死刑確定者の権利行使が十分に保障されているとは言い難く,このような状況の下で死刑が執行されることには大きな問題があるといわなければならない。
4 国際的にも,1989年(平成元年)に国連総会で死刑廃止条約が採択されて以来,死刑廃止が国際的な潮流となっている。1990年(平成2年)当時,死刑存置国は96か国で死刑廃止国は80か国だったのが,2012年(平成24年)6月現在では,死刑存置国は57か国で死刑廃止国及び死刑停止国は141か国となっている(アムネスティインターナショナル)。さらに,2008年(平成20年)12月18日には,国連総会において,すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める決議案が採択された。
また,2007年(平成19年)5月18日に示された,国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告においては,我が国の死刑制度の問題が端的に示された。すなわち,死刑確定者の拘禁状態はもとより,その法的保障措置の不十分さについて,弁護人との秘密交通に関して課せられた制限をはじめとして深刻な懸念が示された上で,死刑の執行を速やかに停止すること,死刑を減刑するための措置を考慮すべきこと,恩赦を含む手続的改革を行うべきこと,すべての死刑事件において上訴が必要的とされるべきこと,死刑の実施が遅延した場合には減刑をなし得ることを確実に法律で規定すべきこと,すべての死刑確定者が条約に規定された保護を与えられるようにすべきことが勧告されたのである。しかも,2008年(平成20年)10月には,国際人権(自由権)規約委員会により,我が国の人権状況に関する審査が行われ,我が国の死刑制度の問題点を指摘するともに制度の抜本的見直しを求める勧告がなされた。
5 日本弁護士連合会は,本年6月18日、滝実法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を直ちに講じることを求める要望書」を提出して、国に対し、直ちに死刑の廃止について全社会的な議論を開始し、その議論の間、死刑の執行を停止することを改めて求めたところである。
6 このような中で,我が国の死刑制度の抱える問題点について何ら改革が講じられることなく,今回の死刑執行が行われたことは極めて遺憾であり,当会としてはここに政府に対し強く抗議の意思を表明するとともに,今後,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討がなされ,それに基づいた施策が実施されるまで,一切の死刑執行を停止することを強く要請するものである。
                   
                      2012年(平成24年)8月3日
                  福岡県弁護士会会長 古 賀 和 孝

貸金業法や利息制限法等の改悪の動きに強く反対する会長声明

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  貸金業法や利息制限法等の改悪の動きに強く反対する会長声明
 2006年(平成18年)12月に成立した「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」(平成18年法律第115号)が,2010年(平成22年)6月18日に完全施行されてから2年が経過した。同法成立前は,生活の破たんや自殺など,多重債務問題が年々深刻さを増しており,43の都道府県議会と1136の市町村議会が決議を採択したことに見られるように,その解決を求める声が全国に広がっていた。同法は,このような国民の声を受けて,上限金利を引き下げるとともに,返済能力を超える借入れを防ぐ総量規制の仕組みを導入するなど,抜本的かつ総合的な対策を講じたものであった。
 そして,附則66条に基づいて内閣官房に「多重債務者対策本部」が設置され,セーフティネットの拡充強化,多重債務者に対する相談窓口の充実強化など,国全体をあげて,多重債務対策が進められてきた。当会も,法律相談センターでの多重債務相談を無料化し,自治体や関係機関との連携を強化するなど,多重債務問題の解決のために全力を挙げた取組みを続けてきた。
 これに対して,近時,与野党の一部国会議員の中に,「潜在的なヤミ金被害が広がっている。」などとして,法の見直しを目論む動きが見られる。具体的な案としても,総量規制を撤廃し,利息制限法等を改正して年利30%を上限とする変動金利制を導入することまでが提案されているような状況である。
 しかしながら,貸金業法等の成立,施行により,多重債務者対策は大きな成果を上げている。例えば,株式会社日本信用情報機構の統計によれば,5社以上の借入れを有する多重債務者が法改正前の約230万人から約45万人に減少している。同様に,個人破産申立件数も約17万人から約10万人に減少している。そして,警察庁の統計によれば,多重債務による自殺者も1973人から998人と半減している。
 さらに,ヤミ金に関しても,警察庁の統計によれば,検挙人員,検挙事件,被害人員,被害額の全てが減少傾向にあり,金融庁が把握する無登録業者に係る苦情件数,日本貸金業協会が把握するヤミ金被害の苦情照会件数,消費者センターへのヤミ金相談件数,弁護士会へのヤミ金相談の件数も軒並み減少している。ヤミ金被害が広がっているという指摘は客観的根拠を欠いていると言わざるを得ない。
 そのほか,一部国会議員は「貸金業法等が零細な中小企業の短期融資の需要を阻害している。」とも指摘するが,現行法は事業資金貸付を総量規制の例外とするなどの手立てを講じている。また,国は,緊急保証やセーフティネット貸付など多角的に中小企業支援策を講じている。零細な中小企業の資金需要に対して,以前のグレーゾーン金利と同様の高金利による貸付けを許していては,多重債務被害の再燃を来たすことが必至である。
 当会は,貸金業法等の成果を無にしかねない,総量規制や金利規制の緩和,撤廃に,強く反対するものである。
                           2012年(平成24年)7月18日
                                 福岡県弁護士会
                              会 長 古 賀 和 孝

福岡県弁護士会所属会員に対する殺人未遂事件に関する会長声明

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 2012年5月22日午前10時ころ,当会に所属する緒方研一弁護士が,同弁護士事務所の入居するビル内階段上において,ナイフを所携していた男に襲われ,頭部等打撲,両手指切創等の傷害を負うという犯罪が発生した。
 犯人は,同弁護士が受任していた事件の相手方であり,同事件は既に示談により解決済みであった。犯人がいかなる動機で行ったか不明であるが,法治国家において,暴力をもって紛争の解決を図ることはいかなる理由があっても断じて許されるものではない。
 また,本件は弁護士業務に関連した犯行であり,基本的人権の擁護と社会正義の実現を使命とし,市民の権利の護り手である弁護士の業務に対する重大な侵害行為である。
 当会は,今後とも,いかなる暴力行為に対しても決してひるむことなく毅然として対処し,国民の正当な権利を擁護するため全力をもって弁護士の使命を全うしていく決意であることをここに表明する。

2012(平成24)年5月28日

   
                           福岡県弁護士会
  

会 長  古  賀  和  孝

死刑執行に関する会長声明

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1 本日,福岡,東京,広島の各拘置所において合計3名の死刑確定者に対して死刑が執行された。
2 我が国では,過去において,4つの死刑確定事件(いわゆる免田事件,財田川事件,松山事件,島田事件)について再審無罪が確定している。また,2010年(平成22年)3月には足利事件について,2011年(平成23年)5月には布川事件について,いずれも無期懲役刑が確定した受刑者に対する再審無罪判決が言い渡されている。これらの過去の実例が示すとおり,死刑判決を含む重大事件において誤判の可能性が存在することは客観的な事実である。
3 しかも,我が国の死刑確定者は,国際人権(自由権)規約,国連決議に違反した状態におかれているというべきであり,特に,過酷な面会・通信の制限は,死刑確定者の再審請求,恩赦出願などの権利行使にとって大きな妨げとなっている。この間,2007年(平成19年),刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律が施行されたが,未だに死刑確定者と再審弁護人との接見に施設職員の立ち会いが付されるなど,死刑確定者の権利行使が十分に保障されているとは言い難く,このような状況の下で死刑が執行されることには大きな問題があるといわなければならない。
4 国際的にも,1989年(平成元年)に国連総会で死刑廃止条約が採択されて以来,死刑廃止が国際的な潮流となっている。1990年(平成2年)当時,死刑存置国は96か国で死刑廃止国は80か国だったのが,2012年(平成24年)3月現在では,死刑存置国は57か国で死刑廃止国及び死刑停止国は141か国となっている(アムネスティインターナショナル)。さらに,2008年(平成20年)12月18日には,国連総会において,すべての死刑存置国に対して死刑執行の停止を求める決議案が採択された。
また,2007年(平成19年)5月18日に示された,国連の拷問禁止委員会による日本政府報告書に対する最終見解・勧告においては,我が国の死刑制度の問題が端的に示された。すなわち,死刑確定者の拘禁状態はもとより,その法的保障措置の不十分さについて,弁護人との秘密交通に関して課せられた制限をはじめとして深刻な懸念が示された上で,死刑の執行を速やかに停止すること,死刑を減刑するための措置を考慮すべきこと,恩赦を含む手続的改革を行うべきこと,すべての死刑事件において上訴が必要的とされるべきこと,死刑の実施が遅延した場合には減刑をなし得ることを確実に法律で規定すべきこと,すべての死刑確定者が条約に規定された保護を与えられるようにすべきことが勧告されたのである。しかも,2008年(平成20年)10月には,国際人権(自由権)規約委員会により,我が国の人権状況に関する審査が行われ,我が国の死刑制度の問題点を指摘するともに制度の抜本的見直しを求める勧告がなされた。
5 日本弁護士連合会は,2011年(平成23年)10月7日に「罪を犯した人の社会復帰のための施設の確立を求め,死刑廃止についての全社会的議論を呼びかける宣言」を,人権擁護大会において採択し,その中で,「罪を犯した人の社会復帰の道を完全に閉ざす死刑制度について,直ちに死刑の廃止について全社会的な議論を開始し,その議論の間,死刑の執行を停止すること。議論のため死刑執行の基準,手続,方法等死刑制度に関する情報を広く公開すること。特に犯罪時20歳未満の少年に対する死刑の適用は速やかに廃止すること」や,「死刑廃止についての全社会的議論がなされる間,死刑判決の全員一致制,死刑判決に対する自動上訴制,死刑判決を求める検察官上訴の禁止等に直ちに着手し,死刑に直面している者に対し,被疑者・被告人段階,再審請求段階,執行段階のいずれにおいても十分な弁護権,防御権を保障し,かつ死刑確定者の処遇を改善すること」を求めていた。
当会も,同年9月5日にシンポジウム「死刑を考える」を開催して,死刑廃止についての社会的議論を呼びかけたところであった。
6 このような中で,我が国の死刑制度の抱える問題点について何ら改革が講じられることなく,今回の死刑執行が行われたことは極めて遺憾であり,当会としてはここに政府に対し強く抗議の意思を表明するとともに,今後,死刑制度の存廃を含む抜本的な検討がなされ,それに基づいた施策が実施されるまで,一切の死刑執行を停止することを強く要請するものである。
                      2012年(平成24年)3月29日
                             福岡県弁護士会
                             会長 吉 村 敏 幸

秘密保全法案に関する会長声明

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1 政府は,平成24年1月24日に招集された第180回通常国会において秘密保全に関する法制の整備のための法案(以下「秘密保全法案」という)の提出を意図し,同法の制定に向けて審議を始めようとしている。
  しかし,同法案は,「国益」の名の下に,以下に述べるとおり多くの憲法上の諸権利を侵害するものであって,到底容認できるものではない。
2 「知る権利」に対する不当な制約
  同法案は,行政機関が①国の安全,②外交,③公共の安全及び秩序の維持の分野で「特別秘密」に指定した情報の公開制限を定めるが,かかる「特別秘密」の指定権者は,「特別秘密」を作成・取得する各行政機関とされており,当該行政機関にとって都合の悪い情報を「特別秘密」に指定するなどの恣意的な運用がなされるおそれがある。国政上いかに重要な情報であっても,一旦「特別秘密」に指定された情報は不開示となり,国民の知る機会は奪われ,その結果,憲法上の権利であり,国民主権原理の要請でもある「知る権利」が不当に制約されることとなる。
3 「取材の自由,「報道の自由」,「学問の自由」等に対する不当な制約
  「特別秘密」の定義は不明確且つ広範である上,処罰対象となる「特定取得行為」の概念も不明確であることから,報道機関は,取材活動や報道活動が処罰対象となるか否かを予測できない。さらに共犯処罰規定も設けられているところ,これでは記者が「特別秘密」を保有する取材対象者に秘密を尋ねる行為すら「教唆」や「扇動」として処罰されかねず,報道機関の取材の自由への規制の程度及び萎縮効果は計り知れない。
  また,「特別秘密」の対象には,民間事業者や大学等が作成・取得するものについても含まれているところ,これらの有する情報でも「特別秘密」の指定権者は各行政機関であるから,行政の管理の名の下に学問の自由が侵害されるという危険性もある。
4 罪刑法定主義等の理念に反する
  同法案は,「特別秘密」の概念自体が極めて不明確なままに,その漏えい行為等を処罰対象とするが,これは罪刑法定主義の理念とは到底相容れない。
  また,独立教唆行為についての罰則規定は,基本たる本犯の実行行為がないにもかかわらず処罰するものであり,刑法の基本原則である行為責任主義に明らかに反するものである。
  さらに,共謀行為についての罰則規定は,現行法では例外的に処罰されることとなっている予備・準備行為のさらなる前段階で処罰するものであり,過度の萎縮的効果をもたらすものである。
  その上,罰則についても懲役刑の上限を10年に引き上げることが検討されているが,このような重罰化は,前記の萎縮効果をさらに強めるものである。
5 プライバシー権,思想信条の自由を侵害する適性評価制度
  同法案は,特別秘密を取り扱う者を管理するためとして,住所歴・国籍などの人定事項のみならず,信用状態や外国への渡航歴,懲戒処分歴,犯罪歴などの事項を,本人の同意を得た上で調査し,評価するという適性評価制度の導入を図っている。その調査対象は,取扱者の周辺の者,医療機関,金融機関と広範に及んでいる。
  しかし,このようなセンシティブ情報を行政機関・警察によって収集利用されること自体,重大なプライバシー侵害である。
  さらに,評価基準は非公開とされ,適性評価の判断も実施権者たる各行政機関の長の裁量に委ねられるなど,恣意的な評価がなされる危険性は否定できず,特定の思想信条を持つ者を排除,差別する運用がなされるおそれがある。
6 未だに情報公開制度が十分に機能しているとは言い難い我が国の現状からは,国民の知る権利の十分な保障こそ急務である。
  それに逆行するどころか,憲法上保障されている諸権利を不当且つ多大に制約する秘密保全法案の制定に対し,当会としては,断固として反対する次第である。
                  2012年(平成24年)3月12日
                   福岡県弁護士会会長 吉 村 敏 幸

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