福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2013年6月 1日

◆憲法リレーエッセイ◆ 2013年憲法劇団ひまわり一座公演「しおかぜ亭へようこそ!」

憲法リレーエッセイ

会 員 國 府 朋 江(65期)

4月30日、今年もひまわり一座の憲法劇の公演がありました。私は、今年から女優デビューをさせていただきました。

劇は、「しおかぜ亭へようこそ!」という題名で、1945年8月10日、長崎に原爆投下された翌日に生まれた、しおかぜ亭の女主人ハナを主人公としたものでした。

舞台は、海沿いの町、福島に住む小学生から、手紙が来たというところから劇は始まります。手紙には、震災から2年経ったけれども、まだ家に帰れず、外でも遊べないということが書かれていました。このような福島の子ども達を町に招待してキャンプをしようという企画が持ち上がります。

しかし、町の人々から、放射能の影響はないのか、義援金の方が被災地のためになるのではないのか、町の財政状況からは厳しいのではないのか、といった反対意見が出されます。

そういった折、ハナが倒れます。町の人々は、ハナが長崎に原爆投下された翌日に生まれ、生き残った母共々、差別を受けてきたこと、結婚を許されず、人を好きになってはいけないのではないかと思ったこと、しかし、その後、舞台となっている町にたどり着き、町の人と楽しい毎日を過ごしてきた、というハナの告白を聞き、被爆者がどのような扱いを受けてきたのかを知り、原爆のことや原発のことを自分たちの問題としてもっと考えていかなければならないと考え、福島の子どもたちを町に招待することにします。

このストーリーに、ユリとサクタロウの恋、ケンイチの恋、など恋愛も交えたものになっています。その他にも、たくさんの見どころがありました。キクさんの見事なテキヤの口上、67歳青春真っ盛りのトシオちゃんのオラオラ節、片井さん(古閑先生)の酔っ払いっぷり、三河屋さん(迫田登紀子先生)の驚かされ様、ハナの父親・母親の泣ける回想シーン、伊藤さん(中山先生)の白塗りとエセ関西弁など・・・

ここには書ききれませんが、どのシーンも、練習を重ね、楽しさと悲しみの対比が浮き彫りになるように細かく気を配ったものでした。

最後には、弁護士4名で脱原子力へのメッセージを読み上げ、出演者・来場者が共に9条の歌を歌いました。

私は、初めて演劇をしたのですが、本番が終わった後は、とても爽快感があり、楽しかったです。また、普段、仕事をしているだけでは出会えない人達と一つのものを作り上げていく過程に参加でき、とても良い経験ができました。

ひまわり一座では、毎年公演を行いますので、経験者も未経験者も、演劇に興味があったり、やったことのないことを経験したい方、色んな人に出会いたい方は、是非、ひまわり一座で演劇デビューをしてみませんか?

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