福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2020年4月号 月報

あさかぜ基金だより(1)

月報記事

あさかぜ基金法律事務所 所員 佐古井 啓太(72期)

1 ごあいさつ

このたび、あさかぜ基金法律事務所に入所しました、所員弁護士の佐古井啓太と申します。

出身は中国山地の山村でありまして、高校は岡山、大学は東京、修習は松山と各地を転々としてきました。福岡は、縁もゆかりもないのですが、名古屋や札幌と並ぶ勢いのある地方都市ということで以前から関心があり、この地で弁護士としての第一歩を踏み出せることを大変嬉しく思っています。

2 趣味

私の趣味は旅行であり、週末は、電車や車、バイクなどで、行ったことのない土地によく出かけています。名勝・旧跡だけでなく、商店街やロードサイドのようなその地の生活が垣間見える場所だったり、川沿いの道や峠道など地形の変化に富むような場所だったり、更には"酷"道・"険"道と呼ばれるような通行がなかなかに困難な道路だったりと、いろいろな所を見て回るのが好きです。

松山修習の際は、少ない修習給付金からローンを組んで、125ccのバイクを買い、暇さえあれば愛媛県内を走っておりました。愛媛県は、面積だけ見れば福岡県より少し広いくらい(ちょうど対馬1つ分ほど)なのですが、東西・南北ともに150キロメートルほどある細長い県です。したがいまして、長距離を走ることも多く、原付二種だと高速道路が使えないので、行って帰るだけで一日かかることもあり、なかなかに疲れる趣味でもありました。愛媛県は、多島海である瀬戸内海や宇和海を擁し、海が非常に身近である一方で、西日本最高峰の石鎚山をはじめ峻険な峰々の連なる四国山地が東西を貫き、海のすぐ側まで山が迫るなど、非常にバラエティに富んだ地形をしています。そのため、走っていて楽しい道が多く、とりわけ、標高1,500メートルの高所に広がる四国カルストや、洋上から遥か広島県まで島々を見渡せるしまなみ海道の来島海峡大橋、トンネルの合間から突如として視界に宇和海のあらわれる国道56号の法華津峠、製紙工場の煙突が立ちならぶ三島・川之江の町を一望できる具定展望台など、記憶に残る風景がいくつもありました。

3 あさかぜに入所した理由

私があさかぜを志望したのは、将来は中国山地の故郷に戻って開業することを考えているからです。出身が過疎の村ということもあり、どんどん寂れていく様子を見て、郷里の振興のために何かしたいと思っており、弁護士になるなら、いずれは故郷に帰って地元の人々になんとか少しでも役に立ちたいと考えています。

そこで、司法過疎地で活躍する弁護士を何人も送り出してきた実績のあるあさかぜを志望いたしました。同じような養成事務所はあさかぜ以外にもいくつかありますし、法テラスという道もあります。しかしながら、九州という土地にこれまで縁がなく、一度住んでみたいと思っていたことや、あさかぜを応援してくださっている先輩弁護士から手厚い指導を受けられるという点に魅力を感じたため、そのような事務所の中からあさかぜを選びました。

4 抱負

私があさかぜに入所してから、はや2か月が経ちました。あさかぜの委員会関連の仕事があったり、本稿のようなあさかぜ所員が持ち回りで書いている原稿を執筆したりと、入所前は思ってもいなかった仕事があったりして、なかなか忙しくはありますが、多くの先輩弁護士から事件を紹介していただき、事件処理に追われる充実した日々を過ごしています。この恵まれた環境を無駄にすることのないよう、司法過疎地域でいずれ独り立ちする日に向けて、日々、精進していきたいと思っていますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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