福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2011年8月 1日

◆憲法リレーエッセイ◆「筑後でもがんばっております」

憲法リレーエッセイ

会 員 白 水 由布子(61期)

1.筑後部会概説
私が筑後部会へ登録して2年半が過ぎましたが、筑後部会は部会全体が暖かく、和気あいあいとしていて、非常に居心地が良いところです。2年半の間にほぼ全ての先生と懇親する機会があり、顔と名前が一致するようになりました。どの先生も気さくで優しく、若手にも分け隔て無く接してくださいます。
筑後部会がこのように和やかなのは、懇親会が多く、かつ出席率が高いためです。部会の懇親会だけでも、春と秋のボウリング大会、花見、部会集会、夏の屋形船、ビアガーデン、忘年会がありますし、三庁合同で行う法曹新年会、法曹送別会、法曹協議会もあります。
さらに、毎月のように部会独自の研修企画と懇親会がありますし、それぞれの委員会で暑気払いや忘年会も企画されます...太るわけですね。 さて、このように私が愛してやまない筑後部会ですが、もちろん、飲んでばかりではありません。部会独自で、様々な企画に取り組んでいます。「憲法リレーエッセイ」ですので、毎年5月に行っている憲法講座について紹介させていただきます。

2.昨年までの憲法講座
昨年までの憲法講座は、自民党の新憲法草案を土台に、各条文について、弁護士3名ずつが「護憲派」と「改憲派」に別れてディベートを行う、というものでした。毎回6名のディベーターが必要になりますが、当然、若手に話がきます。1年目であろうが、実行委員でなかろうが、関係ありません。自身の思想とは関係なく、「改憲派」に組み入れられることもあります。拒否権は、形式上しかありません。
私も、「国民の権利と義務」をテーマにした回で「改憲派」に割り当てられ、「憲法の義務規定を明確化して、秩序維持を図るべきだ」とか、「立法も行政も、選挙で公正に選ばれた代表が行うのだから、権力の濫用は想定されない」とか主張して、皆様に誤解を受けました。
ディベート方式の憲法講座では、議論が白熱し、市民の方々にも好評でした。

3.今年の憲法講座
今年の憲法講座は、5月28日に開催されました。テーマは、「子供の成長・発達する権利と子供の貧困」でした。今年は、これまで行ってきたディベート形式を中断し、講演方式としました。政権交代で、自民党の新憲法草案を検討する意味が薄れたからです。
とはいえ、弁護士会主催の「憲法講座」です。外部の方に講演を丸投げするわけにはいきません。そこで、第1部で立教大学の浅井春夫教授に「子供の貧困の現状と対策」について講演していただいた後、第2部で中野和信弁護士に、「人権としての子どもの成長・発達する権利」というテーマで、弁護士の視点から見た子どもの人権について、解説的な講演をしていただきました。子どもを貧困状態にする根本的な問題までよくわかる、非常にすばらしい講演でした。
今年の憲法講座は特に大盛況で、筑後弁護士会館の4階ホールが満席になりました。
実行委員以外の部会員にも、たくさん来ていただきました。職業欄に「自由業」と書かれたり、どう見ても大学生に見える姿で来られたりしましたが、部会は狭いのですぐにわかります。
自分は委員でないから関係ない、ではなく、部会のイベントとして関心を持つ、これも筑後部会の良いところであると思います。

4.最後に
このように、筑後部会でも一丸となって憲法問題に取り組んだりしています。
これからも、筑後部会をよろしくお願いいたします。
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