福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2009年9月号 月報

ITコラム

月報記事

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小山 格(60期)

2回目のコラム担当となりましたが、ITに関する私の周辺環境はほとんど変化しておりません。そこで、今回は、今後導入してみたいことなどをあれこれ考えてみたいと思います。

・ 電子メールのドメイン取得

電子メールのドメインとは、「●●●@・・・・・」で構成される電子メールで@以下の英数字を意味します。最近はドメインも簡単に取得できるようです。ドメインが、事務所名などで構成されていると、やはり見栄えが良い感じがします。というのも、私、仕事の関係で依頼者の方とメールをする機会があったのですが、事務所のドメインが情報流出で問題となった某会社であったため、「このアドレスに送っても大丈夫ですか?」という質問を受けました。ドメイン名とセキュリティなどの安全対策はリンクするものではないのですが、やはり、一般的に使うドメインだと「大丈夫なの?」という疑問を持たれることもあるようです。

・ 送付データのパスワード設定

仕事によっては、wordで作成したドラフト段階の書面などを送付してもらい、こちらが手を入れて返信する場合があります。この場合、依頼者によっては、添付データにパスワードを設定していることがあります。私自身は、メールの宛先を間違えて送信したということはありませんが、メール誤送信の話は良く耳にします。依頼者の秘密を守るという弁護士の立場からしても、積極的にパスワード設定をするべきでしょう。蛇足ですが、複数の弁護士で作り上げた準備書面で、変更履歴を一部残したままで裁判所に提出したことがあります。致命的なミスではありませんでしたが、非常に恥ずかしい思いをしましたので、wordで作成した書面は、「最終版」で印刷するようにしましょう。

・ パワーポイント等の視覚に訴えるソフト

裁判員制度の開始に伴い何かと話題のパワーポイントですが、使いこなせるのであれば、もちろん仕事の幅は広がると思います。もっとも、これらのソフトは、プレゼン等の際に自分で操作して使えるかという問題と資料として作りこめるかという問題があり、弁護士の仕事としては、前者をマスターすれば十分なのではないかと思っています。プレゼン資料や上場企業の投資家向け資料などを作成する方の話を伺うに、作りこみの作業には、一定の専門性に加え、かなりの時間と労力が必要になりますので、自分で作成するのであれば、ほどほどでよろしいのではないかと思います。また、会社によっては、これらの視覚に訴えるソフトからの揺り戻しもあるようです。曰く「説明を受けた気になるが、要点が伝わってこないし、時間と労力の無駄。A4一枚くらいの手元資料で相手を納得させなければならない。」とのことでした。私も、弁論や証人尋問に通じるところがあると考え、多いに共感しています。

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