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福岡県弁会長日記

カテゴリー:会長日記

会 長  羽田野 節 夫
5月24日(水) =定期総会で執行部原案承認=
 会長職を拝命以来、2ヶ月を経過し、7月号の月報が発刊される頃には3ヶ月を経過することとなります。
 執行部にとって5月に開催される定期総会は、執行部発足後最大の難関です。
 去る5月24日(水)ホテルオークラ福岡で開催されました。本人出席は75名でしたが、例年の参加人数(約50名位)より多くの会員に御出席戴きありがとう存じます。
 席上、執行部の最前列に座し、眼光鋭く資料を見詰める高木茂会員による手厳しい発言は、執行部を緊張させ且つ、会場の雰囲気を張り詰めたものにさせるに充分なものでした。高木会員の真剣な発言が、定期総会を格調高いものにして戴いたと執行部一同有難く思っています。会場も従来と異なり、地下鉄沿線のホテルとした工夫により、交通アクセスが容易で会員も出席し易かったのではないかと思っています。総会では、執行部原案が無事、満場一致で承認されました。
=川邊康晴様の記念講演
  「業務に役立つ元気の出る話」=

今回の試みとして、会員にとって「業務に役立つ元気の出る話」をしてもらおうと、定期総会後、役員就任披露パーティーまでの約1時間を、アライアンス・パワー(企業・業務提携)を提唱する川邊康晴様による役員就任記念講演を実施しました。この内容の詳細は別稿に譲るとして、川邊講師の講演により、勇気を得た会員も多かったと思います。
 会場には85名の会員が参加し、増永副会長をコーディネーターとして、進行されました。
=役員就任披露パーティー=
 福岡高等裁判所長官龍岡資晃様や、福岡高等検察庁佐藤賢一様、福岡市長山崎広太郎様外福岡県弁護士会と関係の深い、各界各層の方々約160名、県弁会員124名の参加の下、盛大に恒例の役員就任披露パーティーを開催することができました。
 主任・幹事の諸君や古賀業務事務局長の発案によるパワーポイントを使用しての会長のあいさつは、大概好評でした。
 当日、ごあいさつした話の概要を月報に掲載しますので、参加されなかった会員には、私が内外に示したメッセージを御高覧下さい。
=5月26日(金) 岡山にて日弁連定期総会開催=
 定期総会において、予算決算案が承認され、1つの宣言と3つの日弁連会長声明が可決承認されました。
 弁護士による依頼者密告制度法案(ゲートキーパー問題)に対し、私は、日弁の会長声明は、警察庁に対する密告制度に反対しているが、申告の対象が金融庁に変わった場合はどう対応するのか、福岡県弁は、「警察庁は元より、いかなる国家機関に対しても密告することを反対する」との対応をしているが、日弁もそうすべきではないかと問い詰めました。
 しかし、担当の松坂副会長は、「そんなことは全く想定していないし、想定できない」と紋切型の答弁であって失望感は否めません。
 福岡県弁や、日弁連の定期総会が終了し、新執行部は定期総会で示した課題と私自身が示した所信表明の実現のために、そして、会員の皆様に去来する将来の不安を除去するために、いよいよ、本格的な活動を具体的に開始しています。
=6月3日、4日 執行部合宿=
 6月3〜4日、執行部合宿を実施し、執行部一同は自らの足下を見直しています。
 先ずは、司法支援センターにおける、刑事対応、民事対応、態勢の問題点を検討し、07年問題といわれる「会員の大幅増員問題」について、真剣に議論し、近々、その具体的な対策を提案する所存です。

会務報告〜執行部の7不思議〜

カテゴリー:副会長日記

副会長  増永 弘
 会務報告です。真面目な記事ばかりなので、執行部が連日どのような活動をしているのか、実態が明らかになる話(勿論、笑い話です)をしておきましょう。
1 採点の怪
 執行部員やその関与する長時間の会議は、日常的に少しでも場をなごませようと、会長は駄洒落を良く言います。S副会長が採点し、「ウーン。15点」。しかし、会長は動じません。「エッ。15点もくれるの!」S副会長は100点満点で採点したのに、会長は10点満点で、満点以上の点をもらえたと思っている。司法改革の荒波にもまれ、いろいろな意見も続出の現在の会務。駄洒落をいう余裕があり、しかも、これくらい打たれ強い人でなければ、会長職は勤まらないと、しきり感心する他の執行部員なのでした。
2 深夜の怪
 執行部は泊り込んでの合宿もします。合宿での議論に疲れ、眠りにつけないK事務局長。疲れをいやそうと、少し散歩をして部屋に戻ると、真っ暗な部屋の布団の上で独り言を言い続けるM副会長。「あの人、精神不安定だと思っていたら、やっぱりイッていたのか。ヤバイ。早く寝てしまおう」とK事務局長。次の日の朝、M副会長の隣の布団だった会長にK事務局長はおそるおそる「昨晩、M先生、独り言を言い続けていませんでした」と尋ねた。「アレ。僕の声も聞こえなかった?昨晩は議論の残りなんかを、M君と布団の中でずっと話しよったとよ」と会長。独り言ではなかったと、ほっと胸をなでおろすK事務局長なのでした。
3 境界紛争の怪
 執行部室の各机は全部つながっており、ボーダーレスです。その上に各委員会、各単位会、会務などの決裁文書が、処理しても処理しても山のように積み重なっていきます。ちょっと油断すると、机の上は書類の山。多数の重要委員会を抱えるK副会長の机の書類の山が崩落すると、必然的にM副会長の机になだれ込みます。M副会長「ヒエー。書類に埋もれてしまう。境界侵犯だー」。このように今日も誰かの書類の山が隣の机を侵食している。それくらいの書類と格闘している執行部員なのです。
4 時間の怪
 筑後、北九州選出の副会長は、福岡の会館まで出てくるだけでも多大な負担になります。いつも3分だけ時間に遅れることが多いH副会長。執行部員の噂によれば、実は正確に時間を読んで赤坂駅で降りている。そこから走れば時間どおり。ところが途中で走り疲れて歩いてしまい、ほんのわずか3分だけ遅れることが多くなってしまうのだというのです。自分が小倉や久留米から来るとなると、こんな時間の遅れではすまないだろうなと思う私なのでした。
5 本当の主の怪
 この手の話には、実は本当は裏の主がいてという話がつきものです。弁護士会にもいます。そうです、執行部を支えているのは実は有能なT事務局長、K事務局長の日夜の活動であることは、衆目の一致するところ。そして弁護士会を支えているのは各委員会と委員の皆さんです。執行部の一員となって、本当に痛感しました。
さて、7不思議の5つまで発表しましたが、ちょうど紙面も尽きました。これ以上暴露すると秘密漏洩と言うことで、私が百叩きにあってしまうので、ここらへんでやめておきましょう。
 とにもかくにも、今後も会員の皆さんにご協力をお願いするに当たり、執行部の日常の活動を、違った形でご紹介しました。

会務報告〜4つの会長声明〜

カテゴリー:副会長日記

副会長  小 宮 和 彦
 現在の国会(会期延長がない場合6月18日まで)では重要な法案が目白押しで審議されています。弁護士会として放置できない重大な問題を含んだ法案も多いため、これらの法案に反対する会長声明を連続的に出しました。声明自体は県弁のホームページにアップしています。ここでは声明の概要を紹介します。いずれの声明についても衆参両議院議長、内閣総理大臣、衆参両議院の関係委員会、関係諸機関に送付するとともに記者会見をして執行しました。なお、情勢についての記載は本原稿を執筆している5月22日現在のものです。
【4月10日・未決拘禁法案の廃案を求める会長声明】
 法案の正式名称は「刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律の一部を改正する法律案」で、未決拘禁者に関する処遇を定めています。法案は、代用監獄を存続させながら、その廃止の方向性すら明示していない等の多くの問題点を含んでいます。代用監獄は長年にわたって弁護士会が廃止を求めて運動を展開してきたものです。また、国際的にも、国連の規約人権委員会が2度にわたり廃止に向けた勧告を行い、「ダイヨーカンゴク」という言葉が外国でも通用するほどに問題のある制度として認識されています。声明では、自白の温床となってきた代用監獄を存続させていることを中心に批判をし、同法案を廃案として抜本的な見直しをするよう求めました。
 しかし、同法案は、衆議院法務委員会及び衆議院本会議で可決され、5月22日現在参議院で審議されています。ただ、衆議院法務委員会で、刑事施設の収容能力の増強に努めて被勾留者を刑事留置場(代用監獄)に収容する例を漸次少なくするよう努めることや、取調べの可視化を含めた代用刑事施設制度のあり方について刑事手続全体との関連の中で検討すべきことなどの附帯決議がなされました。
【5月8日・共謀罪の新設に反対する会長声明】
 法案の正式名称は「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高速化に対処するために刑法等の一部を改正する法律案」です。一旦廃案となった法案を修正して提案したもので、当会は以前の法案に対して昨年8月31日に反対の会長声明を出しています。法案の修正内容は、適用対象団体や「共謀」の構成要件を絞り、思想良心の自由侵害や団体の正当な活動の制限をしてはならないと注意規程を設けたことです。しかし、意思形成段階に過ぎない共謀それ自体を処罰の対象にしていることには変わりはなく、対象とされる犯罪の種類も膨大なものです。人の内心を取り締まろうとするものであり、政府に反対する市民団体や労働組合を警察が事前に弾圧することを可能にするものです。また、共謀を立証するものは人と人とのコミュニケーションしかありませんので、盗聴、密告、スパイ強要などが横行するおそれがあります。そこで、このような共謀罪を新設しようとする法案は廃案にすべきであるとの声明を出しました。法案は5月22日現在衆議院法務委員会で審議中です。
【5月11日・少年法等「改正」法案に反対する会長声明】
 この法案は、以前国会に上程して廃案とされたものをそのままの内容で再上程したものです。当会は昨年6月23日に反対の会長声明を出していましたが、再度反対の会長声明を出しました。反対している法案の主要な問題点は、? 14歳未満の低年齢非行少年に対する少年院送致を可能とすること、? 触法少年・ぐ犯少年に対する警察官の調査権限を付与すること、? 保護観察中の遵守事項を守らない少年に対する少年院収容処分を導入すること等です。いずれも可塑性に富んだ少年の特性を無視し、福祉的対応を後退させて、いたずらに厳罰化を図ろうとするもので容認できません。ただ同法案が国選付添人制度を導入している点については一定評価できますが、これもかなり限定的な場合にしか適用されません。そこで、当会としては同法案に反対する声明を出しました。同法案は5月22日現在衆議院法務委員会で審議中です。
【5月11日・教育基本法改正法案を廃案とし、あらためて十分かつ慎重な調査と検討を求める会長声明】
 今回上程された教育基本法改正法案は現行の教育基本法を大幅に改正するもので、新しく制定するに等しい内容となっています。「愛国心」問題については、教育の目標のひとつとして、「伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」と規定されています。また、現行法では「教育は…国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである」(10条1項)と定められていましたが、改正案ではこのような規定は削除され、教育は法律の定めるところにより行われるとだけなっています。さらに現在の9年の義務教育制度も廃止されています。このように大きな改正でありながら、国民に開かれた議論はほとんどなされておらず、与党内の非公開の審議機関で議論され作成された法案が国会に上程されて審議されようとしています。教育基本法は憲法とともに制定され、教育の憲法と言われるほど重要なもので、準憲法的性格を有しています。そこで、拙速な審議をやめて国民に開かれた議論を尽くすために、今回の法案を一旦廃案とした上で、あらためて衆参両議院に「教育基本法調査会」を設置して、改正の要否を含めた十分かつ慎重な調査と討議を求める声明を出しました。同法案は5月22日現在衆議院の特別委員会で審議中です。

福岡県弁会長日記

カテゴリー:会長日記

会 長  羽 田 野 節 夫
会長就任後4月16日から5月15日までの活動と思索について報告します。
1 部会集会について
福岡県弁護士会は、4つの部会に分かれ、各々の部会に自治制度があることは、全国的に珍しい制度です。先にFニュースでも紹介されたことです。明治時代、幕藩体制の名残がある中で出発した代言人組合が、昭和8年、旧弁護士法の制定と共に歴史的事情を考慮して4つの部会(福岡、小倉、久留米、飯塚)に引き継がれています。
4月中旬以降は、その部会集会のラッシュです。
(1)4月20日(木)作間部会長の招集に基づき福岡部会集会が開催され、参加者は僅か19人でした。昨年も同様でした。
部会集会の参加者が少ないこともあって、特に集会でもめることもなく平成17年度決算及び平成18年度予算が承認されました。参加者が少ないことに作間部会長は意気消沈。
(2)4月21日(金)飯塚部会集会。会員10名。私は、県弁の重要委員会(刑事弁護センター運営委員会)への出席のため部会集会には参加できず、その後の懇親会に小宮、作間両副会長と多川、古賀両事務局長と共に参加しました。中村博則部会長を中心に若い会員が力を発揮しています。
(3)4月27日(木)筑後部会集会。会員は木下隆一部会長以下48名。3月末に寺澤真由美会員が弁護士任官のため、名古屋地裁へ赴任し会員1名減。しかし、部会集会には、25名が参加し質疑応答もあって盛況でした。
集会後の懇親会には、事務職員全員と県弁執行部4名(私、作間、増永、多川)が参加し盛会でした。
(4)4月28日(金)北九州部会集会。午後1時から始まった執行部会議で、5月の常議員会と県弁の総会通知の内容確定に時間がかかり、北九州部会集会に少し遅れて参加しました。集会には、福田玄祥元会長や80を超えてなおお元気な岩成重義先生のお顔を久し振りに拝見しました。集会の参加者は50名と盛況で本庁昇格運動にも気合が入っていました。懇親会には、県弁執行部から4名(私、増永、作間、古賀(克))が参加し、事務職員も含め60名を越える人数となり壮感でした。懇親会の席上、県弁の委員会に北九州部会員の参加が少ないことについて、配川前部会長と話をした際、北九州部会員は、部会で独自に開催する県弁の委員会と別途県弁の委員会に参加することが二重の負担となる旨の話がありました。そうであれば、北九州部会独自の委員会の議事内容を県弁の委員会に議事録として提出し、県弁としての一体感と知識の共有化をはかって欲しいと願います。
2 福岡部会集会対策
それにしても、福岡部会を除く他の3部会は、いずれも、会員数に比して4〜5割の会員を集めているが、福岡部会はどうしてこんなに参加者が少ないのか。作間部会長と協議したところこんな実態が判りました。
4月20日福岡部会集会当日、県弁会館には部会集会の時間帯に他の委員会が同時開催されており、会館内には、約60人近くの会員が参集していました。委員会の日程は、前年度の委員会が4月の予定まで決めるが、部会集会は4月に入って決めることからダブルブッキング状態が起こっていたのです。そこで、今後は、来年の福岡部会集会は予め日程を固定しておき、その日の部会集会の時間帯の会館の使用は禁止する方策を来年のために執りました。これで、福岡部会の来年の集会には、人が多数参加できる状態にあります。来年、部会長に立候補を予定している方は平成19年4月20日を福岡部会集会の日と定めましたのでそのつもりでいてください。
3 常議員会の公開について
去る4月19日の常議員会において、常議員会は、県弁会員に対し原則公開とすることを可決承認しました。常議員会の議題については、既に、県弁会員に対し、Fニュース等のメールで事前配信されていましたが、議事内容について常議員会で意見の応酬を聞くためには、常議員会の議長に傍聴許可の事前承認手続きが必要でした。しかし、この手続きは煩わしく、これを県弁会員に限って包括承認し、原則として傍聴名簿に署名すれば会議を傍聴でき、資料も閲覧することが可能としました。勿論、会議自体を非公開とすべき議題については傍聴は許されません。早速、5月10日(水)に開かれた常議員においては、5名の会員が傍聴されました。少しでも福岡県弁活動の活性化につながれば幸いです。
4 どんたく参加について
去る5月3日午後4時頃、明治通りを「裁判員制度を支える司法ネットワーク福岡どんたく隊」がどんたくパレードに参加しました。参加者は、県弁の執行部を中心とした弁護士有志(15名)及び検察庁有志(絹川検事正を筆頭に約50名)、弁護士が家族や友人等で集めた約30人、そして市民団体が集めた約40人、そして西南学園高等学校のブラスバンド部員60人の総勢約200名。五月晴れの福博の町を川端から福岡市役所まで約1.5kmを約40分近くかけて練り歩きました。3年後に始まる裁判員制度に対し、市民が関心を寄せてもらうための広報宣伝活動と同制度の司法ネットワークを構築しようとの試みでした。パレードの影響かどうかは定かでありませんが、どんたく報道の後は、新聞各紙で「裁判員制度」の特集が組まれたようです。沿道の市民の注目を浴びてのパレードもいいものですよ!
5 4本の会長声明
執行部発足後、既に4本の会長声明を発しました。一つ目は、4月10日代用監獄を恒常化させる刑事未決拘禁法案反対に関する会長声明。
二つ目は、5月8日、共謀罪新設反対の会長声明。
三つ目、四つ目は、5月11日、「教育基本法の廃案と慎重審議を求める会長声明」及び「少年法改正反対の会長声明」。
いずれも、私と担当副会長が司法記者クラブに赴き、担当副会長が会長声明を読み上げるや会長のコメントを求められることが多く、その内容をよく理解する必要があり、少しも気が抜けません。会長声明後に個別にインタビューを受け、顔写真付きで全国版に掲載されるなどしたため、いよいよ身を引き締めなくてはと思っています。
6 司法支援センターその他
司法支援センターが4月に発足したものの、まだまだ不透明な部分があります。しかし、10月に発足する被疑者国選制を充分に対応するために当番弁護士名簿と被疑者国選弁護名簿を連携させるべきではないかと考えています。
会員各位には、是非従前通り当番弁護士名簿と国選弁護人名簿に御登載願えますように御協力の程を願います。

会 務 報 告

カテゴリー:副会長日記

副会長 小 宮 和 彦
 詳しい会務内容は会長日記にゆずることにして、ここでは私の担当の一つである刑事弁護関係のことを報告します。現在刑事弁護関係の委員会としては、刑事弁護等委員会、刑事弁護センター運営委員会、国選シンポ実行委員会、公的弁護態勢確立PTがあります。公判前整理手続、裁判員制度、9月8日に福岡で開催される日弁連国選シンポジウムの準備など様々な課題がありますが、喫緊の重要課題は今年10月からスタートする新しい国選弁護制度への対応問題です。そこでこの新しい国選弁護制度の概要について報告するとともに会員の皆様に国選弁護を担っていただくようお願い申し上げます。
 ○被疑者国選のスタート
 10月にスタートする新しい国選弁護制度の目玉は何と言っても被疑者国選です。短期1年以上の重罪事件について、被疑者の請求があり、国選弁護人の選任要件(資力のある被疑者については弁護士会への私選弁護人紹介手続を経ることが必要)を満たせば、起訴前であっても勾留決定後からの国選弁護人が選任されることになります(刑訴法37条の2)。いわゆる被疑者国選のスタートです。被疑者国選は平成21年5月までには現在の必要的弁護事件にまで拡大されます。選任要件である資力チェックのために被疑者は資力申告書(簡単な1枚の書面となる予定)を提出しなければなりませんが、資力の基準は現金・預貯金などの合計額が50万円以上かどうかになると言われています。
 ○支援センターによる国選指名
 また被疑者・被告人の国選弁護人の指名等は4月に発足した日本司法支援センターの所管となります(総合法律支援法38条)。したがって裁判所は支援センターに国選弁護人の候補者を指名して通知するように求め、これを受けた支援センターは遅滞なく国選弁護人となることを契約した弁護士の中から国選弁護人候補者を指名し、裁判所に通知することとなります。このため国選弁護人として選任されるためには支援センターとの間で予め契約を締結することが必要です。
被疑者段階の弁護人ですから、国選に選任されたらできるだけ速やかに接見することが求められますが、支援センターに名簿を備えおいて、現在の「当番弁護士+被疑者弁護人援助制度」に似た運用をすることになると思われます。
 ○私選弁護人選任紹介手続
 さらに私選弁護人を依頼したい被疑者・被告人に対して弁護士会が速やかに私選弁護人を紹介する私選弁護人紹介手続もスタートします(刑訴法31条の2)。
 ○即決裁判制度
 それだけではありません。まったく新しい手続である即決裁判制度がスタートします(刑訴法350条の2〜350条の14)。即日判決が原則で、判決では必ず執行猶予の言い渡しをしなければならない裁判です。短期1年以上の重罪事件を除く事件で、事案が明白かつ軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれること、被疑者の書面による同意があること、その他の事情を考慮し、検察官が相当と認めるときに、公訴提起と同時に書面によって申し立てることとされています。必要的弁護事件とされているため国選弁護になることが多いと考えらます。
 ○国選契約締結のお願い
 このように10月から国選制度を中心とした刑事手続が大きく変わります。このため、これに対応できるように準備をしなければなりません。現在最高裁判所規則の整備や支援センターの諸規則の制定などが進められていますので決まり次第会員の皆さんにお知らせする予定です。
 被疑者国選制度を成功させ、被疑者・被告人に対する適正手続を保障するためには、多くの会員が国選弁護制度を担う必要があると思います。そのためには1人でも多くの会員が支援センターとの間で国選弁護人契約を締結することが必要です。今年6月より契約締結が開始しますが、弁護士会でとりまとめる方向で検討していますので、是非国選弁護を担っていただくようお願い申し上げます。

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