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カテゴリー: 会長日記

福岡県弁護士会会長日記

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                         会長 福 島 康 夫(30期)
1 日弁連第22回司法シンポジウム(6月22日)
 今年の最大のイベントである日弁連第22回司法シンポジウムが福岡市のJALシーホークアンドリゾートホテルで開催された。当日の参加者は1243名。これまでのシンポジウムの中で最大規模の参加者になった。参加していただいた当会の会員の皆さんに大いに感謝したい。
 当日の全体会の冒頭の平山正剛日弁連会長の挨拶の後で地元会を代表して私が挨拶に立つことになった。
 ところで,私の挨拶の中に,多重債務者救済対策本部の春山本部長代行の強い勧めで多重債務のテレビCMを会場に流すことにした。「弁護士会は変わる,福岡県弁護士会は先頭きって大きく変わる」ということを視覚的にアピールしようとしたものである。
 テレビCMは挨拶の途中と最後に流したがどうだったであろうか。会場の反応が心配であったが,何とか失敗はせずにすんだようである(なお,このCMは現在,当会のホームページでも動画で見ることができる。ご覧頂いていない方は是非とも参考にご覧頂きたい)。
 今回のシンポジウムは「市民のための弁護士をめざして いま,弁護士,弁護士会に求められるもの」というテーマであり,法の支配を全国津々浦々に及ぼすために,是非とも議論をしておかなければならない問題である。さらに,今年から弁護士の大量増員が始まる中で,私達弁護士自身のアイデンティティーについて議論することは極めて重要である。
 当日のシンポジウムでは,これまで紛争がなく弁護士なんて必要ないと思われていた地域が実は弁護士が着任して以降依頼が急増している報告がなされ,過疎地域のひまわり基金法律事務所の若い弁護士や法テラスのスタッフ弁護士の溌剌とした活躍ぶりが紹介された。偏在,過疎問題といえば,ともすれば空中戦といった感があったが,全国に活躍する若い弁護士の姿は感動的であり,エネルギーを注入された感じがした。
 しかし,他方で弁護士数は増加しているにもかかわらず,それが偏在解消にはつながっていないことも明確になった。成り行き任せでは偏在問題は解消しないことが共通の認識となったと思う。
 弁護士偏在問題は2009年に始まる被疑者国選弁護制度の対応態勢の確立と密接に関係しており,弁護士の大量増員問題とも密接に関係している。その意味で弁護士偏在問題対策はこの2年で目処をたてなければならない緊急課題である。
2 弁護士偏在問題解消のための経済的支援策の試行について
    (7月12,13日)

 7月12,13日の日弁連理事会において,弁護士偏在解消促進のための経済的支援策の試行に関する実施要綱が承認された。弁護士の偏在問題を早急に解消するためにあらゆる形で経済的支援をするというものであり,偏在問題の解消は際限のない弁護士増員要求に対する歯止めになるはずである。もし,本格的に実施するとすれば10億円を超える大事業となるが,これまで眠っていた特別会計を改組すれば会員からの新たな会費負担を求める必要はないという説明であった。今後,この経済的支援策の本格的実施をする場合日弁連臨時総会に付議されることになり詳細についても説明がなされることになると思う。経済的支援策は偏在問題解決のためのメニューの一つである。大きな構想だけに日弁連執行部の意気込みを感じた。
 九弁連管内の偏在問題,当会の中での偏在問題について,大いに意見を交換して早急に対策を立てる必要がある。この1,2年の重要課題である。
3 あらためて2009年問題について思う
 2009年には裁判員制度が実施され,被疑者国選弁護制度が10倍にまで拡大される。裁判員制度も被疑者国選弁護制度もどちらも刑事分野での司法制度改革に関する問題であるが,単に刑事の問題だけではなく,この問題は司法の将来,弁護士会の将来を左右する問題であると思う。裁判員制度が真の意味での市民のための司法になるかどうかはまだまだこれからの問題である。取調べの可視化を含め克服すべき課題は多い。
 また,被疑者国選弁護制度は2009(平成21)年には対象事件は今の10倍以上,年間10万件にも達することになる。しかし,現在のように偏在問題が解消できない限りは被疑者国選弁護制度の対応は不可能である。偏在問題の解消は特に,被疑者国選弁護制度の対応態勢が確立できるかどうかという問題と密接に関係している。この被疑者国選弁護事件をやりとげることができて,初めて弁護士大量増員問題にも堂々と意見がいえることになると思う。
 今,2009年に向けて全力をあげて準備をすることが最大かつ緊急の課題である。残すところ2年足らずである。精一杯行動するしかないが,やりがいもあると考えたい。これから2009年まで,日弁連全体にとってターニングポイントの年である。
4 情報の共有化のために工夫していること
 本年度の会務執行方針の一つとして情報の共有化を掲げた。700名を超える大きな会となった当会としては,特に会員全員の情報の共有化が不可欠である。そこで,従来からの月報の他に,ホームページ(大石副会長担当)週1回発信のFニュース(吉岡副会長,徳永響業務事務局長担当)でなるべく多くの弁護士会の情報を頻繁に発信することにしている。
 また,執行部内部でも情報の共有化を重要視し,このために執行部全員が工夫している。
 執行部会議は毎週月曜日の午後2時から5時30分頃まで何十という議題について意見を交換し結論を出している。常議員会のある日は別途執行部会議を12時から午後3時迄している。毎月輪番制で副会長が司会をすることになっている。執行部会議の議事録は大神,徳永響両事務局長が1,2日のうちに作成している。 担当副会長,事務局長は担当の部門の情報について日常はメーリングリストを活用しどんな些細なことでも報告をし,日常的な細かい問題はメールの交換で解決を図っている(現在までのメールは1620通)。
 対外的な折衝については執行部では複数で対応し慎重を期している。一見非効率ではあるが,複数で対応することによって折衝内容をより正確に分析することができると考えているためである。
 常議員会は2ヵ月に3回の割合で午後3時から6時までの予定で開催している。川副常議員会議長の手際の良い進行のお蔭で,密度の濃い議論をしながらこれまでのところ時間厳守を励行している。
常議員会の内容は月報の他に毎回常議員会の直後にFニュースでメール配信をし,ホームページの会員のページに出しているので,チエックしていただきたい。
 また,常議員会は日弁連の理事会の直後に開催するようにして,最新の日弁連の情報を常議員会に反映できるようにしている。日弁連理事会は2日間にわたる12時間以上のマラソン会議であるが,河辺副会長が常議員会で日弁連の動きについての簡にして要を得た報告をしている。月報に掲載しているので是非とも一読頂きたい。

会長日記(4月)

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                       会長 福 島 康 夫(30期)
第1回常議員会と花見
第1回常議員会と花見は4月の第1週目の土曜日とすることが慣例となっています。今年は第1週目の土曜日が4月7日です。 桜は3月20日頃が満開ではないかといわれていましたが,まさか前年度の3月末に常議員会と花見をすることもできず, 全く桜のない中での宴を覚悟していました。ところが,3月末から急激に寒くなり,満開の桜が1週間続いてくれ,予想外に絶好の天気の中で花見ができ幸運でした。 飲み干すコップの中に桜の花びらが入り,ゆったりとした雰囲気の中で桜の風情を感じました。
ところで,常議員会は第1回目から最重要案件2件付議しました。1件は多重債務者救済対策本部の設置の件であり,2件目は福岡高裁, 福岡地裁に対して裁判所の記録謄写の公募制導入を撤回するよう意見書を提出する件です。いずれも活発な議論の結果,原案どおり承認していただきました。
多重債務者救済対策本部の設置の件
昨年度の最後の常議員会で,県弁として相談センターにおける多重債務者の相談を無料化すること, 4月1日から福岡地区と飯塚地区で無料化を実施することが議決されました 本年度の執行部で検討しましたが, この問題は県弁全体で会をあげて取り組まなければならない問題だと考え,対策本部方式で解決にあたることにしました。 なお,無料化に伴う相談センター関連の財政については執行部として責任をもって逐一チエックすることにしています。
挨拶回りで消費生活センターの他多くの地方自治体の市長や商工会議所の会頭と懇談をし,その中で弁護士会がこの多重債務問題について解決にあたることを 話しますと喜んでいただき,広報等の協力を約束していただきました。今,多重債務問題は行政等もこれまでにない最大限の対策を立てようとしています。 今後,関係機関との懇談をして相互に連携する必要性を痛感した次第です。
多重債務者相談を無料化にするということは受任後の法的処理までも無料にするものでないことはいうまでもありませんが, 単に相談料が無料というだけで後の法的処理がいい加減では弁護士会への信頼が一挙に喪失してしまいます。法律の専門家である弁護士が責任をもって 法的処理をしなければ解決は不可能です。法テラスの法律扶助等も最大限駆使して解決にあたる必要があります。更なる研修も不可欠です。
第1回目の対策本部は4月13日に開催し,春山九州男会員を本部長代行に選任致しました。早速,合宿の日程が入り,今後は急ピッチで対策本部の活動が始まります。
今後多重債務問題は対策本部を中心として,消費者委員会,法律相談センター運営委員会,倒産業務等支援センター委員会, 弁護士業務委員会等関連委員会が連携して活動することになります。多重債務者救済問題について会員の皆様の結集をお願い致します。
記録謄写公募制問題
2つ目は福岡高裁,福岡地裁に対して裁判所の記録謄写の公募制導入を撤回するよう意見書を提出する件です。 福岡高裁は10月から福岡地家裁管内の謄写について公募性を導入する予定とのことであり,スーパー等で見かけるコインベンダー式にするということです。 しかし,もし,公募制が導入されることになると本庁,支部を問わず,弁護士若しくは事務員さんが自らコピーに行かなければなりませんが, 全く無駄な手間と労力を強いられることになります。訴訟記録の謄写は訴訟当事者の権利です。公募制の導入は迅速かつ確実な謄写を阻害するものです。 また,記録の秘密保持,改ざんの防止の問題や地域の実情を無視しているという点でも到底認めるわけにはいきません。 弁護士会として会をあげて取り組む必要があり,弁護士協同組合の立場とは別の立場から,公募性導入の撤回を求める意見書を提出することに致しました。
今後,予断を許さない状況ですので,逐次報告をしていくことにしています。
挨拶まわり
会長に就任して最初の仕事が恒例の挨拶回りです。挨拶回りでは限られた時間ではありますが,年度の初めに懇談する機会が与えられますので, その年の弁護士会の活動目標等理解していただくための絶好の機会です。
本年度は県知事選挙等の関係で挨拶まわりを2回に分けて行うことにしました。第1弾を3月26日から4月13日まで3週間をかけて行い,既に156ヵ所を訪問しました。 訪問先は裁判所,検察庁等の法曹関係,県警本部,福岡市,北九州市,久留米市,飯塚市等の地方自治体,マスコミ関係,各地の商工会議所, 各地の消費生活センター,企業,労働団体等です。県内全地域を訪問しました。訪問先は昨年よりも増え,第2弾の挨拶回りもあわせれば170ヵ所以上になると思われます。
本年度は特に[1]多重債務者の相談料の無料化の説明とこれに関連した多重債務問題についての懇談 [2]弁護士の大量増員を見据えた6月22日の司法シンポジウム 「市民のための弁護士をめざして― いま弁護士・弁護士会に求められるもの―」の案内 [3]裁判員制度,取調べの可視化についての懇談を中心に懇談をしていきました。
多重債務者問題は自治体,商工会議所,消費者生活センター等で特に懇談をしました。特に法科大学院等で司法シンポについて懇談をし, 今回のシンポが法曹の大量増員問題を見据えた問題提起であり,非常に重要なシンポであることを力説しました。マスコミ関係には裁判員制度, 特に取調べの可視化等について懇談をしました。訪問先で懇談した時間は短時間でしたが,いずれも次につながる有意義な懇談になったのではないかと思います。
挨拶回りは執行部の最初の仕事です。約160ヵ所の訪問先,しかも多忙な各界のトップと懇談する予約をとることは至難の業です。 当日の時間調整を含めマネージメントを担当した大神総務事務局長,徳永響業務事務局長本当にお疲れさまでした。ただし,まだ,まだ挨拶回りは続きます。
お わ り に
今年も前年度に引き続き会長日記を継続致します。その時々の弁護士会のタイムリーな話題を書き綴っていくことにしますので,一読頂ければ幸いです。1年間よろしくお願い致します。

会長就任のご挨拶

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                          会長 福 島 康 夫(30期)
1.  2007(平成19)年度の会長として当会の運営をになうことになりました。よろしくお願い致します。
3月26日から新執行部の挨拶回りをしています。その中で,私自身あらためて裁判員制度を成功させるためには取調べの可視化を実現しなければならないという実感を持ちました。
今のままの刑事裁判だと,裁判員の前で延々と取り調べ状況について警察官,検察官,被告人を尋問することになります。安価でビデオ装置を導入できるのに,無意味ともいえる審理を続けて長期間裁判員を拘束することは裁判員となって参加される市民の皆さんに対して失礼ではないかとさえ思うようになりました。検察庁はようやく自己の判断で都合のいい部分だけを録画することを試験的に実施し始めました。しかし,都合の良い部分だけの録画では冤罪はなくなりません。鹿児島の志布志事件や北方事件が良い例です。裁判員制度が実施される前に取調べの可視化を実現させましょう。
2.  また昨年10月に法テラスが業務を開始し,半年が経過しました。一方では弁護の自主独立を保ちながら,他方で緊密な連携関係をどのように構築していくのか,具体的運用面も含めて早急に明確にする必要があります。法テラスが業務をしていても中心となって活動するのは私達弁護士であり,誰が助けてくれるわけでもありません。
全国に先駆けて当番弁護士制度を創設した当会としては被疑者国選弁護制度を何としてでも成功させなければなりません。皆さんの更なるご協力をお願い致します。
3.  今年から法曹の大量増員問題が始まります。今年は修習修了者が2500人にも達します。このような中で最もタイムリーなシンポが福岡で開催されることになっています。
 来る6月22日(金)に「市民のための弁護士をめざしてーいま弁護士・弁護士会に求められるものー」というテーマでシーホークホテルで開催されます。
 過去,日弁連のシンポには大きな歴史的な転換点となったシンポがありました。前回の1992(平成4)年の福岡での司法シンポは司法改革の大きな転換点となる歴史的なシンポになりました。今回の福岡での司法シンポも歴史的な転換点になるものと確信しています。今回のシンポが法曹の大量増員問題を見据えた問題提起です。
 今回のシンポは弁護士の大量増員問題の基本的な認識を共通にするという意義を有しています。皆さんの司法シンポへの積極的な参加をお願い致します。
4.  ところで,2006(平成18年)度,当会では多重債務者の救済は人権救済だという観点から法律相談センターにおける多重債務者の法律相談を無料化することを決定しました。そして,4月1日から福岡,飯塚で先行して無料化を実施することになりました(北九州,筑後は準備が出来次第追って実施するということになっています)。
 多重 債務が原因での自殺者が年間8000人と言われており,今後ますます社会問 題化する様相を呈しています。私は2007年(平成19年)度は会をあげてこの多重債務者問題の解決にあたらなければならないと思います。なお,法律相談センターの財務状況については執行部として十分に注視していくことにしており,今後,逐次ご報告をしたいと思っています。
5 今年は選挙が目白押しの状況です。政治情勢がどうなっていくのか私達弁護士会の活動にも大きく影響があるかもしれません。この他にもたくさんの問題がありますが,会員の皆さんとの間でなるべく多くの情報の共有化を図ることが最も重要だと思っています。
全力を尽くしますので,よろしくお願い致します。

福岡県弁会長日記〜6月中旬から7月中旬の会務活動

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会 長  羽田野 節 夫
1.6月中旬より、第60期司法修習生を迎えて!
去る6月23日、第60期司法修習生(103人の修習生合同開始式が開催された。
従来60人位だった修習生がついに100人の大台を超えた。
福岡地裁簑田所長、福岡地検絹川検事正についで、福岡県弁会長として概略次のような話をした。
(1) 諸君のこれからの1年数ヶ月は、まさに実務修習という習いごとをする時期である。
習いごとと言えば、世阿弥が開いた「能」という芸能の世界で「守」「破」「離」という言葉がある。
・守は、型を守ること
・破は、型を破ること
・離は、型から離れて、独自の境地を作ること
今、諸君は、「守、破、離」の守の時を過していることとなる。
守の型を守るということは、我々法律の世界で言えば、基本となる原理原則をしっかりマスターすることである。そのためには、最初が肝心。人との接し方、礼儀作法が大切です。我々法曹、とりわけ弁護士は、人との信頼関係を構築して、初めて、有利不利を問わず全ての事実を明らかにしてもらえることとなる。初対面の方に、無礼、無作法に及んだり、尊大に振舞えば、依頼者との信頼関係が築けない。どうか礼儀を弁えることを肝に銘じて欲しい。
(2) 何事にも好奇心を持つことが大切。
昔、私共が学生時代に、「ベトナムに平和を市民連合」の代表者だった作家の小田実氏は、若い頃、「何でも見てやろう」という気持でいろんなことに好奇心をかきたて、それが肥やしになったとのことでした。
(3) 最後に、諸君は「何故法曹になりたいのか」という動機付け(モチベーション)を今一度考えなおして欲しい。そのモチベーションを高めて、高い志を持続させることが、諸君を大成させることとなる。
その後、7月7日、当会主催の修習開始式を経て、修習生歓迎会を開催したところ、総勢200人を超える会員らが集まり、盛況だったが、個々の修習生の顔が見えなくなる嫌いがある。
2.裁判員模擬裁判を傍聴!
(1) 7月1日(土)、福岡のロースクール生を対象とした裁判員模擬裁判が福岡高裁裁判官を中心として開かれた。なるべく多数の裁判員に関与させる趣旨で、裁判の合議体を三班作り、各々裁判長を高裁の刑事部総括が勤めた。事案は、これまでも何度か題材となった、スナック入口前の殺人未遂事件。橋山弁護人の活躍も空しく、三班とも有罪となった。終了後の座談会の席上、ロースクール生に対し「裁判員になれと言われたらなりたいですか?」との質問に15人中13人が「なりたくない」と答えたため、龍岡高裁長官はショックを受けたと感想を述べておられた。
(2) 7月4日(火)〜6日(木)と三庁合同の裁判員模擬裁判が新しい事件(共犯者による強盗傷害事件)によって実施された。弁護人役は3人。安武雄一郎会員と中原昌孝会員(新人)と裁判官による3人の弁護体制だった。
事案は、刑訴法321条1項2号書面の所謂、特信性が問題となる事案で、裁判員には少し難しかったと思われる。安武主任弁護人の無罪主張は、前掲書面が採用された時点で終えた。
終了後の座談会では、裁判員の服装が問題となり、裁判終了後、裁判員の顔が特定されないためにも裁判員用の何らかの法衣があった方が良いのではとの意見が出されていたのが印象的である。
3.健康がなにより!
会務活動は、膨大な資料に眼を通す必要があり、勢い、読み残しを資料としてカバンに詰め込み、事務所と会館を往来する。資料が多くなるにつれカバンも大きくふくらみ重くなる。重いカバンを持って私の事務所から会館まで往復するのが苦痛となり、ついつい車で通勤することとなり、運動不足となる。夕方は、何かと、やれ歓迎会だ、懇親会だと宴会が重なり、ついつい度が過ぎて健康を害する悪循環を積み重ねる。
この原稿を書いている頃(7月10日夕方頃)、訃報を受け、衝撃が走った。日弁連事務次長の矢澤昌司弁護士(41期)が享年49歳の若さで、くも膜下出血で逝去された。あまりにも痛ましく悲しい知らせである。同氏は、木上勝征先生の下で勤務され、修習時代を含め5年間福岡にいたので、存知あげていただけに悲しみは大きい。今年5月26日岡山で開催された日弁連定期大会での活躍振りが眼に焼き付いている。また、6月上旬頃に御逝去された吉田保徳先生(享年66歳)も一人娘を残して旅立たれてさぞかし無念だったでしょう。
いずれにしても、健康のありがたさを思い知らされる。不健康のスパイラル生活を送っている私自身、矢澤先生や吉田先生の死を無駄にしてはならないと自覚する。 合掌

福岡県弁会長日記

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会 長  羽田野 節 夫
5月24日(水) =定期総会で執行部原案承認=
 会長職を拝命以来、2ヶ月を経過し、7月号の月報が発刊される頃には3ヶ月を経過することとなります。
 執行部にとって5月に開催される定期総会は、執行部発足後最大の難関です。
 去る5月24日(水)ホテルオークラ福岡で開催されました。本人出席は75名でしたが、例年の参加人数(約50名位)より多くの会員に御出席戴きありがとう存じます。
 席上、執行部の最前列に座し、眼光鋭く資料を見詰める高木茂会員による手厳しい発言は、執行部を緊張させ且つ、会場の雰囲気を張り詰めたものにさせるに充分なものでした。高木会員の真剣な発言が、定期総会を格調高いものにして戴いたと執行部一同有難く思っています。会場も従来と異なり、地下鉄沿線のホテルとした工夫により、交通アクセスが容易で会員も出席し易かったのではないかと思っています。総会では、執行部原案が無事、満場一致で承認されました。
=川邊康晴様の記念講演
  「業務に役立つ元気の出る話」=

今回の試みとして、会員にとって「業務に役立つ元気の出る話」をしてもらおうと、定期総会後、役員就任披露パーティーまでの約1時間を、アライアンス・パワー(企業・業務提携)を提唱する川邊康晴様による役員就任記念講演を実施しました。この内容の詳細は別稿に譲るとして、川邊講師の講演により、勇気を得た会員も多かったと思います。
 会場には85名の会員が参加し、増永副会長をコーディネーターとして、進行されました。
=役員就任披露パーティー=
 福岡高等裁判所長官龍岡資晃様や、福岡高等検察庁佐藤賢一様、福岡市長山崎広太郎様外福岡県弁護士会と関係の深い、各界各層の方々約160名、県弁会員124名の参加の下、盛大に恒例の役員就任披露パーティーを開催することができました。
 主任・幹事の諸君や古賀業務事務局長の発案によるパワーポイントを使用しての会長のあいさつは、大概好評でした。
 当日、ごあいさつした話の概要を月報に掲載しますので、参加されなかった会員には、私が内外に示したメッセージを御高覧下さい。
=5月26日(金) 岡山にて日弁連定期総会開催=
 定期総会において、予算決算案が承認され、1つの宣言と3つの日弁連会長声明が可決承認されました。
 弁護士による依頼者密告制度法案(ゲートキーパー問題)に対し、私は、日弁の会長声明は、警察庁に対する密告制度に反対しているが、申告の対象が金融庁に変わった場合はどう対応するのか、福岡県弁は、「警察庁は元より、いかなる国家機関に対しても密告することを反対する」との対応をしているが、日弁もそうすべきではないかと問い詰めました。
 しかし、担当の松坂副会長は、「そんなことは全く想定していないし、想定できない」と紋切型の答弁であって失望感は否めません。
 福岡県弁や、日弁連の定期総会が終了し、新執行部は定期総会で示した課題と私自身が示した所信表明の実現のために、そして、会員の皆様に去来する将来の不安を除去するために、いよいよ、本格的な活動を具体的に開始しています。
=6月3日、4日 執行部合宿=
 6月3〜4日、執行部合宿を実施し、執行部一同は自らの足下を見直しています。
 先ずは、司法支援センターにおける、刑事対応、民事対応、態勢の問題点を検討し、07年問題といわれる「会員の大幅増員問題」について、真剣に議論し、近々、その具体的な対策を提案する所存です。

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