法律相談センター検索 弁護士検索
カテゴリー: 声明

消費者庁関連法成立に関する会長声明

カテゴリー:声明

 2009年(平成21年)5月29日,消費者庁及び消費者委員会設置法,並びに同法関連法案が参議院本会議において全会一致で可決成立しました。
 これらの法律は,これまでの産業育成の行政から消費者のための行政に大きく転換し,また従来の縦割り行政を打破して,消費者行政全般を司る司令塔としての役割を果たす消費者庁を設置するものです。しかも,当初の政府案に対し,衆議院での超党派の修正により,内閣府に独自の組織として消費者委員会が設置され,その独立と権限が強化されています。
 この消費者庁及び消費者委員会は,国の仕組みの変革の基点となるものであり,このような極めて重要な国の組織変更を超党派の合意により断行したことは極めて画期的なことであり,高く評価します。
 当会は,2008年(平成20年)6月18日に強力な消費者行政を一元的に担う組織を造ること,地方消費者行政をより充実させること,違法収益のはく奪等に関する実効的な法制度を導入すること等を求める「消費者行政の一元化と地方の相談体制強化を求める会長声明」を発表しています。今回,会長声明で求めた事項につき,その実現に向けた大きな第一歩が踏み出されたことは,繰り返されてきた消費者被害の防止と救済のための大きな前進であって,心より歓迎します。
 同時に,当会は,消費者庁及び消費者委員会設置法の附則並びに衆議院と参議院の附帯決議で,今後の検討課題とされた、地方消費者行政の充実のために多くの弁護士が相談員の方々とともによりよい解決に向けて努力すること,市民の手による消費者被害の防止のための重要な制度である適格消費者団体の福岡県での設立を支援すること,悪質業者が得ている違法な利益を被害者に回復させることなどの課題について,消費者の権利擁護の立場から積極的に努力を続けていく所存です。
2009年(平成21年)6月4日
福岡県弁護士会
会 長  池永 満

声明(裁判員制度実施・被疑者国選拡大について)

カテゴリー:声明

                       
                会 長 声 明
1 はじめに
  本日、裁判員裁判制度が施行されるとともに、被疑者国選弁護人制度の対象事件枠が大幅に拡大されました。このような刑事司法制度改革の節目にあたって、当会は次のとおり決意を表明します。
2 裁判員裁判の実施にあたって
  主権者である国民が参加する裁判員裁判の審理は、従前、「調書裁判」と批判されてきた事態を脱却して、直接主義・口頭主義・当事者主義に基づく公判中心の裁判を実現する、刑事司法制度改革の契機となるものです。
裁判員裁判が実施されるまでの間に、公判前整理手続における検察官手持証拠開示が拡大されるなどの変化も生じていますが、取調全過程の録画による可視化が実現していないことや集中審理に対応しうるように保釈を原則とする制度的確立がなされていないことなど多くの重大な課題が残っていますので、引き続き被告人の権利擁護のため最大限の努力をしていく必要があります。
  当会は、日本弁護士連合会と連携して、裁判員裁判に対応できる弁護技術を研究し、会員に対する研修にも取り組んできましたが、今後も裁判員裁判における弁護人としての経験交流を行うなど会員の研修を強化し、被告人の権利擁護のためにより一層努力する所存です。
また、裁判員裁判の運用状況について一般市民と当会会員によるモニター制度を実施するなどして情報収集をすすめながら、実際に進められている裁判員裁判の検証を行うとともに、裁判員制度の改革及び運用改善に向けた提言を行う所存です。
3 被疑者国選弁護拡大について
  被疑者国選弁護の抜本的拡大は、刑事手続における被疑者の権利を充分に保障する基本的条件を整えるものであり、捜査の改革を推進する役割をも有するものです。
この制度は、当会が1990年12月に全国に先駆けて当番弁護士制度をスタートさせ、その後、全国の弁護士会が法律扶助協会(現・日本司法支援センター)と連携して弁護士費用がなくても弁護士に依頼できる被疑者弁護援助制度を実施し推進してきた到達点を示すものです。
  当会は、当番弁護士制度をスタートさせて以来どのような地域においても全ての被疑者が弁護人選任の機会を得られるよう、弁護士が少ない筑豊地区へ福岡や北九州地区から弁護士を派遣したり、国選弁護人登録者の拡大などに取り組んできましたが、この制度が被疑者の権利を保障するとともに充実した刑事裁判を実現する前提となることから、当会会員がより一層充実した弁護活動を行えるよう環境整備に力を尽くす所存です。
               2009年5月21日
                    福岡県弁護士会
                       会  長  池   永    満

ストリートビューサービスの中止を求める声明

カテゴリー:声明

                   
                  2008年(平成20年)12月1日
                 福岡県弁護士会 会 長 田 邉 宜 克
 
 本年8月5日から、Google(グーグル)社は、「Street View(ストリートビュー)」機能サービスの提供を開始した。
 これは、東京、大阪など12都市について、グーグル社のホームページ上で、地図の道路上のある地点を指すと、同社が撮影専用自動車で移動しながら撮影したその地点での360度の画像が見える機能で、主要道路に限らず、住宅街の狭い道路をも対象とした広範囲の画像が撮影・公表されている。そのような撮影を意識しない多数の市民が写っており、中には、ラブホテルに入る寸前のカップル、立ち小便をしている男性、路上でキスをする学生等も含まれていた。
 これらは、原則として正面の顔画像はぼかしがかかっているものの、撮影場所が明確に特定できるため、対象者を知っている人には、対象者の特定が可能である。また、顔にぼかしがかけられていない人の画像も散見されるほか、カメラの位置が歩行者の視点より約1メートルも高いため、通常であれば塀によって遮られる民家の中をのぞき見る形式の画像も散見される。
 しかし、わが国においては、公道での様子であっても、個人の私生活上の自由の一つとして、何人も、その承諾なしに、みだりにその容ぼう・姿態を撮影されない自由(プライバシー権の一種である肖像権)を有する(最判昭44.12.24,京都府学連事件判決、東京地判平7.9.27等)。
グーグル社の行為には、撮影の場面において?都市のほぼ全域にわたる広範かつ無限定の多数の市民の肖像を根こそぎ撮影していること、?高い位置からの撮影のため、撮影対象が家屋内にも及んでいること、?事前に公表目的での撮影を行うことを説明していないこと、また、公表の場面において、?問題のある画像を事前に個別チェックしていないこと、?テレビのニュース番組等のように一時的・背景的に映像が流れる場合と異なり、撮影場所が特定できる状態で長期間画像がさらされること、?電子データの特性上、画像が容易かつ半永久的に第三者により2次利用されうるという問題点がある。これらの点を、グーグル社のホームページ自体がきわめて多数の市民の目にさらされる強力な媒体であることと考え合わせれば、プライバシー権侵害の程度は大きい。
これに対し、ストリートビューは、遠隔地の画像が簡単に見られるという便益をもたらすものの、このような多数の市民に対するプライバシー権侵害を強いても仕方がないといえるほどの対立利益があるとは言えない。
 ユーザーの申告によって後から削除する仕組みによっても、すべての被害者が問題画像に気づく保証はなく、また、削除されたとしても2次利用の被害があり得るし、最初からプライバシー権侵害がなかったことにはならない。
グーグル社は、上記?〜?の問題点の抜本的解決を早急に図るべきであり、それができない場合には、このような画像の収集及びサービスの提供を中止するよう強く求める。

伊藤和也さん殺害に対する抗議声明

カテゴリー:声明

                      2008(平成20)年9月2日
伊藤和也さん殺害に対する抗議声明
福岡県弁護士会
会 長 田 邉 宜 克
 福岡市に本拠を置く「ペシャワール会」スタッフ伊藤和也さんが,拉致され,その後,殺害された。
 福岡県弁護士会では,5月23日,憲法9条と国際貢献を考えるシンポジウムを開催し,「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師にご講演いただいたばかりである。中村医師によれば,日本が過去半世紀以上にわたって一度も海外で軍事行動を起こしていないという歴史的な事実が,アフガニスタンの住民に良好な対日感情を育み,日本人であるがゆえ,身体・生命が守られ,無事,活動を進めることができたとのことであった。その体験談から,我々は、日本国憲法の平和主義が,民間の人道支援活動を実質的に支える意義をも有することを改めて認識することができた。
 伊藤さんは,ペシャワール会現地スタッフとして,献身的に農業技術支援に取り組み,アフガニスタンの多くの民衆から,感謝と尊敬を集めていたとのことである。
 伊藤さん殺害の実行犯やその動機の詳細は未だ明らかではない。しかし,いかなる動機であれ,尊い人命を奪う卑劣な行為を許すことはできない。
 福岡県弁護士会は,伊藤さんの献身的な活動とその実績に対し,深い敬意を表し,謹んで哀悼の意を表するとともに,伊藤さんを殺害した卑劣な行為に強く抗議する。そして,伊藤さんの遺志に報い,民間の人道支援活動を支えるためにも,日本政府に対し,日本国憲法の平和主義を全世界にアピールする活動を推進するよう強く求めるものである。
以 上

少年法「改正」法案成立に対する会長声明

カテゴリー:声明

 本年6月11日、参議院において、政府提出にかかる少年法一部「改正」法案が、民主、自民、公明三党により修正されたうえで可決成立した。
 当会は、本年2月13日、法制審議会少年法(犯罪被害者関係)部会が、少年法「改正」要綱(骨子)を採択し、同年3月7日、少年法「改正」案が閣議決定され国会に上程された時点で、同「改正」法案は、少年の健全な育成を目的とするという少年法の理念を没却し、ひいては、社会全体の安全にも悪影響を及ぼすとして同法案に強く反対の意見を表明した。しかも、当会のみならず、日弁連及び全国の多数の弁護士会が、同様の反対の意見表明をしてきたにもかかわらず、十分な審議もなされず短期日のうちに成立に至ったことに対して、遺憾の念を禁じ得ない。
 今回の「改正」法は、国会の審議の過程で、被害者傍聴の要件として、「少年の健全育成を妨げるおそれがない」ことを明記したうえ、12歳未満の少年の事件は傍聴対象事件から除外し、12歳、13歳の少年事件の被害者傍聴については、少年が精神的に特に未成熟であることを十分考慮しなければならないとの修正を施すなど、少年法の理念と目的の重要性に一定の配慮がなされたことは意義がある。
 しかし、被害者による審判傍聴を許すにあたって、予め弁護士付添人の意見を聴かなければならないとし、少年に弁護士付添人がないときは、家庭裁判所が弁護士付添人を付さなければならないとしつつも、その例外を設けるなど不十分な点は否めないうえ、被害者が少年審判を傍聴することに対する根本的な問題点は、依然として払拭できない。
 すなわち、審判を被害者等が傍聴することになれば、精神的に未成熟な少年は、事実に関する自己の率直な意見や心情、気持ちをそのまま発言することを躊躇し、審判に関わる関係者からの少年の問題に迫った更生への働きかけができなくなるおそれがある。また、被害者にとっても、少年審判は心理的な動揺が収まっていない状況で開かれることが多いため、被害者が傍聴する少年審判廷は必然的に非常に緊張度の高いものとなり、上記少年法の理念に基づく審判の実践はおよそ困難となる。さらに、プライバシーの観点から、少年の家庭生育環境や生い立ちなどに遡って非行の原因を掘り下げ、少年の適切な処分を選択するということができなくなる。以上の結果、少年に対して適切な処分が不可能となり、そのことはひいては社会全体の安全にも悪影響を及ぼすことになる。
 当然ながら、犯罪被害者等の権利利益の保護が図られなければならないことは言うまでもないが、この点に関して今なすべきことは、各関係機関が被害者等に対し、2000(平成12)年少年法「改正」で導入された、被害者等による記録の閲覧・謄写(少年法第5条の2)、被害者等の意見聴取(少年法第9条の2)、審判の結果通知(少年法第31条の2)の各規定の存在をさらに丁寧に知らせ、これを被害者等が活用する支援体制を整備すること、さらには、より抜本的に犯罪被害者に対する早期の経済的、精神的支援の制度を拡充することである。
 当会としては、今回の「改正」が再度見直されることを求めると共に,家庭裁判所に対して,少年法の理念を損なうことのないよう,厳格な運用を強く求める。
              2008(平成20)年7月2日
                      福岡県弁護士会
                       会  長   田 邉 宜 克

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.