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カテゴリー: 声明

「政治家の思想・言論の自由を封殺する一切のテロ行為を断固として許さない」会長声明

カテゴリー:声明

2006年(平成18)年9月13日
福岡県弁護士会 会長 羽田野節夫
1、本年8月15日早朝、小泉首相は、国の内外から反対の声が強かった靖国神社への参拝を全国民注視の中で、実行した。
自民党の元幹事長で山形県選出の衆議院議員加藤紘一氏は、かねてより小泉首相の靖国神社への参拝を批判し、終戦記念日の参拝に反対し、当日の小泉首相の行動に対し、マスコミを通じ批判していた。
加藤紘一議員が自己の信念に基づき小泉首相の言動を批判するのは、思想、言論の自由が保障されている現代社会において、政治家として当然のことである。
2、然るに、本年8月15日夕刻、山形県鶴岡市に所在する、加藤紘一議員の実家と事務所が放火により全焼するという事件が発生した。新聞報道によれば、この放火事件は、小泉首相の靖国神社参拝についての加藤紘一議員の批判発言に対して、放火という暴力行為によって抗議しようとした、右翼団体に所属する男性の「政治的テロ行為」であることが明らかになった。
このような政治家の身辺に対するテロ、暴力行為は、それによって、他の政治家や他の諸団体、更には、国民の言論の自由や、政治活動の自由をも牽制し、健全な批判精神は元より、自由な意見発表などの言論活動を萎縮させる効果をもたらし、ひいては、マスコミの報道の自由に対してさえも著しく悪影響を与えるおそれがある。
3、とくに、今や、自民党の総裁が交代し、新政権の発足が予定され、憲法改正が具体的政治日程にのぼっている頃である。
当然ながら、憲法改正問題は、民主主義国家としての我が国最大の政治課題である。
今後、憲法改正の是非が国民の間で自由に、徹底的に論議されなければならない。
このような時にこそ、政治家に対してはもちろん、国民も、マスコミも、等しく、思想、言論、表現、報道の各自由が保障されるべきことは言うまでもない。自由で徹底的な議論や論争によってしか、真に国民の自由と権利を守る憲法は誕生しえないからである。
4、今回のような、政治家の言論をテロ、暴力によって封殺するような行為を断固として許してはならない。
福岡県弁護士会会員一同は、我が国の民主主義を守るためには、憲法で保障された思想、言論の自由、そして、政治活動の自由を絶対に保障すべきものと考える。
今後、再び、思想、言論の自由を封殺する一切のテロ行為を断固として許さない意思を内外に明らかにし、この声明によって、思想、言論の自由、及び政治活動の自由の大切さを強く表明するものである。
以上

例外なき金利規制を政府に強く求める会長声明

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平成18年9月1日
福岡県弁護士会 会長 羽 田 野 節 夫
多様な現在の貧困の原因のうち,高金利が貧困問題の重大な原因であることがかねてから指摘されていた。すなわち,1962年に米国で発表された消費者利益保護に関するケネディ教書において,「消費者の所得を増加させようと努力するよりも,同じ努力をするのならば,消費者の所得をできるかぎり有効に使う努力の方が,多くの家庭の福祉の増進に大きく寄与することができる」とされているとおり,消費者の利益を保護するためには,家計にとって完全な冗費である高金利の支払いを許容し続けるべきではない。ところが,我が国は,未だ高金利を認めているために,2000万人にも及ぶサラ金・クレジット利用者の日々の生活・生存が危機に直面し、経済苦を理由とする自殺者が年間8000人とも言われる事態にあること,国民の健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障すべき生活保護行政においても,高金利を原因とする多重債務問題が大きな問題を投げかけていることを認識できる。
政府与党は、平成18年7月6日、「貸金業制度等の改革に関する基本的考え方」をまとめたが、その内容は、少額短期の貸付や事業者に対する貸付につき特例金利を認める余地を残しているなど、未だ極めて不十分な内容であると言わざるを得ない。
その後金融庁は、貸付金利の上限を引き下げるのに併せ、少額短期の貸し付けについては、上限金利の上乗せを認める方向で検討に入ったと報道されている。当会は、断固としてこれに反対し、改めて社会的・経済的弱者の生存権の保障・救済という観点に立ち、以下の内容を含む例外なき金利規制を政府に強く求めるとともに、今後、多重債務問題に苦しむ市民を行政・司法といった枠にとらわれず,できるだけ広く救済していくために最大限の努力を尽くすことを誓い、ここに声明する。
1.出資法の上限金利年29.2%を、利息制限法で定める年15%から20%の制限金利まで引き下げること。
2.貸金業の規制等に関する法律第43条(みなし弁済)を撤廃すること。
3.「日賦貸金業者及び電話担保金融に対する特例金利」を直ちに廃止すること。
4.少額短期の貸付や事業者に対する貸付も含め全ての貸付について特例金利を認めないこと。
5.保証料・振込手数料については、利息概念に含めること。

北九州矯正センター構想に反対する声明

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2006(平成18)年7月12日
福岡県弁護士会 会長 羽田野節夫
同北九州部会 部会長  横光幸雄
1,当会は、平成7年2月に小倉刑務所敷地に医療刑務所・小倉少年鑑別所(現福岡少年鑑別所小倉支所)・福岡拘置所小倉支所の3施設を移転させるという「北九州矯正センター構想」(以下、「本構想」という)が発表されて以来、一貫して本構想に反対し、対策本部を設置して、様々な活動を展開してきた。その結果、本構想は長期にわたり凍結されたままの状態となっていたところである。
2,ところが、平成16年度に小倉少年鑑別所を小倉刑務所跡地に移転する計画が突然予算化された。そこで、当会は、本構想に反対することとあわせ、当面の問題として少年鑑別所を刑務所と隣接敷地に設置することにより、少年鑑別所に収容される少年に多大な悪影響を及ぼし、少年の健全な育成が阻害されること、少年鑑別所が刑務所と類似した矯正施設であるかのような誤解や偏見を世間に与える事態が生じることなどを理由に、小倉少年鑑別所を小倉刑務所跡地に移転させる構想に断固として反対してきたところである。
3,その後、法務省は、地域住民の反対もあって、一旦着工を延期したものの、地域住民から提出された道路整備等を内容とする要望書の一部を受け入れる形で地域住民の自治会組織である小倉南区自治総連合会の同意を取り付け、平成18年6月7日に小倉少年鑑別所新築工事の入札を実施し、平成19年3月までに完成させる予定で工事を着工しようとしている。
4,しかしながら、法務省は矯正施設である刑務所、鑑別施設である少年鑑別所、無罪の推定の働く未決者の拘置施設である拘置所を併設することの問題点について、抜本的な解決を図る姿勢が全くない。のみならず、地域住民に対して、本構想の全容、特に将来的には本構想に基づき福岡拘置所小倉支所の小倉刑務所跡地への移転計画が存在することについて十分な説明を行っておらず、地域住民の鑑別所移転についての合意形成手続についても重大な疑問があるといわざるを得ない。
5,そこで、当会としては、このような経過を踏まえて、改めて、本構想の撤回及び少年の健全な育成を理念とする少年法の趣旨に反する小倉少年鑑別所の小倉刑務所跡地への移転に断固として反対するものである。
  さらに、当会としては、本構想に基づき近い将来予想される福岡拘置所小倉支所の小倉刑務所跡地への移転にも強く反対し、引き続き本構想の全面的な撤回を求めるものである。
                          以 上

死刑執行の停止を求める会長声明

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2006(平成18)年7月12日
福岡県弁護士会 会長 羽田野節夫
1 わが国での死刑執行は、1989年11月から1993年3月までの3年以上にわたって執行が控えられていた。
 ところが、その後死刑執行が再開され、2005年9月16日までに19回にわたり執行され、その被執行者数の累計は47名に及んでいる。
 しかし、国際的には、1989年に国連総会において採択された死刑廃止条約が、1991年7月に発効しており、2006年6月7日現在、死刑存置国71カ国に対して死刑廃止国125カ国(法律で廃止している国と過去10年以上執行していない事実上の廃止国を含む。)と、死刑廃止が国際的な潮流となっている。その中で、1998年11月5日、日本政府の第4回定期報告書を審査した国連規約人権委員会は、その最終見解において、わが国の死刑制度に関して1993年11月4日に同委員会が表明した懸念事項が実施されていないことにつき重大な懸念を抱いていることを示し、改めて死刑廃止に向けた措置をとるよう勧告している。
 国内的には、1993年9月21日の最高裁判決中の大野正男裁判官の補足意見にて、死刑の廃止に向かいつつある国際的動向とその存続を支持するわが国民の意識の整合を図るための立法施策が考えられるとの指摘がありながらも、十分な議論が尽くされないまま死刑執行が繰り返されてきた。
2 このような国際的な潮流と国内的な状況を踏まえ、とりわけ、現に死刑確定者が収容されている死刑執行施設を備えた福岡拘置所がある当地において、当会は、これまでに、死刑確定者からの処遇改善や再審援助要請といった人権救済申立事件を受理し、同事件処理をとおして、死刑制度の存廃を含めた問題に取り組む必要性を痛感し、より積極的な取組みをするべきであると考えてきた。
 ゆえに、当会は、これまで、数回にわたり、当会会長声明において、死刑執行に対して極めて遺憾であるとの意を表明し、法務大臣に対し、死刑の執行を差し控えるべきであるとの要望を重ねてきた。
 また、当会は、2004年10月7日の日弁連人権大会に向けたプレシンポを九州弁護士会連合会と共に「アジアにおける死刑―死刑廃止の胎動」と題して9月4日に開催し、隣国の韓国及び台湾(中華民国)が死刑廃止立法に向けた確かな歩みをしている事例を紹介し、日本においても死刑廃止を含めた死刑制度の国民的議論の必要性を喚起した。
3 しかしながら、死刑制度存廃につき国民的議論が尽くされないまま、死刑の執行が繰り返されてきた。しかも、これまで国会閉会直後や国政選挙直前あるいは年末など、国会による議論を避け、国民の関心が他に向けられやすい日程で死刑の執行が行われている。
このような状況に照らせば、83名の死刑確定者(2006年6月6日現在)に対し、今後、近いうちに死刑の執行が行われる可能性がある。
 そこで、当会は、法務大臣に対して、今後、死刑の執行を停止するよう強く要請する。
              

薬害肝炎被害の早期解決と肝炎の治療体制整備を求める会長声明

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2006(平成18)年6月28日     
福岡県弁護士会 会長 羽田野節夫
 2006(平成18)年6月21日、全国5地裁(福岡、東京、名古屋、大阪、仙台)に係属している「薬害肝炎訴訟」の初めての判決が、大阪地方裁判所において下された。
 この薬害肝炎訴訟は、血液製剤の投与によりC型肝炎ウイルスに感染させられた原告らが国と製薬企業を被告として、血液製剤を承認し、製造・販売したことが違法であるとしてその損害賠償を求めた訴訟である。
 まず、判決は、血液製剤(フィブリノゲン製剤)の1987(昭和62)年の製造承認につき、「厚生大臣は、より一層の慎重な調査、検討をするどころか、非加熱製剤を加熱製剤に切り替えさせるという方針を立て、あらかじめ申請及び承認時期を定めた上で、極めて短期間に、いわば結論ありきの製造承認を行ったものであるから、安全確保に対する意識や配慮に著しく欠けていたといわなければならない」などと指摘して、原告5人の国に対する損害賠償請求を認容した。
 次に、判決は、1985(昭和60)年、「製薬企業が、製剤の不活化処理について、ほとんど不活化効果がなかった方法に戻し、C型肝炎感染の危険性をより一層高めた」として、原告9人の製薬企業に対する損害賠償請求を認容した。
 その上で、判決は、国及び製薬企業がフィブリノゲン製剤の危険性に関する情報を軽視した結果、原告らが「何らの落ち度がないにもかかわらず、C型肝炎ウイルスに感染し、その結果、深刻な被害を受けるに至った」ことを認めた。そして、高額な治療を受けることが容易でなく、社会の理解がいまだ不十分であるため、肝炎患者が、社会において多大な苦しみを被っていることをも指摘している。
 
 以上から、当会は、国と製薬企業が法的責任に基づき薬害の被害者である原告らを直ちに救済するとともに、全国で350万人ともいわれるウイルス性肝炎患者の被害回復のために、肝炎患者らの訴えに真摯に耳を傾けた上で、治療体制の確立・新薬の開発等の恒久対策を一刻も早く実現するよう求めるものである。

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