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◆憲法リレーエッセイ◆ 憲法市民講座のご報告

カテゴリー:憲法リレーエッセイ

会 員 上 野 直 生(66期)

1 はじめに

去る平成26年7月11日、福岡県弁護士会北九州部会主催の「憲法市民講座」を開催いたしましたので、ご報告させて頂きます。

2 開催の経緯

「憲法市民講座」は、当部会の憲法委員会が企画し、8年前から年2回のペースで開催しています。市民の方々を対象とした公開講座で、各界から講師をお招きし、憲法に関連する課題や問題について学習します。

今回は、「集団的自衛権は必要か~日本をめぐる国際情勢と日本外交を概観しながらの検討~」というタイトルで、シンクタンク「New Diplomacy Initiative(ND:新外交イニシアティブ)」事務局長であり、第2東京弁護士会所属の弁護士でもある猿田佐世氏を講師としてお招きし、講演を行っていただきました。

猿田氏は、アメリカへの留学経験及びニューヨーク州弁護士資格を活かし、ワシントンをベースに日米の議員・学者・報道関係者のサポートを行い、米議員・研究者の紹介や面談・取材設定などを行われています。最近のご活動としては、稲嶺進名護市長の訪米行動(今年5月15日から9日間)を企画し、同行しました。

3 講演内容

猿田氏より、「集団的自衛権行使の是非」及び「閣議決定を通じた憲法解釈変更による集団的自衛権行使容認の可否」という2つの論点について、分かりやすく解説していただきました。

まず、平成26年7月1日に行われた集団的自衛権行使容認の臨時閣議決定以前の、集団的自衛権行使に関する政府見解をご紹介いただいた上で、解釈改憲による集団的自衛権行使容認の問題点について、立憲主義の視点より詳しく解説していただきました。

次に、7月1日の閣議決定の内容を踏まえ、集団的自衛権行使による外交上及び安全保障上の問題点について、アメリカによる湾岸戦争介入などの事例に基づき具体的に説明していただきました。歴史的に見て、集団的自衛権の名の下に、経済大国から中小国に対する軍事行動が一方的に行われたこと、それにより国家間の軋轢が生じたことを顧みる必要があるのではないかとの問題提起がありました。

さらに、猿田氏のワシントンなどにおける活動経験に基づき、日本の集団的自衛権行使に関するワシントンにおける議論状況やアメリカの政治家及び有識者の見解を分析し、その上で、新しい形の日米外交の必要性を説明していただきました。「日本通」として知られる知日派の米議会議員でさえ、今回の集団的自衛権の問題については十分理解しておらず、在沖米軍普天間基地の問題に触れても、「沖縄?そこには2万人くらいは住んでいる?」との返答が帰ってきたというエピソードの紹介もあり、政府や官僚主導による外交のみでは、外交の内容が偏り、質が劣化してしまうのではないかと考えさせられました。

4 参加者のご感想

新聞のイベント欄で告知していたこともあり、講座には約70名の市民の皆様(弁護士20名程度を含む)に参加をいただきました。

参加者からは、「ワシントンから見た日本の集団的自衛権行使容認に対する評価が理解できた」、「政府間レベルの外交だけでなく、市民レベルでの新しい形の外交があることがよく分かった。」等のご感想をいただきました。

5 最後に

参加いただいた市民の方々より、「法律の専門家として、市民の権利を守る先頭に立って欲しい。」、「今後も、弁護士会による憲法市民講座の継続を希望します。」等の声が多数寄せられました。

このような市民の皆様の声により、改めて弁護士が果たすべき社会的責任の重さに気付かされると同時に、次回憲法市民講座開催に向けての大きな励みとなりました。
今後も、市民の皆様と一緒に、日本国憲法についてしっかりと考える契機となる憲法市民講座を継続していきます。会員の皆様もぜひご参加下さい。

給費制本部だより ~7.13札弁市民集会報告~

カテゴリー:月報記事

会 員 清 田 美 喜(66期)

1.はじめに

福岡部会の66期の清田です。会員の皆様には、常日頃給費制の復活を目指す活動への温かなご理解とご尽力をいただいておりますこと、心より感謝を申し上げます。

去る7月13日に、札幌弁護士会主催、日弁連・道弁連・ビギナーズネット共催で行われた、「司法修習生への給費の実現と司法修習の充実を求める札幌集会」に、当会から市丸信敏先生(35期)、髙木士郎先生(新64期)、國府朋江先生(新65期)、石井衆介先生(66期)とともに出席してまいりましたので、ご報告申し上げます。

2.集会の模様

集会当日は、札幌らしからぬ少し蒸した天気でしたが、100名ほどの方が会場に足を運んでくださいました。

集会は国会議員の先生方のご挨拶に始まり、与野党を問わず、地元の先生方から熱のこもったお話がありました。国会議員の本人出席が6名、代理出席が4名、メッセージを寄せられた国会議員が14名、市議会議員の本人出席が1名と、多くの議員の方々から賛同の声を寄せていただくことができました。

また、賛同団体として、道医師会会長、消費者協会専務理事、連合北海道事務局長と、幅広い団体のトップクラスの方々が出席し、激励の言葉を述べられました。

当事者の声として、東京の新65期、札幌の66期2名、北海道出身のロースクール修了生が、それぞれの体験に基づく給費制復活への思いを述べました。

3.集会の特徴

今回印象的だったのは、自らの体験に引き付けてこの問題を語る声が複数聞かれたことです。例えば、議員の方の中で、裕福でない生活の中、ご家族が副業をこなして進学資金を捻出してくださったというご経験をお持ちの先生は、生まれた場所や家庭ゆえに法曹になれない者が生まれることを憂慮されました。また、医師として研修医時代に苦労された経験をお持ちの先生は、自分の生活すらままならなくて人のために尽くせるだろうかと訴えかけられました。

道医師会会長は、「自分が医師になろうとした頃はインターンが終わった後に国家試験を受ける制度になっており、資格もなく稼ぎもないという中途半端な身分を味わった。その頃、司法修習生は給与を受けており、自分たちと随分違うなと思っていた。今、司法修習生の給与が廃止されていることは不条理であると思う。人権を守るためにきっちり仕事をしてもらいたい、そのために経済的裏付けが必要であり、一日も早く給与が復活されることを願う」という深いお話をしてくださいました。また、消費者協会からは、自分たちとともに消費者トラブルの予防解決に取り組む存在であった弁護士に、お金持ちしかなれないようになることは社会全体の損失であるし、民主主義を危うくしかねない問題だという強い危機感が示されました。連合からも、電話相談や、労使交渉の場面で、決してお金になる仕事ではないが、弁護士がともに取り組んでくれると、その存在意義を訴える言葉がありました。

このように、給費制の問題が、単に修習生が給与をもらえなくて気の毒だというものにとどまらず、広く優秀な人材を法曹界に集めるためにも、また市民の権利を守るという法曹のあるべき姿を維持していくためにも、給費制の復活がぜひとも必要だということを列席の方々が深く理解され、ご自身の実感のこもった言葉で語られることに、驚きと、深い感動を覚えました。

4.当事者の声

当事者からも、自らの体験に基づく生の声を聞くことができました。札幌の66期2名は、「一度は家族から経済的援助を断られ進学を諦めたが、頼み込んで援助をしてもらった。経済的理由で進学を諦めようとした時の辛い気持ちを、後輩に繰り返してもらいたくない」「やっと試験に合格して、親に報告できたと思ったのに、続けて連帯保証人になってくださいと言わなければいけなかった」と、それぞれの辛さや悔しさを語り、とても身につまされるものがありました。

現在、今年の試験の結果を待っているという修了生からは、テレビドラマを見て検事に憧れ、司法試験を志したが、貸与制になる以前にもお金がかかることを知って躊躇した、貸与制になった今、インターネット上でも「法曹になるにはすごくお金がかかります」「奨学金などは自分の努力で減らすことができるが、貸与金は避けて通れません」などという言葉を目にするようになり、自分と同じようにドラマを見て憧れた若い人の夢がすぐに潰えてしまうのではないか、この制度は絶対に間違っているという、素朴でまっすぐな怒りの声が上げられました。

後に続く後輩たちのためにも、この運動を何としても成功させようという思いは、私だけでなく、集会の場に集った法曹関係者、来賓の方々の胸にも、きっと強く刻まれたことと思います。

5.リレー集会に向けて

札幌集会の最後に時間をいただき、当会で9月6日に行う給費制復活の市民集会の案内をさせていただきました(写真はそのときの模様です)。

札幌、福岡に続き、仙台、名古屋、岡山と各地で市民集会が行われる予定になっています。

この月報が皆様のお手元に届く頃には福岡集会は終了していますが、一人でも多くの会員の皆様に足をお運びいただき、大成功の裡に終われることを祈ってやみません。
今後も引き続き、給費の復活に向け、皆様の心強いご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

「転ばぬ先の杖」(第7回)「いきなり解雇はまずいでしょ」~企業の経営者・人事担当者の方へ~

カテゴリー:月報記事 / 転ばぬ先の杖

会 員 杉 原 知 佳(51期)

「転ばぬ先の杖」シリーズは、一般市民の方に、「もっと早く弁護士に相談すれば良かったのに」と思って頂く事例をご紹介するシリーズだそうです。

今回は、一般市民の方、特に企業の経営者や人事のご担当者にお読み頂くことを念頭において執筆させて頂きます。弁護士の皆様は、どうぞ、読み飛ばして下さい。

1 働かない課長を解雇

A社には、ほとんど働かず、会社内をいつもウロウロしているB課長(55才)がいました。B課長は、就業時間中、携帯電話で長時間ゲームをしたり、時には、無断で外出することもありました。

2年前に父親から社長業を引き継いだ若社長は、先代社長の時代から長年勤務しているB課長をどう扱ってよいか分からず、社長も、B課長の上司である部長も、B課長に対し、あまり仕事を与えることもせず、注意や指導をすることもありませんでした。

B課長は、勤続年数は長かったので、真面目に働いている若手社員よりも給料は多く受け取っていました。社内では、ほとんど働かないB課長に対する不満が囁かれ、社内の雰囲気も悪化していました。

あるとき、B課長は、いつものように、上司である部長に断ることなく外出し、2時間後に戻ってきました。堪忍袋の緒が切れた社長は、B課長を呼び出し、「お前なんか、クビだ。解雇だ」と解雇を言い渡しました。

その1ヶ月後、A社は、B課長の代理人である弁護士から、「解雇は無効です。これまで通り、毎月の給料を支払って下さい」という内容証明郵便を受け取りました。

2 返事をしなかったら、労働審判を起こされた

A社の社長は、弁護士ではない専門家に相談した上、B課長の代理人である弁護士に返事はしませんでした。

そうしているうちに、A社は、B課長から、「従業員の地位にあることを確認する。毎月の給料を支払え」という内容の労働審判を起こされました。

3 裁判官から「いきなり解雇はまずいでしょ」

A社は、労働審判が起こされたので、ようやく弁護士を探して相談に行き、労働審判の代理人になってもらいました。

労働審判において、A社長は、裁判官から「確かに、B課長が働かないことで社内の人たちが苦労していたことはよくわかりました。でも、いきなり解雇はまずいでしょ」と言われ、解雇は無効であることを前提に、それなりの解決金を支払わなければなりませんでした。

そうなんです。いきなり解雇はまずいのです。横領をしたり、悪質なセクハラをした場合などはともかく、「ほとんど働かない」、「就業時間中にゲームをする」、「無断で外出する」といった状況だけでは、注意・指導することなく、いきなり解雇した場合、裁判所においては、その解雇は無効と判断されることが多いのです。

4 問題社員に対する対応の仕方

会社内に「問題社員」がいる会社は多いと思います。問題社員に対しては、いきなり解雇するのではなく、慎重に対応しなければなりません。

会社としては、問題社員に対して、例えば次のような対応をすることが考えられます。

(1)まずは、問題社員に対しても、他の従業員と同様、仕事を与えましょう。仕事を与えないことが「パワハラ」と言われる可能性もありますし、仕事を与えないと、注意・指導をして改善の機会を与えることも出来ません。(2)問題社員が問題行為をしたら、上司がその都度、注意・指導しましょう。但し、大勢の前で上司が怒鳴ると、後に「パワハラ」と言われる可能性がありますので、注意・指導は余り人目に付かない場所で、冷静にする必要があります。(3)問題社員の問題行為やそれに対する注意・指導については、きちんと記録しておきましょう。(4)場合によっては、問題社員自身に問題行為についての報告書等を提出してもらいましょう。(5)問題行為が繰り返される場合には、「指導書」等の文書で注意・指導しましょう。(6)それでも問題行為が繰り返される場合には、軽い懲戒処分(譴責等)をしましょう。(7)その後も、問題行為が繰り返されて初めて、退職勧奨、解雇を検討することになります。

(以上の手順のうち、状況によって、省略できるものもあります)

5 弁護士の活用

上記のとおり、問題社員に対しては、注意・指導を重ね、改善の機会を与える等、慎重に手順を踏むことが必要です。

弁護士は、訴訟や労働審判になってから代理人として活動することはもちろんですが、それ以前の段階から問題社員の対応等のご相談もお受けしています。
訴訟や労働審判等の紛争にならないように、予防的な観点からも弁護士をご活用いただければと思います。お近くの弁護士又は福岡県弁護士会の各地の法律相談センターにご相談下さい。

◆憲法リレーエッセイ◆ 福岡県弁護士会定期総会決議に対する賛成意見

カテゴリー:憲法リレーエッセイ

会 員 前 田 豊(28期)

1 私の父は19歳の夏、昭和20年8月9日、長崎の爆心地から1.7kmの三菱造船所稲佐製材工場で被爆しました。熱線と爆風で火傷を負い、今も身体にケロイドがあります。私の母は看護婦として佐世保海軍病院諫早分院で被爆者の看護をしました。私が学んだ諫早市長田小学校(当時国民学校)は被爆者の臨時の病院・収容所となりました。中学校の裏手には被爆者の無縁墓がありました。8月8日北九州八幡の空襲のため煙で視界がさえぎられる状態でなければ、8月9日は小倉に原爆が投下されていました。
長崎では約7万人、広島では約14万人(昭和20年12月まで)が死亡しました。沖縄では地上戦で多数の一般市民が死傷し、東京、福岡をはじめ各地の空襲で多数が死傷しました。合計すると一般市民約80万人が死亡しました。
兵士の死亡は約230万人、東京の千鳥ヶ淵には各地で戦死した兵士の数が石碑に書いてあります。ガダルカナル、インパール、中国などで補給を軽視した無謀な作戦が行なわれ、多くの兵士が餓死・病死を含めた広い意味の餓死をして戦死しました。戦死した兵士約230万人のうち約6割が広い意味の餓死であったとの推計もあります(藤原彰「餓死した英霊たち」)。
こうして、一般市民約80万人、兵士約230万人、合計約310万人が死亡し、周辺諸国にはその何倍もの犠牲者を出し被害を与えました。

2 日本国憲法はこれらの尊い犠牲をはらった戦争を放棄するという決意で制定されました。
憲法前文は「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」と規定しています。私は前文のこの部分が憲法の最も重要な基礎であり憲法の源泉であると思います。
憲法第9条は、第1項で、国際紛争を解決する手段としての戦争と武力による威嚇及び武力の行使を永久に放棄し、第2項で、陸海空軍その他の戦力は保持しない、国の交戦権は認めないと規定しました。憲法第9条第2項は戦争放棄のエッセンスであり最も重要なものであると思います。
戦後の変化のなかで、「日本が急迫不正の侵害を受けたときの自衛のため必要最小限度の実力行使は許される。」との政府解釈で、自衛隊その他の制度ができました。それでも自衛隊は戦力ではなく、日本が急迫不正の侵害を受けないときの実力行使は許されず、集団的自衛権は認められず、国の交戦権は認められない、というのがこれまでの政府の方針でした。それが憲法第9条のもとで許容しうる最大限度の枠組みでした。
ところが、安倍首相はこの枠組みを越えて、政府解釈で、「日本が急迫不正の侵害を受けないときでも実力行使が許される。集団的自衛権が認められる。」という読み替えをしようとしています。これは、憲法第9条の下では認められない解釈です。
憲法の立憲主義は権力者の権力濫用を憲法で抑えるというものであり、憲法第99条に公務員の憲法尊重擁護義務が規定されています。憲法第9条を超えて集団的自衛権の行使を認めることは、憲法第99条にも反し、立憲主義にも反するものです。

3 弁護士会が総会決議をすることについてはどうでしょうか。
弁護士法第1条は「弁護士は基本的人権を擁護し社会正義を実現することを使命とする。」と規定されています。弁護士会は強制加入団体ですから会員の考え方は様々ですが、基本的人権擁護と社会正義の実現を大切にするという点では共通であり、弁護士会は、戦争は最大の人権侵害であるという観点から戦争に反対し、立憲主義と恒久平和主義を重要な原則と位置づけてきました。
「解釈による集団的自衛権行使容認に反対する」旨の総会決議は、その観点から意見を表明するものであり、私はこの決議に賛成します。そして、圧倒的な多数の会員の賛成でこの決議が可決されることを希望します。

「転ばぬ先の杖」(第6回)

カテゴリー:月報記事 / 転ばぬ先の杖

法律相談センター委員会委員 甲 木 真 哉(55期)

1 身近にある刑事事件

「刑事事件」というと、多くの皆さんは「自分には関係のない事件」「関係するとしても被害者側だろう」と思われるのではないでしょうか。

しかし、弁護士として法律相談を受けていると、対応を誤ると刑事事件になりかねないケースに当たることがしばしばあります。

そこで、今回の「転ばぬ先の杖」では、身近にあるトラブルで、対応を誤ると刑事事件になりかねないようなケースで、弁護士に相談・依頼したことで大きな問題とならずに解決した事例を、いくつか紹介したいと思います。

2 お酒に酔った上でのトラブル

飲食店などでお酒を飲み過ぎ、酔っ払って周りのお客さんや従業員とトラブルになる・・・。皆さんの周りでも、聞くことのある話ではないでしょうか。

しかし、そこで叩いたり蹴ったりしていれば暴行や傷害罪ということになりますし、物をわざと壊していれば器物損壊罪、相手を脅すようなことを行っていれば脅迫罪に当たります。

やった本人としては、酔っていてよく覚えていないこともあり、「飲みすぎて失敗してしまった」というぐらいの認識でしかなくても、被害を受けた側の受け止め方は全く違うかもしれません。

酔った上でのことではあるので、ちゃんと謝罪なり弁償なりがあれば許すつもりだが、何の音沙汰もないようであれば、警察に正式に被害届を出そう・・・そんな風に考えているかもしれません。

このような場合、早期に対応することが重要です。

実際の相談事例でも、早い段階で弁護士に相談をし、適切なアドバイスを受けて相談者本人が被害者に謝罪や被害弁償を行い、事なきを得たケースもありますし、記憶がほとんどないために本人では謝罪や弁償がしづらいケースで、弁護士が依頼を受けて被害者と示談交渉を行い、無事に示談が成立して刑事事件にはならなかったというケースもあります。

一方で、対応が遅くなって正式に被害届が出され、警察に逮捕された後に、当番弁護士という形で呼ばれたというケースも多いです。

逮捕された本人から話を聞くと、ちゃんと謝罪や被害弁償をしていればこうならなかったと思われるのに、それほどのことでもないと思って対応を怠ったために逮捕されてしまったというような話だったりします。

もちろん、逮捕された後でも、被害弁償を行って不起訴を目指すことができますが、一番いいのは刑事事件にならずに逮捕もされないことです。

何かトラブルを起こしてしまったというときは、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

3 わいせつ事件

強姦や強制わいせつなどの性犯罪は、処罰が重くなっている傾向にあります。

その意味でも性犯罪は重大事件なのですが、男性としては無理やりというつもりではなかったけれども、女性から見ると意に沿わずに性的なことをされてしまった・・・というような顔見知りや友人同士での関係で、性犯罪に問われる事例も少なくありません。

このようなケースは、対応を誤れば、よりシビアな状況になりかねません。

一方で、男性が直接被害者に接触を図ること自体、二次被害を生みかねませんので、きちんと対応をするためにも、第三者、できれば弁護士に間に入ってもらった上で、解決を図るのが望ましいと言えます。

男性側に無理やりしたという意識がなく(故意がなく)、厳密には強姦罪や強制わいせつ罪が成立しないというケースもあるわけですが、女性に対して大きな精神的損害を与えたことに違いはないですし、重大事件ですので刑事事件になったり逮捕されたりすること自体が大変なことです。

「こんなことで刑事事件になるはずがない」などとタカをくくらず、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

4 結語

早い段階で対応したために刑事事件にはならなかった、あるいは対応が後手に回ったために刑事事件になってしまった、というケースは、他にもたくさんあります。

自分は関係ない、自分の家族は関係ない、自分の周りの人間は関係ない・・・そんな風に決めつけずに、トラブルを起こしてしまい、不安が残るようであれば、まずは弁護士にご相談ください。

きっと、あなたの「不安」を「安心」に変えてくれるはずです。

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

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