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カテゴリー: 月報記事

「東日本大震災復興支援対策本部・災害対策委員会報告」

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災害対策委員会 宮 下 和 彦(46期)

平成23年12月18日、天神弁護士センターにおいて、東日本大震災被災者のための説明・相談会~原発賠償を中心として~を開催いたしました。報道関係者等の話によりますと、福岡県内にも福島県からを中心として約200世帯600名を超える方々が避難されているとのことです。また、東京電力の賠償手続が開始されて約3か月が経過し、原子力損害賠償紛争解決センターにおける和解が成立しつつある(報道によると1月10日時点で2件)状況を踏まえて、県内で初めて開催したものです。福岡部会から市丸信敏、坂巻、吉野隆二郎、網谷、佐藤力、後藤富和、中村伸子各会員と私、北九州部会からは池上会員、筑後部会からは青木会員が説明・相談担当として参加しました。参加いただいた先生方大変お疲れ様でした。説明・相談会には午前の部で11人6家族の方々がみえられ、5組の相談がありました。午後の部には7人3家族の方々がみえられ、3組の相談がありました。参加者はほとんどが福島県内からの避難者(警戒区域からの避難者のほか自主避難の方もおられました)で、参加された方々の現在の居住地は福岡市内、福岡市近郊、筑後地方と様々でした。相談内容は原発に関する賠償請求がほとんどで、その他債務整理関連の相談もありましたが、漠然とした生活への不安、東京電力に対するとめどない怒りを訴える方々も多くおられました。あらためて今回の大震災、原発事故の被害の甚大さ、しかも、被害は現在進行形であることを痛感させられました。説明・相談会については、事前に新聞報道もされ、当日午前中には地元テレビ局の取材も入りましたので、社会的にはそれなりの関心も集めたと思うのですが、参加者数については多数であったとまではいえないと思います。原発問題に関する相談・説明会は、今後も定期的に開催したいと考えていますが、今後広報の仕方についてのより一層の工夫が必要だと感じました。

大震災発生から10か月以上を経過して、今後一層東京電力に対する賠償請求も本格化し、原子力損害賠償紛争解決センターへの和解仲介の申立も激増する可能性があります。その場合、当会会員が具体的な請求手続の代理受任や和解仲介の申立の代理受任をすることもあり得ます。東日本大震災復興支援対策本部、災害対策委員会においては、今後とも会員の皆様に対して、震災関連相談、原子力損害賠償請求に関する必要知識やノウハウの情報提供、研修会等を企画していきたいと思いますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。

なお、災害対策委員会では、昨年8月から震災関連、原発賠償に関する勉強会を行っています。1月からは、具体的な原発賠償問題への対応と一般的な震災関連問題とを毎回それぞれテーマを決めて取り上げ、委員に報告してもらう形式で行っています。委員以外の一般の会員の参加も大歓迎ですので、皆様どうぞふるってご参加ください。

シンポジウム 司法改革の光と闇 法曹人口大増員政策の行方

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法曹人口問題シンポジウム準備会 委員 三 山 直 之(62期)

平成23年11月26日(土)午後2時から午後5時30分にかけて、福岡商工会議所において、標記シンポジウムが開催されましたので、その準備会の様子も含め、ご報告いたします。

0 準備会・勉強会
平成13年の司法改革審議会最終意見書から10年を経た本年、3月27日付け日弁連緊急提言が出される等、司法改革の見直し、更なる改善の動きが見られるようになり、全国で法曹人口問題に関するシンポジウムが開催されました。
福岡県弁護士会においても、標記シンポジウムの開催に向けて、本年6月に準備会が設置されました。
また、本年8月以降、外部の方も招き、広く会員向けに告知をした上で、勉強会が開催されてきました。

1 当日-基調報告
当日、小林洋二先生の司会のもと、滞りなくプログラムが進められました。
まず、当会会長吉村敏幸先生から開会の挨拶を頂いた後、石渡一史先生から、基調報告として、法曹人口問題に関するこれまでの経緯報告と論点の提示を頂きました。
設定された論点は、以下のとおりでした。
・ 諸外国との数的比較
・ 弁護士過疎の問題
・ アクセスルートの問題等
・ 職務拡大の問題等
・ 法化社会とは
・ 法化社会と法曹像
・ 法化社会と法曹人口
・ 弁護士像について
・ 法曹人口問題と法曹(弁護士)の質との関連について
・ 法曹の質の問題と資格試験・OJT

2 当日-ディベート
次に、上記の各論点について、森裕美子先生、柴田耕太郎先生、伊藤巧示先生が増員賛成派、松尾重信先生、向原栄大朗先生、桑原義浩先生が増員反対派の立場から、それぞれ意見を戦わせました。
もちろん、ディベートですから、先生方個人としての意見ではありません。
しかし、いずれの先生方も、両者の意見をよく勉強された上で、それぞれの立場から、主張・反論をなさっており、準備会・勉強会の成果を遺憾なく発揮されておられました。

3 当日-パネルディスカッション
その後、前田憲徳先生がコーディネーターを務め、全国消費生活相談員協会九州支部長の井出龍子様、西日本新聞社編集局長の井上裕之様、福岡市医師会理事の原祐一様、エムクラフト・代表取締役の松波徳明様、石渡一史先生によるパネルディスカッションが行われました。
井手様からは、このような問題があること自体あまり一般市民に知られていないのではないかとの問題提起がありました。
松波様からは、「弁護士に頼むというのは、一生に一度あるかないかの経験。質の確保の問題は重要。」との指摘がありました。
原先生からは、教育・質の確保という観点から、医師の世界においてはこれほどの急激な増員というのはあり得ないとの発言がありました。
また、井上様からは、子どもが「弁護士になりたい。」と言える社会でなければならないとの意見を頂きました。
この他、いずれの方々も、多岐にわたる論点について、それぞれの立場から様々な意見を述べられました。それら意見の中には、弁護士同士での議論では必ずしも明らかにならなかったり、重要視されないものであったりするものもあり、極めて貴重なご意見・ご発言を頂けたものと思われます。
また、会場からも、試験制度の問題点に踏み込んだ発言がなされる等、活発な意見交換が行われました。

4 当日-まとめ
最後に、準備会委員長の市丸信敏先生、日弁連副会長の中村利雄先生からまとめの言葉を頂戴し、当会副会長の_橋直人先生から閉会挨拶が述べられました。
当初3時間の予定でありましたが、議論白熱のため30分ほど超過し、盛況のうちに閉会となりました。
中村先生が、ご発言の中でPDCA(Plan→Do→Check→Act)サイクルについて触れられ、検証の必要性を訴えられていたのが印象に残りました。

5 今後について
準備会については、標記シンポジウムの盛況により、ひとまずその役割を終えたということになるかと思います。
しかし、もちろん標記シンポジウムのみをもって法曹人口問題に解決の目途がついたというものではありません。
私が強く感じたことは、この問題は、「あるべき司法とは何か。」を考えるものであるということであり、したがって、・継続的に検証と改善を重ねていかなければならず、・身内の議論に終始せず、広く市民・国民の声を聞かなければならないという点です。
本拙稿が、会員皆様方がこの問題について再考察をするためのきっかけとなれば幸いです。

ITコラム

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会 員 塗 木 麻 美(62期)

今年も後わずか、2011年は未曾有の大震災の年として記憶されるでしょうが、ことIT界においては、スマートフォン元年と位置づけられるかもしれません。
昨年も既にiPhoneは珍しい存在ではありませんでしたが、今年は電車やバスの中で、人々がやや大きめのケータイに向かう様も普通の光景となりました。
ヒトにとっての外部記憶となる機器が、一部の好き者の「ガジェット」としてでなく、完全に市民権を得た感があります。
元祖ガジェット好き(現在は予算難らしく隠遁中)の私の夫に言わせると、「隔世の感、夢の世界まであと少し」といったところのようです。
さて、そんな相方がこれまで蒐集?したモバイル系情報機器は、覚えている限りでも、DataScope(京セラのでかいPHS)、Libretto70、jornada720、WorkPad30J、CLIE、ZaurusSL-C3000、sigmarionIII、ノートPCではvaioPCG-U1、 thinkpadやLet_sNote、Eee PC(ネットブック)、そしてiPad2…(知っている人だけ懐かしんでください)。
さて、これらのうち、いわゆるPalm系の機器は、ご記憶の方も多いかともいます。
Palmは、携帯情報端末(PDA。死語??)の一つです。99年、IBMから日本語版Workpadが出荷され、2000年にはSonyが独自にカスタマイズしたClieを出すなど、一世を風靡しました。形や特徴は概ね現在のスマホに近く、今でも現役で見かけますね。
PalmがそれまでのPDAと違って成功しかけた要因は、「Zen(禅) of Palm」という哲学で、機能をシンプルに絞ったことにあります。白黒画面にスケジュール、メモ帳等といった基本的なアプリケーションで、当時の貧弱な機器スペックでも軽快に動作するものでした(単にアプリ製作の技術力がなかっただけかもしれませんが)。
しかし、ご存じのとおり、Palmは一部好き者のための「おもちゃ」にとどまり、携帯電話の高機能化に伴い、日本からはほとんど姿を消しました。
ところが今年、PDAは一気に「スマホ」という形で復活し、反対にこれまでのケータイを駆逐しかけています。この違いは何でしょうか?
私は(というか相方が言うには)、人が携帯情報端末に求める機能(キラーアプリ)にあったのかと思います。実は人々は情報端末にスケジュールやメモ帳の機能は求めていません。紙の手帳で充分です。それよりも、ネット等への「つながり感」を容易に確保してくれるアプリやサービスを求めていたのではないでしょうか。
情報検索、SNS、Twitter、地図サービス…。情報端末は、単なる召使いではなく、社会への入り口となるスーパー秘書であることが求められているようです。今後は毒舌執事、能面家政婦など進化を遂げていくのでしょうか。
なお、つながり非重視の相方には、キラーアプリは議事録メモのようで、いまだにsigmarionIIIを現役で使っています。

インターネット被害対策110番

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ホームページ委員会 松 尾 重 信(51期)

平成23年12月2日午後1時から午後5時まで、インターネット被害110番を実施しましたので報告します。

ホームページ委員会では、インターネットがらみでのトラブルが多発しているにもかかわらず、インターネットが絡んでいるとなると及び腰になり、法的救済を受けられずにいるケースが多いという認識から、平成17年度よりインターネット被害対策110番と題して、無料電話相談を実施しております。過去の相談においては、ワンクリック詐欺、ワンクリックすらしていない架空請求詐欺、オークション詐欺、ネットによる名誉毀損、ホームページリース詐欺等、当時委員会として想定していた事件も多くありましたが、某通信会社の代理店詐欺、内職紹介トラブル(ないし詐欺)等相談を通じて手口を知るようなものもあり、被害対策弁護団を結成し、解決を得た事案もありました。ある意味ネットが介在すると被害が拡大する傾向にあり、今後消費者委員会等関連委員会と協力体制を作っていく必要もあると思われます。

本年の相談では、事件化に至った相談はなかったものの、ネット上での名誉毀損ないしプライバシー侵害や、パソコンを起動すると特定のサイト(出会い系やアダルトサイト等が多い)を自動的に表示するスパイウェアプログラムに関する相談、迷惑メールの対処法等の8件の相談がありました。もちろん、この中には、パソコンやインターネットの近時動向を知らなければ対応できないような相談もありましたが、相談内容としては、通常の法律相談と同様であるものもありました。

弁護士としてはネットやパソコンが絡むと、知識がないとして敬遠されがちな分野であります。ホームページ委員会では、今後会員へITがらみの事件に対する対処法や基礎知識を提供するための講演を企画していき、会員間で情報を共有していけるようにしていきたいと思います。

「裁判ウォッチング」のご報告

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会 員 中 村 亮 介(63期)

さる平成23年10月19日、福岡地方裁判所において、「裁判ウォッチング」が実施されました。参加者は約50名と非常に多かったです。私はその日の午後の担当で、田畠光一先生、梅津奈穂子先生、和智大助先生、鍋嶋隆志先生とご一緒することとなりました。

まずは、参加者の方々に弁護士会館3階で、裁判に関する簡単な説明のDVDを観ていただいたあと、2つの班に分かれました。
私は、和智先生と鍋嶋先生と一緒に引率をすることになりましたが、鍋嶋先生から、参加者の方々に対して、これから傍聴する事件について簡単な説明をしていただき、その後、法廷へ向かいました。
まず、刑事裁判の傍聴に行きました。参加者のほとんどは、腰縄をまかれ手錠をかけられた被告人を見たということで、参加者のうちの一人の方は、「初めて手錠をかけられた人を見て、とても衝撃を受けました。」とおっしゃっていました。

次に、民事裁判の傍聴に行きました。傍聴前に、鍋嶋先生より参加者に対して「民事裁判を見る前にひと言だけ言っておきますが、民事裁判は、単なる書面のやり取りだけで、内容はよくわからないので、がっかりしないでくださいね。」とのご説明があり、その後法廷へ入りました。
しかし、その日の参加者は強運の持主が揃っていたようで、いざ法廷にはいると、傍聴した裁判は双方とも代理人の就いていない当事者裁判で、裁判官を通じて詳細なやりとりが丁寧になされました。参加者の方々も、「裁判らしい裁判」を見られて満足そうでした。

最後に、民事裁判の証人尋問の傍聴に移りました。この裁判は、請求金額が3億円という裁判で非常に緊張感のある裁判でした。しかし、私達に残された時間は20分ほどしかなく、尋問の途中で時間がきてしまい、仕方なく途中で退廷し、弁護士会館にもどりました。
弁護士会館に戻り参加者の方々にアンケートを書いていただく段になって、ようやく弁護士と参加者の距離も縮まってきました。参加者の方からも、弁護士に対して「(刑事裁判の)あの被告人はこれからどうなるのですか?」など、いくつか質問がありました。
「裁判ウォッチング」の参加者は、これまで裁判所や法廷には縁のない方々がほとんどで、傍聴を自由にできることも初めて知ったという方が非常に多かったのですが、この裁判ウォッチングを通じて、裁判所との距離が縮まったのではないでしょうか。これからも「裁判ウォッチング」を通じて、市民にとって裁判所が少しでも身近な存在になり、気軽に裁判所が利用されるようになることを願うばかりです。

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