福岡県弁護士会 裁判員制度blog

2010年3月 9日

裁判員裁判 傍聴記(その5)


 2月下旬、ある事件の法廷を傍聴しました。
 午後からは、いよいよ証人尋問です。尋問の前に裁判長が検察官と弁護人の双方に注文をつけました。
 「両脇の裁判員から被告人の顔が見えなくならないように、質問するときの立つ位置に気をつけてください」というものでした。
 なるほど、裁判官3人、両脇に裁判員が3人ずつ座っていますので、両端にいる裁判員は、検察官や弁護人の立つ位置によっては被告人の顔が見えなくなる恐れがあります。
 検察官は質問するとき、法廷内が暑いため、背広の上着を脱いでシャツ姿になり、自席から動いて検察官席の脇に立って質問を始めました。気がつくと首から何かぶら下げています。どうやらマイクのようです。そう言えば、中央にある書記官の机の上にはカメラのレンズが見えます。レンズは小さな木の箱に覆われていて、あまり注意を引きません。ただし、裁判長は証人に対して証言は録音録画していますということは述べていました。証人の証言はビデオ取りされ、評議のときに再現できるようになっているのです。
 検察官の質問のあと、弁護人が質問します。双方の質問が終わったあと、いったん休憩します。再開後、裁判体からの質問が予定されていますが、裁判長が促しても裁判員からの質問はありませんでした。
 そこで、次に裁判官2人から、先ほどからの証人の証言の意味を確認するような質問がなされました。(な)

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