福岡県弁護士会 裁判員制度blog

2006年12月 1日

裁判員候補者は2度、書面で辞退申出ができる

 まず、裁判所から12月ころ裁判員名簿を作成したので辞退したいかどうか尋ねる調査票が送られていきます。70歳以上か、学生か、過去5年間に裁判員を経験したことがあるか(もちろん、これはスタートしてから5年間は意味のない規定です)、重い病気にかかっていないか。そのようなことが訊かれます。
 そのうえで、具体的に裁判員裁判の対象裁判が始まると、期日の6週間前ころに質問票が送られてきます。重い病気にかかっていないか、介護や育児で大変ではないか、自分がやらないと著しい損害を生じるような仕事をかかえていないか、というのが質問の内容です。したがって、ここには一時的な辞退希望もふくまれます。裁判所は、書面に書かれている理由がもっともだと判断したときには、呼び出しを取り消します。
 たとえば、決算期に仕事が集中する経理担当者、予定される公判の時期に他人と交代できないような重要な用務のあるときなどにも、呼び出しを取り消すとしています。しかし、単に忙しいというだけでは辞退する正当な理由にならないことは明らかです。
 また、裁判所は、呼び出し状に予定される公判の時期や日数を明示するということですが、果たして公判期日の6週間前(つまり1ヶ月以上も前のことになります)に、そこまでスケジュールが煮詰まっているのか、もし、予定が狂ってしまったときにはいったいどうなるのか、などの不安材料がないわけではありません。
 しかし、いずれにせよ、「忙しい、忙しい」を口にしていた「タコ社長」(「男はつらいよ」)のような人もふくめて裁判員になってもらわないと、このせっかくの裁判員制度は生きてきません。どうぞ、企業も個人も万難を排してご協力ください。(な)

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2006年12月25日

裁判員の参加する法廷は、毎日、連続して開廷

 現在の裁判は、どんなに早くすすめても、せいぜい1週間に1回というペースで進行しています。しかし、裁判員には仕事を休んで参加する市民もいるわけですので、充実した審理であると同時に、できるだけ早く審理を終える必要もあります。そこで、1週間に3日とか4日間、連続して法廷を開くべきだと考えられます。
 また、法廷で見聞した証拠だけで裁判員が判断できるように、裁判官が評議室に証拠書類を持ち帰って検討するようなことはあってはなりません。弁護人は検察官が取調べを要求する証拠書類の取調べに安易に同意すべきではないのです。
 なお、争いのない事実については、合意書面を活用して審理の短縮化を工夫する必要も求められます。(な)

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