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カテゴリー: 月報記事

平成29年6月22日付 「弁護士による行政ホットライン」実施のご報告

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行政問題協議会 委員 稲場 悠介(62期)

第1 はじめに

私個人の話で恐縮ですが、私は特に行政事件に詳しい訳ではありません。

また、事務所事件も行政事件が多いということもありません。

そんな私が、なぜこの委員会に所属しているのかというと、ある行政絡みの集団訴訟事件を手伝ってほしいと事務所の兄弁に言われたからです。それを了承したところ、「じゃあ委員会に委嘱しとくね~。」と言われて、いつのまにか委員になっていたのです。

しかし、冷静に考えると、行政事件について素人同然の私が「行政問題委員会」という堅そうな委員会でやっていけるのか、当初は不安もありました。

「その程度の知識でよく入ってきたね」なんて思われたらイヤだなぁ、とか考えていました。

ただ、結論から言うと、それは杞憂に終わりました。

一応、司法試験で行政法の勉強はしていたので、全く分からないということはありません。むしろ、その知識があれば委員会内の議論は十分に理解できます。

また、委員会の雰囲気も全然堅くなかったです。

誤解を恐れずに言えば、学生時代の部活の部室のような雰囲気といった感じでしょうか。

第2 弁護士による行政ホットラインについて

さて、当委員会の活動の一つに「弁護士による行政ホットライン」という活動があります。

これは、市民の行政に対する苦情や悩みを電話や面談で相談を受ける、というものです。

社会生活の中に行政活動は様々な形で入り込んでいますので、相談内容の守備範囲はかなり広いです。また、相談内容もタフなことが結構あります。

しかし、相談者の話をよく聞いて、しっかりと紐解いていくと、回答の道筋が見つかるものです。よくあるのが、行政に対しては不満だけで、実質は私人間の民事問題の相談であったりすることです。

また、面談相談の場合は、基本的に二人一組で対応するため不安はありません。

電話相談の場合は、性質上、一人で応対しなければなりませんが、他の委員が待機している場所に電話を設置しているので、分からなければ保留にしていつでも相談できます。

新人研修以降、諸先輩方の法律相談に同席する機会は少なくなりますが、このホットラインではその機会が数多く提供されます。

ですから、このホットラインでの相談を受けると、自分の法律相談スキルが凄く上がっていくことが実感できます。

平成29年6月22日は、電話相談が3件、面談相談が1件入りました。

このうち、私は電話相談を2件担当しました。

簡単に内容を説明しますと、自宅敷地外の隣地に勝手に土が捨てられてコバエが出てきて困っているという相談と生活保護に関する相談でした。

いずれも諸先輩方のお知恵を借りながら、上手く対応できたと思います。

第3 行政ホットライン後の対応

この日の相談は事件に結び付くものはありませんでしたが、相談内容によっては事件として受任することもあります。

ホットライン終了後には定例委員会が開催され、その中で本日の相談内容の報告があります。そして、事件として対応すべき案件の場合、有志で継続相談を行ったり、場合によっては事件として受任します。

このときは、事務所を超えた先生方と一緒に事件をすることができるので、普段とは違った経験をすることもできます。何より、一緒に事件に取り組むということは、単なる委員会活動を超えた連帯感を醸成する機会になると思います。

第4 おわりに

当委員会ではホットラインを始めとした行政問題に関する様々な取り組みを行っています。行政法の関連法規は近時改正が相次いでいますので、その簡単な勉強会や各委員が実際に担当した事例報告会等をしています。

行政事件は、行政機関は勿論、国会議員・地方議員またはマスコミなどと協議することもあり、通常の事件とは違ったスケールの大きな展開を感じることもあります。

でも、それは、ホットラインを通じた市民の一本の電話から始まるということもあるのです。

もし、本記事をお読みになって、当委員会の活動に興味を持たれる方がいらっしゃれば、是非当委員会の扉を叩いてみてください。

「部室」でお待ちしています。

「女性の権利110番」のご報告

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両性の平等に関する委員会 糸瀬 真理(65期)

1 はじめに

日弁連が男女共同参画週間に毎年開催している「女性の権利110番」を、当会においても本年6月23日から6月30日に開催しました。「女性の権利110番」とは、離婚や職場における差別など女性の権利一般についての無料電話相談で、福岡県及び福岡市に後援していただいています。また、以前は、各部会の弁護士会館でのみ実施していましたが、平成26年以降は、県内の男女共同参画センターにも共催いただき、各男女共同参画センターでは弁護士と相談員の方が一緒に電話相談に応じています。なお、昨年からは、女性の権利に関する相談に加え、LGBTの方々からの相談も受け付けています。

2 準備

福岡県及び福岡市に後援の依頼をするとともに、昨年共催をお願いした男女共同参画センターに今年も共催を依頼しました。後援及び共催の決定をいただいた後、関係各所や報道機関にチラシを配布しました。例年は、日弁連から送付されるひな形を利用してチラシを作成していたのですが、今年は少しでも多くの方に手に取っていただけるようにと当会独自のチラシを作成しました。その後、6月12日に福岡地方裁判所の新聞記者室で記者レクを行いました。

3 実施

例年、福岡県弁護士会館(以下、「会館」といいます。)では初日に相談を実施しており、午前中に報道機関が取材に来てくださいます。今年も23日午前中にテレビ局3社が取材に来てくださり、相談風景をお昼や夕方のニュースで放映してくださいました。また、26日の午前中には飯塚法律相談センターでラジオカー中継をしていただきました。

私は23日午後の会館担当だったのですが、報道効果もあったのか12件の相談がありました。会館は2回線で実施しているのですが、電話はほぼ鳴りっぱなしで、終了15分ぐらい前からやっと少し落ち着いた感じでした。他の相談箇所もほぼ同じような状況だったと聞いています。

4 おわりに

近年の相談件数は、平成25年43件、平成26年81件、平成27年118件、平成28年81件と推移してきており、今年は120件でした。昨年と比べると、福岡部会内9件、北九州部会内9件、筑後部会内9件、筑豊部会内12件の増加です。件数増加の明確な要因は分からないのですが、電話をかけてきた相談者に、どのような媒体で「女性の権利110番」のことを知ったのかアンケートを実施したところ、テレビや新聞という回答が比較的多く見受けられました。相談件数が多ければ良いというわけではありませんが、せっかく実施するのであれば、やはり多くの方に知ってもらい、相談していただきたいので、来年以降も積極的に広報活動に取り組んでいきたいと思います。

連続シンポジウム「地域で防ごう消費者被害in福岡」が開催されました

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消費者委員会委員 桑原 義浩(58期)

1 連続シンポジウム企画

6月17日土曜日、インペリアルパレスシティホテル福岡で、日本弁護士連合会と福岡県弁護士会の主催による連続シンポジウム「地域で防ごう消費者被害in福岡」が開催されました。この連続シンポジウムは、高齢者に対する消費者被害が増加している中で、被害の予防と救済のためには地域での連携が不可欠であることから、全国各地での開催を目指し、日弁連と各弁護士会とで主催して開催してきているものです。当職も日弁連消費者問題対策委員会副委員長ですが、某N弁護士から参加するかの確認の電話が入るほど、開催前には参加人数を気にしていたようです。結構早めに会場に行ったつもりでしたが、既に満席、椅子を持ち込んでも立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。140名ほどの参加があったようです。

2 基調講演

まず、独立行政法人国民生活センターの松本恒雄理事長から、「地域で防ごう消費者被害−『弱い消費者』をめぐって」と題する基調講演がありました。一言に「消費者」と言っても色々な人々が含まれますが、消費者の中でも特に弱く、傷つきやすい消費者として、高齢者や若年消費者がある、その被害の防止には消費者教育では限界があり、見守りネットワークなどの組織的対応が必要といった内容でした。

3 基調報告

次に、国府泰道弁護士(大阪弁護士会)から、「被害防止の手法と取組について」と題して、訪問勧誘、電話勧誘の被害状況と、その防止のための色々な工夫が紹介されました。シンポへの参加を呼び掛ける電話勧誘はいいとしても、高齢者に電話で勧誘して被害を生むことは、止めさせなければいけません。最近は迷惑電話対策装置も色々と出ています。大阪府警では、受話器を取ると「ちょっとまった!!」との手形POPが立体的に起き上がってくるなどというのもあるそうです。さすが大阪。さらには、訪問販売お断りステッカーを作成し、そのステッカーのある家に訪問勧誘すると条例違反にするような活動もされています(大阪弁護士会のステッカー参照)。これらの活動は、福岡でも取り組んでいきたいところです。

大阪弁護士会のステッカー

4 取組報告

その後は、色々な団体からの取組報告です。列挙していきますと(1)福岡県消費生活センターからの活動報告、(2)最近も投資詐欺事案の摘発を行った福岡県警察の取組、(3)福岡県生活協同組合連合会の篠田専務理事から、見守りネットふくおかの活動について、(4)NPO法人I’サポート新宮の井上理事長から、「あっというまに年をとる、他人事でない後見の話」、(5)苅田町の見守りネットワークと消費者の安全確保についてのご紹介、(6)佐賀大学経済学部経済法学科3年生の皆さんによる消費者教育の取組、そして(7)セブンイレブンジャパンから、「コンビニエンスストア セイフティステーション活動」について。

それぞれに大変興味深い報告でした。佐賀大学の活動は、「Consumer’s Why みんな消費者」というテキストになっていて、これは消費者庁のホームページにも掲載されるほどになっています。食の安全について学んでもらうために人工イクラを作ってみよう、という市民向けの啓発企画も行われています。本物そっくりの人工イクラを知ることで、見た目だけでだまされないことを学ぶものです。実際に受けてみたいなと思いました。

5 福岡で防ごう消費者被害!

このように、各種の団体がそれぞれに、高齢者など「弱い消費者」を守り、救済しようという活動をされていることが分かりました。今後は、その団体同士が横のつながりを持って、連携をしていけば、より大きな活動になっていくものと思います。そして、その運動の盛り上がりから、これを全国規模の活動につなげて、悪質な訪問勧誘、電話勧誘を防止できるような法改正につなげていくことができれば、と思っています。そのスタートの1つとなるシンポジウムでした。

日弁連では、今後も、九州の他県でも開催していくことを考えています。参加確認の電話勧誘を受けることなく、是非、参加してみてください。

共謀罪法の問題を考える緊急シンポジウムのご報告

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情報問題対策委員会委員 一坊寺 麻希(66期)

1 はじめに

平成29年6月15日、「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法(以下「共謀罪法」と略称します。)が成立し、同年7月11日に施行されました。当委員会では、成立した共謀罪法に多くの重大な問題が残ったままであることを広く市民に伝達し、今後、共謀罪法の無限定な運用により国民の権利が不当に侵害されることを防ぐため、共謀罪法成立後間もない同年6月25日に緊急シンポジウムを開催しました。以下、その内容をご報告いたします。

2 共謀罪法とは?

(1) 今一度、共謀罪の内容を振り返ると、共謀罪は(1)「組織的犯罪集団」が、(2)長期4年以上の刑を定める277の犯罪(例えば、窃盗、傷害等)について、(3)犯罪を計画し、(4)犯罪準備行為が行われたときに成立します。

(2) 共謀罪の問題点として、法益侵害の現実的危険性が生じる随分前の段階で処罰対象とするため我が国の刑法の基本原則と相容れないこと、テロ対策と言いながら「組織的犯罪集団」に一般人も含まれうること、対象犯罪が広範である一方で政治家が問擬されうる罪は除外されていること、犯罪準備行為にはATMで預金を引き出すなどの日常的行為も含まれるため処罰範囲を制限できていないこと、「共謀罪」の捜査により監視社会となり国民の表現が萎縮する可能性があることなどが指摘されてきました。

3 内田博文九州大学名誉教授(以下「内田名誉教授」といいます。)の基調講演

(1) シンポジウムでは、まず、内田名誉教授(刑事法学)に「治安維持法と共謀罪」と題して基調講演をいただきました。講演では、治安維持法と「共謀罪」の共通点が示され、治安維持法施行下で生じた問題事例が共謀罪法施行下でも生じうる可能性について指摘がありました。

(2) たとえば、治安維持法制定当時の帝国議会では司法大臣が「思想を圧迫するとか研究に干渉するとかは有り得ない」「善良な国民、普通の学者であり研究者というものに何ら刺激を与えるものでない」(1925年3月11日貴族院本会議)などと答弁していましたが、周知のとおり、治安維持法は一般国民に広く適用され国民の自由を制約してきました。共謀罪法においても、法務大臣は「共謀罪法は一般人に適用されない」と答弁していますが、それと矛盾する答弁がなされるなどしており、一般人に共謀罪が適用される可能性があることが示されました。

また、拡張適用の事例についても具体的にご説明いただきました。治安維持法施行当時、妻が夫のために家事を行うこと、あるいは金銭を用意することは極々自然の行為でしたが、夫が日本共産党中央委員長である場合には「日本共産党の目的遂行の為にする行為」と問擬され懲役2年の実刑判決(昭和8年7月6日題一刑事部判決)が下されることとなり、治安維持法はまさに思想を弾圧する道具として利用されたのでした。

(3) 内田名誉教授は、共謀罪法を監視社会や国民の表現を萎縮させる道具として利用させないためには、第三者機関を設置し、共謀罪法の運用が適正になされているかを常に監視する必要があると仰っていらっしゃいました。

4 パネルディスカッション

(1) その後、内田名誉教授、田淵浩二九州大学教授(専門:刑事訴訟法、以下「田淵教授」といいます。)、当会の情報問題対策委員会の武藤糾明委員長によるパネルディスカッションが行われました。ディスカッションの要旨は以下のとおりです。

(2)共謀罪の問題点は?

田淵:これまでの犯罪は実行しなければ基本的に成立しなかったため犯罪を思いとどまる自由が与えられていた。しかし、共謀罪によりその自由が奪われる。

内田:国民の権利主張活動を妨害するために利用される。

武藤:国民の表現活動が萎縮する。人権侵害を制限する仕組みが存在しない。

(3) 共謀罪の立法過程の問題点は?

内田:中間報告によるのであれば、法務委員会で決議できなかった理由を説明しなければならないがこれをしていない。国会法違反にあたる。

田淵:政府の説明にごまかしがある。パレルモ条約批准のために「共謀罪」が必要と説明されているが「共謀罪」がなくてもパレルモ条約は批准できる。条約はテロ対策のためのものでないのに「共謀罪」はテロ対策と説明されている。

武藤:法案の内容を国民がよく理解できないまま「テロ対策であれば必要」という短絡的な考えのまま進んでしまった。

(4) 今回共謀罪法が成立してしまった原因は?

田淵:研究者声明を出したが、あまり報道されなかった。

内田:以前は与党からも廃案にすべきとの声があったが今回はなかった。メディアも以前は反対したが今回は必要かもしれないという報道が目立った。

武藤:弁護士会は反対運動を継続的にやっていたが、反対運動がメディアで報道されるのは国会に法案が提出されるなど重要な機会に限られた。もっと多くの報道の機会を設けてほしい。

(5) 「共謀罪」の具体的危険性は?

内田:「共謀罪」の摘発には徹底した個人情報の収集が必要。徹底的に個人情報、意思伝達情報が収集されることになる。

武藤:監視社会となり徹底的に個人の行動が分析され個人の持つ思想などが丸裸にされる。

田淵:逮捕が今までよりも前倒し、通信傍受の強化、司法取引により密告が生じる可能性がある。

(6) 捜査機関の権限拡大に対する対抗策は?

内田:第三者機関によって「共謀罪」の運用を監視することが必要。民間の相談窓口が必要。弁護士会に期待。

田淵:任意捜査の限界を制限的に解釈していく必要がある。

武藤:弁護士会として相談窓口を作る必要がある。

(7) 「共謀罪」廃止に向けた取り組みは?

武藤:「共謀罪」の運用の歯止めとなる法制度を作る必要がある。ドイツでは、過去の犯罪を取り締まる警察と未来の犯罪を防止する情報機関が分かれている。また、情報取得について事後通知が必要である。ドイツの制度を参考にすべき。

5 おわりに

共謀罪法は極めて問題の多い法律です。これまで、共謀罪法の成立に反対してきましたが、同法が施行された現在、弁護士会としてやるべきことを考える必要があります。今回、内田名誉教授、田淵教授のお話をお伺いし、反対運動の継続に加えて、不必要な監視、表現の萎縮が生じないように第三者機関や相談窓口の設置に向けての活動を行うべきであると感じました。

当委員会として、今後も継続的に活動を行っていきたいと思いますので、会員の皆様にも是非ともお力添えいただきたくお願い申し上げます。

あさかぜ基金だより

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会員 島内 崇行(65期)

1 はじめに

65期の島内崇行と申します。平成29年5月1日より、長崎県弁護士会から福岡県弁護士会へ登録換えしました。

私は、平成24年12月に弁護士登録し、あさかぜ基金法律事務所において、2年間執務しました。そして、平成27年2月より壱岐ひまわり基金法律事務所所長として赴任し、2年間の任期を終えました。

私が司法過疎地での任期を満了することが出来たことは、一重に、あさかぜ時代に福岡県弁護士会の諸先輩方より賜ったご指導ご鞭撻のおかげ、さらには九州弁護士会連合会のご支援のおかげだと思います。

まずは、この場をお借りして御礼申し上げます。

2 壱岐の島民性ついて

(1) 私は、壱岐に赴任した直後、「壱岐島民は、農耕民族で争いを好まない」という話を、壱岐のある方から伺いました。

私は、赴任したてのころは半信半疑でしたが、任期を終えた今では、十分納得できる言葉です。

(2) まず、2年間の任期のうち、後半1年間は、刑事事件がほぼありませんでした。数えてみたところ、2件です。壱岐では、当番担当日を一月単位で区切り、壱岐ひまわり所長と法テラス壱岐スタッフの2人が、一月毎に当番担当日を交代していました。つまり、2人とも、1年の半分が当番担当日ということになります。それでもなお、受任した件数は2件でした。1年目は、少年事件含めて10件弱ありましたので、驚きの数字です。

そして、事件類型も、ほぼ窃盗(強盗ではない)でした。

(3) また、民事事件も、最初に相談に来る時、相談後に依頼する時、それぞれにハードルがありました。そこには弁護士に相談したことや弁護士に依頼したことを知られたくないという思いがあるようでした。

壱岐は狭い社会で島民間の距離が非常に近い印象です。それ自体は素晴らしく、街を歩くと小中高生が元気よく挨拶してくれたことは、今でも強い印象として残っています。ただ、そういう島ですので、島の皆さんは弁護士に相談したことや弁護士に依頼したことが周りに知られ、わざわざ争いを大きくしていると思われることを、心配しているようでした。

3 弁護士に対するイメージについて

(1) そもそも、なぜこういった不安が生まれるのでしょうか。

(2) それは、やはり弁護士に対するイメージに原因があるのでしょう。相談に来られた方が、「弁護士を間に入れて争いが大きくなることが不安である」というニュアンスの言葉を、口にされていました。

私は、弁護士に依頼することは、争いが大きくなる前に紛争を解決する、紛争を早期に解決するためのものであって、そのイメージとは逆だという説明をしたものです。

(3) 壱岐は、そもそも法律事務所の歴史自体が浅いですから、まだまだ弁護士そのもののプレゼンが必要な土地であって、それは、今後の課題として後任に引き継ぐことになりました。

4 おわりに

弁護士に対するイメージを変えるということは、壱岐のような土地だけでの課題ではなく、私は、福岡での今後の活動においても、そのことを意識しつつ職務に励むつもりです。

改めて、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

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