福岡県弁護士会 裁判員制度blog

2008年2月15日

法廷で目で見て耳で聞いて分かる審理

 引き続き裁判員裁判の審理のあり方についての今 ?幸彦判事の指摘を紹介します。傾聴すべき意見です。(な)
 「裁判員裁判の審理に求められる理念は、『法廷で目で見て耳で聞いて分かる審理』という言葉に尽くされている。審理の改善をめざすすべての努力はまず、この審理の実現に向けられるべきである。
 全国各地で行われている模擬裁判の中には、依然として精密司法、調書裁判を前提としたとしか思えないような実践例を耳にする例すらないではない。施行をわずか1年半後に控えた今、早急に原因を明らかにし、在るべきプラクティスを定着させていく必要があると思われる」
 「いかに分かりやすく話すか、どのようにして裁判員から議論を引き出すか、円滑な議論を実現するためにどのような発言が適切か(適切でないか)といった問題であり、社会心理学やコミュニケーション能力を巡る様々な研究分野に関連する問題と思われる」
 「審理の結果を受けて、実質のある評議をどれだけ分かりやすく、合理的、効率的に進行させて結論に至るかの問題である。『法廷で目で見て耳で聞いて分かる審理』の成果を評議にいかに生かすかの問題といってもよい」

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