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紛争解決センターだより

カテゴリー:月報記事

紛争解決センターあっせん仲裁人候補者 富 永 孝太朗(54期)

私があっせん人として関与し、和解が成立した抜歯治療に関する事案について報告をします。

■申立の内容

申立人が奥歯2本のブリッヂをしていたところ、ブリッヂ部分に食べかすなどが詰まったために、それを除去してもらう目的で相手方の歯科医院を初めて訪れ、ブリッヂを外すだけと思ったところ、事前の説明がないまま奥歯2本を抜歯されたというものでした。

■第1回期日前

申立人の申立書は、手書きの細かい字で10頁以上にわたって事実経過や心情が綴られており、抜歯されたことによる相手方に対する不信感や憤りが強く感じられるものでした。私としては、相手方が応諾してこないのでは無いかと思いましたが、幸いなことに相手方も応諾するとのことでした。相手方からは、「事前に説明をしており、問題があるとは思わないが希望があれば、ほとんど元の状態に戻す」という回答書が提出されました。

■第1回期日

申立人は、期日前に様々な文献を調べたり、他の歯科医師から意見を聞いたということもあり、私の予想よりも冷静な対応でした。申立人としては奥歯2本のうち1本は抜歯も仕方が無かったかも知れないが、もう1本は歯根が残せたかも知れず、抜歯以外の治療を模索したかったとのことでした。相手方院長も医学的には抜歯することには全く問題が無かったけれども、申立人が初めて訪れた患者であり、抜歯をしたことに納得をしていない結果からすれば、説明が必ずしも十分ではなかったという思いは抱いているとのことであり、金銭的解決の余地があるということでした。そこで私から申立人に対し金銭的解決の余地はあるが、相手方は医学的に抜歯することは問題が無いと考えており、必ずしも申立人が期待するような高額な解決金では和解をすることは難しいことを伝え、それを前提に話し合いを進めていくことに了解が出来るか尋ねたところ、申立人も了解するとのことでした。最後に申立人及び相手方に双方同席してもらい、解決するために譲歩できる最大限の金額を互いに次回までに検討して貰うようにお願いしました。

■第2回期日

申立人は、抜歯後、別の歯科医院にて25万円程度の治療費を支払ったことや慰謝料を加えて50万円を希望するとのことでした。相手方は、元に戻すための最大限の治療を行えば16万円程度であり、それに多少の慰謝料を加えることは検討できるとのことでした。私から双方に対し結果的に代替可能な治療を十分に説明せず自己決定権を侵害したと考えられる余地を考慮し、25万円の解決金を支払うという内容にて和解できるか次回期日までに検討して貰うようにお願いしました。

■第3回期日

双方とも私の提示した和解案を承諾してもらい無事和解が成立しました。

申立人からは「この制度を教えてもらって本当に良かった。解決することで前向きに生活することが出来ます」と感謝していただきました。

■事件を終えた印象

あっせん人としては、申立人の心情には共感しながらも、相手方の医学的見解を努めて冷静に説明を行ったことが申立人のADRでの解決意欲を高めたものと思っています。

申立書と回答書だけを見ると和解できる見通しは正直低いと思っていましたが、当事者双方の解決意欲に助けられた印象です。

結果的には、専門性が高いけれども費用対効果として訴訟には馴染まないというADRでの解決が相応しい典型的な事案だったと思います。

給費制本部だより いよいよ最大の山場へ 院内意見交換会(6.3)のご報告

カテゴリー:月報記事

会 員 石 井 衆 介(66期)

1 はじめに

平成27年6月3日、衆議院第1議員会館において、「司法修習生への給費の実現と充実した司法修習に関する院内意見交換会」が行われました。

前回2月18日の院内集会が満席になったことから、今回はより大きな会場を貸し切っての開催でしたが、なんと過去最多の390名の参加者が集まり、盛会となりました。

当会の給費制本部からは、市丸信敏、鐘ケ江啓司、髙木士郎、清田美喜及び私の5名の委員が参加いたしました。さらに、執行部から大神昌憲副会長及び小倉知子副会長のお2人にもご参加いただきました。

以下、意見交換会についてご報告いたします。

2 国会議員の出席状況等

意見交換会には、衆参両院から49名もの国会議員本人にご出席いただきました。代理出席も80名にのぼりました。これらはいずれも過去最多です。さらに、当日までに136通の議員メッセージが寄せられました。

給費制に関する問題意識が、国会議員の中でも勢いを増して広がっていることを、身をもって感じました。

また、意見交換会開催にあたって、2月の院内集会に寄せられた106通のメッセージと今回寄せられたメッセージとを議員の顔写真入りでまとめたものが配布されました。与党からも多くのメッセージをいただいていることから、参加者の方々も運動の盛り上がりを実感されていたように思います。

3 意見交換会の模様

今回の意見交換会では、冒頭、与党の中でのこの問題の最大のキーマンの一人である自民党の保岡興治衆議院議員(党司法制度調査会最高顧問)から、修習生が置かれている困難な状況を理解しており、手当の充実を、司法予算全体を拡大・充実させるとの見地から超党派で取り組んでいく旨の挨拶がありました。また、今回の集会では、与野党の各代表者から、司法修習生に対する経済的支援についてご発言いただくことができました。これは、各国会議員から個別に意見をうかがっていた前回までの集会と比べて、大きく前進した点といえます。

ご参加いただきましたのは、自民党の丸山和也参議院議員(党司法制度調査会会長)、公明党の遠山清彦衆議院議員(党法務部会長)、民主党の小川敏夫参議院議員(元法務大臣)、維新の党の石関貴史衆議院議員(党役員室長)、共産党の仁比聡平参議院議員(法務委員会委員)、社民党の吉田忠智参議院議員(党首)及び次世代の党の和田政宗参議院議員(党政調会長)の計7名です。

「ロースクールまでの奨学金と合わせて1,000万円の借金」という司法修習生の窮状、志願者数激減や合格者数削減といった司法の弱体化の観点、司法予算自体の拡充の必要性と、切り口は立場によって様々でした。しかし、現状に対する危機感及び司法修習生への経済的支援の議論が必要であるとの認識は、各党の間でも共有されており、超党派で取り組むべき課題としての位置づけも共通していたと思います。

各代表者のご発言に続いて、出席された国会議員からも個別にご発言をいただきました。その中でも、司法の役割や経済的支援の重要性が繰り返し指摘され、この問題への理解が一層深まっていると感じました。また、この運動を法改正につなげるための具体的な方策についても、意見が交わされました。

4 今後の闘いへ向けて

以上のとおり、給費制に関する風向きがかなり変わり始め、強い追い風となりつつあります。これは、給費制復活に向けたこれまでの粘り強い運動の成果といえるでしょう。

しかし、いよいよ、7月15日、法曹養成制度改革推進会議が設置期限を迎えます。これからの数か月が、法改正という結果を勝ち取るための最大の山場となることは必至です。

まずは、意見交換会での勢いを全国的な規模で加速させるため、各地域での集会が予定されており、既にいくつかの単位会では調整が進んでいます。集会に寄せられたメッセージを冊子にして、他の国会議員への説明の際にお配りするなど、議員要請の手法についても工夫しています。

さらに、法改正に向けて、日弁連では、給費制実現の具体策として修習手当の創設を提案するなど具体的な議論も詰めてなされつつあります。

このような現状を踏まえ、給費制対策本部は、今後も力強く活動していきます。引き続き、会員の皆様のご支援・ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

(追記)

この集会の後である6月11日、政府の法曹養成制度改革推進会議の決定案が明らかになりました。すでに日弁連のFAXニュースなどでご承知のとおり、決定案には「司法修習生に対する経済的支援については、必要に応じて、法務省は、最高裁判所等との連携・協力の下、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえ、必要と認められる範囲で司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するものとする。」との文言が盛り込まれました。従前の、貸与制を前提としてわずかな運用改善にとどめる方針に終始してきた政府の姿勢からは、大きな前進と評価することができます。日弁連や給費制本部としては、ここに示された課題については、つとに繰り返し事実を指摘して給費制の実現を求めてきたところですが、引き続き、給費制の実現に向けて、さらなる運動に努めて行かなければなりません。

あさかぜ基金だより

カテゴリー:月報記事

弁護士法人あさかぜ基金法律事務所 弁護士 中 嶽 修 平(66期)

はじめに

私があさかぜ基金法律事務所に入所してから、1年半が経過しました。当事務所の弁護士は、2年ほどの養成期間を経て、弁護士過疎地域に赴任します。私も、半年後には、当事務所での養成を終え、司法過疎地域に赴任する予定です。

私は、弁護士過疎解消の一助になればと思い、当事務所に入所しました。弁護士過疎地では、都会では考えられないような法的問題が多数存在しています。最近もそのような法的問題を耳にしました。そこで、当事務所の近況報告とあわせて報告します。

あさかぜ事務所について

あさかぜ基金法律事務所は、九弁連が、その管内の弁護士過疎地域に赴任する弁護士を養成するために基金を作り、その基金から資金を拠出して設立した都市型公設事務所です。同様の都市型公設事務所としては、北海道弁連が設立した、すずらん基金法律事務所、東北弁連が設立した、やまびこ基金法律事務所などがあります。

あさかぜ事務所は、現在、66期2名、67期2名、事務局2名の6名体制となっています。今は、男性弁護士のみであり、多少のむさ苦しさは否めません。むさ苦しさの解消と受任事件範囲の拡大という趣旨から、68期には、女性弁護士の採用を切に願っています。

あさかぜ事務所での養成について

当事務所に所属する弁護士1名につき、福岡県弁護士会所属の指導担当弁護士(30期代から50期代)が数名選任されます。私たちは、指導担当弁護士との事件の共同受任などを通じて様々な指導を受けています。それ以外にも、福岡県弁護士会の執行部経験者が中心となって結成されている、あさかぜ応援団に所属する弁護士との共同受任事件や事件紹介を通じて経験を積んでいます。もちろん、あさかぜ事務所独自の事件や事務所内での共同受任事件もあります。

事務所経営に関しては、事務所会議を開催しています。事務所会議には、当あさかぜ事務所の弁護士に加え、事務局、あさかぜ基金法律事務所運営委員会の委員長や担当副会長も参加し、経営ノウハウや個別事件処理についての指導や日常的な経営問題について協議します。月1回のペースでの開催です。事務所会議ではキャッシュフローデータにもとづき、収入・支出の流れの把握につとめ、将来に備えて事務所経営者としての、経験を積んでいます。

司法過疎地での法律問題

ゴールデンウイークに、数年ぶりに、遠方の田舎にある中小企業で勤務している知人に会いました。4月に実施された統一地方選の話題がでましたが、そこで、知人から、驚くべきことを聞きました。なんと、知人が勤務する会社社長が、ある現職候補者を応援し、従業員に対し、その現職候補者に投票するように強要していたのでした。さらに、その現職候補者に投票しない旨の意思を表明していた従業員に対しては、その現職候補者に投票しなければ、解雇するとまで言ったとのことでした。その知人も、その現職候補者に投票しない旨の意思を表明していたため、解雇すると言われましたが、結果的に解雇されずに済みました。私は、知人に、この件で弁護士に相談したのかと訊きましたが、最寄りの弁護士事務所まで、車で1時間はかかり、仮に、相談できたとしても、その頃には選挙は終わってしまうので、弁護士には相談しなかったとの返事でした。

このように、弁護士過疎地域では、都会では考えられないような法的問題が存在し、弁護士にアクセスできていないことが起こっています。

おわりに

多くの弁護士による取組みにより、ゼロワン問題の解消など、弁護士過疎問題について、相当程度の解決が図られてきました。しかし、利用者の目線からすれば、弁護士過疎地域において、弁護士へのアクセスは十分とはいえない状況にあります。
このような現状を認識しつつ、弁護士過疎地域で、少しでも質の高い司法サービスが提供できるよう、日々、研鑽を積んでいます。今後とも、あたたかいご支援、ご協力をよろしくお願いします。

ITコラム 「Web広告について」

カテゴリー:月報記事

ホームページ委員会 関 口 信 也(53期)

1 バナー広告

今では多くの弁護士事務所が独自にHPを開設しています(私もそうですが)。数ある広告媒体のなかで、閲覧者が多いサイトに広告を出す方法が有効であるようです。例えば、市役所のHPに「リンクを貼る」などが典型例でしょう(バナー広告)。パソコン、タブレット、スマホの全盛期において、ITを駆使した広告について考えてみました。

2 SEO対策

事務所のHPに誘い込む方法としてSEO対策があります。SEO対策とは、一般市民があるキーワードで検索を実施したときに、その検索結果として自分のHPを上位に持ってくるシステムのことです。上位にあれば、検索者は常に画面上目にしますし、上位であることによりそのHPを見ようとする意志も事実上優位になります。

ヒットするキーワードの選定が重要ですが、検索システムとの相性もあり、上位を望むなら費用が高額になったりします。

3 リスティング広告

SEO対策に期待することなく、いっそのこと検索結果に広告を出してしまうのがリスティングです。広告をクリックすることで課金されることに特徴があります。最近IT業者から勧められるシステムです。広告順の上位になれば効果が期待できるのでしょう。ただ、閲覧者にクリックさせるための広告文句(つまり業務の独自性)をどう表現するかが重要と思います。

4 リマーケティング広告

過去に閲覧した商業広告Webが、その後もサイト上に出現する経験がありませんか。これは訪問記録が残っているため、再訪問を勧誘するために画面に出てくるものです。再訪問には便利かもしれませんが、しつこいのも悩みの種です。

5 インタレストマッチ広告

さらに発展して、過去の閲覧履歴等から閲覧者の趣味、動向などの属性を把握して、画面上に広告が出てくるものがあります。双方にとって効果的でしょうが、自分の興味や性格を見透かされているようで、何か恐ろしい気もしますね。

6 日弁連の広告規程

紹介した典型例以外にも多数のIT広告手段がありますが、広告を作るうえで見逃せないものとして、日弁連の広告規程があります。その第3条第3号に規定される禁止広告の一部をあえて紹介しましょう。

「3 誇大又は過度な期待を抱かせる広告」
肝に銘じましょう。

◆憲法リレーエッセイ◆ 戦争法案って、ホントの話?

カテゴリー:憲法リレーエッセイ

会 員 永 尾 廣 久(26期)

無用なレッテル貼り?

安倍首相は、戦争立法はやめてほしいと質問した国会議員に対して、事実に反するレッテル貼りをやめてほしいと答えたといいます。

歴代の自民党内閣は、集団的自衛権の行使容認は日本国憲法の下では認められないとしてきました。ところが、自民・公明を与党とする安倍政権は、積極的平和主義の名のもとで、政府解釈を一変させました。日本が攻撃されてもいないのに、一定の要件を満たせば他国の軍隊と一緒になって海外へ出かけて武力行使ができるというのです。

でも、昨年7月1日の閣議決定だけでは、自衛隊は海外へ戦争しに出ていくことはできません。それを可能にする法律の裏付けが必要です。それが現在、国会で審議中の安全保障法制関連法案です。

日本の平和と安全を守るためには、日本が攻められる前に、日本の自衛隊も武器を持って外国軍と一緒になって積極的に海外へ展開して行動する必要があるというのです。安倍首相は、武力行使によってしか平和は守れないとします。本当でしょうか。

武力行使とは戦争のことであり、たとえ小さく始まった戦争であっても、どんどんエスカレートしていって、私たち国民の人権とか生命・健康なんて二の次、三の次になってしまうのではないでしょうか。それよりも、紛争が戦争に発展しないように、お互いの親善交流をすすめるべきだと思いますし、そのためにこそ政治はがんばるべきではないでしょうか。

「戦争」映画をみて・・・

アメリカ映画「アメリカン・スナイパー」を見ました。イラク戦争でのアメリカ軍の実態を見た思いです。爆弾を抱えてアメリカ軍に自爆テロ攻撃を仕掛けようとするイラク人の子どもをアメリカ軍のスナイパーはきわどいところで射殺し、助かったアメリカの兵士から感謝されます。でも、これって、アメリカ軍はイラクの民衆全体を「敵」に回していたということじゃないの。私は、この映画を通してそう思いました。

たとえ一人のスナイパーが600人のイラク人を「敵」として殺しても、それで戦争に勝てるはずはありません。むしろ、「敵」が増えるだけではないでしょうか・・・。イラクの現実が、それを証明していると思います。

ヨーロッパ映画「あの日の声を探して」は、チェチェンに侵攻したロシア軍の残虐ぶりを浮き彫りにしています。主人公の9歳の男の子は、目の前で両親をロシア兵から殺され、そのショックで話せなくなってしまいました。この映画では、同時に、ギターを弾いて楽しんでいたロシア人の若者が、ひょんなことからロシア軍に兵士として取り込まれ、ついには殺人マシーンに変容していく状況も描かれています。アメリカによるベトナム侵略戦争を描いたアメリカ映画「フルメタル・ジャケット」にも同じような過程が紹介されていました。

つまり、自衛隊が外国の軍隊と同じ存在になったとき、それは災害救助に出動して人命を救うのではなく、人をいかに多く効率良く殺すかという人殺しを使命とする集団になってしまうのです。

戦記文学を読んで

戦記文学としては大岡昇平の実体験をもとにした「レイテ島戦記」が有名です。

私はフィリピンのレイテ島に行ったことがあります。日弁連のODAに関する現地調査でした。しかし、レイテ島には、今やジャングルはありません。すべて人工植林です。そして、レイテ島で戦死した日本兵の大半は、実は、餓死したのでした。

最新の戦記文学「指の骨」(高橋弘希)を読んで、作者は自分の原体験を活字にしたと思いました。ところが、文献を踏まえた想像なのでした。作者は、なんと30代半ばなのです。前途ある若者が南方の島で飢えに苦しみ、まともな医療品もないなかで、もがき、苦しみます。戦争の悲惨な状況がリアルに描かれ、背筋がゾクゾクして寒気を感じました。

続いて、「中尉」(古処誠二)、「星砂物語」(ロジャー・パルパース)を読みました。「中尉」はビルマ(現ミャンマー)で敗退していく日本軍の軍医が主人公です。「星砂物語」は沖縄の島で起きた戦争中の悲劇をアメリカ人が「再現」して、読ませます。

この戦争は政府(軍当局を含む)がひき起こした無暴なものであり、有害無益でした。その反省は、今なお、政府当局者に求められています。「政府の行為によって再び戦争の惨禍」を起こしてはなりません。

戦後70年を再び戦前に戻さないために

団塊世代の私は、戦後生まれなので、もちろん戦争体験なんてありません。私より若い安倍首相も同じです。「戦前の美しい国・ニッポン」を取り戻すと安倍首相が叫ぶのを聞くたびに、自分だって戦後生まれなのに・・・、と思います。それはともかく、安倍首相は、平和を維持するために日本の自衛隊を海外へ送ると言います。それも、戦場の間近まで、です。

「後方支援」というのは、いわゆる兵站(へいたん)活動ですから、戦闘行動とは一体のものです。ですから、いつ、敵として攻撃を受けるか分かりません。

万一、不幸にして日本人の戦死者が出たとき、安倍政権は大々的な葬儀を営むことでしょう。でも、死んでから「英雄」と称えられて、誰がうれしいでしょうか。

いま、日本では、日本人は世界に冠たる優秀な民族だ、中国や韓国にこれ以上謝る必要はないという声がネット上でかまびすしいようです。だけど、近隣諸国をバカにして親善交流はできません。このグローバル化した世界で、日本だけが孤立して生き残れるはずもありません。日本が他国へ侵略して残虐な行為をしたことは歴史的事実なのです。そのことを忘れないことによって、将来にわたって戦争しない決意が本物になります。

尖閣諸島を巡って、仮に中国と日本が殺し合いをして、いったいどれだけの意味があるというのでしょうか。意味があるどころか、無意味と言うより巨大な損失を日本と世界にもたらすことは必至です。

安倍首相は、積極的平和主義の名のもとに、日本国内の軍需産業を大きく育成しようとしています。「死の商人」は、これまでもいましたし、これからも増えることでしょう。

安倍首相が進めているのは、武器の開発と輸出です。これは、日本国憲法9条のもとでは認められません。
戦後70年、平和な国ニッポンから、戦争する国・ニッポンに変わろうとしています。自衛隊に戦死者が出たとき、日本は、もはや戦後ではなくなります。それは、戦前の始まりなのです。そんなことにならないように、福岡県弁護士会では6月13日に憲法市民集会を開催することになりました。戦争するための安全保障法制にストップをかけるための集会とパレードです。ぜひ、あなたも参加してください。

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