法律相談センター検索 弁護士検索

「来たれ、リーガル女子! in福岡2023」のご報告

カテゴリー:月報記事

男女共同参画推進本部・両性の平等に関する委員会 細永 貴子(62期)

1 はじめに

2023年10月29日(日)、福岡県弁護士会館において、「来たれ、リーガル女子!in福岡2023」が開催されました。2018年に始まった本企画も今年で6回目です。第1部パネルディスカッション、第2部法曹になるための進路説明、第3部グループセッションという構成で行いました。
コロナ禍がひと段落したことから、今年は第1部及び第2部のみオンライン(ZOOMウェビナー)での配信をし、第3部は会場でのリアル参加のみとしました。今年も鹿児島大学司法政策教育研究センターとの共催となりましたので、第3部は鹿児島大学会場でもリアルで実施しました。
第1部・第2部の参加者は福岡会場75名(中高生52、保護者22、教員1)、ウェビナー参加者17名、鹿児島会場13名(中高生12、保護者1)、第3部はグループセッションの参加者が福岡会場39名、鹿児島会場12名、質問コーナーの参加者が7名(中高生2、保護者5)と多数の方々にご参加いただきました。

リーガル女子_はじめに

2 第1部 弁護士による対談

第1部に先立ち、九州弁護士会連合会の笹川理子理事長から開会挨拶、福岡県弁護士会北九州部会長の小倉知子会員からメッセージをいただきました。笹川理事長は、鹿児島県弁護士会で初めての女性弁護士であり、九弁連初の女性理事長でもあります。また、北九州では今年、地方裁判所小倉支部、検察庁小倉支部、及び弁護士会北九州部会のすべてで女性がトップになるなど、女性法律家が活躍しています。お二人から、これから進路を決める学生さんたちを勇気づけるお言葉をいただき、会場がとても活気に満ちた雰囲気になりました。
第1部では、様々な職業を経て弁護士になった女性弁護士の対談を行いました。パネリストは、航空会社の客室乗務員を経て弁護士になった河内美香会員及び外交官を経て弁護士になった塩飽梨栄会員、インタビュアーとして井芹美暎会員が登壇されました。民間企業勤務や外交官という国の仕事を経て弁護士を志した経緯や、司法試験合格に向けてどれくらい勉強したのか、弁護士としてどのような活動をしているのかなど、三者三様のお話を聞くことができ、興味深い対談でした。客室乗務員や外交官など、それ自体とても魅力的なお仕事を辞めて弁護士をめざしたという河内会員と塩飽会員の経験談は、参加者の方々にとっても新鮮だったようです。アンケートに「法曹界に携わっている人は幼少期から法曹への志があった人ばかり、というイメージがあったのですが社会人になってから方向転換した方々の話をきき、法曹への道はいつでも開けるんだなと親近感を感じました」「違う仕事から弁護士に転職した方の話が衝撃的でとても参考になった」「法学部からストレートでなくても、なりたいという気持ちがあれば法曹になれるということが分かりました」など多数の感想が寄せられました。

リーガル女子_第1部

3 第2部 法曹になるための進路説明

第2部は、中谷正太会員を進行役として、山下昇教授(九州大学)、藤村賢訓准教授(福岡大学)、濱﨑録教授(西南学院大学)のお三方から、法曹になるための進路説明をしていただきました。大学の法学部から法曹を目指す流れ、法学部や法科大学院では何を学ぶことができるのか、法学部教育と法科大学院教育を連携する法曹コースについて、各先生方の所属する大学の特色などが紹介されました。
アンケートでは、「九州内の大学法学部の制度を知ることができ、今後の進路選択の参考になりました」「法曹になるための手段は思いの外いろいろ種類があることを知りました。また、各大学の特徴も聞けて今後の進路を考えるに当たってとても勉強になりました」などの声がありました。

4 第3部 グループセッション/質問コーナー

第3部のグループセッション(以下、「GS」といいます。)では、少人数のグループに分かれて、弁護士・裁判官・検察官が中高生の質問に答え、より法曹について具体的なイメージを持ってもらおうという企画です。福岡会場では、中学1年生から高校3年生までの39人が参加してくれました。どんな人が法曹に向いていると思うか、仕事のやりがいやワークライフバランスのとり方など様々なテーマについての質問が出ていました。アンケートには、「弁護士の皆さんの日々の働き方や休みの日の過ごし方、弁護士というものを深く教えて下さってとても参考になりました」「お話を聞いて、法曹という仕事が身近に感じられました」「具体的な仕事内容からどんな人が向いてるか、今からできることなど知らなかったことが多くあって、とても参考になったし、楽しかったです」、「とてもフラットな環境だったので、気軽に質問しやすかったです」など満足度の高い回答が多く寄せられました。少人数でのGSで裁判官・検察官・弁護士から直接話を聞ける機会は、中高生にとって貴重で有意義であると感じました。
GSと同時並行で行った質問コーナーには、第2部でご登壇いただいた大学の先生方に加え、福岡地方裁判所飯塚支部の柴田大裁判官も飛び入り参加してくださいました。弁護士も9人ほど同席しました。保護者の方からは「子どもが司法試験を頑張れるのか」「弁護士は逆恨みが心配だが実際どうですか」などの質問があり、大学の先生方や裁判官、弁護士がそれぞれの意見を述べ、充実した質疑応答になりました。子どもを応援したい半面、心配も尽きないという親御さんにとっても有意義なイベントになったのではないかと思います。

リーガル女子_第2部

5 おわりに

イベント終了後のアンケートでは、「当イベントに参加して、将来、弁護士・裁判官・検察官になりたい(または進路として勧めたい)と思うようになりましたか?」との質問に対して、48%が「強く思った」、40%が「少し思った」と回答しました。「イベント参加前は法曹関係のお仕事はすごく堅い感じがしていたけど、お話を聞いて、弁護士さんや裁判官のイメージがかなり変わりました。困っている人を法律を通して助けられることがすごく素敵だな。といいイメージに変わりました」「真面目でとても優秀な人というイメージでしたが、実際に話してみると優しく丁寧な方が多かったというイメージを受けました。またかっこいいなという印象を受けました」などの嬉しいコメントもいただきました。本イベントが法曹に興味関心を持っていただくきっかけとなっており、来年以降もイベントの継続が期待されます。
当職も今回初めてリーガル女子のイベントに関わらせていただき(当日は総合司会を担当)、改めて弁護士という仕事を選択したことに誇りを持つことができました。本イベントにご登壇・ご参加くださった先生方や実行委員の先生方に改めて感謝を申し上げます。

リーガル女子_第3部

特商法5年後見直しシンポジウム 「あなたも危ないSNS詐欺被害~特定商取引法の改正ポイントとこれからの課題」(令和5年12月9日開催)~

カテゴリー:月報記事

消費者委員会 委員 吉田 大輝(68期)

1 はじめに

去る12月9日、福岡県弁護士会2階大ホールにおいて、特商法5年後見直しシンポジウム「あなたも危ないSNS詐欺被害~特定商取引法の改正とこれからの課題~」を開催いたしました。
私達シンポジウム実施PTメンバーは、(参加自由・予約不要でしたので)当日の動員に気を揉んでいましたが、終わってみれば、会場・ZOOM参加合わせて約100名もの皆様にご参加いただくことができ、特に、会場参加のうち大学生9名、弁護士以外の市民メンバーで約26名参加いただくなど、弁護士にとどまらず大盛況のうちに終えることができました。
以下、簡単にですが、実施報告をいたします。

特商法シンポ_1

2 動画「鷹男の悲劇」

今回は、市民シンポということもあり、特定商取引法の現状と課題を明らかにすべく、PTメンバーで10分程度の動画を作成し、シンポジウムの冒頭に動画視聴を行いました。この動画は、オリジナルの事例を基に、PTメンバーで音声を入れ、動画として編集したものです。
新卒で22歳の福岡鷹男君が、ある日、SNSで「月+10万円」を謳う副業ビジネスに興味をもち、SNSを通じて業者と連絡を取り始め、あれよあれよという間に業者の口車に乗せられて遠隔操作アプリを用いて消費者金融から借財をさせられ、副業ビジネスのための研修費名目で大金を支払ってしまう、、、という内容です。
この動画は、実際に消費生活センターの現場でも同様の被害が多数寄せられており、実例を基にしたシナリオでした。アニメ仕立てになっており、声の出演は、南正覚文枝会員(ナレーター)、前田和基会員(鷹男)、当職(業者)、小野遙河会員(消費者金融)となっています。
現在の特定商取引法の規定では、鷹男の事例のようにSNSを用いた勧誘に関しては規制対象になっておらず、また、通信販売についてはクーリング・オフ制度がないために被害救済としては不十分であることをあぶり出す動画でした。

3 基調報告

動画視聴の後、千綿俊一郎会員から、「特定商取引法のキホンと抜本的改正の必要性」と題し、鷹男の動画に触れながら特定商取引法の概要、SNS関連被害の実情、法の制定からこれまでの改正の経緯、現状における問題点及び抜本的改正の必要性、諸外国の法整備の状況や今後の展望に至るまで、多岐に渡る事項を網羅的に、かつ簡潔にご報告いただきました。
千綿会員のご報告は、一般市民や特定商取引法に馴染みのない弁護士でもわかりやすい内容で、特にEUや韓国においては通信販売に撤回権が認められていることをご紹介いただくなど、今後の展望を明らかにする示唆に富んだご報告でした。限られた時間に大変密度の濃いご報告を要請するという、無茶振りとも言える達成困難なミッションを見事達成いただきました。千綿会員、ありがとうございました。

特商法シンポ_2

4 パネルディスカッション

次に、消費生活相談員の穐山美江様、桑原義浩会員、藤村元気会員にご登壇いただき、パネルディスカッションを行いました。
穐山様からは、SNS関連の相談件数が右肩上がりに増加していること、特商法を用いて有効な対処を検討することが困難であることなど、豊富な実例を挙げつつ相談現場のリアルを詳らかにしていただきました。特定商取引法の改正の必要性を現場から強く訴える内容であり、実務に即したご報告をいただきました。
桑原会員からは、(相談者の許諾を得て匿名化した上で)実際の相談・受任事例におけるSNSの生のやり取りをスライドに投影していただき、市民がSNS関連被害に遭う様子をご報告いただきました。実際に、一人の人が被害に遭っていく様子(SNSのやり取り)は、映画のような鮮烈なインパクトを残しました。
会場の参加者は、穐山様からのご報告や桑原会員からの事例報告など、やはりリアルな被害実態について、特に熱心に耳を傾けている様子でした。
パネルディスカッションを経て、藤村会員からは、本シンポジウムのまとめとして、①SNSを用いた勧誘類型を特定商取引法の新たな規制対象とすべき、②事業者がSNSに登録する際に、住所・名称・責任者の登録を義務付け、かつ、SNS運営業者に対しては早期の開示を可能とすべき、③事業者がWEBを通じて消費者に消費者金融等から借り入れさせることを規制すべき、という提言をご発案いただきました。

5 最後に

質疑応答では、内閣府消費者委員会委員としてSNS問題にも取り組んでおられる黒木和彰会員から、SNS関連被害をより効果的に防止するためには、特定商取引法の改正にとどまらず、SNSそのものへの規制も必要と考えられ、総務省との調整をつけることは容易でないとの指摘もあり、問題の根深さをあらためて感じました。また、参加した大学生からは、学生ならではの素朴かつ率直な質問が次々に寄せられるなどして、会場は大いに盛り上がりました。
最後に、本シンポジウムの準備・運営に多大なるご貢献をいただきました皆様に謝辞を述べ、ご報告とさせていただきます。

特商法シンポ_3

国際委員会リレーエッセイ ウクライナ全国弁護士会から絵を贈られました

カテゴリー:月報記事

会員 中村 亮介(63期)

当会会員有志で組織した「ウクライナ全国弁護士会支援会」は、2022年7月15日、会員から集めた2万ドルをウクライナ全国弁護士会(以下「UNBA」)に送金したことは、昨年の月報でも報告したので、覚えていただいている会員もいらっしゃることと思います。

当支援会は、UNBAのバレンティン副会長より寄付に対する感謝のメールをいただいていましたが、そのバレンティン副会長が、本年7月、日本を訪れ、当支援会と同じ活動をしていた東京グループの事務局長の所属法律事務所を訪問されました。私は、その訪問に、テレビ会議システムで参加し、バレンティン副会長から寄付に対する謝意を伝えられ、合わせて、御礼の印として絵が贈られました。絵はUNBA所属の弁護士のお子さんの描かれたものということでした。

この時バレンティン副会長からはウクライナでの戦争被害の実情を教えていただきました。被害の当事者から聞く生の言葉は余りにストレートすぎ、途中で聞きたくなくなるほど恐ろしく、悲惨でした。私はただ「教えてくれてありがとう」としか返事のしようがありませんでした。

絵は暫く東京で保管されていましたが、今年9月の私の東京出張のついでに受け取ってきました。

子どもが描いた絵のため何を伝えたいのか、どんなメッセージをもっているのか必ずしもよく分からないところもあります。美しい紅葉を描いているようにも見えますし、爆撃を受けて空が赤く燃えているようにも見えます。

ukraine tree(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵))

絵の裏には、手書きのウクライナ語でメッセージが書かれていました。
Googleの翻訳アプリを使ってみると、はっきりとは分からないものの、ウクライナの兵士が疲弊していること、彼らが堅固で不屈であること、彼らが自分たちを守ってくれていること、ウクライナの勝利を信じていることなどが書かれているようです。このメッセージをみると、この戦争がウクライナの子供たちの心に確実に影響を与えていることがわかります。子供たちの心のなかで憎しみの連鎖が起こらないことを願うばかりです。

絵は引渡しを受けてすぐに弁護士会に寄贈させていただきました。弁護士会館のどこに飾られているのか分かりませんが(笑)、会館にお立ち寄りの際には、ぜひ足を止めてご覧いただけたら幸甚です。

ukraine letter(中村亮介先生の原稿に添付(記事中の絵の裏のメッセージ))

「第11回広報に関する先進7会懇談会(広報サミット)」参加のご報告

カテゴリー:月報記事

対外広報委員会 委員 陣内 隆太(74期)

1 「不安を、安心に」

福岡県弁護士会の標語として用いられているこの言葉がいつ頃から使用されるようになったのか、私は詳しくは存じ上げないのですが、弁護士の職務をここまでシンプルに、かつ、力強い優しさを伴って表現した言葉はなかなかないのではないかと思っています。私を始めとして、きっと多くの方々がこの言葉を目にして勇気をもらったことがあるのではないでしょうか。
常日頃から言葉や文字で表現することを生業にしている私たちにとって、どれほど多くの人々に、また、どれほど遠く離れた人々に思いを伝えられるか、ということは重要な関心事の一つだと思います。
対外広報委員会においては、弁護士の活動をもっと沢山の人に広めたい、そのような思いから日々活動をしております。
去る2023年9月9日、「第11回 広報に関する先進7会懇談会(通称:全国広報サミット)in愛知」が開催されましたので、その様子を写真と共にご報告いたします。

全国広報サミット_石本香織理さん

2 「キャッチコピーを味方に」

本年度の全国広報サミットは、コピーライターの石本香織理さんの基調講演「コピーライティングの基本~キャッチコピーを味方に」を皮切りにスタートし、各県の弁護士会の対外広報活動報告を行った後、ゲストの國枝宏之さん(+Marketing代表)から、各々の広報活動に対して効果的だった点や更に工夫の余地がある点等のアドバイスを頂くという進行で実施されました。
基調講演をご担当頂いた石本さんは、セーラー広告、電通名鉄コミュニケーションズ、博報堂などを経て、株式会社AOCHANを設立されたまさにコピーライティングの生き字引のような方です(因みにAOCHANという名前は一緒に住まれている飼い犬の名前アオちゃんからだそう)。
石本さんは、これまで「期待を、着る。」(LUMINE NEWoMan/”ITʼS NEW”WEEK 2023AW)や「脳力が、違う。」(iRobot/Roomba2023)、「肌は、私が見るより、誰かが見る時間のほうが長い。」(ノエビア(常盤薬品工業)/敏感肌スキンケアNOV)を始めとした多くのキャッチコピーを作成されています。

基調講演は、キャッチコピーは、伝えたいテーマと時代性、世の中・人々の気分、自分の記憶・経験・実感の重なるところに生まれるといった「人の興味を引き、伝えたい言葉を伝える」というキャッチコピーの本質論から始まり、これまでに話題になったキャッチコピーが有する一定の法則のうちのいくつかをご紹介をして頂きました。
なお、石本さんは、この法則をコピーライティングのトレーニング方法のひとつである「写経」(いいなと思うキャッチコピーを写経してなぜいいのか考える)を通して発見されたとのことでした。判例を写経しながら頭に染み込ませた司法試験の勉強とも通じるところがあるのでは・・・?と勝手ながら共感してしまいました。

⑴ キャッチコピージャンプアップ術
石本さんが紹介で触れられたキャッチコピーの法則と実際のキャッチコピーをいくつか紹介します。皆さまもきっと聞いたことがあるのではないでしょうか。

①「もしも~なら」形(仮定してみたときのメリットとデメリットを比較)
・英語を話せると、10億人と話せる(英会話のジオス)
・あなたが見つけないと、誰かの家になってしまう(アットホーム)

②「比較」形(何かと比較して、新しい気づきや発見、共感を生む)
・モノより思い出(日産セレナ)

③「事実・数字」形(へー!という驚きの事実をコピーにする)
・がんは、万が一じゃなく、二分の一。(日本対がん協会)
・職場や学校などの出会いでは、100人中4人しか結婚できません(オーネット)

④「視点の転換」形(世の中の常識や当たり前に別の角度から光を当てる)
・きょうは、復習の日です。(受験生応援キャンペーン センター試験当日の新聞)

⑤「既存概念と新概念の対比」形(世の中の常識や当たり前を挙げてそうそうと思わせ、そこに新しい概念をぶつけて価値を提案)
・女は強くなった。けど、女のカラダが強くなったわけじゃない。(女性の体調管理アプリ ラルーン)

⑥「時間軸」形(時間の貴重性やビフォーアフターでの変化等、時間を柱にすることで伝える力をパワーアップ)
・一生のなかで、花嫁の私は、たったの数時間。(ブライダルフェア)

⑦「つまり、まるで」形(商品や企業に関するA=Bを見つけて価値を見出す)
・スキンケアって、メンタルケアかも。(敏感肌スキンケア)

⑧「本質」形(暮らしや人生、人間、自然等、分かっているつもりだけど、いつもは気に留めていなくて、言われてみれば確かにそうだ)
・あしたははじめてやってくる。(西武百貨店)

全国広報サミット_我孫子先生ご作成のチラシ

⑵ 「遺言は、生きているうちにしか書けない」
このキャッチコピーは、実際に弁護士会が作成したチラシにキャッチコピーをつけてみよう!ということで、石本さんが遺言の日に関するキャッチコピーをつけたものです。言われてみれば確かにそうだ!と思うこのキャッチコピーは、本質形からアプローチをしたものになります。
この他にも、消費者トラブルに関するチラシでは、「つまり、まるで」形からアプローチした「インターネットの進化で、トラブルも進化している」といったものや、ジュニア・ロースクール開催チラシに対して「視点の転換」形からアプローチした「法律で、誰かを守れる。自分自身も守れる。」といったキャッチコピーが紹介されました。

⑶ 「既読スルーは、しないよ」
各会の弁護士が大盛り上がりとなったのは、基調講演のラストを飾った実際にキャッチコピーを考えてみよう!というワークです。
対象となったのは、我ら福岡弁護士会が作成した「べんごしLINEそうだん」のチラシです。
福岡県弁護士会からは、上記のキャッチコピーのほか、「べんごしとともだちになろう」「しゃべらなくても聞いてもらえる」「自分の部屋から、相談できる」といったキャッチコピーを発表しました。
他県の弁護士会からも、多くの意欲作が発表されました。私が特にいいなと思ったのは、兵庫県弁護士会が発表した「相談じゃなくて、トークしよう」です。

⑷ 「信じられる言葉を」
基調講演の最後に、石本さんが仰っておられた言葉です。饒舌に物事を語ることが出来たとしても、それを裏付ける確たる信念がなければ言葉だけが上滑りしてしまうのかもしれません。
読んだ人が信じられる言葉、自分自身が信じられる言葉をコピーにしていくことが大切だと述べられており、伝えたい信念、原動力があるからこそ、その思いを乗せたキャッチコピーはより多くの人に届くのだという認識を強くしました。

全国広報サミット_来年への抱負を胸に、全員集合

3 各県弁護士会対外広報活動の報告

福岡弁護士会からは、今年度の対外広報活動の報告として、継続的にラジオや新聞コラム、SNS等での広報活動を行っていることに加え、本年度は裁判所や検察庁とのコラボ企画「六本松法曹エリアウォークラリー」の開催、山田全自動のあるある日記などでお馴染みの山田全自動氏とのコラボ企画である「弁護士あるある」の制作といった活動を報告し、ゲストの國枝宏之さんから「秀逸」との評価を頂きました。

他県の弁護士会からの報告も、大阪府弁護士会のマスコットキャラクターであるリーガリュー誕生秘話や愛知県弁護士会のⅩ(旧Twitter)アカウント登録者数増加を目指すプロジェクト(通称:プロジェクトⅩ)の道のりなど非常に趣向を凝らした発表が目白押しで、今後の対外広報活動を行うにあたって取り組みたいと思えるものが多く、大変刺激を受ける結果となりました。

全国広報サミット_大阪府弁護士会マスコットキャラクター

4 来年は、兵庫へ!

次回の全国広報サミットは、兵庫県で開催されます(我らが南川委員長の故郷!)。今後も、対外広報委員会における取り組みを通してもっと沢山の人に弁護士を身近に感じてもらえるように楽しく活動していきたいと思っています。

全国広報サミット_「弁護士あるある」のポスター

「六本松法曹エリア ウォークラリー」開催のご報告

カテゴリー:月報記事

対外広報委員会委員長・広報室員 南川 克博(67期)

1 はじめに

去る(去りすぎ?)5月15日から17日の3日間、六本松地区にある弁護士会、裁判所、検察庁による市民向け合同企画「六本松法曹エリア ウォークラリー」を実施いたしましたので、ご報告させていただきます。

2 実施準備 ~どうする弁護士会~

それは3月27日、裁判所からの一本の電話から始まりました。
「裁判所、検察庁、弁護士会の三庁が同じ区画にあることは全国的にみても珍しいので、それを活かして、市民対象のウォークラリーのような企画をしたいと考えています。弁護士としてのご意見をお聞かせいただきたいです」
広報室でも共有されたこの連絡。新しいもの好き、お祭り好きの私が手を挙げ、裁判所や検察庁の広報担当者の皆さまとお打ち合わせをさせていただくことになりました。
参加者を募る広報実働部隊は裁判所が一手に担ってくださり、当会は「安孫子デザイン」でお馴染み(?)、安孫子健輔広報室員による素敵すぎるフライヤーの制作デザインという形で応援させていただきました。安孫子先生、ありがとうございました!
また、各庁が法廷開放や検事によるトークイベントなど魅力的な独自企画を準備する中、当会(私)としては「ぜひ三庁を横断する合同企画をしたい」という思いが強くあったため、各庁の展示を題材にしたクイズを踏まえて、全問正解すれば表彰&景品贈呈という、クイズラリーを提案させていただきました。安孫子先生にはこちらの解答用紙についてもデザインいただきました。安孫子先生、ありがとうございました!!(2段落連続2回目)
さらに、当会の独自企画として、弁護士会パンフレットを基にした活動のパネル展示、動画「弁護士の一日」(安孫子健輔・真理子先生ご夫妻、斉藤芳朗先生)の上映、法教育委員会の先生による憲法&弁護士に関するミニ授業を実施することとしました。

六本松法曹エリアウォークラリー_1

3 実施当日 ~予想以上の反響&皆さまに感謝~

ウォークラリーは5月15日から17日までの3日間開催されました。
初日午前中には草ヶ江小学校の小学校6年生約150名が訪れ、上記ミニ授業を受講しました。受講の様子は当日のNHKニュースで報道されました。ご担当いただいた八木先生、吉住先生、本当にありがとうございました!
平日開催ということもあり午前中はやや人手が少なかったものの、午後になると高校生や大学生、地元にお住まいの方を中心に、多くの方がクイズラリーの解答用紙を手に三庁を見学いただき、結果として、3日間で三庁のべ約600名以上の方にご参加いただきました。弁護士会エリアでは、当日スタッフとしてご対応いただいた対外広報委員会・広報室の先生方の機転で、独自企画のほか「勝訴のぼり」や「弁護士バッジ付きジャケット」を使用しての写真撮影コーナーを即席で設置したところ、参加者の方からとても好評いただきました。参加者の方からは「近くに住んではいるが普段弁護士会館や裁判所、検察庁に入ることなどないので、とても面白かった」といったありがたい感想もいただきました。
本記事を借りて、改めて当日スタッフとしてご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます!

4 さいごに ~今後に向けて~

自ら担当者として立候補したものの、初めてのことだらけで要領を得ず、沢山の方々の助けを借りて何とか実施にこぎつけることができました。私自身反省点(報告記事がようやく今頃書いている時点で猛省すべき…!)ばかりではあるものの、弁護士会の広報担当として、六本松法曹エリアを法曹三者の垣根を超えて今後も様々な企画で盛り上げることができればと思います。

六本松法曹エリアウォークラリー_2
六本松法曹エリアウォークラリー_クイズ

福岡県弁護士会 〒810-0044 福岡市中央区六本松4丁目2番5号 TEL:092-741-6416

Copyright©2011-2025 FukuokakenBengoshikai. All rights reserved.