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「RKBラジオまつり」のご報告

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会 員 中 村 亮 介(63期)

1 平成25年10月19、20日の2日間にわたり、福岡市早良区百道浜の福岡タワー前にて「RKBラジオまつり」が開催され、福岡県弁護士会が出展しましたので、ご報告致します。

2 10月19日(1日目)

今年のRKBラジオまつりは天候にも大変恵まれ、昨年を上回る延べ8万人の来場者が訪れたようです。福岡県弁護士会では、RKB放送会館1階ロビーに無料法律相談ブースを設置し、原田直子先生、北古賀康博先生、上田英友先生が中心となり、対外広報委員会と法律相談センター運営委員会の会員が、ブース前でティッシュやパンフレットを配り、無料法律相談の呼び込みを行いました。

実は、福岡県弁護士会がRKBラジオまつりに出展するのは今回が初めてでした。そのため、設営も手探りで行わざるをえませんでした。無料法律相談のブースも、ブース前に大きな衝立が一枚置かれているだけ。完全なプライバシーは確保できていませんでした。そもそもRKBラジオまつりは、歌やダンスなど催しもので盛り上がる「まつり」です。法律相談ブースの前に立ち呼び込みをしている私たちの目の前を、フラダンスの衣装を身にまとったグループが往来していました。来場した市民の方々が楽しいイベントの脇で行われる「無料法律相談」に反応するのか確たる見通しも立っていませんでした。「無料法律相談」はこのような環境で始まりました。

しかし、始めてみると予想以上に相談者が訪れました。相続のことで兄弟と揉めている、離婚しようか悩んでいる、旅行中に病気をしたけど保険金がもらえない…。いつの間にか、ブースの端に準備した椅子に、相談待ちの方が座るようになっていました。

「これは意外にいける!」。さっそく1日目で手応えを感じることができました。

3 10月20日(2日目)

2日目も、同じく朝10時から法律相談の呼び込みを行いました。また、朝10時半からはラジオ生放送で無料法律相談の実施を30秒間でアピールする機会もありました。お昼すぎには、春山九州男先生がおまんじゅうの差し入れを持って激励に来てくださりました。

12時30分過ぎからは、春田久美子先生、三山直之先生と私の3名で会場特設ステージに上がり、会場の方々に福岡県弁護士会の活動を直接アピールしてきました。ステージ上で話すことは原稿で準備されていたのですが、MCの方が漫才師だったこともあり、原稿どおりに話は進まずほぼアドリブ対応となりましたが、お客さんも笑ってくれていたとのことでしたので、少しだけ、「怖い、冷たい、敷居が高い」から「明るく、優しく、爽やか」へと弁護士に対するイメージが変わったのではないでしょうか。

2日目も、多くの方が法律相談に訪れました。

4 結果と課題

この2日間の法律相談者数は、1日目と2日目ともに25名、合計50名でした。もっとも、この数字はブース前での立ち話で終わった相談者を外した数ですので、立ち話での法律相談を含めると60名は超えているのではないでしょうか。結果、1時間あたり約5名の相談者が訪れたことになります。

こうも結果が出てしまうと、来年も引き続き出展することになりそうですが、来年の課題としては、さらに来訪者を増やすために、(1)ポケットティッシュは2000個以上準備する(ポケットティッシュがなければお客さんとの接触が難しく、相談者数も増えない。)、(2)法律相談場所の仕切り板を増やしてよりプライバシーを確保する(他方で、他の人が相談しているのが見える方が、かえって安心して相談しやすいという意見もありました。)、(3)法律相談の予約が入った場合には、ブースの外側に「ただ今○分待ち」の張り紙を貼るなどして相談枠が埋まっていることをアピールし、焦らせる(笑)、といった改善点が見えてきました。

5 最後に

2日間とも10時から16時過ぎまで、ほとんど休憩時間もなく呼び込みと法律相談に大忙しで、初めての試みにしては大盛況でした。会場では、福岡県弁護士会の存在を十分にアピールすることができましたし、多くの市民の方々が、コンビニに立ち寄るような気軽な気持ちで、ちょっとした法律相談に訪れる場を提供できたことで公益的役割も果たすことができたのではないかと思います。

最後になりましたが、原田先生、上田先生、北古賀先生をはじめ、参加された先生方、本当にお疲れさまでした。また、電通九州の樋口一様とRKB毎日放送の鳥井佳奈様には、準備から出展当日まで、大変なご協力をいただきました。お二人は当日の呼び込みまで手伝ってくださいました。この場をお借りして御礼申し上げます。
来年のRKBラジオまつりも、ぜひ盛り上げていきましょう!

裁判員本部だより

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会 員 髙 木 士 郎(64期)

1 はじめに

新64期の髙木士郎です。弁護士2年目にしてはじめて裁判員裁判対象事件を担当することとなりました。マスコミ対応が必要な重大事件で、被害者参加もありと、盛り沢山の事案でしたが、共同受任の先生との二人三脚のおかげで何とか無事に終えることができましたので、ご報告がてら振り返ってみたいと思います。

2 受任、公判前整理手続

朝のニュースで殺人事件発生との報道を見て、何か予感めいたものを感じていましたが、夕方、裁判所から事務所に戻ってみると、当番弁護士の出動要請に新聞記事のコピーが添えてありました。接見してみると、被告人は、憔悴しきった様子ではあるものの話はできましたので、事実関係を確認したところで腹をくくって受任することを伝えました。マスコミ関係者らしき人たちの間をこっそりすり抜け、警察署出入り口を出たところですぐに、先輩弁護士に共同受任をお願いする泣きの電話を入れたところ快諾!ようやくほっとしました。

起訴後、公判前整理手続が実施され、検察側から予定主張が示されたのですが、殺人事件であるにもかかわらず、殺人の実行行為部分の主張が抽象的にしか記載されていませんでした。争点となるべき実行行為の部分の主張が抽象的だと、被告人の防御活動も十分なものにならない可能性があると考えたため、弁護人としての予定主張は詳しめにして、積極的に争点の整理を求めていく方針で臨みました。7回の期日を経て、争点は大きく分けて2つに絞られることになりました。

3 いざ!公判

公判では、本件がどのような事件であるかを端的に裁判員に伝えるために、事件を表現したワンフレーズを冒頭陳述の最初に持ってくること、そのワンフレーズの中に争点についてのキーワードを混ぜ、そのキーワードについて語っていく中で、審理において注目してほしい点を示していく、という方針で冒頭陳述、及び冒頭陳述メモを準備することにしました。と、文字にするとわずかですが、この準備のためにかなりの時間をかけて何度も打ち合わせをすることになりました。

また、情報量を盛り込みすぎると裁判員にはかえって弁護人の意図が伝わりにくくなると考えたことから、メモはA4で1枚とし冒頭陳述に注目してもらうために後から配布する、冒頭陳述の時間は10分以内に収め、手持ち原稿なしで裁判員一人一人とアイコンタクトを行いながら行うこととしました。

尋問、特に被告人質問については、裁判員に尋問に食い付いてもらうため、あえて時系列に沿った形ではなく、最初に事件の核心部分についての事実から聞いたうえで、事件に対する被告人の想いを語ってもらい、その後事件の背景事情を聞いていく、という構成としました。

弁論についても、冒頭陳述と同様、コンパクトにまとめて伝える方針のもと、争点について、公判で明らかになった事実を対応させながら、弁護人の考えるところを伝えていくという形で行いました。論告において検察官が2つの争点のうち1つを撤回するという事態となったため、弁論の中でそれに対応させていかなければならなくなってしまいましたが、なんとか大崩れすることなく、弁護人の考えを伝えることができたのではないかと思います。

4 裁判を終えて

結局、判決はかなりの長期の懲役刑となりました。弁護人としてはもう少し短い刑となることを期待していましたので、その点では残念です。

また、本件は被害者の遺族が被害者参加をされ、代理人による被告人質問や参加人による意見陳述が行われました。意見陳述の間は、傍聴席からすすり泣きが聞こえるなど、弁護人からすれば「厳しい」雰囲気の公判廷となっていたように思います。そのような雰囲気をも乗り越える様な弁護活動ができたのかといえば、まだまだだったなと思うところです。

初めての裁判員裁判ということで感じたことは、裁判官が補充尋問をかなりの時間をかけて行うなど、裁判員にとってのわかりやすさ、を重視した訴訟進行が行われるのだ、ということでした。そのような進行となることは予想していましたが、その徹底ぶりは想定以上でした。裁判官のリードが過ぎると評議に影響が出るのではないか、と思うところもありましたが、裁判後の三者での反省会で聞くところによると、評議では活発な議論が行われた、ということでしたので、わかりやすさ重視の訴訟進行の成果が出たのだと思います。

こうして裁判を振り返ってみると、弁護人としては決して満足のいく結果であったとは言い難いところですが、裁判員に対するアンケートでは、弁護人の説明が「わかりやすかった」という意見がほとんどであったことにはほっとしています。
準備は大変でしたが、今回の裁判員裁判を通して多くのことを学ぶことができたように思います。今回学んだことを、来るべき次の機会に活かしていきたいと思います。

秘密保護法で社会はどう変わるのか

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司法制度委員会
委員長 村 井 正 昭(29期)

10月26日、弁護士会館3階ホールで標題のシンポジウムを開催しました。

前日の25日、「特定秘密の保護に関する法律案」が閣議決定され国会への上提が必至となったため、この法案に対する市民の関心の高まりを反映し、当日は、3階ホールが満員となりました。

開会に当り、橋本千尋会長から

「日弁連と52の単位会全てが反対の会長声明を出している。福岡では10月11日に反対声明を出している。審議を通じて廃案にするように取り組みを強めよう。やるべきことは沢山ある」
との力強い挨拶がありました。

シンポでは、近藤恭典会員から、法案の危険性について次のような報告がされました。

(1) 広すぎる秘密の範囲

法案が対象とする秘密は、(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動の防止(4)テロリズムの防止の4分野であるが、1985年に廃案となった「スパイ防止法」よりもその範囲が拡大されている。

掲げられている別表も、抽象的で広範な事項に及んでおり、限定性を欠いている。

しかも、指定権者は行政の長であり、その是否を問う制度も事前、事後ともになく、国民にとって必要な情報が行政の恣意で隠蔽されてしまいかねない。

(2) 処罰範囲が広範であいまい。罪刑法定主義に反する恐れ

法案では、未遂、過失による漏えい行為、共謀、教唆、煽動という行為まで処罰の対象となっており、報道機関の取材活動、市民の調査活動等が処罰の対象となりかねない。

この刑罰は、公務員だけでなく、マスコミ、市民も対象とされている。

(3) 国会議員も対象とされており、国政調査権の行使が大きく制約されることになる。

また、国会の「秘密審議」が乱発されかねない。

(4) 刑事裁判の問題

刑事裁判では、真実に、秘密とされるべきものか否かを審理することができず、被告人の防禦権が侵害される。

弁護人にも守秘義務が課されるであろう。

(5) 秘密に関わる者の適正評価

行政の長は、特定秘密を扱おうとする者の経歴、病歴、信用情報等を本人のみならず、その家族についてまで調査し、不適当と判断された者を当該業務から排除できることとなっており、重大なプライバシー侵害を招く恐れがある。

しかも、行政の長は、これらの調査を都道府県警察に委託することができるため、収集された個人情報が、警察において、保存、利用される危険性もある。

近藤会員の報告に続き、前泊博盛沖縄国際大学教授から
「日米地位協定と秘密保護法 ― 沖縄からみた日本の民主主義 ―」
と題して講演をいただきました。

前泊教授は、最近「日米地位協定入門」(創元社)を刊行されています。

教授は、この本の刊行の元となった、外務省作成の機密文書「日米地位協定の考え方」を入手し、琉球新報に掲載したことについて次のように報告されました(この報道は、2004年日本ジャーナリスト会議大賞を受賞しています)。

新聞誌面への掲載前に、外務省の幹部から「もし報道したら、外務省には出入りできなくなる」と言われた。報道後、外務省は「そんな文書は存在しない」という対応をとり、機密文書の存在と内容を秘匿し続けようとしている。「この新聞報道当時、この秘密保護法案があったならば、報道することもできなかったし、入手行為も処罰されていたでしょう」

また、沖縄国際大学構内への米軍ヘリコプター機墜落事故の際、墜落現場とその周辺が、いち早く、米軍の全面的管理下に置かれ、事故の原因究明は勿論、危険物資の有無についても、沖縄県民は、一切、知る機会を与えられなかったことを例に日米地位協定の不合理さを訴えられました。

最後に同教授は、森本前防衛相が「沖縄の基地問題は、軍事問題ではなく政治問題である。沖縄の基地を日本国内のどこも引き受けないのが問題である」との発言を引用し、沖縄では「沖縄差別」との怨嗟の声が大きくなっていることを報告されました。

1985年の「スパイ防止法案」は世論と全弁護士会の反対によって廃案となりました。しかし、その後、「自衛隊法」の改正によって、同法案の実質的な取り込みがなされました。

このことは、廃案に追い込んだらそれで一件落着とならないことを教訓として残しています。

もしかしたら、この月報がお手元に届くころには、「法案」が成立しているかもしれません。

仮に、法律が成立しても、決してそれで終りということにしてはなりません。

法律が成立しても、それを適用させなければ良いのです。
そのためにも、情報公開制度の充実、内部通報者の保護の徹底等を推し進める必要があり、弁護士、弁護士会の果たす役割は決して小さいものではありません。

シリーズ―私の一冊― 「新世界より」(貴志祐介・講談社刊)

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会 員 佐 藤   至(35期)

このシリーズの最初の原稿を書かせて頂いた。そのとき紹介したのは、池上永一の「バガージマヌパナス」だった。このときの原稿の冒頭にナックルのような変化球でいってみようと書いたとおり、前回はかなり癖のある小説だったので、今回は速球でいくことにした。貴志祐介の「新世界より」、500頁2巻組の大作である。但し、SFである。

SFというジャンルは、作者が時代や状況を自由に設定することができるので、まず、設定された時代や背景事情を了解したうえで、作者のホラ話を楽しむという姿勢で読まないと面白くない。そして、設定が合理的なもので、かつ詳細でなければ物語が薄っぺらになってしまう。かといって、あまりに状況説明ばかりだと小説として面白くない。そこのところのさじ加減が難しい。

この小説では、まず、舞台となる町の農業用水路や溜め池には、田鼈(タガメ)、太鼓打ち、源五郎などの生物が豊富に生息していることや、空には朱鷺、鵯(ヒヨドリ)、四十雀、雉鳩をよく見かけると紹介されており、一見、長閑な田園地帯であることが示されている。しかし、そのような状況説明の中に突然、「ミノシロ」という1メートル以上の無数の触手を蠢かせる生物が紹介されていたり、「不浄猫」という正体不明の動物がちらっと出てきたりする。さらに、この小説の舞台が八丁標(はっちょうじめ)という結界に守られていること、さらに呪術が現実のものとして機能している場所であることが次第に明らかにされていく。

このような状況設定の説明が1巻の150頁あたりまで延々と続く。実をいうと最初に読んだときは、このあたりで「さっぱり分からん」と挫折した。しかし、「硝子のハンマー」や「天使の囀り」の作者がこのまま退屈な説明で終わるはずがないと思い直し、再度、挑戦すると、前回、挫折したところのほんの十数頁あとで、この世界のあらましが分かる仕組みになっていた。「自走式アーカイブ国立国会図書館つくば館」という移動式のアーカイブが登場して、このような世界に至った経緯を明らかにするという仕組みになっている。この移動式アーカイブの登場と人間との最初のやり取りには、アジモフのロボット3原則がさりげなく組み込まれていて、つい笑ってしまう。そして、この移動式アーカイブによって、この小説の舞台は、今からおよそ、1,000年後の利根川の流域で、文明社会が呪術によって崩壊したあと、何とか呪力を制御しながら文明社会を再建しようとしている世界であることが明らかにされる。この設定は、「ナウシカ」と少し似ているが、あちらが善意と再生の物語ならこちらは悪意と異形の物語である。そして、この物語は、そのような社会の中での少年少女の成長物語である。この点では「ハリー・ポッター」シリーズと軌を一にする。但し、この小説の方は全く子供を読者対象としていないので、かなりおどろおどろしい。「化けネズミ」という非常に醜悪な外貌の謎の生物が重要なバイプレーヤーとして登場してくるし、「業魔」や「悪鬼」などというとんでもないミュータントも登場してくる。そして、物語はこの呪術という不安定な要素で成り立っている歪な世界の崩壊に向かって、加速度的に突き進んでいく。誰がどうやってその流れを断ち切り、正常な社会を取り戻していくかという波乱万丈のホラ話である。勿論、物語の中では種々の謎が語られ、解決されていくが、最も大きな謎である「人間」と「化けネズミ」の関係を縦軸とし、人間と業魔や悪鬼、あるいは「化けネズミ」との戦いを横軸として、物語は複層化しながら進んでいく。書評家の大森実氏はこの小説を激賞し、是非、スピンアウト物を書いて欲しいと切望していた。私も全く同感である。この小説が日本のSF小説最近20年の最高傑作であることは間違いないと思う。作者は、このあと「悪の教典」、「ダークゾーン」を上梓しているが、「悪の教典」はサイコキラー物で、監督三池崇史、主演伊藤英明で映画化されている。

なお、本書「新世界より」は第29回の日本SF大賞を受賞している。そういえば、「バガージマヌパナス」は第6回の日本ファンタジー大賞の受賞作であることから、私の読書傾向に偏りがあるという偏見を払拭するために、SF、ファンタジー以外のお勧めも最後に挙げておく。横山秀夫の「64」、宮部みゆきの「小暮写真館」、吉田修一の「路(ルウ)」、佐々木譲の「警官の血」、今野敏の隠蔽捜査シリーズ、翻訳物ではアンソニー・ホロヴィッツの「絹の家」(コナン・ドイル財団が唯一、認定したホームズ物の続編)、ジェフリー・ディーバーのリンカーン・ライムシリーズ、S.ハンターのボブ・リー・スワガーシリーズ、R.D.ウィングフィールドのフロストシリーズなどは、どれも一読の価値がある。ノンフィクションなら堤未果の「貧困大国アメリカ」の3部作が出色のルポルタージュです。

あさかぜ基金だより ~法テラス徳之島法律事務所開所式~

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弁護士法人あさかぜ基金法律事務所
弁護士 青 木 一 愛(65期)

月報ではお初にお目にかかります。あさかぜ基金法律事務所の青木と申します。

さて、去る平成25年9月6日、法テラス徳之島法律事務所開設式が徳之島のホテルニューにしだにおいて執り行われました。法テラス徳之島法律事務所の代表が当事務所の先輩である小池寧子先生であるというご縁もあり、私も出席して参りましたので、今回は、その様子をご報告致します。

さて、まず、はじめに、徳之島について簡単にご紹介いたします。

徳之島は、鹿児島の南南西468キロ、奄美群島のほぼ中央に位置する(徳之島町HPより)人口約2万8千人の島です。人口は、壱岐市とほぼ同じ位の規模になります。徳之島出身の有名人としては、第46代横綱朝潮太郎(朝潮太郎生家、朝潮太郎銅像などもあります)が挙げられますが、われわれの業界の先達ということで言えば、日弁連会長も務められた奥山八郎先生が徳之島出身です。

徳之島までの交通は、空路では鹿児島空港から40分ほど、航路では奄美大島から3時間ほどとなります。

徳之島の司法事情を見ますと、鹿児島地裁名瀬支部の管轄であり、島内には簡易裁判所もあります。これまで徳之島には弁護士がおらず、奄美大島の先生をはじめとした多くの先生方が、多大な時間と労力をかけて、徳之島の島民の皆様にリーガルサービスを提供してこられました。そのような徳之島の地に、このたび、法テラス事務所を設立しよう、との機運が高まり、去る8月1日、法テラス徳之島法律事務所が開所される運びとなりました。

前置きが大分長くなってしまいましたので、そろそろ本題に戻ります。

開所式は、まず、開式のご挨拶から始まったのですが、この挨拶の途中から「島唄」が披露されました。三線の音色に乗せて朗々と島唄が歌い上げられ、会場は早くも南国情緒にあふれておりました。

式の中では、日弁連、九弁連、法務省等、様々な方面の方から、開所をお祝いするお言葉が述べられたのですが、とりわけ、地元の徳之島の方々のお言葉には、熱いものを感じました。

徳之島には民事、刑事を問わず多くの法律問題が存在しているにもかかわらず、これまで、徳之島の住民の方々は、フェリーに乗って奄美大島まで行かなければなりませんでした。当然、時間もお金もかかりますので、弁護士に相談することすら躊躇せざるを得ない状況でした。これは、徳之島の行政機関の方々も同様です。そんな中、法テラス徳之島法律事務所が開設されたことにより、徳之島には、常に1人は弁護士がいることになりました。徳之島の皆様にとって、何か困ったことがあったら法テラスの弁護士に相談してみよう、という仕組みができたことが何より大変心強いものである、というお話を伺うと、改めて、私たち弁護士の担う役割が重要であることが分かりました。

式も中盤に差し掛かると、いよいよ、法テラス徳之島法律事務所の職員紹介となりました。小池先生と事務局の通称「助さん格さん」コンビ(お一人の方が「助川さん」ということで、もう一人の方が自動的に「格さん」と呼ばれるようになった、ということでした)が壇上にて挨拶をされました。小池先生は、あさかぜ事務所に在籍されていた頃から「人前で話すのは苦手」と話されていましたが、開所してからの1か月で大分鍛えられたようで、徳之島に赴任される熱い思いが伝わるご挨拶でした。

式の終盤では、再び島唄、島踊りが披露され、更には、島の伝統にあやかり、会場の全員が輪になって踊りながら、お開きとなりました。

それでは、小池先生の徳之島でのますますのご活躍を祈念しつつ、筆をおくことと致します。

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