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カテゴリー: 月報記事

インターネット被害110番報告

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会 員 塗 木 麻 美(62期)

1. インターネット被害110番について

ホームページ委員会では、平成17年より、毎年無料の電話相談「IT・インターネットトラブル110番」を実施しています。パソコンやインターネット、通信などのITに関する法的なトラブルについて、ITに詳しい弁護士が無料で電話相談に応じるというものです。

この無料電話相談をきっかけに、通信機器設置詐欺の事案について弁護団が発足したこともあります。また、相談内容は「IT」にからむものなら何でも、ということなので、今、一般の方がどのようなITに関するトラブルを抱えているのかを知る機会ともなり、弁護士にとっても有用な取組みだと思います。

2. 事前の広報

ということで、今年度も、年度初めに実施日が10月9日と決まりました。ただ、この日程が市民の皆さんに報知されないと、電話のかかってきようがありません。毎年頭を悩ませるところですが、大きくは消費者生活センター経由と、テレビ・ラジオといった広報枠の活用、また、ネットの活用ということになります。今年は初めての試みとして、県弁護士会の「バナー」(大型告知枠)も活用させていただきました。

私は対外広報委員会にも所属していますので、各委員会の「110番」企画について、広報の依頼を受けることも多いです。「110番」企画の広報で一番効果的なのは、「今まさに電話を受け付けています!!」といったテレビショッピング的なリアルタイム性のあるものだと思います。告知を聞いて、「相談したいな」と思っても、実施日まで間隔が空くと、忘れてしまったり、都合がつかないことが多いと思われます。

そのため、110番の告知は「当日、その時間帯」がベストだと思います。110番を企画されている各委員会の方々、ぜひ早めの広報依頼を対外広報委員会までお願いします。もちろん、テレビ・ラジオの告知枠にはいろいろ制約があり、全てのご希望にお応えできるわけではありませんが、早めに教えていただければ、日程などは結構融通が利きます。逆に、せっかくおいしい告知枠があるのに、広報することが何もない!という悲しい事態(年に数回発生します)はできるだけ避けたいのです。どうぞよろしくお願いします。

・・・すみません、だいぶ脱線しましたが、今回のIT110番も、当日、KBCラジオ「パオ~ン」内の、「ひまわり号レポート」という枠で、告知をさせていただきました。ひまわり号レポートは、中継車「ひまわり号」がやってきて、かわいいレポーターさんが、その場でインタビュー・生中継してくださるものです。

ちなみに、昨年のIT110番も、当日、ひまわり号レポートの告知を実施しました。昨年は松尾重信先生が担当され、落ち着いた語り口と噛み砕いた説明が功を奏し、生中継中から電話が鳴り響くというたいへん素晴らしい告知効果がありました。相談件数も13件と盛況で、多くが「ラジオを聞いて電話した」というものでした。

今年も、同じようにひまわり号がやってきて、私が出演させていただきました。できるだけわかりやすくお話ししたつもりでしたが・・・。

3. 今年の実施状況

結論から言いますと、相談は7件と、昨年から半減してしまいました。ここ近年の実績からすると、少なくはないですが物足りない数字です。相談内容は、(いかがわしい)サイトにワンクリックで登録されてしまった、ホームページ制作契約をしたがホームページを作ってもらえない、掲示板の書き込みに削除依頼したが一向に削除されない、といった、まさにIT・インターネット被害に関するものがありました。これらの問題に詳しい弁護士が、直接具体策を提示するこの電話相談は、非常に有益なものだと思います。

なので、願わくばもう少し電話がじゃんじゃん鳴ってほしいのですが・・・。私見ですが、この電話相談は、男性の比率が通常のものより高い気がしており、それも上記のような「いかがわしい」問題が多少混じっている相談が多いため、やはりラジオの出演者は男性の弁護士の方がよいのではないかとも思います。もっとも、委員の先生方は、「そんな相談ばっかり増えてもしょうがない」と言っておられましたが。
来年は、より広報に工夫をして、多くの皆様にご利用いただきたいと思います。今年もご担当いただいた、菅藤委員長、松尾先生、藤井先生、瀬戸先生、ありがとうございました。来年は初参加の先生方もお待ちしております。

サクラサイト被害等110番報告

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会 員 井 口 夏 貴(61期)

本年8月25日(月)午前10時から午後4時まで、県弁消費者委員会の企画で、サクラサイト被害等の悪質インターネット被害についての無料電話相談を実施しましたので、ご報告します。

サクラサイト被害とは、出会い系サイト等のサイト運営業者が雇ったサクラが、会社社長や芸能人、占い師、弁護士などに成りすまし、携帯メールなどを使って言葉巧みにサイトに誘導し、登録させて、メールのやり取りのためのポイント購入、口座開設費用などの名目で多額の金銭を支払わせるというインターネットサイトを通じた消費者被害です。

例としては、出会い系サイトで、異性と直接会うための連絡のためにメール交換用のポイントを購入したけれど、いつも直前でドタキャンされ、ひたすらメールのやり取りばかりが繰り返され、利用料が高額化するというものが典型的でした(そのため以前は「出会い系サイト被害」「出会えない系サイト被害」などと呼ばれていました。)。

他にも、会社社長と名乗る人物から「即金1,500万円援助します」などの迷惑メールを受け取った経験をされた方もおられるかと思いますが、ここから、振込のための口座開設費用を振り込んでほしいだとか、あるいは、送金用のパスワードを送ったが、文字化けしており、その文字化け解除のために、メールを送ってほしいだとか、いろいろな理由をつけて、金銭を支払わせる類型、芸能人やそのマネジャーと名乗る人物から、芸能人の相談に乗ってやってほしいと言われて、サイトに誘導され、有料のメール交換を延々と続けさせられ、お金が無くなったから辞めたいというと、自殺する、などと脅され、やめられず被害が高額化したという類型など、様々な類型が派生しています。最近では、占いサイトでも、サクラによる被害事例があるとの報告もあります。

いずれも、結局儲かっているのはサイト運営業者だけということを考えれば、サクラによる詐欺被害が強く疑われるものです。

全国にサクラサイト被害について取り組んでいる弁護士、弁護団があり、数年前から年に1、2回程度、それまでの成果や事例報告を行う全国協議会をしているのですが、その全国協議会の呼びかけで、毎年8月か9月頃に、全国一斉の無料電話相談をしており、本年で第4回の全国一斉無料電話相談になりますが、サクラサイト被害については、弁護士でもご存じない方が多く、いわんや被害者をや、という感じで、被害に気付いておられない方も多いのではないかと思います。

しかし、福岡でも、数百万円単位での被害に遭われている方がおられますし、中には2,000万円の被害にあった方もおられ、決してその被害は、看過できないところです。

昨年は事前の広報がうまくなかったこともあり、相談なしという結果に終わったのですが、今年は、対外広報委員会から、KBCラジオの当日の生放送での告知枠を頂いたこと、サクラサイト被害に特化せず、広く悪質なインターネット被害についても相談対象としたことなどの結果、相談件数8件(うちサクラサイト被害については2件)と、なんとか昨年の雪辱ができました。

無料電話相談実施後も、ちらほらとサクラサイト被害の相談があり、110番での被害把握は十分ではなく、まだまだ潜在的な被害事例があるのではないかというのが実感です。
サクラサイト被害については、早期の相談によって被害回復できる場合もありますので、この記事を読まれた会員の皆様も、同様の相談がありましたら、是非、被害回復に向けてご尽力いただければと思います。

偽装質屋被害者110番と消費者委員会の 取り組み

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消費者委員会 河 内 美 香(57期)

1 110番実施の状況~台風に負けました

平成26年8月10日(日)、「偽装質屋被害無料電話相談会」を実施しましたので、まず、その結果を、簡単にご報告します。

110番当日の電話の件数は「4件(うち、偽装質屋関係の電話は、2件)」でした。

今回の110番は本当に残念な結果でした。事前に(2日前の8月8日、なお、この日は業者及びその代表者に対する刑事判決言渡日でした。)、記者レクを行った際の記者の方々の関心は「高い」と感じていたので、正直、がっかりしました。おそらく、週末に迫っていた台風報道に110番報道が吹き飛ばされてしまったようです。

110番自体は極めて低調で、ご報告できることはこの程度です。

とはいえ、今後、本件に関し、被害者の方から、法律相談を求められる場合もあると思われます。そこで、「偽装質屋」問題と消費者委員会における取り組み及び破産手続の状況を説明いたします。

2 「偽装質屋」問題と消費者委員会における取り組み

平成24年10月、福岡県警が、福岡県内及び近隣の県で質屋営業を行っている業者(2社)に対し、貸金業法違反等の容疑で捜索・差押えを行いました。

当時の報道によれば、上記業者は、高齢者等に融資を実行する際、貸付金に対し担保価値のない安価な物品を預け入れさせつつ、一方で、年金等公的給付が振り込まれる口座から口座振替させるなどの方法で返済を受け、実質的には年金等公的給付を担保に貸付を行っていたとされています。この業者は質屋営業であることを理由に、金利は、月8%もの高金利(年利96%)を受け取っていました(質屋営業法上の上限金利は109.5%)。この事件は、新聞・テレビ等で大きく取り上げられ、このような形態をとる業者は、以後、「偽装質屋」という名称で報道されるようになりました。

この報道により、上記業者から貸付を受け高利の利息を支払っていた被害者の相談が顕在化するのではと予想されたことから、消費者委員会所属の弁護士が中心になり、同年11月、北九州・福岡・筑後の3カ所で、被害者説明会や無料電話相談会を実施しました。その後、黒木和彰消費者委員会委員長が団長となり、違法質屋被害者弁護団が立ち上がりました。

3 上記業者の破産事件の状況

福岡地方裁判所において、上記2社の破産手続きが進行しています。破産手続の進捗状況は、以下のとおりです。

  • 平成25年2月 債権者破産申立
    *この破産申立は、破産法23条(国庫仮支弁)の適用が初めて認められたケースでもあります。
  • 平成26年1月7日 破産手続開始決定(破産管財人 髙松康祐弁護士)
  • 平成26年7月31日 債権届出期間及び債権調査期間の決定
4 最後に

今回の110番の広報のため、対外広報の関係で、原田直子先生、塗木麻美先生に多大なるご助力をいただきました。この場をお借りして、お礼申し上げます。

奨学金問題研修会のご報告

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会 員 清 田 美 喜(66期)

1. はじめに

生存権対策本部では、去る7月30日、東京弁護士会の岩重佳治先生を講師にお招きして、奨学金問題研修会を開催しました。この研修会には一般の方も参加が可能で、行政機関から聞きに来られた方もいたようです。また当会からも、事前に呼びかけを行った子どもの権利委員会、消費者委員会、生存権対策本部を中心に、大勢の先生方にご参加をいただきました。当日の様子と、奨学金問題の概要をご報告申し上げます。

2. 日本の奨学金制度とその問題点

日本の奨学金には、日本学生支援機構のもの、行政が行っているもの、他の民間団体が行っているものがあります。そして、これらのほとんどは貸与型、すなわち将来返済をしなければならない奨学金です。日本では、奨学金を返済することは当たり前のように思われていますが、諸外国では、学費を無償化することや給付型(返済不要)の奨学金によって進学費用を援助しており、貸与型の奨学金はそれらを補うものにすぎません。海外では、貸与型の奨学金は奨学金ではなく、「学資ローン」と呼ばれています。

日本では、高等教育にかかる学費が高額であることに加え、雇用環境の変化に伴って家計が厳しくなり、学生の多くが奨学金を借りざるを得ない状況にあります。それにもかかわらず貸与型の奨学金が多いということは、進学するためには否応なく借金をしなければならないということを意味します。

さらに、現在の日本の社会状況では、借りた奨学金を返済していくことは、さほど簡単なことではありません。非正規雇用など不安定で低賃金の働き方を強いられている人が多く、返済に十分な収入を得られない人も少なくありません。加えて、多くの奨学金の貸し手である日本学生支援機構が、返済の免除の要件を非常に厳しくしていることや、延滞金が発生すると免除が認められないこと、容赦ない取り立てを行っていることなど、借り手にとって非常に厳しい制度設計・制度運営をしていることから、多くの若者がこの問題で苦しんでいると考えられています。

3. 声を上げにくい問題

他方で、奨学金の問題は、これまでなかなか顕在化してきませんでした。それは、奨学金の返済に苦しむ人が、声を上げることを躊躇してしまうためだといわれています。岩重先生も講義の中で、「当事者が声を上げられない状況を打破したい」とお話しされていました。なぜ声を上げられないか、ということに対する岩重先生の分析は、借り手が自分は助けてもらう価値があると思えないと感じていることと、相談する価値がない話だと感じていることにあるのではないか、というものでした。「勉強するために借りたお金だから、多少無理をしてでも返さないといけない」という借り手の真面目さが、この問題を人目に触れにくくしていると言えると思います。

現状を打破するために、岩重先生が提案されていたのが、相談できる窓口を作ること、相談されたら何とかなるということを示すこと、返せないのは自分のせいではないということを周囲が理解できるようにすること、でした。

相談窓口の一つとして、本年6月15日に当会でも実施した、奨学金問題に関するホットライン(電話相談)が挙げられます。このとき、私自身は電話を取る機会はありませんでしたが、他の先生方の対応を聞いていると、子どもが借りた奨学金のことで高齢の親が相談してくるなど、連帯保証人からの相談もあったようです。

奨学金を借りる際、保証人は自然人保証と機関保証とが選べるようになっていますが、ここで自然人保証を選ぶと、借りた本人が破産しても保証債務が残り、連帯保証人になってくれた親などに迷惑をかけることになるため、破産が事実上できないという問題があります。そのような奨学金ならではの問題に直面した場合、どのような点に注意し、また対応すればよいのかについて、研修会では詳細なQ&Aを配布していただきました。奨学金は多くの人が抱えている可能性の高い負債です。弁護士のところに相談が持ち込まれる場合もあると思います。どのような場合に返済期限の猶予や返還免除が認められるのかなど、弁護士も奨学金制度についてきちんと把握していく必要があると言えます。

4. 社会的な課題の解決に向けて

現在負債を抱えている人が、現状の制度を活用して、少しでも状況を改善することも急務です。それに加えて、奨学金問題は、学費が高額である、奨学金のほとんどが貸与型である、労働環境が悪いといった日本の社会構造に起因しているものですから、その社会構造を変えていく必要があります。学費にもっと公費を投入し、生まれた家庭の経済状況にかかわらず、子どもたちが十分な教育を受けられるようにすることや、給付型の奨学金を増やすこと、非正規雇用の増大を止め、労働環境を向上させること―いずれも困難な課題ですが、若者が安心して勉強でき、安心して社会に出ていけるようにするには、不可欠な取り組みであると言えます。
私の周囲でも、多くの同級生が当たり前のように奨学金を借りていましたし、「司法試験に合格できなかったら奨学金はどうやって返せばよいのだろう」と途方に暮れていた姿も記憶に残っています。若者に借金を強制することがおかしいということに、日本の社会がなかなか気づかないのは、これまでそれが当たり前と思われていたことにも原因があるのだと思います。若者は社会の未来の担い手であって、その学びや成長は、個人の利益にとどまらず、ひいては社会全体の利益につながります。教育に対する考え方が変わり、学費や奨学金のあり方を変える日が、一日でも早く訪れてほしいと思います。

あさかぜ基金だより

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会 員 西 村 幸太郎(66期)

いわゆる「若者問題」、すなわち、多額の支出を強いるロースクル制度の是非と、法曹人口増加による若手の就職難等の問題が叫ばれて久しく、現在も、活発に議論がなされているようです。一方で、いわゆる「司法過疎偏在問題」は、一時に比べると、議論も落ち着いてきたようで、ゼロワン地域が解消されたことによって、同問題は解決済みだとする見方もあるようです。しかし、ゼロワン地域が解消されたことが、イコール司法過疎偏在問題の解決というわけではありません。そもそも、ゼロワン地域とは、「地方裁判所の支部が管轄する地域区分内に、法律事務所などを置く弁護士の数が、1名しかいない、あるいは全くいない地域」を指すところ、この定義から分かるとおり、便宜上、裁判所の支部を基準に設定されたものであり、裁判所の支部がない地域であっても、リーガルサービスを必要としている過疎地域は存在するのですから、ゼロワン地域の解消によって、弁護士会の当面の目標は達成したとしても、司法過疎偏在問題が解決したとみるのは、早急に過ぎると思います。司法過疎偏在問題は、古くて新しい問題であり、今なお取り組むべき重要な問題であると考えています。

ところで、私は、司法過疎偏在問題への取組みの起源を、司法制度改革にあるものと理解しています。司法制度改革は、2000年頃から着々と進められてきたものですが、意外と、その内容をよく理解している人も少ないのではないかと感じているところです。私も、細かい議論にまで精通しているわけではないですが、以下では、私なりにかみ砕いて理解している、司法制度改革の概要についてお話させていただこうと思います。

日本は、従来から、行政が、護送船団方式によって、強力な事前規制を行うことによって、事後的な紛争を避け、適正な経済活動を担保していました。しかし、不景気の影響もあり、事前規制は抑制し、ある程度自由な経済活動を行わせつつ、紛争が生じた場合は適切な事後的解決を行うことによって、適正な経済活動を担保していくという方向性にシフトしていくべきではないかという風潮が強くなっていきます。そして、ついに、いわゆる「規制緩和」がなされることになります。これが、行政改革です。その後、立法の分野でも、小選挙区比例代表並立制が採用され、より民意を反映できるように立法改革がなされます。残るは司法改革ですが、規制緩和を行った日本では、事後的な紛争解決の制度として、司法の役割が益々大きくなっていきます。そこで、司法制度改革では、(1)ロースクールの設立と(新)司法試験、(2)法テラスの設立、(3)裁判員裁判の開始を大きな柱として、改革を進めることとなりました。具体的には、(1)良質な法曹を育成するため、実務をにらんだ教育機関であるロースクールを設立し、実務家としての資質を図るために、試験内容も大きく検討し直すことになりました。また、合格者を増やすことで、法曹人口の増加を図り、マンパワーを確保し、リーガルサービスの行き届いていない地域にも、これを行き届かせようとしたのです。そして、(2)法曹と市民の距離感を縮め、法曹による紛争解決が望まれるケースを拾い上げるために、公的な機関として「法テラス」を設立することになりました。更に、(3)これまで、日本では、市民にとって、裁判の世界が縁遠いものであるという風潮があったので、市民が裁判に参加し、裁判の世界を身近に感じられるようになることで、市民が法曹による紛争解決について興味を持ち、法曹と市民の距離感を縮めようという狙いがあって、裁判員裁判が開始されたものといえるでしょう。こうした取組みにより、紛争解決の砦として「司法」が機能し、より身近にリーガルサービスを提供できるようになるとともに、全国津々浦々に、満遍なくリーガルサービスを提供できるようにしていこう、としたのが「司法制度改革」といってよいと思います。
以上述べた司法制度改革のスローガンは、「法の支配の国民的浸透」でした。つまり、法による紛争の解決を、日本の全国民が受けられるようにしていこうということです。この過程で、司法過疎偏在問題についての取組みの必要性が叫ばれるのは必然のことであり、私は、司法制度改革で掲げられたスローガンの達成のために、今なお取り組んでいくべき重要なテーマだと認識しています。

先日、当事務所の所員である島内崇行弁護士が、壱岐ひまわり基金法律事務所へ赴任することが決まりました。同じ所員として大変喜ばしいことだと思っております。当事務所は、司法過疎偏在問題に正面から取り組み、所員各人が、日々、赴任に向けて、精進しているところです。67期の2人を採用していただくことも決定し、これからも、司法過疎偏在問題の解決に取り組んでいく所存ですので、どうぞ宜しくお願いいたします。

長々と書いてしまいまして本当に恐縮ですが、本稿が、司法過疎偏在問題に興味をもつ一助となり、また、先人達が、いかにして司法過疎偏在問題に取り組み、成果を上げていったかを知るひとつのきっかけとなれば、幸いです。

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