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カテゴリー: 月報記事

行政問題委員会だより

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行政問題委員会委員 前田 恭輔(68期)

平成28年9月10日午前10時から午後3時まで、福岡県弁護士会館において、「行政ホットライン 秋の大相談会」が行われましたのでご報告します。

1 「弁護士による行政ホットライン」について

行政問題委員会は、年10回、「弁護士による行政ホットライン」を実施しています。行政ホットラインでは、行政に対する不満や疑問について、市民の皆様から、電話または面談で相談を無料で受け付けています。相談では、税金に関する問題や生活保護に関する問題、区画整理や用地買収に関する相談など、毎回多岐にわたる相談が寄せられています。

また、年10回の行政ホットラインのうち春と秋の2回は、休日の午前11時から午後3時までの4時間で大相談会を行っています。大相談会には、普段は仕事で相談に来られない方も参加され、毎回10件前後の相談が寄せられています。

2 行政ホットライン秋の大相談会について

平成28年9月10日に、行政ホットライン秋の大相談会が開催され、弁護士10名で対応しました。当日は、遺族年金に関する相談2件、公営住宅の立退きに関する相談1件、国民健康保険料の減免に関する相談1件、ハローワークに関する相談1件、国家賠償請求に関する相談1件、火災保険に関する相談1件の計7件の相談がありました。

直ちに受任につながるものはありませんでしたが、遺族年金に関する相談及びハローワークに関する相談については、当日の面談だけでは結論が出ないものであったことから、後日、担当した弁護士が関係する法令等を調査検討の上面談を行いました。

相談者の中には、これまで長期間にわたって行政側と交渉を重ねてきた方や、行政側の対応の不適切さから強い不満を抱えている方もいらっしゃいました。そういった中でも、委員の先生方は、相談者の話を丁寧に聴き取り、具体的なアドバイスをされていました。相談者の方々は、期待した回答が得られなかった場合であっても納得した表情で相談を終えられていました。

3 今後について

行政問題委員会では、平成29年2月7日に行政事件の研修会を行う予定です。同研修会の第1部では、今年の4月に施行された改正行政不服審査法について木佐茂男九州大学名誉教授にご講演いただく予定です。また、第2部では、当委員会の委員が、「行政事件のイロハ」と題して、情報公開請求や補助金の問題など日常業務で遭遇しやすい行政事件について講演を行う予定です。日々の弁護士業務に役立つ内容になると思いますので、是非ご参加ください。

給費制維持緊急対策本部だより 修習手当の創設を求める院内意見交換会について (10月11日衆議院第一議員会館)

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会員 南正覚 文枝(67期)

1 平成28年10月11日、衆議院第一議員会館において「修習手当の創設を求める院内意見交換会~実現させるこの秋に~」が開催されましたので、そのご報告をさせていただきます。

2 今回の院内集会は、参議院の本会議とちょうど時間帯が重なってしまい参議院議員の出席が望めなくなったにもかかわらず、国会議員本人出席31名、秘書代理出席70名、一般出席185名、合計286名出席と、多くの方々にご出席いただきました。

集会までに寄せられた国会議員の賛同メッセージは、当日寄せられたものを加えると432通に達し、議員総数の6割を超えました。

3 集会の開会前には、これまで全国8カ所で行われたリレー市民集会の動画が上映されました。

集会はまず、中本和洋日弁連会長による開会挨拶から始まりました。

4 その後、各党を代表して国会議員の方々からの発言がありました。

自由民主党・宮崎政久議員、公明党・吉田宣弘議員、社会民主党・福島瑞穂議員、日本維新の会・河野正美議員、民進党・逢坂誠二議員、日本共産党・畑野君枝議員、それぞれの方々からご意見を頂きました。

皆さん共通して、ビギナーズの地道なあいさつ運動等の活動を称え、司法修習生への給費の実現を一刻も早く図らなければならないという強い認識を持っておられました。

そしてまた、何人もの国会議員の方が、ここにいる国会議員たちは本来全く政治的立場は異なるが、司法修習生への給費の実現という待ったなしの課題については、その立場の違いを超えて共に戦っていく必要があるという発言をしておられました。

その後、集会に出席してくださった他の国会議員の方々からも次々と、早急に給費を実現するために最後まで共にがんばりましょうといった熱いエールを頂き、会場が一体となって盛り上がっていきました。

5 国会議員の方々からのエールの合間には、70期修習予定者と大学生2名、計3名の当事者からの発言がありました。

70期修習予定者からは、これまで奨学金を借りてきたため現時点で700万円近くの借金があり、修習が貸与のままであった場合、修習終了時点で約1000万円の借金を背負うことになること、貸与を受けるため保証人を立てなければならないが世話になった両親に頼むのは心苦しく機関保証にしようと考えていること、このようなことから今年の司法修習を辞退しようかと悩んでいることなどが、語られました。

また、大学生からは、実家がそれほど裕福ではないため経済的不安が大きく、このままでは安心して法曹への道を目指せないといった悩みが語られました。

このような当事者の生の声は、集会に参加した方々の心を深く打つものがありました。

6 最後に、新里宏二司法修習費用給費制存続緊急対策本部本部長代行が、これまでの活動を振り返りつつ、「修習手当の創設を実現させ新しい法曹を育てていきましょう、もう猶予はありません!」と力強く述べ、会場は熱気に包まれた中、盛況のうちに閉会となりました。

7 このようにこの秋からの司法修習生への経済的支援の実現に向けての活動は、多くの国会議員の理解と賛同も得て、いよいよ大詰めを迎えております。

会員の皆様の変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。

ITコラム 「クラウドの必要性?」

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IT委員会 関口 信也(53期)

1 クラウドとは

IT関連広告で「クラウド」を耳にすることがあります。このクラウドは英語の意味では「雲」ですが、IT分野で使う場合はインターネットを利用したネットワークの意味です。なぜ「雲」なのかは定説はありませんが、ネットワークを図説するときに、雲状のものをつなげたことによるとの有力説があります。

このクラウドをより簡単に説明するならば、大切なデータを個人のパソコンや携帯端末に保管するのではなく、インターネットを利用して、外部に蓄積することです。個人のパソコンが壊れた、持ってきていない、必要とする情報量が多すぎるなどの不便な状態のときに、身近な端末を利用してインターネット接続で、データの閲覧・編集などができるようになります。Gmailなどもクラウドを利用したメールサービスと言えます。

2 サーバーはどこにある?

ところで、最近は法律事務所の多くがホームページを持つようになりました。

ある業界雑誌のアンケートでは、法律事務所のホームページ所持率は40%とのこと。そのURLに使う文字の配列をドメインと言いますが、事務所や個人の名前を設定することが多いですね。つまり独自ドメインを使っていることになります。独自ドメインを設定するときに、その元になるのがサーバーです。外部のサーバーを利用することはクラウドに似たものとなります。

3 クラウドのメリットとデメリット

クラウドを利用すると前記のとおり遠隔操作が可能ですが、そのほかにもサーバーやソフトの購入、その維持管理が不要となり、コストが低減できます。

逆に不安なのはサービスの安定稼働とセキュリティです。ネットの不具合、提供会社側の障害発生や人的アクシデントは、利用者側ではどうしようもありません。十分な対策が講じられた提供会社を選ぶべきでしょう。

クラウドを利用する事務所はまだ少ないと思いますが、外出の多い弁護士やチーム弁護の場合には大いに活用の場面が増えます。瞬時にクライアントの要望する資料が出せることは、事務所の営業にも役立ちます。これからはさらにIT技術が進みますから、デメリットを克服したネットワークが完成すると私は期待しています。もちろん現状においても、法律相談用の知識としてクラウドを知っておくべきでしょう。

あさかぜ基金だより・番外編 ~徳之島より戻ってきました~

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会員 今井 寧子(64期)

元・あさかぜ所員の今井(小池)寧子と申します。平成23年12月の弁護士登録と同時にあさかぜ基金法律事務所に入所しました。その後、平成25年8月1日より鹿児島県の徳之島に赴任し、3年の任期を終え、この度福岡に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いします。

初めての徳之島

忘れもしない、平成25年7月31日、私は生まれて初めて徳之島の地に降り立ちました。その年は、後に奄美群島全体で雨乞いをするほど晴天続きの日々で、私が徳之島に着いたときにも青い空と青い海、ギラギラと輝く太陽に迎えられました。その輝く太陽に負けないように私もこれからこの地で輝こうと決意を新たにしたものでした。一方で、徳之島(子宝)空港に降り立ったときに、青い空などの次に目に入ってきたものが、「全国闘牛サミット」なる横断幕であり、これからの生活に一抹の不安を覚えたことはここだけの秘密です。

平成25年8月1日、法テラス徳之島法律事務所は、無事に開所の運びとなりました。奄美群島における2大地元紙である南海日日新聞と奄美新聞に取材に来ていただき、翌日には、奄美新聞ではなんとカラー写真付きで1面を飾りました。

その後、なぜか私の両親も出席し、なんだか結婚式の披露宴のようになってしまった開所式があったり、初めての島での台風を経験したりしながら(大変恐ろしい経験でした。)、徐々に徳之島での生活にも慣れていきました。

徳之島での活動

徳之島は、8つの有人島からなる奄美群島のうちの一つであり、人口2万5000人ほど、主な産業は農業(サトウキビ栽培)という(ちょっぴり賭け事も好きだけど)のどかなのどかな島です。

そんな徳之島での活動を少しご紹介します。

一番の思い出は、やはり「初めての管財事件」です。徳之島に赴任して比較的早い時期に依頼を受けたのですが、本当に何もかもが初めてだったので、軽くパニックでした。にもかかわらず、私の主な任務は、闘牛用の牛の査定、その牛に価値があるのであれば換価すること、という困難を極めるものでした。なんと、私は、闘牛牛の管理者になってしまったのです。ひとまず、その牛を見に行かねばなりません。牛小屋をたずねると、大きくて、黒い牛が「ぶもももも」と鳴いています。その牛は、800キログラムあるそうなのですが、それでも、階級は軽量級。大きい牛は1トンを超えるそうです。なお、闘牛用の牛の価値は、牛同士で喧嘩をさせてみないと分からず、勝数が多くなればなるほど、その価値は上がっていき、100万円を超える価格で取引されることもあるそうです。一方で、勝てない牛はただの牛。それどころか、食用の肉としては、筋肉ゴツゴツで、そう美味しいものではないので、2、3万円の価値しかないそうです。うんうん、勉強になりますね!

その他、「先生からは都会の香りがする」とお客様に言われてしまうほど都会育ちの私には、特に土地問題等では慣れないことも多かったですが、色々な方々の助けもあり、なんとか3年の任期を終えることができました。

徳之島とあさかぜと

紙面も尽きてきましたが、あさかぜだよりなので最後に大事なことを。徳之島史上、弁護士が常駐するのは私が初めてであり、それが使命感となる一方で、島に一人きりという孤独感に苛まれることも実は結構ありました。そんななか、あさかぜで指導担当をしてくださった先生方に事件の相談が出来たり、あさかぜ出身の先輩方にお話を聞いていただいたりして、仕事の面でも精神的にも支えていただき、あさかぜ出身で良かったなあと思うことが多々ありました。また、あさかぜにいると自然と色々な先生方と交流する機会が増え、それが赴任後の糧となっているなあと感じることもありました。

時代は変わっていきますが、あさかぜ共々今後とも何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

「転ばぬ先の杖」(第28回) 「整骨院での施術について」(交通事故委員会)

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会員 黒野 賢大(64期)

1 はじめに

この「転ばぬ先の杖」シリーズは、月報をご覧になった一般市民の方に、法的な取り扱いや弁護士の取り扱い業務を知っていただくためのコーナーとなっております。

今回は、交通事故委員会から交通事故の際の賠償問題について取り上げたいと思います。

2 交通事故の被害に遭われた方で、「整骨院に通院したいが、病院に許可をもらわないといけないのか」「整骨院への通院を保険会社から打ち切る旨の連絡が来たがどうしたらいいのか」といった内容の相談を弁護士が受ける場合があります。

そこで、被害者の整骨院への通院の際の施術について、実務上の取り扱いについて紹介したいと思います。

3 判例・実務上、整骨院での施術費が交通事故の賠償として認められるためには、原則として、医師の同意(施術についての指示を受けること)が必要とされています。

もっとも、医師の指示を受けなければ全く認められないものではなく、下記(1)から(5)の事情や、患者(被害者)側の事情(整形外科への通院の困難性、副作用回避、時間的拘束)等を考慮して適正な範囲で施術費が認められるものと考えられています。

  1. 施術の必要性 → 施術を行うことが必要な身体状況にあること。これは、各施術が許される受傷内容であることを前提に、従来の医療手段では治療目的を果たすことが期待できず、医療に代えてこれらの施術を行うことが適当である場合、又は、西洋医学的治療と東洋医学に基づく施術とを併施することにより治療効果が期待できる場合である必要があると考えられています。
  2. 施術の有効性 → 治療の効果(症状緩和の効果)があることが必要と考えられています。
  3. 施術内容の合理性 → 受傷の程度や症状の程度に応じたものであることが必要と考えられています。
  4. 施術期間の相当性 → 受傷の内容、治療経過、疼痛の内容、施術の内容及びその効果の程度などから施術を継続する期間が相当であると判断できなければなりません。
  5. 施術費の相当性 → 報酬金額が社会一般の水準と比較して妥当であることが必要だと考えられています。

4 上記のような取り扱いによれば、整骨院での施術についての医師の指示がない場合で、整骨院での施術内容に全く変化がなく、施術の効果が全くなく、1年間整骨院に通い続けた場合に施術費が賠償されないということは想像できると思いますし、一方で、事実上、整骨院の通院を保険会社が承諾して、数か月の通院であれば、それほど問題なく施術費全額を支払ってもらえることになると思います。

しかし、施術費がどの範囲で認められるかという点は、上記のように様々な事情をもとに判断されることになりますので、後から施術費の一部を賠償してもらえなかったということにならないように、早期の段階で専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

その他に、過失割合や慰謝料・休業損害の算定など、交通事故における賠償の法的問題は多岐にわたります。

早期に弁護士に相談することで、賠償にまつわる様々な悩みを弁護士に任せ、治療に集中できる環境づくりをするという意味でも、まず、お気軽に弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。

5 福岡県弁護士会では、以下ように交通事故の法律相談を行っております。

交通事故無料電話相談:092(741)2270
(月・火:午後1時~午後3時30分、 水~金:午後1時~4時)
無料面接相談:お問い合わせ 092(741)3208

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