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カテゴリー: 月報記事

私を取り巻くIT環境いまむかし

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会事務局 荒木さくら

ホームページ委員会を担当させていただいている関係で、月報に記事を書かせていただくことになりました。特にこれといって書くことも思いつかないのですが、先生方は自由業でいらっしゃるので、もしかしたら私が会社勤めをしていたころの「社内IT環境」についてお話したら少し目新しくて面白いかもしれませんね!そんなわけで、私の職場IT環境「いまむかし」について書いてみます。

むかしの職場

一応私は以前SE(システムエンジニア)でありまして(結局最後まで文系人間で付いていけませんでしたけど)、私が働いていた会社はSI(システムインテグレータ)であり社員数も1万人弱いましたので、IT環境は進んでいる方だったのです。

一番便利だったのが、会社の中ではお財布が要らなかった、ということです。社員証にICチップが付いていて、売店も食堂も自動販売機の飲み物も、全て社員証でお支払い。月末に給料天引というシステムになっていました。また、会社のドアはすべてオートロックで、ドアの前の社員証読み取り機に社員証を当てると開錠する仕組みになっていました。

仕事のやり方としては、FAXはほとんど使用したことがなく、やり取りの100%近くがメールでしたので、職場はひたすら「カタカタカタ」、キーボードを叩く音のみ。電話はよほど切羽詰った時しかかかってきませんし、となりの人ともメールでやりとりするような状況でしたので、職場はいつも「し〜ん…」そしてひたすら「カタカタカタ」。フレックス勤務でしたので、出社も退社もバラバラ。ゆえに、「し〜ん」としたなか挨拶するのも気が引けて、「おはようございま〜す」も「お先に失礼しま〜す」も誰にも聞こえないようなか細い声で行なわれておりました。

いまの職場

このように、以前の職場は、IT環境は発達していましたが、人と人との触れ合いは希薄になっていました。お昼休みになるまで隣の人が休んでいるのに気づかなかった、ということもしばしば。それに比べると今の職場の温かいことといったら!まず朝の挨拶が元気よくて気持ちいい。弁護士会館に来られた先生方とも「昨日はお疲れ様でした〜」などと言った会話がそこかしこから聞こえてきます。笑い声が聞こえる職場で「ああ、転職して本当に良かった」と思っている私です。

しかし、IT環境については不満があります。連絡手段の上位は現在FAXですが、急ぎのときに送信状を打ち出してFAX機までいくのはかなり面倒。しかもFAXはかなり時間がたってエラーが判明したりします。やはり、もう少しメールが普及して欲しいです。

メールの利用価値が高いものにML(メーリングリスト)があります。私が担当事務局である消費者委員会の「ヤミ金プロジェクトチーム」というチームは、すでにMLを駆使していろいろなことにすばやく対処してらっしゃいます。MLを覗いていると先生方の活動内容が良く分かるので、依頼された仕事の重要度が分かって対応しやすいですし、何より先生方の熱意が伝わってきますので、事務局としても積極的にお手伝いしたくなります。他の委員会やプロジェクトチームでも、もっとMLを活用していただけたら、先生方と事務局の距離が縮まって良いと思います。そのためには、全会員がメールアドレスを取得されることが先決ですね!

とりとめもなく書きましたが、少しづつ弁護士会のIT環境が整って、先生方同士、先生方と事務局とのコミュニケーションがより良くなることを願っています。くれぐれも、職場に笑いは残しつつ…ね!

大盛況の「ヤミ金シンポジウム」 

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奥田竜子

1 はじめに

去る11月30日土曜日、福岡市天神岩田屋Zサイド7階NTT夢天神ホールにて、九州弁護士会連合会と福岡県弁護士会共催の「ヤミ金シンポジウム」が開催された。

定員約270名のところ、多くの方々の来場を受け、また、街頭でのビラ配りが功を奏したのか一般市民も予想以上に来場され、大盛況(?)であった。座席数よりも多めに用意したはずの配布資料(350部用意)も、あっという間になくなってしまい、ヤミ金問題に対する市民の関心の高さを窺わせた。

2 シンポジウムの内容

シンポジウムは2部構成であった。

(1)九弁連会長紫垣陸助先生から開会の挨拶をいただいたあと、被害実態報告と題する第1部に入った。まず、ヤミ金が金を貸す際の手口やヤミ金地獄に堕ちていく様をわかりやすくまとめたビデオを上映し、その後、実際に被害者の方に登壇してもらい、体験談を語っていただいた。また、九弁連大会でも活躍した(??)ヤミ金業者がヤミ金被害者に対し罵詈雑言を浴びせ返済を迫る様を録音したテープを流し、その取り立ての恐ろしさを来場された方々に体感していただいた。

さらに、従前みなさんにご協力いただいたヤミ金アンケートから明らかになった被害実態等からヤミ金が犯罪の温床であることについて具体的に明らかにすると同時に、最近のヤミ金被害が増加傾向にあり、皆が連携してヤミ金撲滅のために闘うことの重要性と緊急性をアピールした。

(2)第2部では、関係機関報告と題し、ヤミ金解決に大いに関係を有していると思われる県と県警からそれぞれ福岡県商工部経営金融課課長井上照明氏および福岡県警察本部生活安全部参事官兼生活経済課長警視村上正一氏に、現在のヤミ金事件に関する認識や取り組み等についてお話しいただいた。当初予定していた県、県警、弁護士会の3者によるパネルディスカッション方式が頓挫したこともあって不安の残る第2部であったが、結果的には、なんのなんの、予\想以上に踏み込んだ内容を発表していただくことが出来た(県警からは「ヤミ金を明確に犯罪者と認識している」との発言有り。両者との調整を身を粉にしてやってくれた千綿会員の功績です!!)。

最後に、弁護士会からの報告となったが、眠気覚ましの趣旨で盛り込まれた寸劇が本シンポ一番の大盛り上がりを見せた。劇の内容は「ヤミ金被害者である疲れ果てたOL(渕上陽子会員)がさわやかでかっこいい弁護士(石田光史会員)のもとへ相談に行き、その結果、共に闘う決意を固め明るく弁護士事務所をあとにする」というものであったが、二人の息の合った絶妙な演技で会場中を沸かせた。

と同時に、普段は知ることのできない「弁護士のもとに相談に行ったらどんなアドバイスを受けるのだろう」という点を垣間見ることのできた良い機会だったのではないだろうか(現に、寸劇の間中、県警村上課長が何度も何度も大きくうなずいてくれていた!!)。
その後、椛島敏雅先生から弁護士会の取り組み等を報告していただき、寸劇でゆるんだ会場をぴりっとまとめていただいた。

(3)そのまま、皆のヤミ金撲滅への思いが最高潮に高まった瞬間を捉えて、平田広志先生よりアピール文採択へと移り、皆で連携してヤミ金を撲滅していくことを満場一致で採択し、最後に、藤井会長から閉会の挨拶をいただいて、無事シンポジウムは終了した。

3 おわりに

今振り返ってみても、かなり完璧な(!!)シンポジウムであった(自画自賛)。

各方面から「短い時間の中で内容が濃かった」とのお褒めの言葉もいただいた。

なにより、ヤミ金撲滅への思いが会場で一つになったことを本当に実感させられた。その意味でもこのシンポジウムは偉大なものであり、この成果を今後に生かしていかなければならないと皆が感じているものと思う。

閉会の挨拶の中で、藤井会長が「今日は、幾人かヤミ金業者の方もおられたようですが・・」とおっしゃられたのには驚いた。何をもって彼を「ヤミ金業者」と認定されたのか、いまだにその真相は謎のママである・・・(藤井会長曰く「○○弁護士が『ヤミ金も会場に来てた』って言ってたからさぁ・・・」)。

4 ほんとのおわりに

そうそう、「ヤミ金ラクラク対処法」がみなさんのお手元に届いていますよね。犬と猫のついたかわいいブルーの表紙の奴です。ヤミ金の事件処理は想像よりもずっとずっと簡単です。食わず嫌いの方、これを機に、是非大好物へとなってください。それが私たちの何よりの喜びです!!

九弁連大会シンポジウム 川と海を考える〜環境保全と住民参加〜 

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吉野隆二郎

1 さる10月25日の第55回九弁連大会に先立ち、午前9時30分からホテル日航熊本において表記の内容のシンポが行われました。今回のシンポについては、環境問題がテーマとして選ばれたうえに、その内容としても「川から海を考える」というタイトルからもお分かりのように、複数県にまたがる有明海・不知火海・筑後川・球磨川などが調査の対象となりましたことから、これまでの九弁連大会と異なり、開催県以外の単位会からも実行委員が選任されるということになりました。私は、福岡県弁護士会の公害環境委員会の副委員長として、このシンポの担当となり、その準備のために他県の委員としては最も多い回数、熊本との間を往復しましたので、その舞台裏を含めた報告をさせていただきます。

2 最初にこの実行委員の話が来たのは、2月8日の日弁連・九弁連等の共催の泡瀬干潟のシンポジウムのときでした。本年は、日弁連の人権大会のシンポにおいても湿地保全が1つのテーマと選ばれていたことや、ここ2年九弁連として泡瀬干潟の問題に取り組んでいたこともあり、その時点で福岡からは私と長戸弁護士が委員となることが事実上決まりました。

3 7月6日には、シンポのパネラーになっていただいた山村氏・福岡氏を講師にまねいて勉強会を開催しました。当日は、強風により鳥栖・久留米間で特急が止まるというアクシデントがあり、1時間以上勉強会に遅れてしまいました。

4 実行委員会に参加し、コンセプトについての議論を聞いたうえで、福岡県弁護士会公害環境委員会として、7月17日に筑後川の視察を行いました。この詳しい内容につきましては、私と長戸弁護士がシンポの報告書に執筆をしておりますし、月報9月号でも福留修習生が報告をしておりますのでそれを参照していただきたいと思いますが、私の感想としては、過去の計画とは言え、管理者側と漁民との捉え方のズレが大きいということでした。

5 8月31日には九弁連としての諫早視察にも参加しました。この日も台風が接近した日であり、雨が荒れ狂う中で大浦漁協の調査・諫早湾干拓の現場の視察・川副漁協との意見交換会などを行いました。この中で最も心に残っているのは、大浦でタイラギがまったくとれなくなったことなどを組合長の竹島氏から率直に語っていただいたことです。

6 実は上記以外の実行委員会のときにも、鹿児島方面で強風のため、特急が1時間以上遅れて熊本駅で待たされるというアクシデントが1回ありました。この実行委員の仕事はまさに自然任せの状況でありました。

7 シンポの詳しい内容につきましては省略させていただきますが、省庁の縦割りの弊害というべきでしょうが、川と海を1つの水系として捉えて全体の環境を保全していくという視点が不足していたのではないか、また、流域の住民が意見を言う制度も欠けていたのではないか、ということが一番の感想です。そして、その視点は大会の宣言へと結びつきました。

8 大会を前後して、諫早湾干拓事業の再開の問題や、泡瀬干潟の工事の着工などが新聞紙上をにぎわすようになりました。日弁連が反対の意見を出したこれらの事業につき、今後も、県弁及び九弁の環境問題の委員として、これらの大きな問題に関与していきたいと思っています。

釜山弁護士会との懇親会 

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南谷敦子

今年も釜山地方弁護士会の弁護士の皆さんが、ご夫人とともに福岡にいらっしゃった。この交流会・懇親会は今年で一二年目になる。毎年福岡県弁護士会の会員も春に釜山を訪問し、盛大なる歓待を受けているときいている。私も経験があるが、韓国に行ったことがあるという人の話を聞くと、たいてい、たいへん素晴らしい接待を受けたということが多い。という訳で、福岡県弁護士会も負けられないと思いながら、国際委員会メンバーを中心に交流会や懇親会の準備をさせていただいた。

平成一四年一〇月一八日金曜日午後、皆さん福岡にご到着。夕方からシーホークで交流会が始まった。国際委員会の内田敬子会員の司会で、テーマは2つ、家庭内暴力の防止関連法規と韓国での金利規制で、日本でもホットな問題だ。前者は釜山の文興晩弁護士から、後者は朴瑛柱弁護士からご報告いただいた。

さて、実は私はこの交流会の間、ご夫人方を観光バスで小戸のマリノアまでご案内し、東洋一の大きさだという観覧車に乗っていた。

マリノアにはアウトレットショップがあり、私も観光案内という職権を利用して買い物でもしようとそわそわしていたのだが、この日はスマップのコンサートで交通渋滞が予想されるとのことで観覧車に乗っただけでシーホークにとんぼ返りだった。

懇親会は午後七時から、国際委員会の紫牟田洋志会員の司会で、福岡県弁護士会会員のご夫人も参加して始まった。日韓の弁護士がテーブルを囲み、通訳がついた。テーブルでは皆、お互いのことをもっと知りたい、でも言葉が通じない、通訳は一人しかいない、というので通訳を奪い合っての懇親会だった。お酒が入るにつれ会はますます盛り上がり、日韓マイクを奪い合ってのスピーチ合戦も始まってとても楽しかった。通訳を通じてなので、各国の笑いには時差があった。釜山弁護士会元会長の金 基弁護士が、会長でいらした国武格会員や荒木邦一会員と過去ずいぶん飲んで盛り上がった話をされ、歴史ある釜山との交流の深さをしみじみと思った。今後、釜山弁護士会と福岡県弁護士会は中国・大連の弁護士会との交流も進めていくとのこと。釜山の会員名付けて「三角関係の構築」(会場笑)。また、太田晃会員と松井仁会員は、見事な韓国語でスピーチをされ、釜山会員には大受けであった。

最後に釜山弁護士会からおみやげの「絵」をいただいた。とても立派なもので、曰く「韓国の有名な作家による貴重な作品」だそうだ。これに対応して、福岡県弁護士会からもおみやげの「有田焼の絵皿」をお渡しした。有田焼は日本の焼き物の原点なのであるが、「くやしいことに」その有田焼の原点は朝鮮にあるのだ・・とは南谷洋至会員のあいさつ。これもまたたいへん美しい絵皿であった。

こうして、盛大に会は幕を閉じた。

釜山の皆さんは、翌日から新幹線で広島・四国へと旅立たれるそうで、強行軍だ・・。

終了後、通訳をして下さった皆さんは御馳走を前に腹ぺこ状態であったので、一緒に二次会をすることとなった。皆さん、大塚芳典会員の一声でお集まりいただいた方々で、福岡の専門学校や大学で勉強されている「新進気鋭」と呼ぶにふさわしい学生達だ。今回の会ではたくさんの法律用語が飛び交い(「当番弁護士」「法律扶助」など)、通訳はとても難しかったが非常に勉強になった、もっと勉強したい、と紅潮した顔で話しており(酒のせいか?)、韓国の若者のエネルギーは素晴らしいなあと感心した。その後、  メールアドレスの交換などしつつ、私も日韓交流を目指すこととした。

外国の法律家と交流する機会があるときにいつも思うのは、折角知り合えた方々と本当に長く交流することができたらなということだ。どうしても一過性の飲み会でちょっとかじっただけの付き合いで終わってしまいがちで残念なのである。今回、金 基のご夫人が英語を話し、「同じ年頃の娘がいるのよ」と、私にとても親しく接して下さったことが忘れられない。この出会いを大切にしなければ・・・

情報化の波にのれない私

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田中裕司

今までのホームページ委員の先生方のコラムはネットやメールの活用法の紹介等があり、「すごいな」と思わせるものばかりでしたが、HP委員の幽霊部員である私は、今回あえて消極的にITのデメリットについて思いつくままにしゃべらせていただきたいと思います。

とはいうものの、私の事務所は税理士との共同事務所ということもあり、メール・ネットはもちろん、判例検索、ファックス送信まですべてパソコンで行うほどIT化は進んでいますし、私も日常業務・プライベートでは「便利になったなあ。」とその恩恵をうけることが多くあります。しかしです。なぜか心底パソ\コンと親しくすることができません。「好きになりたいのだけれど、心のどこかで冷めている。」そんな相手です。なぜかな?と考えてみました。

まず、最近食べ過ぎで肥満になっています。なにやらメーリングリストなる情報交換の場が急激に増えて、毎日莫大なメールの量に圧倒されているのは私だけではないはずです。最近はチェックするのが億劫で空けないメールがほとんどです。重要なのがよくわからないし、出欠確認のメールなんかだとごちゃごちゃで何がなんだか分からなくなります。さらに、見るだけで時間をとって仕事になりません。情報交換の趣旨であれば、掲示板のほうが有効に思います。メールはあくまで1対1の伝達方法として考えた方がいいようです。

それから、気まぐれで私の相手を拒否することもあります。復帰するのに相当時間をとります。私は荒いので、忙しいときにバグったりすると、ムカついてキレて電源を切ったり、コンセントを抜いたりするなどの暴行をします。でも、カーッとなった後、冷静になり「大丈夫かな。」と反省の念にかられながら電源をつけてみて大丈夫だと「もう二度としないから。」と更生を誓うのです。(しかし、また再犯を犯してしまいます。)

それから、けっこう口がかるくたくさんのひとにいろんなことを言ってまわります。「〇チャンネル」なる掲示板では誹謗中傷だらけで目を覆いたくなります。知っている人も載せられた事があり、すごい嫌な思いをしたそうです。さらには、ネット犯罪なるものも最近流行しており、われわれの仕事においても他人事では済まない被害が発生するおそれもあります。

そして、これが好きになれない最大の原因だと思うのが、愛情がないということです。個人的なやりとりについては、やはり手書きの方が味があって、なんとも知れないいい気持ちになります。最近は、年賀状やあいさつ状もワープロ字でなんか楽になったけど昔の手書きの暖かさにはかないません。さらには、メールや掲示板でコミュニケーションをとっていると、一方的に話をするものですから、意図を上手く伝えられなかったりして、誤解を生じたり、怒らせたりすることもありますね。

それとやっぱり図面から光を放っているので、目に優しくありません。

そんなこんなで私はまだ、心底好きになれないのです。

あっ1つだけ最近いいことがありました。これまで年に1回話すかどうかという疎遠な弟が海外に仕事で行っているのですが、メール、インターネットでやっと兄弟の国交が正常化して、会話ができるようになりました。

我々兄弟にとっては、「仲裁人」のようですね。

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