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民暴の被害を受けたらどうするのか

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弁護士から見た対応マニュアル

福岡県弁護士会では、社会にニーズに応じるために問題ごとの各委員会を設けています。

民事介入暴力事件に対応するためには民事介入暴\力対策委員会がありますが、同委員会に基本的対応のマニュアルをまとめてもらいました。

1 警察や弁護士に相談する

まず、警察に連絡することです。

弁護士に知り合いがいれば、その弁護士に相談することです。弁護士に知り合いがいなければ、弁護士会に相談して下さい。相談する弁護士を紹介してもらえます。

結局、一人で悩まないことです。

暴力団員は、「俺たちは警察なんか怖くないぞ」と言うのですが、真に受けてはなりません。本当は警察が怖いから、そう言うのです。捜索を受け、逮捕されることは暴\力団にとっては大打撃です。そういう意味で現代の暴力団はビジネスなのですから、彼らは警察沙汰になるかもしれないというリスクは回避しようとすると考えたほうが良いのです。

そのために、現実には、警察に相談するだけで暴力団の不当な行為が止まってしまうことも多いのです。

あるいは弁護士に相談することによって、問題が公になりそうだと言うことで、暴力団の不当な行為が止まることも多いようです。

2 間違っても他の暴力団に相談しようとなどしない

時々、暴力団員を押さえられるような他の顔役の人に頼もうかという人がおられます。

しかし、そのような人に頼られると、かえって、その依頼そのものが犯罪行為に当たってしまったり、法外な報酬を要求されてしまい、かえって困ることになります。

3 暴力団が交渉を求めてきたら、どうするのか
  • 相手方の素性の確認

    まず面談したら、相手方の住所、氏名や素性を確認してください。「氏名不詳某」では警察も弁護士も対応できないことが多いのです。逆に、相手方の組織まで特定できていれば、後の対応は非常にやり易いのです。

  • 面談場所や方法

    暴力団が交渉を求めてきたら、相手方の主張を良く聞くことです。まず、相手方の主張を聞かないと始まらないことも事実だからです。何を要求しているか分からないが、とにかく怖いというのでは警察としても動きようがないでしょう。

    しかし、面談するときには一人では絶対に会わないことです。一人であるとどうしても暴力団員の迫力に負けてしまうのです。また、間違っても、暴\力団員の事務所で会うことはしないで下さい。会うとしても、ホテルや喫茶店のような公衆の目の届くところで会うべきです。暴力団の事務所で会うということは、暴\力団の要求を聞かない限り、事務所から帰してもらえず、ついには監禁されることを覚悟せざるをえないとまで言っても良いのです。そうなると、結局、一時も早く帰りたい一心で、とんでもない約束をさせられるという目にあってしまいます。

  • 交渉の内容

    暴力団の不当な要求は巍然と拒絶してください。期待を持たせるような曖昧な発言をしないことです。曖昧な発言をして揚げ足をとられて大変なことになった人は多いのです。

    そのような曖昧な発言の揚げ足を取るのが彼らの常套手段だと考えて下さい。間違っても、後で取り消せば良いなどと安易に考えて、暴力団との約束等はしないことです。

    要求を断るのは怖いと考えられるのは間違いです。確かに断ると暴力団員はすごむことが多いでしょう。しかし、すごんだり脅したりすれば、彼等は恐喝になるのです。今後は暴\力団が警察に追及される立場になるのです。怖い目に会うことが却って有利な展開につながると考えて下さい。

    もし脅かされたとすれば、直ちに警察に通報することも忘れないで下さい。

4 相談窓口の連絡先は下記のとおりです
  1. 弁護士会は民事介入暴力対策委員会を設けて対応に勤めています\n

    弁護士会への連絡先は、福岡地区であれば天神相談センター(092-741-3208)

    また、北九州地区は(093-561-0360)、久留米地区は(0942-30-0144)、筑豊地区は(0948-28-7555)です。

  2. 財団法人暴力追放福岡県民会議も設けられています\n

    相談室(092-651-8938)です。

  3. 勿論、各警察署の暴力団係も相談を受け付けます\n

    相談するときには、それまでの事実関係のメモ等を作っておいて下さい。民事介入暴力は機敏に活動する必要が多いのですが、被害者に一から説明を受ける時間がないことも多いのです。しかも慌てて取り乱している人が多いので、話の辻褄が合わずに困ることがあります。処理を急ぐのに、話が分からないときほど大変なものはありません。自分でメモを作ってくと、記憶が曖昧になることもありませんし、記憶の整理にもなるでしょう。

夫婦の姓は?

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「早く結婚して姓を変えたい」「同窓会名簿に旧姓って書かれたい」、こんな女性の声に見られるように、女性にとって姓が変わるということは、結婚の象徴のようなものでした。

明治始め、庶民が姓を名乗るようになった後、夫婦同姓が法律上規定されたのは一八九八年(明治三一年)です。「妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル」に示されるとおり、妻が夫の家の姓を名乗るという夫婦同姓でした。戦後改正された現行民法では、憲法に揚げる個人の尊重と男女平等の精神のもと、夫婦の姓は、二人の協議により夫または妻の姓のいづれかを選択することになりましたが、夫婦同姓は戦前と変わりませんでした。

そして現実にも、約九八%の夫婦が夫の姓を選択しています。昨年九州弁護士会連合会では、夫婦別性についてのアンケートを行い約ニ五○○人から回答を得ましたが、その中では、約八五%の夫婦が性の選択について協議をせず、約八九%の人が、当然と思って、あるいは世間一般がそうなっているのでという理由で夫の姓を選択していました。対等な協議による選択とは程遠い数字です。

しかし一方で、結婚して戸籍名は夫の姓にするが、社会生活では「旧姓」を使う「通称使用」の女性が増加し、企業でも女性が多く働く会社を中心に、この通称使用を認める傾向にあります。それでも、パスポートや健康保険証は戸籍名でなければならず、通称使用にも限界があります。そのため最近では法律上の結婚自体をしない「非婚カップル」も少なくありません。

生まれた時から慣れ親しんできた自分の姓名。姓と名前で一人の個人を表すものなのに結婚によってなぜ変わるのでしょう。「どうしてそんなに姓にこだわるの」という疑問を持つ方もあるでしょうが、反対に九八%の男性が姓を変えていないことからすれば、男性こそ姓にこだわっているとは言えませんか。\n

女性の社会進出が進み、働く女性が五割を越え、社会参加に対する女性の意識も高くなっています。その意味では、確立した社会生活の途中で姓が変わることの不便さが、このような議論を生んだひとつの理由ではあります。しかしそれ以上に、女性だけが姓を変える結果となっていることへの疑問、そこに根強く残っている「妻ハ婚姻ニ因リテ夫ノ家ニ入ル」という風習を敏感に感じるからではないでしょうか。女性の多くは「○○さんの娘さん」から「○○さんの奥さん」「△△ちゃんのお母さん」と呼ばれ続けます。そうではなく、○○△△という一人の個人として生きたいという女性の意識が、自分の名前、姓へのこだわりを生んでいると思います。

夫婦別性にすると、子どもの姓はどうなるのか、家族の一体感が失われるのではないかとの疑問も出されています。

ここでいう家族の一体感とは何でしょう。別性を実践している多くのカップルは、法律上の結婚という制度に支えられていないだけに、実質的な結びつきによって二人の関係が支えられていることを強調します。離婚や養子縁組などによって、血のつながりはあっても姓が異なる家族が一緒に暮らすことは珍しくありません。しかしそこに造られている家族の関係が同姓家族より薄いとは決して言えません。「家庭内離婚」などの言葉に示される形式的なまとまりや、家族が誰かに従う形での一体感ではなく、対等な個人の関係から生み出される家族の関係。これを一体感というかは別として、姓に左右されない夫婦・家族の関係を作ることこそ重要なのではないでしょうか。

子どもの姓もしかりです。現在日本弁護士会が提案している案では、夫婦の協議によって子の姓を決めるとしていますが。どちらの姓を名乗ろうとわが子に対する愛情は変わらないはずです。

夫婦同姓は、女性だけの問題だけではありません。結婚してどちらかが姓を変えなければならない夫婦同姓の制度では、二人とも姓を変えたくない場合、結婚できませんし、本当に対等に姓の選択を協議するとしたら、男性も姓の変換について真剣に悩まなければならなくなるはずだからです。

現在民法の家族法改正の中で、夫婦別姓が検討されており、選択的別性(同姓でも別性でも選択できる)制度が、有力視されています。

自分がいやなことを相手にも強制したくない、姓を自分の一部としてこだわり続ける、こんな自由を認めることはむつかしいことでしょうか。

夫婦別姓を認める民法改正は難航しています。法務省の法制審議会は96年に別姓を認める改正案を答申しましたが、自民党内の合意がえられず、国会提出は実現していません。今国会に向けても、自民党法務部会で議論がありましたが、見送りとなりました(2004年5月)

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