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裁判員裁判の判決に対する控訴の実情

『季刊刑事弁護』68号に、裁判員裁判の判決に対する控訴率が一般事件に比べて倍近く高いこと、その原因として量刑への不満が強いことがあると分析されていますので紹介します。(な)
 2011(平成23)年4月30日まで、裁判員裁判での控訴審終局人員423名中、控訴棄却331名、破棄27名、控訴棄却1名、取下げ64名となっており、破棄率は6.3%(取下げ等を除いたとき7.5%)である。2010年の全事件での控訴審による破棄率を見ると10.9%(同13.7%)となっている。全事件での破棄率は長期的に減少傾向にあるが、それにしても裁判員裁判の破棄率は一段と低くなっている。
 2010(平成22)年の全事件での控訴率は9.6%であるのに対し、裁判員対象事件では17.3%とかなり高くなっている。そのうち量刑不当を控訴理由とした被告人は、全体事件で73.2%、裁判員対象事件で79.6%となっている。被告人は、裁判員裁判の結果に対し、裁判官裁判のそれに対するよりも不満を持ちやすいこと、しかもその不満が量刑に集中する傾向がいっそう強いことが分かる。

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