弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

2020年7月20日

数をかぞえるクマ、サーフィンするヤギ

動物


(霧山昴)
著者 ベリンダ・レミオ 、 出版 NHK出版

イルカがザトウクジラの背中をすべり台にして遊び、幼いチンパンジーはごっこ遊びをする。ガラガラヘビは母親どうしで子どもの世話をし、ワニは、斜面をすべりおりたり、サーフィンしたり、追いかけっこして遊ぶ。
どれもこれも、ウソみたいな本当の話です。そんな驚きの話が満載の本なのです。
このとき、動物は私たち人間と似ていると気づくだけではダメ。そうでなくて動物の生き方が私たち人間とどれだけ違うのか、それに気づくことによって、人間である私たち自身の心と知性が高められる。
なるほど、そうですよね。人間は万物の霊長と言いながら、やっていることは皆殺しの戦争であったり、トランプ大統領のように平和なデモでも暴徒集団視して軍隊で鎮圧しようとするなんて、知性のカケラも認められないでしょう...。
ネズミはくすぐられると笑う。カササギは死んだ仲間を木の葉でおおって、死を悲しんでいる(ように見える)。ザトウクジラのメスは年に1度、女子会をして、そのために何千キロも旅をする。オマキザルは不公平に扱われると憤慨する。
オウムの悪ふざけは有名だ。人間が命令する声をまねして犬をからかったり、いろいろいたずらをする。
実験した結果、サルが不公平な扱いに敏感になるのは、労力と関連していることが判明した。
イヌは、遊びたい気持ちを、遊ぼうよという仕草で最初にはっきり伝える。
水槽の魚は猫が近づいてくると、いきなり水面まではね上って猫を驚かせる。
ゴリラのココは、手話で嘘をつく。規則を破ったことを隠して、叱られないようにする。
チンパンジーは、ヤミの酒場で1回に平均1リットルを飲み、「楽しいひととき」を過ごす。そして、気持ちの良さような場所を見つけてひと眠りし、酔いをさます。
動物は、豊かな感情をもっている。
この本は、最後に問いかけます。人間は宇宙で唯一の知的生命体なのか...。答えは、明らかだ。
「いいえ、違います」
そうなんです。もう少し人類は頭を冷やすべきなのです。
(2017年12月刊。1600円+税)

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