遺言・相続問題

遺言Q&A

Q. 私には妻も子どももいません。私が死んだら,私の面倒を見てくれていた姪に財産を譲りたいと考えています。その方法として遺言という方法があると聞きましたが,遺言とはどのようなものでしょうか。

A.

遺言とは,死亡後に、その人の意思の実現を図る制度です。 遺言は,民法に規定する方式によらなければ効力を生じません。また,遺言は,効力が認められる事項が限定されています(このことを「法定遺言事項」といいます。)。

法定遺言事項としては,相続分や遺産分割方法の指定,遺言執行者の指定,遺贈(遺言に よって無償で財産を与えること),祭祀主宰者の指定,生命保険金受取人の指定,信託の設定などです。

姪に財産を相続させる(ないし遺贈する)ということは、遺言書に定めることができますが、無効な遺言書にならないよう、専門家に相談されることをお勧めします。

Q. 私の葬儀のことも遺言でお願いできるのでしょうか?

A.

葬儀の喪主をある人に指定することは,前記の法定遺言事項に当たりますので,法的効力が認められます。

しかし,葬儀をどのように行うかの具体的方法については,法定遺言事項には当たりませんので,遺言に書いても法的効力は認められません。ただし,そのようなことを書いたからと言って遺言が無効となるわけではなく,少なくとも依頼先にあなたが依頼した内容の葬儀を行うことについての道徳上の義務を負わせることができるといえます。

また,例えば,遺言で財産をもらう人に対して, 葬儀を遺言に書いたとおりに行うことを負担させる(これを負担付遺贈といいます。)という内容の遺言であれば,遺言で財産をもらう人は,遺言で書いた内容の葬儀を行う義務を負うことになります。

Q. 遺言の種類について教えてください。

A.

遺言には,主に,自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言の3種類があります。

(1) 自筆証書遺言は,遺言をする人がすべての文章,日付及び氏名を自分で書き,印鑑を押して作ります。ただし,書き方や中身を間違えて作ってしまうと,遺言として認められない場合もありますので注意が必要です。

なお,自筆証書遺言には,「検認」という手続が必要です。遺言書を保管している人は,遺言をした人が亡くなった後,速やかに,家庭裁判所に提出して遺言書の確認をしてもらわなければなりません。

封をしてある遺言書は,家庭裁判所で相続人の立ち会いがなければ封を開けられません。

封のしてない遺言書は,そのままの状態で家庭裁判所に提出すれば足ります。遺言書の内容を早く明らかにして偽造されることを防ぐためにこのような手続が定められているのです。

家庭裁判所は,検認した証明書を遺言書に付けてくれます。遺言書を家庭裁判所に提出しなかったり,検認をしないで遺言執行をしたり,家庭裁判所以外の場所で封を開けた場合は,過料に処されます。

(2) 公正証書遺言は,公証人に公正証書という形で作ってもらう遺言です。公証人という専門家が間に入りますので,書き方や中身を間違えて作ってしまって無効になるということはほとんどありません。

公正証書遺言については,偽造のおそれがないと考えられますので,検認の手続は必要ありません。

(3) 秘密証書遺言は,公証人や証人の前に,封筒に封をしてとじ目に印を押した遺言書を提出して遺言書があることは明らかにしながら,中身を秘密にして遺言書を保管することができる方式の遺言です。

秘密証書遺言についても検認の手続が必要です。

Q. 亡くなった父親の遺言書によると ,弟に全ての財産を相続させるとありました。私は,父親の相続財産を何ももらえないのでしょうか。

A.

亡くなった方の兄弟姉妹以外の相続人には,相続財産の一定の割合を受け取る権利が認められています。これを「遺留分」といいます。

相続人が受け取ることのできる割合は,相続人に配偶者や子・孫などがいる場合は,相続財産の2分の1,父母,祖父母など直系尊属のみが相続人の場合は相続財産の3分の1に なります。

そして,相続人が何人もいる場合,相続人1人あたりの遺留分は,相続財産の2分の1又は3分の1にさらに法定相続分の割合をかけたものとなります。

父親の遺言はあなたの遺留分を害するものであり,あなたには遺留分を取り戻す権利があります。

しかし,遺留分を取り戻すには,遺言で財産を得た弟に,弟が得た財産を減らしてその分あなたに戻すよう請求(遺留分減殺請求)しなければなりません。請求できる期間には法律上制限がありますので,早めに弁護士に相談したほうがよいでしょう。

相続Q&A

Q. 遺産相続の相談をする際に,予め紙にまとめておいたほうがよい事柄はどういうものがありますか。

A.

相続関係図(相続関係図PDFダウンロード(30KB))
遺産の目録(不動産や預金、株券、負債など分かる範囲でまとめておいてください。
相続税の申告をされている場合、申告書もあると良いでしょう。)
亡くなられた方が生前に贈与したものがある場合は,その目録遺言書(ある場合)のコピー(※ただし、遺言が封印されている場合、家庭裁判所での検認の手続が必要ですし、勝手に開封すると過料の制裁がありますので、無闇に開封されないようご注意下さい。)
これらの項目は、遺産相続に関して、基本的な事項となりますので、予め紙にまとめて相談する弁護士に見せるといいでしょう。

Q. 遺産を分割するには,どのような手続があるのでしょうか?

A.

はてな?

大きく分けて、以下の4通りの手続が考えられます。

1 遺言よる分割

お亡くなりになった方が遺言書を残しておられ、かつ、その遺言書に遺産分割の方法が定められている場合,基本的には、遺言執行者が、亡くなりになった方の遺志に沿って遺産を分割することになります。

2 協議による分割

遺言による分割方法の指定がない場合、共同相続人全員で話し合いをして、全員の合意で遺産を分割することになります。

3 調停による分割

協議による分割がまとまらないときや、協議が難しいときは、家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てることになります。
(いきなり審判を申し立てることも法律上は可能ですが、まずは調停を試みるのが一般的です。)
調停では、家事調停委員が双方の話を交互に聞いた上で、話し合いのあっせんをしてくれます。

4 審判分割

調停による分割も不成立となった場合、家庭裁判所の裁判官(家事審判官)が、「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情」(民法906条)を考慮して、分割を実行します。
このような審判に対しては、即時抗告という不服申立手続が準備されています。

Q. 寄与分とはどういったものですか。

A.

法定相続分を貫くことによる実質的な不公平を解消すべく、法は、(1)寄与分と(2)特別受益という制度を準備しています。
このうち、寄与分とは,被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与(ex)被相続人の事業に関する労務の提供、被相続人の療養看護等)をした共同相続人について、その寄与分を現実の相続財産から差し引いものを相続財産とみなして(みなし相続財産)、法定相続分を算定した上で、寄与のあった共同相続人の相続分は、この法定相続分と寄与分を加えたものとする、という制度です。
具体的相続分の算定のイメージは、以下のとおりです。

図1

もっとも、寄与分といっても、その要件を満たすかは、具体的事例に応じて様々です。
また、寄与をどのように立証するかも検討しなければなりません。寄与分が問題となりうるような事案については、弁護士に相談されることをお勧めします。

Q. 特別受益とはどういったものですか。

A.

(2)特別受益も、法定相続分を貫くことによる実質的な不公平を解消する制度です。
特別受益とは、被相続人から生前贈与等(特別受益)を受けた共同相続人がいる場合に、被相続人が相続開始の時において有した財産に生前与等を加えたものを相続財産とみなして(みなし相続財産)法定相続分を算定した上で、贈与等を受けた共同相続人の具体的相続分は、この法定相続分から特別受益を控除したものとする、という制度です。
具体的相続分の算定のイメージは、以下のとおりです。

図2

ただし、特別受益に含まれるかの判断は、微妙な判断を必要とする場合もあります。
そこで、ひとまず弁護士に相談されることをお勧めしますが、その際は、問題となる生前贈与等の資料等を、可能な限りお持ちになるようお願いいたします。

Q. 弁護士に払う費用はどのくらいですか?

A.

費用については、統一的な基準のようなものがあるわけではなく、個別に当該弁護士にご相談いただくことになりますが、一応の目安として、日本弁護士連合会の下記ページの資料が参考になります。
http://www.nichibenren.or.jp/contact/cost/legal_aid.html

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