福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2009年6月19日

福岡県弁護士会会長日記

会長日記

福岡県弁護士会会長日記
その1 予定者から会長就任10日間まで

平成21年度 会 長
池 永  満(29期)

はじめに
月報原稿〆切の関係上、「会長就任挨拶」を掲載していただいているはずの4月号月報も未だ手にしていないのに、早くも5月号掲載予定の原稿を提出しなければならないということで、何を、どのように書くべきものか、いささか戸惑いがあります。(ちなみに、この原稿の締切日は4月10日)
しかし、せっかく貴重な紙面を使わせていただけるのですから、会員の皆さんがこの記事を読まれる段階では事態が進行し時期遅れになっているかも知れませんが、これから1年、皆さんの協力をいただきながら円滑な会務運営をすすめていくためにも、会長としての日々の行動や思いを率直に語らせていただく形で「会長日記」を綴っていきたいと思います。

重点課題の設定作業と役員就任挨拶回り日程の調整
私が会長立候補を決断した直後に田邉前会長から聞いたことは、3月下旬から4月中旬にかけて行われる役員就任挨拶回りが大変過重であり、5月の県弁総会にむけて弁護士会としての基本方針の策定や予算組み等に十分な時間と力を割くことが出来なかったということでした。
そこで私たちは無投票当選確定直後の2月9日(月曜日)から毎週1回正副会長予定者による定例会議(4月からは執行部会議に移行)を行うこととし、前執行部からの引継を受けての合宿(2月28日)や各委員会委員長や次期予定者からの重点課題等に関する意見聴取等の集約を進めて、4月4日の第1回常議員会には重点課題に関する執行部の「所信表明」を提出することができました。
また、重点課題の具体化を検討していただくための関連委員会協議会や担当委員会の対応体制強化等について協議する日程を確保するために、就任挨拶回り日程を大胆に調整し、法科大学院や北九州司法記者クラブなど今年度新たに追加した6団体を加えても前年度から半減(約180を90に)させることにしました。削減の基準としては、・県レベルのものを基本とし、市区レベルのものについては拠点に限り、それ以外は各部会での挨拶回りをお願いする。・就任挨拶目的に限定し、提携業務等の依頼については担当副会長において別途そのための訪問等を行うことにする、というものです。
ゆとりを持った訪問日程にしたため、相手方にあわせて当方で検討中の重点課題について紹介することが出来、相手方からも弁護士会活動に対する多様な意見をお聞きできて良かったと思います。まだ後1日分の日程が残っていますが、それほど疲労感もなく就任挨拶回りを終えることが出来そうです。但し、就任挨拶では失礼した相手方に対する今後のフォローについては忘れないようにしたいと思います。
なお、就任挨拶回りに併行して、弁護士会館や地域における弁護士会の顔である相談センター職員との懇親会を設定し、また各地の相談センターも全て訪問することにしました。そこで浮かび上がった設備上の課題等の改善に関して相談センター運営委員会や各部会での検討依頼を行いました。

委員委嘱を巡る苦行の遂行
私は立候補にあたり、多重会務を解消し「全員野球の弁護士会」をつくりたいと所信を表明しました。
その所信を実行するために、委員委嘱に関しては本人希望と委員長推薦を基本とするが多重会務になる場合には本人希望を優先して調整すること、仮に希望を出さない場合でも1つ以上の委嘱はおこなうこと、従って多くの会員の皆さんに希望調査票を提出していただくために前執行部に無理なお願いをして第2次希望調査表の配布を行ってもらい、その際には希望調査の対象委員会も可能な限り拡大いたしました。 
そうした方針に関しては、前執行部が招集して2月16日に開催された委員長会議においても表明し、委員会が必要な人材については是非本人から希望調査票が提出されるよう手配いただきたいとお願いしました。
委員長会議においては、委員会の必要な人材については委嘱してほしいと言う委員長としては当然の意見も多く出されましたが、会員数が急速に拡大している今こそ多重会務を解消するチャンスだとか、それが実現すれば画期的なことだと思うとして、私の方針の成否を見守ろうとする意見も出されました。私はこの声に勇気百倍の思いでした。多重会務をなくす努力は過去の執行部においても何度か試みられましたが、年々委員会の縦割りが進行し執行部自身が新たに発生した課題に対応するために新委員会やPTを立ち上げざるを得ないということから多重会務者をみずから生み出していくという悪循環から脱出する試みは、挫折の歴史でもありました。
予定者会議でも数度にわたり議論を重ね、今年度においては新たな課題が発生しても安易に新委員会やPTは立ち上げず、既存の委員会や関連委員会の協議により対応すること、むしろ委員会の統廃合を進めて力の結集をはかること等を組織的な重点課題の一つとして取り組むことを確認した上で、前述の委嘱方針にもとづいて相島業務事務局長の大変な作業に依拠しながら委員委嘱作業を進めました。
変化をもたらそうとする以上は色んなリアクションが予想される中で、会長として最終責任を取るためにも私自身がこの作業に全面的に関わることにしました。その副産物と言っては何ですが、それぞれの委員会活動を支えている構造とその特徴や力持ちの配置状況などが会務から遠ざかっていた私の頭にもよく入り、また多重会務の会員とも直接話をすることが出来ました。各部会による県弁委員会に対するスタンスの違いもわかりました。この作業も明日あさっての週末で基本的に完了します。この作業を通じて得たデータや執行部としての認識、出された色んなご意見等を含めて委員長会議や機構財務委員会等にも資料提供し、数年後には1,000名規模になろうとしている公法人としての弁護士会活動における継続性の担保の仕方や委員会活動における世代交替や活性化、委員会の統廃合などをテーマにした会内議論を本格的に進めていきたいと思います。

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