福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2008年2月27日

福岡県弁護士会会長日記

会長日記

                        会 長  福 島 康 夫(30期)


1 福岡県弁護士会の女性会員が今年ちょうど100人に達した。
私たちの大先輩の湯川久子会員が5月の日弁連定期総会で50年表彰を受けられ、12月の福岡部会の忘年会でお祝いをした。そして、ちょうど節目の50年の年に当会の女性会員がちょうど100人に達した。まずは新年早々おめでたい。湯川先生は九州の女性弁護士第1号であり、まさに日本の女性弁護士の先駆者である。登録されてからこれまでの50年の間には女性弁護士の先駆けとして多くのご苦労がおありになったと思うが、そんな気配は微塵も見せられない。私自身駆け出しの頃、法律扶助協会の審査委員会で長らく御指導頂いた。湯川先生はいつも素晴らしい姿勢である。これも「能」をされているためと思うが、いつまでも若々しく元気で頑張っていただきたい。
日弁連は昨年、男女共同推進参画本部を設置し、男女共同参画社会をめざす活動を始めた。福岡では759名中の100名であるので13%以上となった。現在、常議員30名の中で女性会員は内田常議員と安部常議員の2人だが、男女比から考えても、もっと女性会員が常議員になる必要がある。男女共同参画施策基本大綱では政府目標と同様に2020年までに弁護士会の役員にも30%以上を目指すことになっている。そして、日弁連理事会では私と河辺副会長と同じ机に並んでいる滋賀の元永会長が頑張ってよく発言している。40期の女性会員である。
ところで、現在新設予定の総務委員会に弁護士会の職員関係のセクハラ窓口を設けるべく、常議員会で審議中である。この問題の中心は主には執行部と職員間の関係でということになるが、今後設置しただけで開店休業になるはずである。そうでなければ大問題である。なお、両性の平等委員会では弁護士と事務所の事務員さん、弁護士と弁護士のセクハラ窓口設置を検討中とのことである。


2 互いに顔のわかる弁護士会であるために、茶話会幹事に感謝。
12月20日付けで新60期の17名の新入会員が当会に登録し、当会の会員は現在759名となった。今年4月時点から56名増加したことになる。互いに顔のわかる弁護士会であるための一層の工夫が必要である。会員限定の写真付き会員名簿は今年度以降も毎年発刊する必要がある。
そして、今年度特に茶話会幹事の活躍はめざましいものがあった。
福岡では4月の花見に始まり、納涼船、3庁のボーリング大会、秋のバーベキュー大会、新人弁護士歓迎会、忘年会、新年会と2ヶ月に1回以上の割合での催しである。知名代表幹事をはじめとする茶話会幹事の献身的な活動に大いに感謝したい。
互いの顔のわかる弁護士会であるために、また茶話会幹事の労苦に報いるためにも会員各位の参加を是非ともお願いしたい。特に、若手会員は先輩会員と知り合う絶好の機会である。大いに参加をして盛り上げていただきたい。


3 福岡地裁別館の新築
福岡地裁本庁に新館が建設されることになった。空き地は1カ所しかない。裁判所の西側の駐車場とテニスコートだった場所である。今年3月に着工し9月には完成予定とのことである。新館は2階建てで裁判員裁判用の合議法廷が2つ、単独の法廷が2つ増設されるということである。接見室も2つ設置の予定とのことである。接見室については昨年11月の1審協刑事部会で討議している。なお小倉支部は1つ法廷を増設するとのことである。この新館建築で裁判所の並々ならぬ決意を感じた。いよいよ、裁判員制度の開始まで秒読みとなった。


4 裁判員制度研修
1月12日から14日まで、早稲田大学法科大学院の模擬法廷を使用して、法廷弁護指導者養成プログラムの研修が開催された。当会から徳永響業務事務局長と甲木会員が参加した。裁判員裁判用の尋問技術、弁論技術をアメリカの全米法廷弁護協会所属の弁護士4名からまる3日間研修を受けるというものである。研修の模様はテレビでライブ放送がされたが、私も2日間県弁会館でテレビで見た。非常に参考になると思う。徳永業務事務局長と甲木会員が今後当会に新しい風を巻き起こすことを大いに期待したい。
弁護士会はこれまで裁判員裁判対策が遅れているのではないかといわれていたようであるが、これを契機に一挙に進んでいきたいものである。残すところ1年。待ったなしである。今回の研修は早稲田大学法科大学院の裁判員法廷を利用してなされたが、日弁連には模擬法廷がない。ところで、1月の日弁連理事会では大阪弁護士会館の中に日弁連の資金で裁判員用模擬法廷を設置することが承認された。この模擬法廷は西日本の拠点になる見込みである。


5 弁護士会の贖罪寄付が大幅減の危機
弁護士会の贖罪寄付が危機的な状況である。当会には例年1,000万円以上の贖罪寄付が寄せられていたが、今年度は全国で3億7,000万円以上の贖罪寄付が集められているにもかかわらず当会の贖罪寄付は全額で130万円程度でしかない。例年の10%程度の落ち込みの原因は全国で寄付を集めるようになったために、モティべーションが下がったのであろうか。弁護士会の贖罪寄付は被疑者弁護人援助制度、少年付添人援助制度の重要な財源であり、当会の財政にも直接関係している。なお、他に、法テラスの贖罪寄付の制度はあるが、弁護士会の財政、自主事業の財政に関係しているのは弁護士会の贖罪寄付である。法テラスの贖罪寄付制度は、自主事業の財源になっていないことを留意していただき、あえて付言する次第である。昨年までの当会の被疑者弁護人援助制度の事件はざっと年間1000件、少年付添人援助制度の事件はざっと年間800件。今年度はどちらもさらに増えそうである。このままでは自主事業の財源である弁護士会の贖罪寄付は逼迫し、財政は破綻してしまう。弁護士会の贖罪寄付の制度については裁判所、検察庁にも説明をし、理解を求めている。今年度は残り少ない、弁護士会の贖罪寄付が増加するよう会員各位のご理解をお願いしたい。

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