福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2007年6月12日

多重債務者救済体制整備に関する決議

決議


 2006(平成18)年の改正により,貸金業法や出資法の上限金利を利息制限法の制限利息とするなど高金利問題は将来に向けては解決に向けて前進した。しかしながら,この改正によって将来貸金業者を利用する債務者は保護されることになるが,現在の多重債務者は救済されず、その支援が急務である。
 政府が設置した多重債務者対策本部作成による「多重債務問題の解決に向けた方策について(有識者会議による意見とりまとめ)」では,現在200万人を超えるともいわれている多重債務者の中で相談窓口やカウンセリングなどにアクセスできているのは2割程度に過ぎないとして,相談窓口の整備・強化の必要性が指摘されている
 当会は4月1日から福岡,飯塚地区において法律相談センターにおける多重債務者無料相談を実施し,さらに6月1日からは全県をあげて多重債務者無料相談を実施することにしている。
 当会が社会問題化した多重債務問題について市民の期待に応えるためには,相談窓口の設置にとどまることなく,多重債務問題を解決するための体制をさらに整備・強化し,会をあげて取り組む必要がある。また,多重債務問題の解決のために, 国や地方自治体その他関係団体と連携していく必要がある。
当会は,すべての多重債務者が平穏に生活できるようにするために,相談センターの無料相談をはじめとして体制を整備・強化し,多重債務問題の解決に向けて全力を傾注することを誓うとともに,国や地方自治体その他関係団体が当会と連携をして多重債務者救済及び発生防止のための諸施策を至急実施することを求める。

 以上決議する。

       2007(平成19)年5月23日
       福岡県弁護士会

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