福岡県弁護士会 宣言・決議・声明・計画

2002年9月24日

死刑執行に関する福岡県弁護士会会長声明

声明

福岡県弁護士会 会長  藤井克已
 
 平成14年(2002年)9月24日

  本年9月18日、福岡拘置所及び名古屋拘置所において、それぞれ1名、合計2名に対する死刑執行が行われた。
 2 わが国での死刑執行は、1989年11月福岡拘置所での執行以来、1993年3月に再開されるまで3年余の間、その執行が控えられていたが、再開後今回の執行を含め被執行者数が43名に及んでいる。 
 死刑が人間の尊厳を否定する残虐な刑罰であることは明らかである。そこで、国際 的にも、世界の相当数の国が法律上あるいは事実上死刑を廃止している。また、1989年に国連総会において採択された死刑廃止条約が、1991年7月に発効している。さらに、1998年11月5日、日本政府の第4回定期報告書を審査した国連規 約人権委員会は、その最終見解において、我が国の死刑制度に関して1993年11月4日に同委員会が表明した懸念事項が実施されていないことにつき重大な懸念を抱いていることを示し、改めて死刑廃止に向けた措置をとるよう勧告している。\n 他方、国内的にも、1993年9月21日の最高裁判決中の大野正男裁判官の補足意見にて、死刑の廃止に向かいつつある国際的動向とその存続を支持するわが国民の意識の整合を図るための立法施策が考えられるとの指摘がなされている。
  当会は、これまで、1996年2月14日、1998年7月7日及び1999年12月28日に当会会長声明において、死刑執行に対して極めて遺憾であるとの意を表明し、法務大臣に対し、死刑の執行を差し控えるべきとの要望を重ねてきた。\n
 そこで、当会は、今回の死刑執行に対して、極めて遺憾であるとの意を表明し、法務大臣に対して、今後、死刑の執行を差し控えることを強く要望する。\n

  • URL

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー