会長日記

2017年4月 ~法学は学問か~

会長 作間 功(40期)

福岡県弁護士会のホームページにようこそ。

皆様、はじめまして。わたしは、4月1日付けで2017年(平成29年)度の福岡県弁護士会の会長に就任いたしました作間功(サクマ コウ)です。6名の副会長と2名の事務局長(いずれも弁護士)で、今年度の当会の舵取りを行ってまいります。1年という短い任期ですが、精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします。

◆ 自己紹介

簡単に自己紹介をしておきます。昭和33年生まれで、現在58歳。福岡市城南区の別府幼稚園、別府小、城南中、県立修猷館高校を経て、東京の私大に進学。少しの間東京都で公務員をした後、昭和60年司法試験に合格、同61年に司法修習生となり帰福、昭和63年に福岡県弁護士会の近江法律事務所に入所し、現在に至っています。長女と長男がおりますが、2人とも家を離れ、現在は妻と2人暮らしです。趣味は、山歩き、読書、下手ですがゴルフ、それに犬の散歩でしたが、7年前に愛犬が死んで、趣味が一つ減りました。昨年、九州一高い屋久島の宮之浦岳に初めて登りました。仲間と一緒に登ったのですが、死ぬほど大変でした(この「初めて」というくだりと、「死ぬほど大変だった」という2つの事実で、わたしの山歩きのレベルがわかろうかと思います)が、その達成感、屋久島の神々しさ・美しさは、筆舌に尽くしがたいものがありました。そのほか映画やスポーツ観戦も好きで、たまに見に行っています。

◆ 法学は学問か?

わたしが大学生になって法律を学び始めたころ、ドイツのキルヒマンという法学者が「学問としての法学の無価値性」ということを言っているということをある法律雑誌で知りました。どんなに精緻な論理を構築し研究しても、ひとたび法律を改正してしまえば、それまでの研究は無に帰し、図書館の書物はごみとなる、というものでした。わたしは法学に対し、疑念が生じてしまいました。その結果かどうかわかりませんが、大学1年の法学の単位はとれず、成績は不可でありました。楽勝の教授であったにも拘わらず、です。迷いが生じていました。法学は、真理を探求するものではない。真理を探求するものではない法学は、学問なのだろうか。疑念は深まっていきました。法学にはノーベル賞はない、ということにも思い至りました。確かに、法曹になれば世のため人のために役立つとはわかっていても、釈然とせず、わたしは、法学は学問ではない、ということに確信をもってしまいました。

しかし、その後、立ち直り、単位も取って無事大学を卒業し、司法試験にも受かり、司法修習生となり、研修所の卒業試験、これは通称、二回試験というのですが、これも何とかクリアし、弁護士になり、いまや会長までしているのです。随分と立ち直ったものです。

先の疑問に対する私の整理は、真理を探究するものだけが学問ではない、法律は、一国の文化を形成し、人々の幸福・社会の秩序維持のために必要不可欠な存在で、それを学ぶことは尊いことだ、と考えて、自分を納得させました。遠い昔のことです。

次回は、「弁護士会は何をしている団体なのだろうか」についてお話しします。