会長日記

2016年5月1日

会 長 原 田 直 子(34期)

福岡県弁護士会のHPにお出でいただき、ありがとうございます。

【熊本地震被災者の方への法律相談-会員が積極的に参加しています】

熊本の地震から2週間以上経過しました。未だ避難生活を余儀なくされ、余震の不安にさらされている被災者の皆さまのことを考えますと、本当に心が痛みます。一日も早い生活再建ができますことを、子ども達がまた学校で友達と笑いあえることを、心からお祈りいたします。

さて、当会では、25日から、福岡県内17か所の法律相談センターで、被災者の方への無料法律相談を開始いたしました。このお知らせをこのHPに掲載したところ、700以上の「いいね」を戴いています。市民の皆様が応援してくださることは、私たちにとって大きな励みです。

地震発生直後は、何かしなければと気持ちばかり焦りましたが、阪神淡路大震災や東日本大震災で支援の経験を積んだ日弁連からの的確なアドバイスを受け、被災弁護士会(熊本県)の要請を受けて支援活動を行っています。3日からは、熊本に出向いて、電話での法律相談の支援を行う予定です。会員に呼びかけたところ、すぐに手が上がり、スケジュールを組むことができました。弁護士1年め(正確には4ヶ月です)の若い弁護士達も何か手伝いたいと手を挙げてくれています。また、災害時のご相談に的確にお答えできるよう、急遽、研修会を開いたところ、お昼休みの時間をさいて、60名くらいの会員が参加してくれました。会長として誇らしく思っています。

福岡県弁護士会は、市民に開かれた弁護士会を、皆様がお困りのとき、まずは弁護士に相談してみよう!と思っていただける弁護士会を目指しています。「今がその時!」と思い、今後とも支援活動に取り組んで参ります。

【非弁提携活動は許されません】

このような時期に、皆様にお詫びしなければならないことがありました。

4月28日、非弁提携活動を行った当会会員に対し、業務停止3か月の懲戒処分を行いました。

非弁活動というのは、耳慣れない言葉かもしれませんので、少しご説明いたします。

私たち弁護士(弁護士法人を含みます)は、広く法律事務全般を行うことを職務としています。司法試験や司法修習という制度によって、一定以上の能力を認め、弁護士のみが法律事務全般を行うこととされています。司法書士さんや行政書士さんも一部の法律事務は行えますが、その範囲は制限されており、法律事務全般を行えるのは弁護士だけなのです。

もし、このような資格や権限のない人が他人の法律事務に関与すると、紛争の公正な解決が出来ず、法律秩序が乱され、市民の皆様の権利や利益が損なわれることになります。そこで、弁護士法という法律で、弁護士でない者が報酬を得る目的で法律事務を行うことを禁じています。

今回の事件は、このような弁護士でない者が行う法律事務に当会の会員が関与していたもので、弁護士・弁護士会に対する市民の皆様の信頼を裏切るものです。弁護士会は、強制加入制の自治団体です。違法な行為を行った会員に対しては、当会が懲戒処分を行うことになっており、上記のような処分を行いました。

当会の会員がこのような行為を行っていたことに対し、心からお詫び申し上げますと共に、再発防止に努めてまいります。