会長日記

2014年11月

会 長 三 浦 邦 俊(37期)

本日は、10月14日です。秋は、対外行事も、会内行事も盛りだくさんです。

9月11日・専門職団体連絡協議会定期総会

開催されるようになって、既に、20数年。異業種交流の先駆けとして始まったものですが、全団体が集まる意義があるのかという点が、何時も問われています。交流会の持ち方にも工夫が必要だと思われます。本年は、社会保険労務士会から、キリンビールマーケティング社の九州支社長らの講演会を企画してもらいました。士業の業界が最も苦手な分野の一つであるマーケティングに関する戦略について、いわば先端をゆくビール会社の方の話は、大変興味深いものがありました。甘木工場で生産されるビールには、九州世界遺産登録運動の寄付金が含まれているそうです。世界遺産登録運動と結びつけることで、福岡県、北九州市、長崎市、大牟田市、宗像市の広報でも取り上げられ、何より「一番搾り」が口コミで広がることが、宣伝効果としては、一番であるというお話でした。弁護士、弁護士会の広報を考えるうえでも、参考となる話でした。

9月12、13、14日・福岡、釜山フォーラム

こちらは、開催されるようになって、9年目です。数年目から、釜山側は、弁護士会会長が出席するようになったことから、福岡側も弁護士会会長が出席するようになったとのことでした。他のメンバーは、双方の財界人、医師会会長と、大学学長、マスコミ関係者らです。福岡側は、JR九州の石原相談役の人格、人柄と、九大の松原教授の献身的サポートと、西日本新聞社に支えられて、両都市、両国の国際交流に大きな役割を果たしているものです。13日には、釜山市長主催の昼食会が開催されるなど、両市の政財界人、マスコミ関係者が参加し、日韓の社会、経済、政治などあらゆる分野に関して、討論をおこなうもので、中身は、相当濃いものでした。しかし、フォーラム自身は、有志の集まりにすぎないので、事務方の松原先生には、電車賃も出ないボランティア活動だそうで、法人化して、寄付でも募れば良いのではと申し上げたところ、俄然、その気になられて、来年の10周年に向けて法人化だと宣言されました。行きがかり上、お手伝いをする羽目になりそうです。弁護士会の会長が1年任期という点も何とかならないのかと言われましたが、この点は、フォーラムの出席者として、政治連盟の会長とするなど、一工夫が必要なところだと思われました。

9月16日第67期司法修習生送別会

昔と比べると勉強が足りないなどとすぐ申し上げますが、若いということは素晴らしいことです。若い法律家の皆さんが明日の日本のこと、法曹界のことを考えて頂くことを祈念してやみません。他方、歳を取っても老け込むのではなく、新しいことに取り組む姿勢は、忘れたくないと思います。これも若い世代と交わることがあればこそ思うことです。とにもかくにも、二回試験は無事突破して欲しいものです。

9月17日・常議員会・筑豊部会全員協議会・同懇親会

県弁会計から福岡部会の特別会計が借り入れるという点と、筑豊の法律相談センターの会計より2,000万円から1,000万円を借りたという点が協議の対象でしたが、30名の部会員のうち、17名に参加して頂きました。協議の内容は、弁護士会HPで閲覧可能ですが、福岡部会の問題と思われずに活発なご意見を頂きました。

9月18、19日・日弁連理事会

理事会も3月から数えて7回目となりました。議題の多さは相変わらずです。理事会の前後や、昼食時にも、いろんな会合が入ります。日弁連で仕入れた情報を単位会に繋いで、地元に伝えることは、執行部の重要な役割であると思いますが、他方で、現在は、ネットや、日弁連新聞、ファックス通信など、各会員に配信されていますので、どの情報を取り上げるべきかという判断には、結構、迷います。目下の最大の関心事は、理事会の合間の昼食時に不定期に開催される会館問題対策委員会です。補助金獲得の苦労話なども聞けて、中々、参考になります。各単位会とも、いろんな点で苦労があることが判ります。

9月20日・民事裁判に関するシンポジウム

日弁連での担当副会長は、福岡の古賀和孝会員です。民事裁判の充実と迅速化は、長年のテーマですが、今年からは、日弁連と最高裁との協議会が開かれるようにしたこと、審理の充実、迅速化だけでなく、物的、人的充実策の策定、強制執行段階の充実などがテーマとして協議が実施される予定ですが、1年半以内に何らかの成果を上げるという目標を掲げたことが、最大の特徴です。10月10日に開催された一審強化民事部会で、林裁判官が、シンポで配布された資料を取り出し、早期事案期日、集中審理期日に関するガイドラインを発表されたことに関連して、この資料に書いてあるとおりだと言われていたのが印象的でした。会員の皆さんも、このシンポの資料をご一読ください。

9月23日・改正消費者安全法シンポジウム

「地方公共団体は、消費生活相談業務を民間の団体に委託できる」という規定について、全国的にこれを営利法人である株式会社に委託しているのは、渋谷区と福岡市だけであるそうです。業務の内容からは、地方公共団体の本来業務のはずであって、これを営利法人に委託すれば、相談員の待遇などが害される恐れがある、当該法人の営利活動に利用される恐れがあるという問題提起でした。休日にもかかわらず、多数の消費者相談員の方と会員の方々が参加されました。消費者庁からは、この法律の立法を担当された消費者制度課企画官の方の参加も得ました。福岡市にも参加を呼びかけたそうですが、福岡市が参加をしなかったのは、予想された範囲内の話とはいえ、残念なことでした。営利法人に委託することは、消費者相談員の待遇が悪化する、雇用不安を生ずる恐れがある結果となることであるから、そもそも、委託を許容するにしても、営利法人である株式会社への委託は想定の範囲外である、法整備の過程の中で、その趣旨を誤解、曲解してはならないというお話で、委員長の黒木先生、製造物責任の権威であるにもかかわらず、消費者問題にも、取り組んで頂いている朝見先生など、地元は、勿論、日弁連の消費者問題委員会の論客を招いてのシンポで、大変勉強になったシンポでした。

9月25日筑後部会全員協議会、26日・期別懇談会(39期まで)

筑豊部会に引き続き、30数名の参加を得て、活発な議論をして頂きました。筑後部会の法律相談センター会計から、3,000万円程度の5年償還を3年に繰り上げられないかという点が、筑後部会への問題提起の第一であり、第二は、県弁護士会館にどのような機能を持たせるべきかという点でありましたが、筑後部会の若手会員からも、会員の負担を軽減されたいという意見が複数の会員から出されました。日弁連の会費に関しては、来春にかけて、負担軽減のための具体策が発表され、臨時総会等の議案となる見込みですので、臨時総会のお知らせや、日弁理事会の承認事項にご注意ください。他方で、県弁会費の負担軽減措置に関しては、これからの議論となります。弁護士会の会費のうち、特別会費は、特定の目的に使用するために徴収を開始したものです。その目的の達成度との関係で、徴収をしなくても良い状態になったかという点の検証が必要だと思われます。他方で、一般会計は、弁護士会の人と物の検証をしなければ、答えを出せない問題だと思われ、機構財務委員会などに諮問して、結論を出す以外に方法はないと思います。一般的には、会員の数が増加していますので、IT利用等で、効率化が図られるのであれば、会費の値下げは可能という話になりそうですが、他方で、司法試験の合格者を減らせとの意見もあって、きちんとした検証と、議論が必要だと思います。39期までの懇談会では、会館建設の負担金に上限を設けないという点に関して、会員間で、不平等だとされる意見が出る可能性がありましたが、特段の意見は出ませんでした。

執行部の基本方針に関しては、若手会員には不評の感があります。しかし、基本的に、若手に偏しており、先輩会員から会員間で不平等であるとの意見が出る懸念がある案です。若手会員には、先輩会員の積立や、寄付に対する感謝の気持ちを忘れて頂きたくないと思います。

9月27日東京弁護士会との交流会

東弁の会務データを福岡で預かるようになったことを機会に始まった交流会です。別に報告があると思いますが、良きにつけ悪しきにつけ日本最大の単位会には、弁護士、弁護士会の抱える問題が詰まっており、執行部としては、大変勉強になりました。

9月30日グローバル創業都市・福岡のシンポ

福岡市グローバル創業・雇用創出特区の説明会がありました。ベンチャー企業の方も多数参加されて、福岡市長自ら、特区の特徴をPRし、シンポがありました。外国人や、ベンチャー企業を招き入れたり、興してもらって、地域活性化を図るという政策です。弁護士業務的にも、企業の海外進出支援や、創業支援という面も考えられますが、アジア諸国の弁護士との提携関係を作れれば、会員の方の業務拡大につながることは、確実だと感じられました。

会館問題に関する全員協議会・9月30日北九州部会、10月1日福岡部会

参集して頂いた会員数が、両部会であまり変わらない点が、一番の問題です。福岡部会の会員の参加が少ないのが問題で、一人でも多くの会員に、関心を持って頂き、参加して頂きたいと思います。一先ず、執行部は、会員に対して、正確な情報を届けたいと思います。

10月2、3、4日日弁連人権大会

今年の人権大会は、函館です。日弁連最大のイベントという言い方がされますが、今年のシンポは、第一分科会が「北の大地から考える、放射能汚染のない未来へ[原発事故と司法の責任、核のゴミの後始末、そして脱原発後の地域再生]」、第二分科会が「障害者権利条約の完全実施を求めて~自分らしく、ともに生きる~」というテーマで開催されました。当会からも、多数の会員が参加されていましたので、詳細は、別途、報告があると思いますが、人権大会は、参加する度に、勇気をもらえるイベントです。補助がありますので、来年は、是非とも、若い会員の方が、多く参加されるようにお願い致します。

10月6日衆議院議員古賀篤、10月7日山崎拓政治資金パーティー参加

弁護士会の活動は、社会制度、法制度論に及んでいる関係で、中央においても、地方においても、政治家との繋がりを持たざるを得なくなっています。弁護士会は、献金や、票とは無縁の集団ですので、各政党や、政治家の方との間で、政治連盟が中心となって、勉強会などを実施しています。執行部も分担して、政治資金パーティーなどに出席していますが、今年は来年の統一地方選をにらんで、この種のパーティーが多くなっています。

10月11日大阪、広島弁護士会との交流会

午後1時から午後6時近くまで、男女協同参画問題、法律相談センター問題、会館建設問題などを討議し、盛り上がった交流会でした。交流会の前の昼食に、大阪も、福岡も、お好み焼き屋でお好み焼きを食べていました。忙しい中でも、何か楽しみがあるもので、10月の広島で、カキとお好み焼きを食べるのが、広島での交流会の習いのようです。

最後に

この1ヶ月間、何をしたのか書いてみようと思い立ったのですが、書ききれない部分も多々ありました。会務をしていると、弁護士、弁護士会の明日を考えざるを得ません。若い会員に会務に参加してもらう方法がないかと思案する毎日です。