会長日記

2013年12月 弁護士会の相互交流

会 長 橋 本 千 尋(36期)

■弁護士会相互の多層な交流

弁護士会の組織には、全国組織としての日本弁護士連合会や、九州・沖縄の8つの弁護士会で構成する九州弁護士会連合会などがあり、その中での弁護士会同士の交流が図られています。

この弁護士会連合会は、全国8つの高等裁判所所在地毎に設立されていて(北海道、東北、関東、中部、近畿、四国、中国、九州)、その全体で弁護士会連合会相互の交流を図るブロックサミットという場も持たれています(何故か、首脳会議に倣って「サミット」という名称が好まれています。)。

更に、小規模及び中規模という会員数の規模による交流の場もあり(大規模=東京と大阪は無いようです)、当会は中規模サミットに属しています。

■交流している弁護士会

当会では、これらに加えて、いくつかの弁護士会と個別に意見交換や相互の情報提供などの場を持たせていただいています。

現在持っている交流の場は4つです。

第1に、札幌、第二東京、福岡という日本縦断型の交流会。

第2に、大阪、広島、福岡という関西以西の三大弁護士会の交流会。

第3に、愛知、横浜、福岡という、東京と大阪を除いた会員数1000人以上の弁護士会の交流会。

最後に、日本最大の弁護士会である東京弁護士会との交流会。

第1の日本縦断交流会は9月に札幌で開催されましたが、第2の関西以西交流会は大阪で、あとの2つは福岡で、順次開催予定です。

■交流の場における話題

全国的に共通しているテーマもあれば、それぞれの弁護士会固有の課題もあります。当会としては既に解決済みといってもよいものから考えてもみなかったものまで、また、共通はしていてもそのテーマについての取組の度合いも参加する弁護士会で温度差が異なっているなど、多種多様です。

だからこそ、意見交換や相互に情報提供をする意味があるのですが。

■背景の一つとして

このように提出されるテーマは様々なのですが、最近の交流会で議論されている中で感じることは、背景としてジェネレーション・ギャップの問題が意識されているのではないかという点です。

例えば、新人研修の在り方や法律相談センターの運営方針として語られる際、若手弁護士の現状への対応を考慮した弁護士会としての施策を念頭に語られることが多いのですが、若手弁護士の苦境を救うという単純な指向性を持つ議論ではなく、弁護士会全体の共通基盤が維持できるかという危機感を背景に孕んだ議論のように思えるのです

■弁護士の未来

紀元前3000年、つまり、今から5000年前のピラミッド内部に刻印されていたヒエログリフ(神聖文字)を解読したら、「最近の若者は頼りにならん。」と記されていたとか。

若者議論は、人類歴年のテーマであり、ロートルの発言は太古の昔から変わっていないということかもしれません。

現時点での当会の責任者としては、若手弁護士の現状の深刻さを考え取組を強化することが当然の施策ですが、つまらぬ心配をするよりは、未来を託す若手の弁護士の資質や可能性に信を置く覚悟がいるのでしょう。

未来が明るいことを切に願う次第です。