会長日記

2013年9月 弁護士会の国際交流

会 長 橋 本 千 尋(36期)

■日弁連の松田幸子副会長の週刊レター

九州弁護士会連合会(略して「九弁連」といいます。)から推薦された日本弁護士連合会(略して「日弁連」といいます。)の松田幸子副会長は、毎週、九州全体の弁護士に向けて日弁連での会務活動の報告をされています。「日弁連副会長からの週刊レター」という題名で、A4用紙2、3枚程度なのですが、弁護士業界をとりまく動きに関する情報の宝庫といえるものです。

日弁連副会長という相当な激務の中、このような報告を続けておられる松田副会長のご尽力に少しでも報いる意味で、当会では、全会員向けMLと印刷した文書の双方で会員に配信・配布しています。

■日弁連の国際交流

この週刊レターの6月17日号では、「POLA」への出席体験が報告されています。

「POLA」というのは、ちょっと長いですが「The Conference of President Of Law Associations in Asia
の略で、直訳すれば
「アジア弁護士会会長会議」
です。

まさに、アジア諸国の弁護士会が一堂のもとに会して意見交換をしたとのことでした。

そのなかでの各国から報告された内容は、例えば国家権力の横暴と戦う弁護士会ということでカンボジア、マレーシア、台湾からの報告があったとのことですが、松田副会長が特に書き留めておられるマレーシアの弁護士会会長の

「POLAは日常的な情報交換とアジア社会や世界に向けて共同で『法の支配』を発信できる強い団体になるべきだ。」

との発言は、イギリスの弁護士会が弁護士自治を奪われたことを念頭に置けば、今後の日本の弁護士全体にとっても重い言葉だと受け止めました。

■九弁連各会の国際交流

話は変わりますが、実は、九弁連に所属する各弁護士会はいずれも海外の弁護士会との交流をおこなっています。名称と交流の始まった時期を列記すると次のとおりです。

福岡 釜山地方弁護士会(1990年)
大連市律師協会(2010年)
沖縄 台北律師公会(1994年)
長崎 台南律師公会(2003年)
太田地方弁護士会(2012年)
熊本 慶南地方弁護士会(2004年)
佐賀 蔚山地方弁護士会(2006年)
鹿児島 台中律師公会(2006年)
全羅北道地方弁護士会(2009年)
宮崎 忠北地方弁護士会(2009年)
大分 済州地方弁護士会(2010年)

■福岡県弁護士会の国際交流

当会は、大韓民国の釜山地方弁護士会と中華人民共和国の大連市律師協会の二つの団体と交流を結ばせていただいています。いずれも毎年交互に訪問をしておりますが、大連市律師協会との間では、本年は当会が訪問する年でしたので、7月末に大連市を訪問し、裁判所や現地の日本企業を見学した後、律師協会の方々とは双方からテーマを出し合い法律実務についての意見交換をおこないました。

10月には釜山地方弁護士会の方々を当会にお招きすることになっています。九弁連の中でも最も古くから交流をさせていただいていますので、今年も実り多いものにしたいと思います。
これからの課題は、親善から始まった交流を法律実務的なものに高めていくことだと考えています。毎年の着実な一歩一歩をどのように進めていくのかが問われていると思います。