地域福祉権利擁護事業とは、判断能力が十分でない人が地域の中で自立した生活が送れるように支援する社会福祉協議会の事業です。
第一に、これを利用することによって、どんな福祉サービスがあるかの情報提供や助言を受けることができます。さらに、進んで福祉サービスの利用申し込みの代行や利用料支払いの代行、また日常的な金銭管理を依頼することができます。例えば、年金を受け取ったり、医療費や税金、保険料、公共料金などを支払ったり、預金や貯金の出し入れの手伝いをしてもらうこともできるのです。
利用を希望する場合、市町村の社会福祉協議会に申し込みますと、「専門員」が自宅を訪問して本人の希望を聞いて支援計画を作成し、これに基づいて契約をすることになります。
相談や支援計画の作成などは無料ですが、契約をして「生活支援員」の援助を現実に受ける場合には、有料になります。
利用料は、福岡県を例にとると一回千円です。ですから、月に一度定期的に「生活支援員」に貯金の出し入れをしてもらい、年金の受け取りや医療費、税金、保険料、公共料金の支払いの援助を依頼する場合には月千円程度の負担を考えればいいということになります。生活保護を受けている人はこの利用料が無料になります。
もっとも、この契約を締結するには、本人が契約内容を理解できることが必要です。従って、もし本人の判断能力が契約内容を理解できない程度にまで低下している場合には、本人との契約はできませんが、成年後見制度によって選任された成年後見人が契約当事者となることによってこの制度を利用することが可能です。
もし周囲に福祉サービスの利用や日常的な金銭管理で困っている判断能力が不十分な高齢者の方がいたら、ぜひ本人や家族の方にこの制度を教えてあげてください。
弁護士 宇都宮英人

