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<title>福岡県弁護士会 弁護士会blog</title>
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<description>福岡県弁護士会の広報誌「ウォーク」と会員向けの会報誌である月報の記事を抜粋して転載しています。</description>
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<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_123.php">
<title>法律事務所のエコ（その２）</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_123.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員　後　藤　富　和（55期）</p>
<p>１　弁護士がCO2排出削減に取り組むこと 昨年の月報10月号に「法律事務所のエコ（その１）」を掲載させていただきましたが、今回は、その続きで環境マネジメントシステム（EMS）について、私が所属する大橋法律事務所が昨年12月に「エコアクション21」の認証を受けた経験を交えて報告いたします。 昨年の第52回人権大会において、日弁連は「地球温暖化の危険から将来世代を守る宣言」を採択し自らCO2等温室効果ガスの排出削減に取り組むことを宣言しました。その結果、各都道府県の弁護士会はもちろんのこと私たちひとりひとりの弁護士のCO2削減の取り組みが大きな課題となってきました。 法律事務所のCO2削減の取り組みとして、前回の「その１」では、・現状のCO2排出量を知ること、・エアコンの設定温度の調整や自転車の利用などの削減努力、・カーボンオフセットやグリーン電力の導入などをご紹介しました。 ただ、これらの取り組みはあくまで自主的なものであり、面倒なことなしたくないという人間の本性に従うならCO2削減の取り組みは遅々として進まないでしょうし、何より人は「飴」の部分がないと取り組みのモチベーションが湧かないものです。 そこで、自主的取り組みに第三者のチェックを導入し客観性と推進力を付与し、取組の御褒美として「認証」を与えることによって企業の社会的責任（CSR）の面でプラスに評価し経営者に取組へのモチベーションを与えるものとして、環境マネジメントシステムがあります。</p>
<p>２　環境マネジメントシステムの意義 組織や事業者が、その運営や経営の中で自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいくことを「環境管理」又は「環境マネジメント」といい、このための工場や事業所内の体制・手続きの仕組みを「環境マネジメントシステム（EMS）」と言います。 環境マネジメントシステムには、環境省が策定した「エコアクション21」や国際規格の「ISO14001」、NPOが策定した「KES」などがあります。 上記の通り、環境マネジメントシステムを導入することは、それまで自主的な取り組みであった企業の環境負荷軽減に対し第三者の客観的なチェックを入れることで、取組の積極性を加速させることや、対外的に「環境にやさしい企業」であることをアピールすることでビジネスメリットにつなげ、それによって企業の環境保護へのモチベーションを高めるという意義があります。さらに、省資源や省エネルギーの取組によって大幅な経費削減効果を得ることもできます。</p>
<p>３　弁護士会や法律事務所の先進例 法律事務所では、2006年５月に大阪弁護士会の弁護士法人赤津法律事務所がエコアクション21の認証を受けています。また、弁護士会では、2006年12月に京都弁護士会が、2008年８月に日弁連が、2009年10月に第二東京弁護士会が、それぞれKESの認証をうけており、現在、大阪弁護士会と兵庫県弁護士会がエコアクション21の認証に向けた取組を開始しています。 そして、福岡県弁護士会では、昨年12月、大橋法律事務所がエコアクション21の認証を受けました。</p>
<p>４　環境マネジメントシステム導入 環境マネジメントシステムの導入について、大橋法律事務所を例に報告します。 まず、大橋法律事務所では2009年１月に「大橋法律事務所環境方針」を策定し「環境保全への行動指針」を定めるとともに、所内の実施体制を確定しました。 その後、１月から４月までの４カ月間、大橋法律事務所の事業活動で排出されるCO2等温室効果ガスの量を把握し（環境負荷の自己チェック）、そのデータをもとに事務所の環境への取組を○△×でチェックしました（環境への取組の自己チェック）。この４カ月間のデータに基づいて、具体的な環境目標と環境活動計画を立案し、同年５月から７月までの３カ月間、試験的に運用を行いました。この試用期間内の環境負荷を把握し環境目標と環境活動計画を達成できたかをチェックします。達成できていない項目については、なぜ達成できなかったのか、原因を徹底的に追求し、計画の更なる見直しをします。この一連の取組を環境活動レポートにまとめ、ホームページにアップし市民に公開します。 その後、書類審査の上、10月に審査人による現地審査を受けました。現地審査は午前９時から午後５時まで実施され、施設など現況の確認の他に、弁護士や事務員への個別のヒアリングなど（まるで口述試験のよう）も行われ、ディスカッションを通じて、さらに目標と計画を見直します。 現地審査で指摘された点を踏まえて見直した環境目標や環境活動計画等について地方と中央のそれぞれの判定委員による審査を受け、12月24日にエコアクション21の認証を受けることができました。</p>
<p>５　エコアクション21の認証を受けての雑感 弁護士個人が環境負荷の削減に取り組もうと思っても、その取組が効果の薄い独りよがりのものであったり、また、日々の雑務の中でモチベーションが保てなかったりするものです。弁護士のモチベーションを高め、環境負荷削減の取組を効率的にするためには、やはりエコアクション21などの環境マネジメントシステムの導入が効果的だと感じました。この１年の大橋法律事務所の取組を振り返っても、とても私一人の自主性のみでは達成できなかったと思います。 ぜひ、福岡県弁護士会の会員の皆様も、そして、福岡県弁護士会でも、環境マネジメントシステムを導入して、効率的に環境負荷の削減、地球温暖化防止に取り組んでみてはいかがでしょうか。</p>]]></description>
<dc:subject></dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2010-02-01T10:39:22+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_122.php">
<title>法律事務所のエコ（その１）</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_122.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員　後　藤　富　和（55期）</p>
<p>１　地球温暖化 第52回人権擁護大会では、地球温暖化の危険から将来世代を守ることが大きなテーマとなりました。 IPCC（気候変動に関する政府間パネル）は、産業革命以後の気温上昇を２℃以内に抑えるために、先進国において二酸化炭素（CO2）などの温室効果ガスの排出量を1990年比で2020年までに25～40％削減、2050年までに80％削減することが必要と警告しています。日弁連は意見書や人権大会宣言を通して、国に対し温室効果ガスの排出総量規制などを求めてきました。麻生政権下では2005年比15％減（1990年比にすると８％減）という低い目標で誤魔化そうとしましたが、鳩山新政権は1990年比25％削減を打ち出しており、温室効果ガス削減が現実の課題となってきました。この課題は、政府や産業界だけではなく、私たち弁護士にも突き付けられています。そこで、法律事務所でも地球温暖化防止に向けた取組ができないかと考え、うちの事務所では様々な実践をはじめました。</p>
<p>２　まずは知ることから 温室効果ガスの削減に取り組むのであれば、まず、現状でどのくらい排出しているのかを知ることが必要です。 大橋法律事務所の2009年１月から７月までのCO2排出量は、電力・交通・廃棄物の合計で2285kgとなります（環境省の計算式）。仮に同じペースで１年間排出したとすると年間排出量は3917kgとなります。平均的一般家庭の年間排出量が6500kgといわれていますので、事業所としては少ない量に抑えることができていると思います。ちなみに、ヒノキ１本の年間CO2吸収量が約25kgといわれていますので、うちの事務所の活動によるCO2を吸収するためには156本のヒノキが必要ということになります。</p>
<p>３　削減努力、カーボンオフセット、グリーン電力 エアコンの温度をこまめに調整したり（思い切ってエアコンを使わず窓を開けるという選択もあり）、近距離の移動に自転車を利用したりすることでCO2の排出は大幅に削減できます。そのコツは我慢をしないということです。暑いのを我慢するのではなく、エアコンが効きすぎて上着を羽織って仕事している状態を不自然と感じられるかどうかだと思います。 それでも、削減できない部分は残ります。そのような場合に、事業により排出したCO2を別の活動で吸収し相殺する考え方をカーボンオフセットと言います。例えば、飛行機を利用したことで排出したCO2を植林によって相殺する全日空のカーボンオフセットプログラムなどがその例です。 また、電力を石油・石炭など化石燃料による発電に頼るのではなく、発電時にCO2を発生しないと考えられている風力、太陽光、バイオマス（生物資源）などの自然エネルギーに転換することで電力消費によるCO2排出を大幅に削減することも考えられます。しかし、小規模な事業所が独自に太陽光発電や風力発電システムを備えることは困難です。そこで、考え出されたのがグリーン電力証書システムです。これは、自然エネルギーにより発電された電力の環境付加価値を証書化し、証書の購入を通じて消費者（事業所）が自然エネルギーによる発電コストを負担することで、事業所で使用する電力を自然エネルギーに由来するものとみなすことができるという制度です。野村証券本社ビル、銀座のソニービル、羽田空港、全国６か所のＺＥＰＰ（ライブハウス）などでこの制度が利用されています。 大橋法律事務所でも今年８月からこの制度を利用して使用電力すべてをバイオマス発電によってまかなうことが可能となりました。</p>
<p>４　環境マネジメントシステム（ＥＭＳ）について これら環境保全に対する自主的取組を促進する制度として環境マネジメントシステムがあります。このシステムはすでに日弁連で導入され、単位会では京都弁護士会が導入しています。また、大阪の法律事務所でも導入例があります。ＥＭＳについては「その２」で述べ詳しく説明します。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2010-02-01T10:38:10+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_121.php">
<title>「息子と平和と」</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2010/02/post_121.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員　近　藤　恭　典（58期）</p>
<p>昨年の初夏、釣りに出かける車の中で、小学６年の息子が、学校の先生に対する不満を話し出した。 修学旅行先の長崎平和公園で、「平和の誓い」という文章を読み上げる役になったらしいのだが、その文章を作って担任の先生に見せたところ、よくないから文章の一部変えろといわれたことが不満だというのだ。 二度と戦争をしないために、戦争を肯定するような政府は認めませんという趣旨の箇所を削るようにと言われたらしい。 何かと気を遣わなければいけない最近の学校の先生にすればそうなのかなと苦笑しながら、この子が戦争を避けることを具体的に考えることもあるのかと嬉しくなった。 私の両親は子どもに対する平和教育には熱心な方で、私は幼い頃から戦争被害を聞く集まりや反戦映画などによく連れて行かれた。その手の本もたくさん買い与えられ、絶対に買ってはもらえなかった漫画も「はだしのゲン」だけは頼みもしないのに家にあった。「はだしのゲン」は擦り切れるほど読み、おかげで、戦争に対する恐怖感は疑似体験として心に刻み込まれた。 湾岸戦争が起こり、PKO協力法の是非を巡って日本中が議論していた頃、当時高校生だった私も、同級生とときどき議論をした。議論の中身は忘れたが、新聞やテレビで聞きかじった言葉をぶつけ合うだけの拙いものであったと思う。 一つだけ覚えているのが、同級生が「お金だけ出しても国際的な信用は得られない。血を流さないといけない。」という当時よく使われていたフレーズを口にしたときに感じたことだ。その時私は、彼と自分とでは、「血を流す」という言葉で想像する情景が、決定的に違うのではないかと思ったのだ。私にとって「血を流す」情景は、焼けただれた皮膚にガラス片を刺したまま焼け野原をさまよう人の姿であり、手足を失い芋虫のような姿で戦場から帰ってきて「殺してくれ」と毎日叫んでいる人の姿である。そういう情景を思い浮かべてしまえば、「血を流さないといけない」などとは、口が裂けても言えるはずがないと思ったのである。 親となって、息子にもぜひ戦争被害を学ばせねばと思ったが、これがうまくいかない。戦争展に誘ってもついてこないし、長崎の平和記念館に連れて行っても早足で駆け抜けてしまう。「はだしのゲン」を買ってきても読んだ気配がないし、普段は見たがる金曜ロードショーも「火垂るの墓」のときはさっさと寝てしまう。 息子の感性は大丈夫だろうかと心配していたところに先の文章のことを聞いたのである。これは戦争と平和について息子と語れるチャンスと思い、じゃあ戦争を肯定する政府を作り出さないために何をしなければいけないだろうか、と話を膨らませようとしたが、これには乗ってこなかった。 息子も今春から中学生になる。漫画やアニメで平和教育をする手はもう使えないだろう。親とあまり話もしなくなるかもしれない。 急いで新しい手を考えないといけない。</p>]]></description>
<dc:subject>憲法リレーエッセイ</dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2010-02-01T10:36:29+09:00</dc:date>
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<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/it_6.php">
<title>ITコラム</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/it_6.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">ホームページ委員会 <br>小山　格（60期）</p>
<p>２回目のコラム担当となりましたが、ＩＴに関する私の周辺環境はほとんど変化しておりません。そこで、今回は、今後導入してみたいことなどをあれこれ考えてみたいと思います。</p>
<p>・　電子メールのドメイン取得</p>
<p>電子メールのドメインとは、「●●●＠・・・・・」で構成される電子メールで＠以下の英数字を意味します。最近はドメインも簡単に取得できるようです。ドメインが、事務所名などで構成されていると、やはり見栄えが良い感じがします。というのも、私、仕事の関係で依頼者の方とメールをする機会があったのですが、事務所のドメインが情報流出で問題となった某会社であったため、「このアドレスに送っても大丈夫ですか？」という質問を受けました。ドメイン名とセキュリティなどの安全対策はリンクするものではないのですが、やはり、一般的に使うドメインだと「大丈夫なの？」という疑問を持たれることもあるようです。</p>
<p>・　送付データのパスワード設定</p>
<p>仕事によっては、wordで作成したドラフト段階の書面などを送付してもらい、こちらが手を入れて返信する場合があります。この場合、依頼者によっては、添付データにパスワードを設定していることがあります。私自身は、メールの宛先を間違えて送信したということはありませんが、メール誤送信の話は良く耳にします。依頼者の秘密を守るという弁護士の立場からしても、積極的にパスワード設定をするべきでしょう。蛇足ですが、複数の弁護士で作り上げた準備書面で、変更履歴を一部残したままで裁判所に提出したことがあります。致命的なミスではありませんでしたが、非常に恥ずかしい思いをしましたので、wordで作成した書面は、「最終版」で印刷するようにしましょう。</p>
<p>・　パワーポイント等の視覚に訴えるソフト</p>
<p>裁判員制度の開始に伴い何かと話題のパワーポイントですが、使いこなせるのであれば、もちろん仕事の幅は広がると思います。もっとも、これらのソフトは、プレゼン等の際に自分で操作して使えるかという問題と資料として作りこめるかという問題があり、弁護士の仕事としては、前者をマスターすれば十分なのではないかと思っています。プレゼン資料や上場企業の投資家向け資料などを作成する方の話を伺うに、作りこみの作業には、一定の専門性に加え、かなりの時間と労力が必要になりますので、自分で作成するのであれば、ほどほどでよろしいのではないかと思います。また、会社によっては、これらの視覚に訴えるソフトからの揺り戻しもあるようです。曰く「説明を受けた気になるが、要点が伝わってこないし、時間と労力の無駄。Ａ４一枚くらいの手元資料で相手を納得させなければならない。」とのことでした。私も、弁論や証人尋問に通じるところがあると考え、多いに共感しています。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2009-09-01T10:40:03+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/post_119.php">
<title>高校生の熱き闘い！ 「高校生模擬裁判選手権九州大会」</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/post_119.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">法教育委員会 <br>柏熊　志薫（60期）</p>
<p>平成21年８月８日、福岡地方裁判所において「高校生模擬裁判選手権九州大会」が実施されました。</p>
<p>１　大会の意義・狙い</p> 
<p>この大会は、高校生が、１つの事件を素材に法律実務家の支援を受けながら、検察チーム、弁護チームを作り、高校生自身の発想で争点を見つけ出し、整理し、法廷で冒頭陳述、証人尋問・被告人質問、論告・弁論を行うものです。刑事法廷で要求される最低限のルールに則り、参加各校の生徒が検察側と弁護側に分かれて知力を尽くして闘う経験を通じて、物事のとらえ方やそれを表現する方法を学び、刑事手続の意味や刑事裁判の原則を理解することを狙いとしています。</p>
<p>選手権そのものは２年前から関東大会、関西大会が行われており、今年で３回目となりました。日弁連が単独で主催してきたのですが、今年は裁判所と検察庁の共催によって、裁判所の法廷を実際に使った臨場感あふれる大会となりました。 九州大会は今年初めての実施となり、福岡県立福岡高校、福岡県立小倉高校、久留米大学附設高校、佐賀県立佐賀西高校の４校が出場しました。</p>
<p>２　事案の概要と争点 </p>
<p>事案は、正月、かねてからの知り合いであった被害者が被告人宅に新年の挨拶に来ていたところ、被害者が酔った勢いで自慢話を執拗に繰り広げたことが原因で口論となり、被害者の「撃てるなら撃ってみろ。」という挑発に耐えかねて、被告人が別の部屋から散弾銃を持ち出して引き金を引き、弾を被害者の肩に当てて傷害を負わせたという殺人未遂被告事件です。</p>
<p>本件では殺意の有無が争点となりました。被告人は散弾銃に弾が入っていることがわかっていて被害者を殺害するために敢えて発砲したというのが検察官の主張です。これに対して、被告人・弁護人側は、普段は猟銃を厳重に管理して弾を抜いて安全装置も確認していたのに、今回はその確認をうっかり忘れていたのであり誤射であると主張しました。</p>
<p>３　高校生の迫力あるエネルギッシュな論戦!! </p>
<p>出場選手の高校生は、みんな、大きな声ではっきりとわかりやすい言葉を使って尋問、弁論等を行っていました。緊張していたと思いますが、そのような素振りは全く見せずに堂々と落ち着いた闘いぶりで本当に頼もしいものがありました。</p>
<p>印象的な場面の１つとして、弁護チームが、被告人質問の際に被告人役の生徒に犯行を再現させるところがありました。散弾銃の模型を被告人に持たせて、通常の構え方と、今回被害者に発砲したときの持ち方を比較するという手法です。普段は両手で構えて肩で銃をしっかりと支えて照準を合わせていたのに対して、事件当時は片手で腕を伸ばした状態で持っていました。本当に殺意があったのだとすれば狙いを定めて普段通りに銃を構えたはずだというのです。また、このときにメジャーを使って犯行当時の被告人と被害者の距離も再現していました。</p>
<p>この視覚に訴える尋問の効果は抜群で、これが本当に裁判員裁判で行われていたとしたら、心証形成に大きく影響するのではないかと思ったほどでした。 尋問中には「異議あり！」の声も頻繁に出ました。尋問担当者が質問を撤回することも数々あり、異議の効果は十分に発揮されていました。</p>
<p>４　栄えある優勝校は・・・ </p>
<p>九州大会では、福岡県立福岡高校が優勝しました。 同校は、前述の猟銃の模型を作ってきただけではなく、論告・弁論ではキーワードが両面に大きく書かれたスケッチブックを高くかざして審査員席、傍聴人席の双方向に見えるようにしていた等の工夫をしており、事前に相当の準備をしていたことが随所に現れていました。リーダーの女子生徒は、「大会まではみんな部活を休んで全てを注ぎ込んできた。本当に嬉しい。」と感想を述べていました。</p>
<p>残念ながら優勝を逃してしまった３校の選手達はとても悔しかったと思います。しかし、力を尽くして闘い抜いた充実感が表情に出ていて、閉会式後の記念撮影ではみんなの笑顔が見えました。出場校の選手達全員に対して温かい拍手が贈られました。 各校が優勝に向けて力を合わせて頑張る、そのプロセス自体に、この大会の意義が見出せると感じました。</p>
<p>５　審査員によるスカウト!? </p>
<p>審査員は、法曹関係者（弁護士、検察官、裁判官）の他に、学者、マスコミ等様々な分野の方が引き受けてくださいました。</p>
<p>閉会式の際には各審査員からの講評がありました。高校生とは思えない立派な冒頭陳述、尋問、論告・弁論に舌を巻いたという感想が多く、中には、「じわじわと被告人を追い詰めていく尋問に感心した。即戦力になるから是非うちの役所（検察庁）へ来て欲しい。」というスカウトもありました（笑）。</p>
<p>６　来年に向けた抱負 聞くところによると、ある支援弁護士は、優勝を逃してとても悔しかったようで、早くも来年に向けた必勝法を考えている、とのことでした。選手である高校生だけではなく、支援弁護士も熱くなれる選手権ですね。</p>
<p>高校生模擬裁判選手権はまだ始まったばかりの若いイベントです。実施回数を重ねていく中で、主催者側も課題をその都度克服しつつ、より良い大会へと熟成していくことを願っています。</p>
<p>是非、来年以降の大会には会員の皆様も足をお運びください。高校生の活き活きとした鋭気に刺激を受けること請け合いです！</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2009-09-01T10:30:20+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/post_118.php">
<title>学資保険裁判</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2009/09/post_118.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">深堀　寿美（45期）</p>
<p>１　1991年12月、福岡部会の会員を中心に、約100名の代理人で、学資保険裁判中嶋訴訟は提訴に至りました。</p>
<p>原告らの世帯は生活保護を受けていました。当時、生活保護世帯では、高校に修学するための費用が支給されていませんでした。３人の子どもを何とか高校に行かせてやりたいと、世帯の母親は思い、わずかな生活保護費を節約し、約14年間に渡り、毎月3,000円ずつ、郵便局に学資保険として積み立てを行いました。ある時、この保険に約44万円の解約返戻金があることがケースワーカーに知れるところとなり、解約の指導指示を受け、ぐずぐずしている内に、満期がやってきて満期保険金が出ました。福祉事務所がこの金額を収入として取り扱い、今後半年、この約44万円分の保護費を減額する、とした行政処分が違法であるとしてその取り消しを求めた行政訴訟です。</p>
<p>２　弁護団がいうところの、この行政処分が違法であるという趣旨は、保護費や収入認定された収入は、保護世帯が自由に消費してよいはずなので、その保護費等を貯めたからといって、それを再度、収入として認定するのは間違っている、それは生活保護法４条に違反している、というものでした（保護費消費自由の原則）。</p>
<p>３　しかしながら、この裁判、本当は、その１：高校修学は世帯の自立に必要不可欠なので、そもそも生活保護費において高校修学費用を支給しないという基準は、憲法25条１項に違反するものである、その２：高校進学率90％超の現状で、生活保護世帯だけ高校に進学できないのは憲法26条１項「教育を受ける権利」を侵害するものである、その３：生活保護世帯の子どもが高校修学ができない実態は、子どもの権利条約28条に反するものである、という、憲法違反、条約違反を主位的請求原因として主張したかった裁判でした。</p>
<p>平和的で控えめな性格だった事務局長の平田広志会員は、本当は、そういう憲法裁判にしたかったけど、そんなこといったって、その理由で戦っても「確実に」勝てるという見込みはないので、その目的もさりながら、とにかく、子どもの高校進学に備え、世帯が前々から貯蓄をすることは、褒められこそしても、何か悪いことをしたかのごとく、責められたり、挙げ句、一生懸命貯めたお金を取り上げられるような取り扱いが許されるはずがない、ということを生活保護法４条違反、という形で主位的理由とし、それを補強する理由付けとして、憲法25条１項、26条、子どもの権利条約28条を展開し戦ったのでした。</p>
<p>４　この裁判、地裁では、「保護受給権は世帯主にあって個々の子どもには受給権がない」などと、へんちくりんな理屈で、「請求却下」という結論でした（母親は裁判前、父親は裁判途中で他界）。が、高裁では、その点も是正し、高校修学目的で保護費等を貯蓄した場合にそれを収入認定するのは生活保護法４条に違反して違法、と明確に断じました。そして、2004年３月16日、この高裁判決が最高裁でも認められ、高裁判決は確定しました。</p>
<p>最高裁も、処分庁の上告を棄却する、という三行半の理由だけではすまさず、「高校進学は世帯の自立に有用だ」とわざわざ宣言してくれました。そのため、この判決後、保護世帯が、何か悪いことをしているかのようにしてこそこそ貯めていた高校進学費用は、「収入認定しない扱いとする」と厚生労働省が通達を出し、多くの子どもを抱える世帯がほっとし、さらに、2005年度からは、生業扶助の一部として「高校修学費用」そのものが保護費として支給されるようになりました。 ５　最高裁に、わざわざ「高校進学が世帯の自立に有用」と宣言せしめ、生活保護基準を変更せしめたのは、地裁の段階から、この問題が憲法問題だ、と主張し続けた成果である、と弁護団は自画自賛しています。</p>
<p>みなさんも、一つ一つの事件で、憲法を意識して主張してみるといいかもしれません。</p>]]></description>
<dc:subject>憲法リレーエッセイ</dc:subject>
<dc:creator>motoyasu</dc:creator>
<dc:date>2009-09-01T10:14:28+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_117.php">
<title>「バガージマヌパナス」（池上永一・文春文庫）</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_117.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員 　佐　藤　　至（35期）</p>
<p>月報委員会では、この「私の一冊」をシリーズ化するつもりらしい。そうすると、この原稿はプロ野球で言えば、開幕戦の、それも第一球ということになる。ならば、ここはやっぱり、剛速球でいくか（例えば「おそろし」※1）、いや、内角を鋭くえぐるシュートでいくか（例えば「黒の狩人」※2）、いやいや、ここは緩いカーブでいくか(例えば「雪沼の風景」※3)と散々悩んだが、ここは大きく裏をかいてレッドソックスのウェイクフィールドばりのナックル（※4）で…　ということで「バガージマヌパナス」（わが島のはなし）。</p>
<p>この小説は、作者の実質的なデビュー作で、第6回のファンタジーノベル大賞を受賞している。このファンタジーノベル大賞という賞はなかなかユニークな文学賞で、酒見賢一（※5）、森見登美彦（※6）、鈴木光司（※7）らが受賞している。</p>
<p>さて、この物語は、石垣島（と思われる）を舞台とするものである。主人公は中宗根綾乃、19歳の美しい娘である。しかし、態度はあまり芳しいものではない。最初の登場場面からして、「島に絶えず吹く潮の香りをたっぷりと含んだ海風に、彼女は豊かな髪を靡かせている。赤く小さなかたちのよい唇から、奥歯をのぞかせて、ポカンと口を開けていた」と書かれているくらいである。話は、この主人公とオージャーガンマー（「大謝（おおじゃ）家の次女」という意味）という86歳のおばあさんの交遊を中心に進んでいく。このおばあちゃんがまた、魅力的ではあるが、しまりがない。何せ「いつも、子供用の造花を散りばめたピンクのサンダルを履いて」、「左右別々のサンダルで」、「髪はオレンジ色に染め上げて、フワフワした綿菓子のようなヘアースタイル」という登場の仕方である。小説の前半は、南国のこと、ゆっくりと、また、あまり締まりなく進行する。二人のユンタク（お喋り）と散歩が、否応なく本土のグローバリズムに飲み込まれて行かざるを得ない琉球弧の悲しみを混ぜながら続く。そして、小説の会話の一部は、地の言葉で語られていく。ワジワジー（不愉快だ）、チャースガヒャー（どうしよう）、コンマーハイットン、ヤナファーナーヤ、バラリンドー（急所にあたったぞ、このあまぁ、叩き殺すぞ）などなど、非常に軽やかな言葉が続く。それは沖縄方言という失礼な言い方をすべきではなく、琉球言葉とでもいうべきリズミカルな言語である。</p>
<p>そして、物語は中盤から、琉球の宗教世界が絡み、急展開していく。まず、琉球の神様が登場するが、この神様は、本土の神様のように「念仏を唱えさえすれば救われる」というようなヤワな神様ではない。人に嫌なことを押しつけ、言うことを聞かないと、電撃を加えたり、サリンドー（殺す）と脅したり、病気を押しつけるというとんでもない神様なのである。そもそも、登場するときから「神様はこれまでとは違い、鈍感な綾乃に神様の威厳を示そうと後光を背負っていた。肩がこるのでよっぽどの場合でないと背負わないものぐさな神様である。後光の出力は千二百ワットのフルチャージだ」という登場の仕方である。この神様が主人公にユタ（巫女）になるよう命じるあたりから、物語は呪術的世界の中で展開されていく。そして、ここにもう一人、「カニメガ」という魅力的な人物が登場する。カニメガは純粋のユタで、他人の家に乗り込んでは「ウガンブスクー!」（拝み不足）と叫びながら島の人々に祈祷を強要していく。そして、「大謝、大謝といえば、あのオージャーガンマーの家か。得体の知れない婆さんどもが住んでいて、いりびたりの不良娘と三人で悪さのかぎりを尽くしている厄介者のことか」と言って、主人公らと対立しながら狂言回しの役割を果たしていく。小説は、これらの人物や神様との間の交流や喧嘩を、グソー（あの世）、ツカサ（一種のシャーマン）、アンガマー（死者の仮面）、トートーメー（先祖の位牌）などの事象や表現を交えながら、特異な宗教世界の中で進んでいき、そして、一つの出来事を経て、静かに終わっていく。人間がどんな生き方をしようと、琉球弧の時間の流れと自然は、当面、変わることはないと思うよ…　というような終わり方である。</p>
<p>この小説は、波瀾万丈の物語とか、アッと驚く大トリックとか、読んで人生観が変わるというようなものではないが、何とも可愛らしく、一寸、叙情的で魅力的な小品である。作者は、この後、「僕のキャノン」、「風車祭（カジマヤー）」等の琉球の物語を書いた後、突然、「シャングリ・ラ」という未来の東京を舞台とした、とんでもないホラ話を書いているが、さらに最近作として「テンペスト」という江戸末期の沖縄を舞台とした大作（上下2巻）を発表している。「バガージマヌパナス」を気に入った方は、全く色合いは違うが、この小説もお気に召すのではないだろうか。併読をお勧めする。</p>
<p>※1　[三島屋変調百物語事始]宮部みゆきの最新作</p>
<p>※2　大沢在昌の最新作</p>
<p>※3　堀江敏幸の谷崎潤一郎賞、川端康成文学賞、木山捷平文学賞受賞作</p>
<p>※4　ボールを押し出すような形で投げる変化球の一種。無回転で、手元でスッと落ちると言われている。ニークロ兄弟とウエイクフィールドがナックルボーラーとして有名。</p>
<p>※5　「後宮小説」、「墨攻」、「陋巷に在り」等。</p>
<p>※6　「夜は短し、歩けよ乙女」、「有頂天家族」等。最新作は「美女と竹林」</p>
<p>※7　「楽園」、「らせん」等。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:date>2008-11-01T14:03:32+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_116.php">
<title>少年付添人日誌</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_116.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員 　松　尾　幸太郎（60期）</p>
<p>1　はじめに</p>
<p>ご紹介させていただくのは、私が当番付添人研修という形で初めて少年事件に携わった件です。初めての付添人活動に取り組む中、心強い指導をしてくださったのは、サポート弁護士の小坂昌司先生でした。</p>
<p>2　少年と非行事実</p>
<p>私が付添人となった少年は、19歳の少年でした。両親は健在で、16歳、13歳の弟と9歳、5歳の妹がいる5人兄弟の長男でした。高校を真面目に卒業し、電気工事や危険物取扱等の資格を取得して、職に就いた経験もあるのですが、一つの仕事が長続きせず、無職の状態が続いていました。非行当時は一人暮らしをしており、仕送りを受けていなかった少年は、生活苦に陥った挙句、2ヶ月間で8件もの窃盗事件を単独で犯していました。少年には目立った非行歴はなく、自転車窃盗で簡易送致された事件が1件あるのみでしたが、その手口は常習者さながらに、留守中の隣人宅に侵入する、以前に働いていた工場のロッカールームに人気のない時間帯を狙って侵入する、自販機の釣銭口をバールでこじ開けるといったものでした。</p>
<p>3　試験観察処分に至るまで</p>
<p>初めて少年と面会したときの第1印象は、見るからに真面目そうで大人しく、19歳という割にはまだまだあどけなさが残っていて、いかなる犯罪とも無縁の存在に思えました。この少年が現に侵入盗や自販機荒らしを繰り返して捕まっているとはにわかに信じがたいものがありました。</p>
<p>一連の非行事実は、生活苦に端を発したものであることは間違いないのですが、まだ未成年なのですから、通常なら両親に経済的援助を求めたり、一人暮らしをやめて実家に戻るという選択肢もあるはずなのですが、なぜか少年は他人から金品を盗むことによりその場をしのぐという選択をとっていました。この不自然な行動の背景に少年の抱える問題が隠されていました。</p>
<p>面会当初、少年は、「自分は誰からも必要とされていないのだから、どうなってもいい。」、「自分は少年院送りになってもかまわない。」、「自分には居場所がないので、社会に復帰しても実家には戻りたくない。」などと自暴自棄的な発言をしていました。</p>
<p>少年の話を聞いてみると、少年の両親は長年に亘って不仲な状況にあり、少年は幼少時からそのような両親の姿を見て育ってきたのであって、少年にとって家庭とは、安心して生活できる場所ではなかったことがわかりました。また、長男である少年は、新たに弟妹が生まれる度に両親から注がれる愛情が薄れていくのを感じ続けてきたようで、幼少時から両親に甘えることを許されず過度の自立を余儀なくされた少年にとって、両親とは心から頼れる存在ではなかったようです。つまり、少年にとって家庭とは、頼れる存在もおらず、むしろ疎外感、孤立感を募らせる場でしかなかったのです。</p>
<p>もっとも、当初は頑なな態度をとっていた少年も、両親が少年に対し実家に戻って生活を立て直して欲しいと望んでいることを知って、自分を必要としてくれる存在がいることを実感し、それまでの疎外感、孤立感も薄れたようで、家族との関係も修復していきたいと話すようになりました。</p>
<p>一連の非行事実の背景には、少年の成育環境により醸成された少年の自暴自棄的とも自虐的ともとれる考え方が潜んでいること、成育環境は少年自身が選べるものではないことなどを意見書の中でアピールしましたが、少年には家族関係を修復することや仕事を継続することなど、まだまだ心配な点が残っていましたので、小坂先生と相談のうえ、試験観察処分が相当であるとの意見書を提出しました。審判において、少年がこれまでの寂しさを吐露するかのようにむせび泣いていたことが印象に残りました。</p>
<p>4　保護観察処分に至るまで</p>
<p>それから5ヶ月の間、少年は、実家に戻り幼い妹達の面倒をみながら、電気工をしている父親の仕事を真面目に手伝っていました。また、父親とともに被害者のもとを訪れ、謝罪と被害弁償を行っていました。その間の少年は、初めて会ったころの自暴自棄的な様子は見られず、家族とともに落ち着いて社会生活を営んでいました。</p>
<p>そこで、もう少年が非行に走るようなことはないと判断し、不処分が相当であるとの意見書を提出しましたが、非行事実の重大性がネックとなり保護観察処分となりました。</p>
<p>5　おわりに</p>
<p>今回の付添人活動を通じて、少年自らがこころの拠り所を見つける手助けをすることは本当に大切なことだと感じました。やがて保護観察期間が過ぎ一連の出来事が過去のものとなっても、少年がこれからの長い人生を歩んでいくなかで一生の支えになってくれると思うからです。これからも、少年のこころに寄り添えるような付添人活動を目指していきたいです。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:date>2008-11-01T13:52:15+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_115.php">
<title>あさかぜだより～事務所開設式が行われました～</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_115.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">あさかぜ基金法律事務所運営委員会</p>
<p style="text-align:right;">事務局長　柴　田　耕太郎（54期）</p>
<p>1　去る平成20年9月26日に、あさかぜ基金法律事務所（以下「あさかぜ事務所」と略します）におきまして、事務所開所式及び披露パーティーが開催されました。当日は、多くの会員にあさかぜ事務所の船出をお祝いして頂き、誠にありがとうございました。</p>
<p>開所式では、日弁連公設事務所・法律相談センター　大沢一實委員長、九州弁護士会連合会　德田靖之理事長、福岡県弁護士会　田邉宜克会長から、それぞれあさかぜ事務所開設の意義についてのお話や初代弁護士である井口夏貴会員へのはなむけの言葉を頂きました。</p>
<p>特に当会の田邉会長からは、あさかぜ事務所の被養成弁護士（＝あさかぜ事務所で養成を受け、司法過疎地へ赴任する新任弁護士）に対する技術的支援（＝金銭的な支援ではなく、弁護士業務を行う上での技術や事務所経営面の方法といった技術面での支援）を当会が全面的に担っているため、会を挙げて支援しなければならない旨の決意表明がなされました。</p>
<p>その後、先月の月報でも紹介のありました井口夏貴会員から、「しっかり勉強して過疎地へ赴任するんだ」という決意表明がなされるとともに、マスコミ各社からの質疑に応じました。</p>
<p>続いて行われた披露パーティーでは、日本司法支援センター福岡地方事務所　吉野正所長よりご祝辞及び乾杯のご挨拶を頂きました。乾杯用のシャンパンがなかなか皆様に行き届かずにご迷惑をおかけした場面もございましたが、パーティーには井口会員の他、今年12月にあさかぜ事務所に登録予定の細谷修習生と水田修習生も参加し、多くの会員の皆様に叱咤激励を受けておりました。なお、12月には細谷修習生、水田修習生とともに吉澤修習生も登録し、4名体制で執務を行う予定です。</p>
<p>2　あさかぜ事務所は、9月3日に執務を開始し、9月25日には事務所を法人化し、「弁護士法人　あさかぜ基金法律事務所」としてスタートを切りました。</p>
<p>あさかぜ事務所は、いわゆる「都市型公設事務所」の1つですが、「拠点事務所」であって、首都圏や関西圏などに存在する「事件過疎型」の公設事務所ではありません。</p>
<p>「事件過疎型」の公設事務所は、法律扶助事件や国選刑事事件等、費用が低額に留まるため、受任を忌避されがちな事件を積極的に受任することで都市部での普遍的な司法サービスの提供を目指すものです。他方で、「拠点事務所」は、司法過疎地へ赴任する弁護士を養成することに主眼があるため、法律扶助事件や国選事件だけを処理するのではなく、被養成弁護士に幅広い事件を経験させる必要があります。</p>
<p>そのため、「拠点事務所」である「あさかぜ基金法律事務所」が成功するか否かは、いかに多くの会員の皆様が、あさかぜ事務所の弁護士と関わり育てていけるかということにかかっております。被養成弁護士の指導担当弁護士の依頼があった際には積極的に応じて頂きますようよろしくお願いいたします。また、あさかぜ事務所の弁護士は会を挙げて養成していくものですので、指導担当弁護士以外の先生方も、被養成弁護士と共同受任できる事件がございましたら、ご一緒して頂きますようお願い致します。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:date>2008-11-01T13:38:14+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_113.php">
<title>憲法と私</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/11/post_113.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員 　吉　村　真　吾（59期）</p>
<p>私は、理系の学部に所属していたため、大学で憲法を学んだことがない。教養部のころ、法律学の授業を受けたような気がするが、これについても全く覚えていない。当時、私の関心は化学や生物学にあった。</p>
<p>そんな私が初めて憲法を学んだのは、司法試験を受験することを思い立った時である。当時、会社勤めをしていた私は、司法試験を受験するため、手はじめに憲法の教科書を購入した。法律のことなど全く分からない私は、司法試験のために何から手を付けてよいかも分からなかったが、「まずは憲法だろう」という安易な考えから、書店の棚にある一番メジャーそうに見えた芦部先生の憲法の教科書を購入した。</p>
<p>そして、会社の寮へ帰り、会社の同僚に司法試験の勉強をしていることが見つからないよう、こっそり、その教科書を読み始めた。</p>
<p>憲法の教科書を初めて読んだ時、私は、憲法とは何とすばらしいものだろうと素直に感動した。難しさを感じるよりもそう感じたことをよく覚えている。</p>
<p>その後は、試験のための勉強が中心になっていったが、会社の寮で密かに感動して読んだ憲法が、私にとっての初めての憲法である。</p>
<p>弁護士としての活動の中で憲法上の権利が問題となる事件は、刑事事件や集団事件に限られ、日常の事件の中で憲法が直接的に問題となることはあまりない。</p>
<p>むしろ、社会問題との関係で人権擁護を使命とする弁護士の職責について考えさせられることが多い。</p>
<p>ここでは、私の実体験を交えて非正規雇用の問題について書いてみたい。</p>
<p>私の世代は、第2次ベビーブームと言われる世代である。大学卒業時には、就職難から就職氷河期と言われたこともある。この世代には正社員としての就職先が得られず、現在も非正規雇用として不安定な雇用環境で生活している者が数多く存在する。</p>
<p>私が司法試験の受験勉強をしていたころを振り返ってみると、アルバイト先には、アルバイトで生計を立てている同年代の者が数多くいた。彼らは、正社員と同じ仕事をしながらアルバイトとして長期間勤務し、或いはアルバイトを転々として生活してきていた。</p>
<p>彼らは、自ら進んで非正規雇用を選択しているのではなかった。話をしてみると、先がどうなるか全く分からない現状に不安を覚え、出来れば正社員になりたいと考えていた。彼らは私と同世代であり、非正規雇用の問題は非常に身近にある問題であった。</p>
<p>非正規雇用の問題の中で特に問題が多いと思われるのは、いわゆる日雇い派遣である。労働者派遣法改正において問題にされているが、日雇い派遣は、憲法が保障する人間の尊厳との関係でも大きな問題を含むと思われる。</p>
<p>私が実際に目にした日雇い派遣の問題を象徴する出来事として、職場での名前の呼ばれ方に関する出来事がある。同じ職場にあって、会社に直接雇用されているアルバイトは、雇用主である会社の社員から名前で「○○君」「○○」などと呼ばれていた。一方、日雇い派遣で働きに来ている者は、名前で呼ばれることさえなかった。呼ばれる時は、「派遣君」または「派遣」である。</p>
<p>日雇い派遣は、その名のとおり、日雇いであり、かつ派遣先と雇用関係もない。そのような関係の中では、名前さえ必要とされていない。彼らは労働力、商品としてのみ扱われているのである。</p>
<p>労働は、人が経済的に自立して生活していくということだけではなく、人が人格的存在として生活していくということにも意味がある。日雇い派遣の問題は、憲法の理念に沿った労働のあり方とはどういうものであるのかを問いかけているように思われる。</p>
<p>私にとって、非正規雇用に関する問題は、同世代の問題ということで非常に身近に感じる問題である。同世代の弁護士として真剣に考えていかなければならない。</p>
]]></description>
<dc:subject>憲法リレーエッセイ</dc:subject>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:date>2008-11-01T13:16:29+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/07/post_114.php">
<title>情報管理について</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/07/post_114.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会　員 　高田　明 （60期）</p>
<p>1．はじめに</p>
<p>私は、ITに関して技術的な理屈はほとんどわかりませんが、ITコラムということでの依頼ですので、情報管理について書いてみようと思います。</p>
<p>「弁護士を殺すのにはナイフはいらない。彼のスーツケースを奪うだけでよい」という法諺がある？（少なくとも似たようなものがあるはずです）ように、弁護士業務において最も重要な義務は、守秘義務であるといっても過言ではありません。その大事な守秘義務を守りながらも、ノートPCを持ち歩いて、効率よく仕事ができたらいいなという願望を達成するために、私が今考えていることをそのまま書かせていただきたいと思います。</p>
<p>2．事件関係記録の持ち出し</p>
<p>修習生時代に「記録」というものに触れるようになり、書記官の方に「記録をなくされたら、私の首が飛びますから」と冗談（？）をいわれながら、法曹にとって秘密を守ることがいかに大事かということを教えられました。</p>
<p>その教育の成果があってか、私は自宅等で仕事をするために、記録を持ち帰ることはしません。自らの情報管理に自信がないので、記録を持ち歩かないのが一番だということです。</p>
<p>しかし、事件関係のファイルをノートPCに入れて持ち歩き、空き時間に準備書面を起案したり、メールをチェックしたりできれば、当然のことながら弁護士業務の効率化を図ることができます。</p>
<p>そこで、できれば持ち歩きたいと考えています。</p>
<p>3．セキュリティ対策</p>
<p>＜ノートパソコン＞</p>
<p>私は、ノートパソコンには、パスワードをかけています。紛失してしまった時に、ハードに記憶された情報を見ることができないように一定の効果はありそうです。</p>
<p>ただ、拾った人が本気で情報を見ようとすれば、パスワードを入力しなくてもハードディスクを取り出して、情報を見ることは可能だそうです。</p>
<p>そこで、「ドライブロック」といってハードディスクドライブにアクセスできないようにすることができる機能を有するノートパソコンが販売されていて、次にノートパソコンを購入する際には、それを買おうかと考えています。そこまですれば、自筆の大学ノートを持ち歩くよりよほど安全な気がしますし、事件関係の情報を入れて持ち歩いてもいいのではないかという気がしています。</p>
<p>＜USBメモリー＞</p>
<p>私は、指紋認証つきのUSBメモリーを使っています。デスクトップ型に差し込むときには、非常に不恰好なことになってしまいますが、これもメモリー自体をロックでき安心できそうです。それだけにととまらず、第三者のPCに接続された段階で、格納された情報をすべて消去し、読みとれないようにするという機能がついたものもあるそうです。そこまですれば、事件関係の情報を入れて持ち歩いてもいいのではないかという気がします。</p>
<p>4．雑感</p>
<p>とりとめのない雑文を書いてきましたが、守秘義務は弁護士生命に関わる重大問題ですので、どれほどのセキュリティーレベルで満足するか、結局人それぞれだと思います。</p>
<p>ただ、私自身はこれから、最新（細心？）の注意を払っているといえるモノを購入して、ノートパソコン等に入れた情報の持ち歩きに挑戦していこうと考えています。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>ohgami</dc:creator>
<dc:date>2008-07-01T15:45:22+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/post_110.php">
<title>中小企業のためのシンポジウム報告</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/post_110.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会員　石井　謙一（59期）</p>
<p>1　本年3月8日、日本弁護士連合会との共催で、NTT夢天神ホール及びエルガーラホールにて、中小企業のためのシンポジウム及び無料法律相談会を実施しました。<br>
シンポジウムは基調講演とパネルディスカッションという2部構成とし、基調講演は、NHKの「プロフェッショナル　仕事の流儀」という番組で企業再建弁護士として取り上げられた東京弁護士会の村松謙一先生にお願いしました。</p>
<p>2　村松先生のご講演は、まさに目からウロコのすばらしいお話でした。<br>
また、法律の専門家でなくても十分に理解できるような分かりやすいお話で、かつ、中小企業経営者の方々にとっては、たいへん勇気づけられる内容のご講演だったと思います。<br>
まさに「中小企業のための」シンポジウムにふさわしいご講演でした。<br>
このすばらしいご講演を、たった30名の方にしかお聞かせできなかったことは、残念で仕方ありません（この点は担当委員である私の初動が遅く、広報が不十分だったことによるもので、反省しきりです。）。<br>
私がご紹介するとそのすばらしさが十分にお伝えできないかもしれませんが、以下簡単にご紹介させていただきます。</p>
<p>3　皆さんは、「絶対に企業をつぶしてはいけない」と考えたことがおありでしょうか。<br>
私はありません。多くの方も考えられたことはないのではないかと想像します。<br>
しかし、村松先生は、「絶対に企業をつぶしてはいけない」、という信念をもっておられます。<br>
こう書くと、「そんな無茶な。」と思われる方も多くおられるでしょう。<br>
しかし、村松先生のお話を聞いておられれば、同じ気持ちになられたと思います。<br>
村松先生は、もともと東京で勤務弁護士として倒産関係の仕事をしておられましたが、その際、相談を受けていた中小企業経営者が企業の存続が難しいと知り、取引先に対する罪悪感から自ら命を断ってしまうという事件が起こりました。<br>
この事件から、村松先生は、企業を守ることは人の命を守ることであると思い至られました。<br>
当然、企業の倒産のたびに経営者が自殺するわけではありません。<br>
しかし、我々は、このような視点を忘れているのではないでしょうか。村松先生のお話を聞いて、私は、企業の倒産事件を処理するとき、経営者にとって企業がどれほど大切なものか考えたことがほとんどないことに気づきました。安易に、事業の継続は無理だと決めつけ、破産することを勧めてきたように思います。<br>
私は、これからは、村松先生の言葉を思い出しながら相談に臨もうと思っています。「弁護士の仕事は人を護る仕事です。だから絶対に見捨てない。」</p>
<p>4　では、その信念をもってどうやって企業を守るのか。<br>
企業再建の手法についてのお話は我々弁護士にとってはとても参考になるものでした。<br>詳しくはここでは触れませんが、一部ご紹介させていただきますと、法的手続を利用しない場合の考え方として、銀行と取引先を分けて考えるというお話が印象的でした。取引先は従来どおり支払を続け、銀行からの借入についてのみ、延長の申し入れや減額の申し入れをするのです。<br>
村松先生のご経験では、銀行は銀行間での平等な取り扱いさえ徹底すれば、銀行のみを対象とする債務整理にも協力してくれるとのことで、今後の実務の参考にしようと思いました。</p>
<p>5　中小企業経営者の方々にとっても、様々な企業再建の手法があり、危機に陥っても心配することはないという村松先生のお話は、とても勇気づけられるものだったのではないでしょうか。</p>
<p>6　後半のパネルディスカッションは、村松先生、福岡商工会議所の経営支援部長の三角薫さん、中小企業基盤整備機構の事業承継コーディネーターをされている中小企業診断士の薗田恭久さん、当会の柳沢賢二先生にパネリストとしてご参加いただき、「中小企業の課題と未来」と題して行いました。<br>
ここでは、主に福岡商工会議所と中小企業基盤整備機構が中小企業支援のためにどのような取り組みをされているのか、ということが紹介されました。<br>
中小企業経営者の方々がこれら支援の取り組みにアクセスされるきっかけとなったのではないかと思います。</p>
<p>7　終了後のアンケートでは、ほとんどの方から「大変役に立った」とのご回答をいただくことができました。今後も今回のような企画を実施してほしいという声も寄せられています。<br>
担当者の打ち上げのときも、とてもいいものになった、参加者が少ないのが残念だったという話になりました。<br>担当委員は、もう一度村松先生に来ていただきたいという希望を強く持っていますので、もしかしたら、また福岡で講演が実施されるかもしれません。<br>
その際は、是非ご参加されることをお勧めします。</p>
]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>ohgami</dc:creator>
<dc:date>2008-05-30T13:07:33+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/_12.php">
<title> 憲法リレーエッセイ　第12回</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/_12.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">会員　紫藤　拓也（55期）</p>
<p>1　はじめに</p>
<p>つい最近、筑後部会の「市民向け憲法講座」の紹介をしたばかりだか、再び「憲法リレーエッセイ」で登場になってしまった。<br>
私は、特に憲法問題だけをがんばっているわけではないが、すべての人権活動が憲法問題につながると考え、依頼に応じて筆をとってもいいかという気になる。<br>
しかし、若輩者の55期生にとっては、憲法は未だ現実に見えないというのが、正直なところである。</p>

<p>2　知識としての憲法</p>
<p>学生時代、憲法の単位は取ったが、授業に出かけた記憶がない。<br>
受験時代も、私の場合かなり長いが、学んだのは、図式化した憲法である。おおまか「封建社会から絶対王政が確立する過程で国家という社会のあり方が生み出され、その国家権力を制限し、国民の自由を守ることを目的として憲法が作られた。その後近代の諸原理が変容を受け現代型の憲法になった。そこにいう新たな諸原理にはこれこれがあり、憲法は目的である人権保障を達成するための手段として統治機構を規定している。残りは各論として条文と判例がある」というものである。「国家」と「国民」を対立させた図式と「人権」と「統治」を対立させた図式があれば、憲法全体の理解をしたと思い込むことができた。<br>
しかも、それぞれの時代の憲法が生まれた背景に関しても、世界史や日本史などの大学受験レベルの歴史の知識に加えて、史実かどうか判然としない架空の小説に登場する歴史観しか持ち合わせていない。<br>
誠に恥ずかしいが、私の憲法の理解はこの程度である。</p>

<p>3　具体的事件における憲法</p>
<p>だから、弁護士になっても、「これって人権問題ですよね」と唐突な相談を受けると、回答に窮してしまうのが現実である。<br>
司法の意義に関する知識では、事件性が要求されるので、憲法を実践しようとすると、具体的な事件の中で憲法問題に結びつける必要が出てきてしまう。しかし、具体的な事件では、憲法を使うすべが私にはまだわからない。<br>
人権活動の一環として信じて集団事件にも多数関与しているつもりだが、いつもこのジレンマに陥ってしまう。<br>
憲法改正の議論を眺め、自らは護憲派だと自称してみても、「市民向け憲法講座」の準備をしてみると、自らの無知を思い知ってしまう。争点についての不十分な知識しか持ち合わせていないのである。<br>
私の世代は、物と情報にあふれ、手を伸ばそうと思えば手に入れられる世代である。<br
しかし、そのような時代を作り上げることのできた日本国憲法がどのようにしてできたのか、その具体的意味を歴史観を伴って実感できないのである。具体的に憲法を守るあるいは作るという経験もなく、その必要性を具体的に実感できない世代だと思う。</p>

<p>4　見えかけている憲法</p>
<p>ただ、こうした無知な私でも、例えば、刑事事件について、「国家権力による人権侵<害が目の前で行われないようにチェックする仕事をしているのだ」と信じて取り組むことはできる。<br>
集団事件も、過去の人権侵害に対する損害賠償請求事件と平行しながら、同時に将来<の人権侵害を防止するための差止請求事件に関与することで、将来に向かって憲法の理念を実践していると信じ込むことはできる。<br>
弁護士になったとき、どんな弁護士になりたいかと問われたときの答えを弁護士会の自己紹介に書いたことを思い出す。それは、ちょうど娘が生まれた頃だったから、「パパの仕事はなに？」と問う娘に対して、「子どもたちの将来を守る仕事よ」と答えられる弁護士になりたいという内容だった。今では、青臭いなあと思うこともあるが、だから私は公害環境事件を中心として人権問題を実践しているのだと自分に言い聞かせることもできているとも思う。<br>
つい最近、その娘が小学校に入学した。入学式の帰りに警ら中の警官に会う機会があり、娘が「ごくろうさまです」とぺこりとお辞儀をすると、その警官が笑顔で敬礼してくれた。<br>
私は、こうしたとき、憲法の平和を感じる。<br>
だから私は、まだ、見えてはいないが、見えかけている憲法があると信じることができる。</p>
]]></description>
<dc:subject>憲法リレーエッセイ</dc:subject>
<dc:creator>ohgami</dc:creator>
<dc:date>2008-05-30T12:31:33+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/post_112.php">
<title>私にとっての憲法</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/05/post_112.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">筑後部会　会員 紫藤拓也（55期）</p>
<p>1　はじめに</p>
<p>つい最近、筑後部会の「市民向け憲法講座」の紹介をしたばかりだか、再び「憲法リレーエッセイ」で登場になってしまった。<br>
私は、特に憲法問題だけをがんばっているわけではないが、すべての人権活動が憲法問題につながると考え、依頼に応じて筆をとってもいいかという気になる。<br>
しかし、若輩者の55期生にとっては、憲法は未だ現実に見えないというのが、正直なところである。</p>
<p>2　知識としての憲法</p>
<p>学生時代、憲法の単位は取ったが、授業に出かけた記憶がない。<br>
受験時代も、私の場合かなり長いが、学んだのは、図式化した憲法である。おおまか「封建社会から絶対王政が確立する過程で国家という社会のあり方が生み出され、その国家権力を制限し、国民の自由を守ることを目的として憲法が作られた。<br>その後近代の諸原理が変容を受け現代型の憲法になった。<br>そこにいう新たな諸原理にはこれこれがあり、憲法は目的である人権保障を達成するための手段として統治機構を規定している。残りは各論として条文と判例がある」というものである。「国家」と「国民」を対立させた図式と「人権」と「統治」を対立させた図式があれば、憲法全体の理解をしたと思い込むことができた。</p>
<p>しかも、それぞれの時代の憲法が生まれた背景に関しても、世界史や日本史などの大学受験レベルの歴史の知識に加えて、史実かどうか判然としない架空の小説に登場する歴史観しか持ち合わせていない。誠に恥ずかしいが、私の憲法の理解はこの程度である。</p>
<p>3　具体的事件における憲法</p>
<p>　だから、弁護士になっても、「これって人権問題ですよね」と唐突な相談を受けると、回答に窮してしまうのが現実である。</p>
<p>司法の意義に関する知識では、事件性が要求されるので、憲法を実践しようとすると、具体的な事件の中で憲法問題に結びつける必要が出てきてしまう。しかし、具体的な事件では、憲法を使うすべが私にはまだわからない。</p>
<p>人権活動の一環として信じて集団事件にも多数関与しているつもりだが、いつもこのジレンマに陥ってしまう。</p>
<p>憲法改正の議論を眺め、自らは護憲派だと自称してみても、「市民向け憲法講座」の準備をしてみると、自らの無知を思い知ってしまう。<br>争点についての不十分な知識しか持ち合わせていないのである。</p>
<p>私の世代は、物と情報にあふれ、手を伸ばそうと思えば手に入れられる世代である。
<p>しかし、そのような時代を作り上げることのできた日本国憲法がどのようにしてできたのか、その具体的意味を歴史観を伴って実感できないのである。具体的に憲法を守るあるいは作るという経験もなく、その必要性を具体的に実感できない世代だと思う。</p>
<p>4　見えかけている憲法</p>
<p>ただ、こうした無知な私でも、例えば、刑事事件について、「国家権力による人権侵害が目の前で行われないようにチェックする仕事をしているのだ」と信じて取り組むことはできる。</p>
<p>　集団事件も、過去の人権侵害に対する損害賠償請求事件と平行しながら、同時に将来の人権侵害を防止するための差止請求事件に関与することで、将来に向かって憲法の理念を実践していると信じ込むことはできる。</p>
<p>弁護士になったとき、どんな弁護士になりたいかと問われたときの答えを弁護士会の自己紹介に書いたことを思い出す。それは、ちょうど娘が生まれた頃だったから、「パパの仕事はなに？」と問う娘に対して、「子どもたちの将来を守る仕事よ」と答えられる弁護士になりたいという内容だった。今では、青臭いなあと思うこともあるが、だから私は公害環境事件を中心として人権問題を実践しているのだと自分に言い聞かせることもできているとも思う。</p>
<p>つい最近、その娘が小学校に入学した。入学式の帰りに警ら中の警官に会う機会があり、娘が「ごくろうさまです」とぺこりとお辞儀をすると、その警官が笑顔で敬礼してくれた。</p>
<p>私は、こうしたとき、憲法の平和を感じる。</p>
<p>だから私は、まだ、見えてはいないが、見えかけている憲法があると信じることができる。</p>]]></description>
<dc:subject>月報記事</dc:subject>
<dc:creator>ohgami</dc:creator>
<dc:date>2008-05-21T14:05:39+09:00</dc:date>
</item>
<item rdf:about="http://www.fben.jp/column/backnum/2008/04/11.php">
<title>憲法リレーエッセイ　第11回</title>
<link>http://www.fben.jp/column/backnum/2008/04/11.php</link>
<description><![CDATA[<p style="text-align:right;">49期　北九州部会　小倉知子</p>
<p>それは東京出張の日だった。他県の弁護士から、欠陥住宅の判決についての原稿を2本、それも締め切りが5日後という過酷な条件で頼まれ、「大変だ」「出来るかな」と私は不安を抱えていた。羽田空港に到着し、事務所に電話を入れた。「永尾先生から電話が入っていました。」嫌な予感がした。「月報の憲法リレーエッセイの原稿を書いて欲しいとのことです。」予感的中。「締め切りは○○日（6日後）だそうです。」えっ！無理だよ。「ゆめゆめお断りにならないように、とのことでした」むむむ、さすが永尾先生、先手を打たれてしまった。永尾先生の依頼を私が断れるはずもなく、そして、私は締め切りがほぼ同じの原稿依頼を３本抱え込むことになった。</p>
<p>実は私は司法試験の受験時代から憲法が大の苦手である。自分では、佐藤（幸治）先生の難解な教科書で憲法が苦手になったと思っている。今でも、「パターナリスティックな」という言葉を聞いただけで、その後の言葉は全く頭に入らなくなるという拒否反応が残っている。司法試験は、最後に芦部先生の易しい（優しいではない）導きによって、なんとか乗り越えられたが、憲法の苦手意識はそのまま。というわけで、今回は他の原稿依頼とは違う次元で、かなり困ってしまった。そこで、まず前例検討。今までの月報を読み返して見た。ふむふむ。高尚な話はしなくても（自分のレベルが落ちるだけで）良いらしい。というわけで、最近の出来事に絡めて憲法について触れることにした。</p>
<p>先日私は、パートの人達だけで組織する労働組合の結成大会に参加し、改正パート法の話をした。
平成18年時点でパート等労働者数は1100万人を超えており、全労働者の4分の1を占めている。そのうち、7割が女性である。パートとして働いている女性の中には、時間の融通が利くからという理由で敢えてパートを選んでいる人もいるだろう。しかし、大半は正社員になりたいけれども『なれない』からパートとして働いていると思われる。そこで、改正パート法は目玉として、正社員と同じ仕事をこなしているパートの（正社員との）差別禁止や均衡待遇を定めた。女性が1人で子どもを抱えながら、パートでフルタイム働き、月額10万円以下しかもらえないというケースは多い。パートであっても、正社員と給料等の待遇が均等になれば生活はかなり楽になるだろう。憲法は、国民に勤労の義務を課すとともに、国民の生存権を定める。しかし、シングルマザーの現状は国民が勤労の義務を果たしていながら、生活保護基準すらも収入が得られない状態である。なぜか。国がフルタイムパートを黙認し、フルタイムで働いても最低限の生活をするのに不十分な程度の最低賃金しか認めていないからである。憲法は国民と国との約束である。国民はその約束に従って（働くという）義務を果たしているのに、国が（生存権を保障するという）約束を果たさないのはおかしくはないか。経営合理化・人件費削減という理由で、パートタイマーを増やし、ワーキングプアを生み出した責任は、企業だけではなく、国にもある。その意味で、今回のパート法改正は不十分ながらもパートの待遇改善（＝生存権保障）という、国の約束履行に向けての小さな1歩といえるだろう。今後も一所懸命働いている人がきちんと報われる社会にむけて進んで欲しいと思う。</p>
<p>最後に、原稿を書きながら思ったこと。憲法改正なんて言っている暇があったら、まずは今ある約束（憲法）を守るという基本的なことを国はして欲しいよねぇ。そして、結論は「やっぱり憲法はえらかった」。</p>
<p>以上</p>]]></description>
<dc:subject>憲法リレーエッセイ</dc:subject>
<dc:creator></dc:creator>
<dc:date>2008-04-16T11:40:24+09:00</dc:date>
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