福岡県弁護士会コラム(弁護士会blog)

転ばぬ先の杖

2017年12月号 月報

転ばぬ先の杖(第37回) 契約書って重要!

法律相談センター運営委員会 副委員長 松尾 佳子(55期)

このコーナーは、弁護士会の月報を読まれる方に向けて、役に立つ法律知識をお伝えするものです。

■契約書を作らなくても契約は成立します

法律相談の際、例えば、「契約書がない場合でも契約は有効ですか?」と質問されることがよくあります。

原則として、書面がなくても契約の「申込」と「承諾」の意思表示が行われた時点で、契約は成立します。

もっとも、金銭消費貸借契約の場合には、実際に金銭の交付がなければ契約は成立しませんし、保証契約は書面等によらなければならない等の例外はあります。

■なぜ契約書を作成するの?

それでは、なぜ契約書を作成する必要があるのでしょうか。

(1) 契約内容の確認のために

契約は、書面がなくても、言葉で決めただけでも成立します。

ですが、言葉で決めただけでは、「いつ」、「どこで」、「誰が」、「何を」、「どのようにするか」等の取り決めを忘れてしまいます。複雑な取り決めは、契約した当事者本人でも正確に覚えることはできません。

そこで、契約の当事者が、自分がどのような内容で取り決めをしたか確認するために契約書を作成するのです。

契約内容を書面で定めておかなければ、契約の記憶が曖昧になり、言った言わないの争いになることは珍しくありません。

契約書を作成しておくと、言った言わないの争いを、ある程度未然に防止することができます。

(3) 証拠を作る

相手方との間で争いとなっても、契約書があれば、無用な争いを防止できます。

仮に裁判となった場合、契約書があれば、裁判所は、契約書を一つの証拠として、どちらの当事者の主張が正しいかを判断します。

ですが、契約書がなければ、証拠となるものがありませんので、自分の主張を根拠づけることが極めて難しくなります。

契約締結の有無、また、契約内容や合意事項を証明することができるようにするために、契約書を作成しておくのです。

この点、「契約書」という表題でなくとも「合意書」、「確認書」、「念書」など、合意内容を示すものであればよいです。

取引の相手に契約書の作成をお願いしにくいという場合では、証拠を残しておくという点から、単なる口頭合意ではなく、例えば、発注書に取引の条件を記載し、相手から承認を得ておくという方法もあります。また、メールやFAXを活用し、合意内容を証拠として残しておくと、将来証拠として役立つことがあります。

■契約書作成時の注意点

契約書を作成するとき、以下のことに注意しなければなりません。

  1. 契約当事者及び契約の目的が明確であること
  2. 文章ないし文言の意味が平易かつ理解しやすいものであること
  3. 内容が適正であること
  4. 当該契約類型における法律上の要件を満たしていること
■特に契約書を作成すべき契約について
(1) 損害賠償の危険がある場合

受任契約、業務委託契約、下請契約など、相手からの依頼で業務を行う場合には、依頼どおりに業務を履行しないと、相手から損害賠償を請求されることがあります。

(2) 無償でモノ・金銭等を譲り受ける場合

無償で相手からモノや金銭を受ける場合、相手方が心変わりする可能性がありますし、相手方の相続人と紛争が生じる危険があります。

(3) 自分が相手方を監督できない場合

たとえば、将来判断能力が低下したときに備えてする「任意後見契約」や、死亡後に効力が発生する「遺言」などは、相手が自分との約束をきちんと守ってくれているか、自分では監督できません。

以上のような場合は、特に契約書を作成すべき要請が高いといえるでしょう。

■弁護士等の専門家へ相談するかどうか

契約書作成について、弁護士等の専門家に相談、依頼するかどうかは自由です。

しかし、例えば、契約内容が定形のものであっても、過去に一度でも紛争が生じた経験のある相手方との契約であれば、弁護士等へご相談される方が無難な場合があります。また、契約内容が特殊ないし専門的なものであれば、定型的な書式では対応ができません。

少しでも契約内容に気になる点がある場合には、積極的に弁護士等の専門家へ相談されることをお薦めいたします。

■法律相談センターを積極的にご利用ください

弁護士会では各地で法律相談を行っています(事前予約制:ナビダイヤル0570−783−552(ナヤミココニ))。是非ともご利用ください。

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2017年10月号 月報

転ばぬ先の杖(第35回) 自殺問題は今なお非常事態、ちょっとした知識と相談窓口としての頼れる弁護士会へ

自死問題対策委員会委員 椛島 敏雅(31期)

弁護士会で自殺問題の法律相談や講演会等を実施

自殺、それは本人には取返しのつかないことであり、残された親族に対しても一生、その人生に深い傷を負わせるものです。福岡県弁護士会は、自殺は最大の人権侵害であり、本人や親族並びに社会に対して大きな災いをもたらすものとして、それを防ぐ立場から、自死問題対策委員会を設けて、自死問題支援者法律相談や自死遺族法律相談及び自死問題に関する研修会や講演会並びに専門職との交流会等の活動を行っています。

自殺対策の成果で自殺者は大幅な減少傾向にあるが、今なお非常事態は続いている

不名誉な自殺大国だった日本も、2006(平成18)年10月に自殺対策基本法が施行されて以降、個人の問題と認識されがちであった自殺問題について、2007(平成19)年6月、政府が内閣府(現在は厚労省所管)に自殺総合対策会議を設置して「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す」という観点から自殺総合対策大綱を策定しました。この官民挙げての総合的な自殺対策に取り組んだ結果、最も多かった2003(平成15)年の34,427人から、2016(平成28)年には21,897人まで減少しました。

福岡県も多い時は一時1,350人を超えていましたが、精神保健福祉センターが中心になって自殺対策に取組んだ結果、2015(平成27年)には937人まで減少しています。

しかしながら、今年7月に閣議決定された自殺総合対策大綱によると、「我が国の自殺死亡率は主要先進7か国の中で最も高く、年間自殺者数も2万人を超えている。かけがえのない多くの命が日々、自殺に追い込まれており、非常事態はいまだ続いている」と総括し、2026(平成38)年までに、10万人当りの自殺者数を現在の18.5から、先進7か国並みの13に減少させる目標を立てて対策に取り組む事にしています。

自殺問題の専門家によると自殺未遂者は既遂者の約10倍いて、自殺を考えた事のある自殺念慮者になると更に裾野が広がると言われています。以前、多重債務が大きな社会問題になった頃、全国クレジット・サラ金問題対策協議会でアンケート調査をしたところ、多重債務者の約4割近い人が自殺を考えたことがあるという結果が出て吃驚したことがありました。過労やパワハラ、ギャンブル依存症等でうつになって苦しんでいる人たちも同様で、自殺問題はそれだけ根深く裾野が広がっていると思います。自殺という大事に至らないため、私たちを含め、本人、その家族や友人知人の方がちょっとした知識や相談先を知っていることは大変重要なことだと思います。

自殺の背景とサイン

自殺は本人が多重債務や倒産、生活困窮、過労、パワハラ、セクハラ、いじめ、離婚問題や健康問題等の社会的要因によって追い込まれた末に生命がその人自身によって絶たれることです。また、ギャンブル依存症、アルコール依存症、統合失調症等のハイリスク者等による自殺も含めて、自殺者は自殺の前に何らかのサインを出していると言われています。早くからこの問題に取組んできたライフリンクの調査によると、自殺者の60%以上の人が自殺する1月前にいずこかに相談に行っているという結果が出ています。相談先は法律家も含まれています。追い込まれて相談に行っているのに、「それはあなたの責任です」とか、「そのくらいは仕方がないです」等と誤った「助言」をしたら、その人は自殺リスクを著しく高めてしまいます。私たちは国民の権利擁護を使命とするプロとして正しい知識を身に着け、自殺予防のゲートキーパーとしての役割を担う必要があると思います。

自死念慮が懸念される相談者への対応

相談者には「ストレスが多い時は、ゆっくり休むのがいいですよ」、「眠れていますか」、「食事はとれていますか」など聞き、眠れていないことが続いている時は精神科医や県、市の精神保健福祉センターの相談窓口に繋ぎ、TALKの原則で相談に乗ることが大切です。

(Tell 誠実な態度で話しかける Ask 自殺する意思についてはっきり尋ねる Listen 傾聴する Keep safe 安全を確保する相談原則)。「死にたい」と言われた時は、「あなたに死んでほしくありません。一緒に解決方法を考えて行きましょう」と寄り添って、精神保健福祉センター等の団体や専門職に繋ぐようにしましょう。(2017.09.13記)

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2017年9月 1日

「転ばぬ先の杖」(第34回) 自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインのご紹介

災害対策委員会 宮下 和彦(46期)

1 今夏の九州北部豪雨災害で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

今回の転ばぬ先の杖では、九州北部豪雨災害のように災害救助法が適用される大規模な災害に遭ってしまい、そのため住宅ローンなどの支払が難しくなった個人の方のための一つの解決手段として、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン(以下「ガイドライン」といいます。)をご紹介します。

2 このガイドラインは、元々東日本大震災に伴い策定された個人債務者の私的整理に関するガイドラインの運用の経験を踏まえて、全国銀行協会を始めとする関係金融機関、金融庁ほか関係各庁、日弁連、日本不動産鑑定士協会連合会ほかの関係士業団体や学識経験者らが協議を重ねて平成27年12月に策定されたもので、平成28年4月1日から運用が開始されました。ガイドラインは、被災した債務者の自助努力による生活や事業の再建、ひいては被災地の復興・再活性化を目的とするもので、自然災害に被災したがため、従来から有していた住宅ローンや事業性ローンその他の債務の支払が出来なくなった、あるいは出来なくなるおそれがある被災者(この要件を災害起因性と言い、り災証明書の入手が必要です)が、一定の要件の下、債務の全部または一部の減免を受けられる制度です。これまで、昨年4月の熊本地震や10月の鳥取県中部地震、12月の新潟県糸魚川市における大規模火災などで利用されており、熊本地震においてはこれまで660件以上の利用申込みがなされています。

ガイドラインを利用することのメリットとして、破産や民事再生などの法的手続と異なり、

(1) 弁護士などの登録支援専門家の手続支援を無料で受けられる。

(2) 自分の手元に残せる現金などの自由財産の枠が、破産などに比べると大きい。

(3) 個人の信用情報として登録されず、将来新たな借入れも可能である。

(4) 原則として、保証債務の履行も認められない。

ことが挙げられます。

手続の流れは、債務者が、まず最大の債権者(いわゆるメインバンク)からガイドラインの手続を進めることについての同意書をもらいます。次に、債務者が、同意書を各地の弁護士会に提出します。すると、一般社団法人自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関(全国銀行協会からガイドラインに関する事業を譲り受けた組織です)によって、当該債務者の担当の登録支援専門家の弁護士が選任されます。債務者は、その弁護士と打ち合わせを行い、支援を受けながら、必要書類や資料を整えて全ての債権者に対して債務整理開始の申出をします。この申出により、債務の支払について一時停止の効力が生じます。つまり支払わないことについて、債権者のお墨付けを得ることになります。その後、債務者は、登録支援専門家の支援の下、債権者ごとの特定調停条項案を作成し、各債権者宛に提出します。各債権者の同意が得られれば、債務者は特定調停の申立をして、債務の免除や減額を内容とした特定調停が成立することになります。

債務の免除を受けるためには、原則居住不動産を手放さなければなりませんが、不動産鑑定士の登録支援専門家に鑑定を依頼し、適正に評価された価格を5年間で支払うことにより、当該不動産を手元に残すことも可能です。

3 但し、ガイドラインの利用には先に述べた災害起因性などの一定の要件があるうえ、あくまで債権者の同意が必要です。また、認められている自由財産枠には限界もあります。あくまで個人債務者のための手続であり、法人については認められません。特定調停によって、当該債権について判決を受けたのと同様の債務名義が生じますので、調停条項通りの支払が滞ると、競売申立などの強制執行を受ける恐れがあるなど、デメリットが無いわけではありません。

それでも、被災者にとっては、生活・事業の再建に有用な一定の現預金を確保して、従来の債務の減免を受け、さらに、将来の借入れ等の可能性も残すことが出来ますので、生活・事業再建の有力な手段となり得ることは間違いありません。被災者におかれては、まずガイドラインによる解決の可能性を探ることは転ばぬ先の杖と言えるはずです。

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2017年8月号 月報

「転ばぬ先の杖」(第33回) 貸金業者の取立てと消滅時効

消費者委員会 山田 裕二(69期)

転ばぬ先の杖。このコーナーは、一般の方に役立つ法律知識をお伝えするコーナーです。今回は、消費者委員会が担当します。

消費者問題には、様々な種類のものが存在します。今回はその中でも、貸金業者の取立てと消滅時効との関係について取り上げたいと思います。

そもそも消滅時効というのは、一定期間権利行使をしないことにより、権利を消滅させる制度のことを言います。これは、権利の上に眠る者を保護しない、すなわち、権利を持っているのに一定期間使わない人は保護しないという法の考え方を具体化したものです。

具体的には、民法第167条に規定されていて、債権の場合には、時効期間は10年とされています。また、商行為によって生じた債権の場合については、商法第522条で、時効期間は5年とされています。商行為とは、例えば、貸金業者がお金を貸す行為等をいいます。したがって、貸金業者の貸金債権は消滅時効期間が5年になります。

つまり、貸金業者からお金を借りていた場合でも、お金を返さなければならない日(弁済期)に支払をせず、その日から5年経過してその間に貸金業者から何の請求も無い場合には、消滅時効により返済しなくてよいということになります。

ただし、時効期間が経過したからといっても当然に権利が消滅するわけではありません。消滅時効は「援用」、すなわち時効期間が経過したので債権を消滅させますという意思表示をしないと効果が発生しません。そのため、貸金業者は、時効期間が経過していることをわかった上で請求してくることがよくあります。時効期間が経過していても支払ってもらえればそれでよいからです。

時効期間を経過しているかもしれないと感じた場合には、弁護士に相談するなどして、確認してから対応するようにしましょう。

また、注意を要しますが、何らの請求もないまま5年過ぎた後でも、時効の援用ができなくなる場合があります。

それは、「時効期間経過後に債務者が債務を承認した場合」です。

この場合には、もはや時効の援用ができなくなるという最高裁昭和41年4月20日判決があるため、時効期間が過ぎた後に債務を承認すれば、それ以降は時効の主張ができなくなるとされているのです。そして、これは、時効期間が経過したことを時効を主張する人が知っていたか否かに関係ないとされています。その理由としては、債務者が時効期間を経過したことを知っていたかどうかにかかわらず、時効期間満了後に債務を認めたのであれば、債権者としてはもはや時効を言い出すことはないであろうと信頼するはずで、その信頼を保護して、時効主張を許さないとするのが信義則に照らして相当であるからと説明されています。

では、「債務の承認」とは何かですが、よく出てくるのは、弁済、例えばお金を借りたときにお金の返すような場合があたります。お金の支払いをすると言うことは、自分に支払うべき債務が残っていることを認めてその支払をしているものということで、債務の承認に当たるとされます。

そして、そのような前提の下で問題となったのが下記の事案です。

時効期間が経過した債務者に対し、貸金業者が債務名義(例えば判決等)がないにもかかわらずこれがある旨の虚偽の事実を記載した「強制執行予告通知」を送り付け、困惑して電話をしてきた債務者に対し、「いくらでもよいからお金を入れてくれ」と申し向けて10万円を支払わせ、その後、更に47万円の貸金返還請求がされたという事案です。

この事案の場合、上記最高裁の判決から考えると消滅時効の期間が経過した後に10万円を支払っているので、追加で請求された47万円について、消滅時効の援用はできないこととなりそうです。

しかし、大分地裁平成28年11月18日判決は、時効の援用を認めました。

理由としては、本件貸金業者は、組織的に強制執行通知を送付するという脅迫的な言動による取立てをしており、社会通念上許されない違法なものであると認定したことにあります。

つまり、貸金業者は、違法な取立行為を行っており、今後時効を援用されないだろうと信頼することが相当であるとは言えないから、消滅時効の援用が信義則違反にならないと考えたのです。

同様の事案で、督促状に不安や恐怖を感じた後に債権者の従業員に連絡したところ、従業員から一括返済を重ねて求められて困惑又は畏怖した結果一部弁済した事案でも、消滅時効の援用を認めています。(浜松簡裁平成28年6月6日判決)

また、時効完成後に、債権者が債務者に対して督促状を頻繁に送り、さらに債権者の従業員が債務者宅を訪れて2000円の弁済を受けた上で、早期返済計画を立てることを求め、その求めに応じて債務者が分割弁済案を提案したものの債権者が拒否した事案でも、時効の援用を認めました。

この事案では、貸金債権の時効期間が経過した後の借主の支払いは、債権者従業員の訪問請求に対して、十分な法的知識を持ち合わせていない借主が従業員の言動に誘導された結果の反射的な反応の域を出るものでなく、債務の弁済の実質をなしていないとして、債権者における時効を援用しないという信頼が信義則上保護するに足りないものと判断され、消滅時効の援用が認められています。(宇都宮簡裁平成24年10月15日判決)

以上のような最近の裁判例からすると、時効完成後に弁済をした場合であっても、貸金業者の取立ての行い方によっては、時効の援用が認められる可能性があることになります。

貸金業者の取立てについても、当然適法な方法で行わなければならず、法律を遵守する必要があります。そのため、騙したり脅したりという取立てを受けて支払いをなした場合には、時効を援用する権利は失われないというのが、裁判例の傾向であると言えます。

貸金業者の問題のある取立て、対応に悩まされている方は、ぜひ弁護士にご相談下さい。

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2017年7月 1日

「転ばぬ先の杖」(第32回) みなさま、弁護士会の法律相談をご利用ください!!

法律相談センター運営委員会 委員長 池田 耕一郎(50期)

【1】はじめに

福岡県弁護士会では、全国で最多の県内17箇所に法律相談センターを開設しています。地図にありますように、福岡、北九州、筑後、筑豊の各地区にまんべんなく配置されています。当会は、「地元の弁護士」が地域密着で市民にきめ細やかな法的サービスを提供することを理念として掲げていますが、法律相談センターの運営は、その最たるものといえます。

【2】相談予約申込方法

弁護士会の法律相談の特色は、【1】の相談場所の多さとともに、相談枠の多さ、それに伴う相談予約のとりやすさ(枠が空いていれば、当日や翌日の相談も可能)ではないかと思います。そのことが、後で述べる相談実績につながっています。

法律相談センターは17箇所ありますが、相談申込みの利便性の観点から、電話番号は、ナビダイヤル0570−783−552(なやみ ここに)に統一しています。こちらの番号にかけて、ガイダンスに従ってボタンを操作していただくと、各地域の基幹センターにつながり、最寄りのセンターで法律相談を受けることができる仕組みになっています。

電話だけでなくインターネットを通じてのWEB予約も承っています。

詳しくは、「福岡県弁護士会」のホームページをご覧ください。

【3】無料相談

法律相談センターでの一般相談は、相談料30分あたり5000円(及び消費税)を頂戴しています。

しかし、相談者の置かれた立場や相談内容によって、無料相談を実施しています。これも、ぜひホームページでご確認いただければと思います。

【4】チケット制

当会は、自治体、各機関・団体の皆様と連携した市民サービスを提供すべく活動していますが、その一環として、自治体から委託を受けて弁護士を派遣する制度のほか、自治体から地元住民に法律相談の無料チケットを配布し、そのチケットを法律相談センターにお持ちいただいた方については無料相談を実施する「チケット制」を実施しています。

法的課題を抱えているのに何から始めてよいかわからないという方は多くいらっしゃいます。チケット制は、自治体にとって、悩みを抱える住民への支援として位置付けられるものです。チケット制を導入している自治体は次のとおり24箇所あり、関係者から、住民サービス向上につながっていると高く評価していただいています。まだ導入されていない自治体におかれては、ぜひチケット制の導入をご検討いただければと思います。

○福岡地区(5箇所)

・福岡市 ・古賀市 ・福津市 ・筑紫野市 ・糸島市

○北九州地区(4箇所)

・豊前市 ・築上町 ・上毛町 ・吉富町

○筑後地区(2箇所)

・久留米市 ・広川町

○筑豊地区(13箇所)

・飯塚市 ・嘉麻市 ・桂川町 ・田川市 ・添田町 ・糸田町 ・香春町 ・川崎町 ・大任町 ・福智町 ・赤村 ・直方市 ・宮若市

【5】相談件数

関係各位のご理解・お力添えをいただき、当会の各法律相談センターで昨年度(2016年度)実施された相談件数は8726件でした。

当会は、各委員会が活動内容に応じたバラエティに富む相談活動に取り組んでおります。それら件数を合わせますと、当会が実施している相談件数は1万件を優に超えます。

【6】最後に

当会は、「市民と共に」を目標に掲げ、市民のみなさんが日頃抱える不安を安心に変えてほしいという思いから、「不安を、安心に。」というキャッチフレーズで相談事業に取り組んでいます。

これからも、会員一同切磋琢磨して、相談事業に取り組んでまいります。 ぜひ、当会の法律相談をご利用ください。

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2017年6月 1日

「転ばぬ先の杖」(第31回)「熊本地震災害女性電話相談」はじまりました!

両性の平等に関する委員会 郷田 真樹(53期)

本年4月13日から、「熊本地震災害女性電話相談」がはじまりました。

この相談は、熊本地震にあわれた女性の方から、DV・セクシュアルハラスメント・性暴力・ストーカーなどの女性の権利に関することについて、弁護士が、無料でご相談をお受けするというものです(通話料のみご本人負担)。

本年9月28日まで、毎週木曜日(8月17日は除く)、午後1時~午後3時30分までの受付で 電話番号は 080−6423−9697です。

ご相談は、福岡県弁護士会の弁護士がお受けしますが、必要に応じて熊本県内の弁護士に引き継ぐこともできます。秘密は厳守しますし、匿名でのご相談も可能です。直接的な災害相談ではなく、災害・復興時にこうした問題に直面したということでお電話をいただいてかまいません。

大災害時には、DV・性暴力などの問題が、増加しやすいと言われています。

その理由としては、(1)経済的・身体的・権力的な格差が増大しやすいこと(たとえば避難所運営等で力を持つ者持たない者の格差が生まれやすいなど)、(2)避難生活などの中で個々人の弱点が外に対して晒され可視化されてしまうこと(「守るべき男性」がそばにいないシングル女性だ、親がいない一人暮らしの学生だ等が丸見えになるなど)、(3)被害者が被害を訴えにくいこと(「みんなが大変なのに個人的な相談はしにくい」、「私の被害よりもっと大変な人がいる」、「強い人に逆らったら非常時に生活できない」、「支援者が被害に遭っても、大変な目に遭った被災者を責めるべきではない」などと思ってしまう、相談しようとしても相談先が機能していないなど)、(4)加害行為が目撃されても「大変だから仕方がない」と大目に見られる場合もあること、(5)皆が強いストレス状態にありストレスが弱者に向かいやすいこと等、様々なことが考えられます。

そのため、日本政府は、災害時に性に基づく暴力や搾取が起こること、その防止が必要であること、被害者のニーズを考慮した支援や保護、ケアが必要であることなどを明記した、「自然災害におけるジェンダー平等と女性のエンパワーメント」という決議案を、第56回国連女性の地位委員会(2012年3月)に提出し、この決議はコンセンサス方式により採択をされています。

熊本地震においても、事情は同じと考えます。もちろん、実際の被害は無いに越したことはなく、可能な限り、被害が少なくありますようにと願ってやみません。

他方で、不幸にして問題が発生してしまった場合であったとしても、今からでもかまわないので、人に相談をし、話をしてみることで、出来事や自分の気持ちを振り返り、整理し、もしも必要があれば適切に専門家とつながり、自分らしい日々の生活へとつなげていくことができるかもしれません。

また、こうした相談窓口が存在していること自体で、災害時であっても、DV・セクシュアルハラスメント・性暴力・ストーカーなどの女性の権利の侵害は問題であり、人に相談をしていい事柄で、災害時だからという理由で許されてよいことではない、という意識が広まり、結果としてそれが、熊本の、あるいは将来の、新しい被害の抑止になればと願っています。

私達福岡県弁護士会が、単位会の枠を超えて、熊本地域の皆様のお役に立てれば、こんなに嬉しいことはありません。

ぜひ、たくさんの方達に、「熊本地震災害女性電話相談」の存在を知っていただけますと幸いです。また、本稿をお読みいただいた皆様に、熊本地域の方達ないしは熊本から避難をされている方達へ、情報を広めていただけますと、本当にありがたいです。

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2017年5月 1日

「転ばぬ先の杖」(第30回) 子どもの加害行為と親の民事責任

会員 小坂 昌司(52期)

このコーナーは、弁護士会の月報を読まれる一般の方に向けて、役に立つ法律知識をお伝えするものです。今回は、子どもの権利委員会が担当します。

子どもは失敗しながら成長します。子どもが興味を持つことには、積極的に取り組ませてあげたいものです。その中で子どもが失敗をしたときには、それを成長の糧とできるように親が見守っていくことが必要です。

もっとも、子どもの失敗が、ときに、他人に損害を与えてしまうことがあります。もし、そのような事態になったときには、親は、まずは子どもと一緒に被害者に対して真摯に謝罪をするべきです。そして、同じようなことを繰り返さないように子どもを指導して自覚させることが必要でしょう。

被害者との関係では、謝罪をすることで許される場合も多いのですが、ときに法律上の責任問題に発展することがあります。

子どもの加害行為が犯罪に該当するような場合には、刑事上の責任として、子どもの年齢によって、家庭裁判所の手続きの対象となります。年少の子どもの場合には、児童相談所の指導の対象になります。

また、他人に財産的な損害を与えた場合には、民事上の責任として賠償の問題が発生します。そして、このような場合、加害行為をした子どもだけでなく、親が賠償の責任を負うことがあります。

以下では、どのような場合に、親が賠償責任を負うか考えていきます。

まず、民法は、故意または過失によって他人に損害を与えた者は、その損害を賠償する義務があると定めています。従って、未成年者も含めて、わざと、あるいは不注意で行った行為(これを「不法行為」といいます。)で第三者に損害を与えた場合には、その損害を賠償する義務を課されます。

もっとも、民法は「未成年者が、自分の行為の責任を理解する能力を備えていなかったときには賠償の責任を負わない」としています。この「能力」(これを「責任能力」といいます。)を備えているかどうかの明確な基準はありませんが、おおよそ12歳くらい(小学校を終える頃)から、この能力があると判断される場合が多いようです。

さらに民法は「子どもが(責任能力がなくて)責任を負わない場合には、子どもを監督する法律上の義務を負う者が賠償義務を負う。」と定めています。つまり、子どもの年齢が低く、責任能力がない場合には、子ども自身には賠償責任はなく、法律上の監督義務者である親が子どもに代わって賠償責任を負うことになります。なお、「法律上の監督責任を負う者」としては、親以外にも、例えば、児童養護施設の施設長や未成年後見人など、親に代わって子どもの監督をする立場にある人も含まれます。この親の責任は、親が監督義務を怠らなかったこと、あるいは、監督義務を果たしていても子どもの加害行為を防止できなかったであろうことを証明すれば免除されますが、これまでの裁判では、親が責任を免れることは稀でした。

なお、最高裁判所まで争われた事件で、当時11歳の子どもが小学校の校庭で友人とサッカーをして遊んでいたところ、蹴ったサッカーボールが校庭から路上に転がり出て、このボールを避けようとしたバイクを運転中の高齢者が転倒して最終的に亡くなったというものがあります。

この事件について地方裁判所と高等裁判所は親の責任を認めました。しかし、最高裁判所は、本件で子どもがしていたのはゴールに向かってサッカーボールを蹴るという通常の行為であり、一般的には他人に危害が及ぶとは考えられない行為であることや、親が危険な行為をしないように日ごろからしつけをしていたことなどを考慮して、親は責任を負わないと判断しました。平成27年に出されたこの最高裁判所の判決が裁判実務に影響を与える可能性があります。

次に、子どもの年齢が一定以上で、子どもに責任能力があるとされ、子ども自身に賠償責任が認められる場合でも、同時に親にも賠償責任が認められる場合があります。先に述べた「子どもに代わって責任を負う」という場合とは違って、親自身に課されている監督義務に違反したこと自体を不法行為と考えるのです。

子どもには賠償するための資力がない場合が多いので、被害者にとっては、親に賠償責任が課されるほうが、実際には損害の補填がされやすいという事情があります。従って、大きな被害を受けた場合には、子どもとともに、親に対しても賠償責任を追及する場合が多くなります。

実際に裁判となった例としては、高校2年生の子どもが友人から借りた原動機付自転車を、夜間に前照灯を付けずに走行させ、道路を歩いていた被害者をはねて死亡させたという事案があります。この子どもは、この当時生活が乱れ、夜間に外出して仲間と徘徊することが多く、バイクに無免許で乗ったり、シンナーを吸うなどの問題行動を繰り返していました。親はそれに気づいて何度も注意していましたが、子どもは親の指導を無視して従いませんでした。

この事案について裁判所は、親の教育、指導、監督が十分であったとは言い難く、常態化していた夜遊びと本件事故との間には密接な関係があるとして、親の賠償責任を認めました。この事案では、親は子どもに対して注意はしていました。他の有効な手立てを思いつかなかった可能性があり、親の責任を認めることは親にとって厳しいものとも考えられます。

なお、子どもの問題行動が収まらない場合には、親だけで悩むのではなく、児童相談所や少年サポートセンターなど、非行にかかわる専門機関に相談する方法もあります。そのようなことをしているかどうかによって、親の責任についての判断が異なる可能性もあると思われます。

以上のように、子どもが第三者に加害行為をした場合に親が責任を負うかどうかは、子どもの年齢、子どもがした行為の内容、普段の子どもの行動や親の指導状況などに応じて、かなり微妙な判断になります。

子どもが起こした事件・事故で他人に損害を与えてしまうと、親としては、被害者への対応に頭を悩ませることになるでしょう。もし、こうした問題が生じたときには、賠償責任などの難しいことは専門家に相談し、親としては、子どもの指導や加害者への謝罪に力を注ぐことが、子どもの成長のためにも重要です。法律的なことは迷わず弁護士に相談されることをお勧めします。

また、子どもの加害によって生じる賠償責任について、一定の場合は保険で賄える場合もありますので、保険への加入も検討する必要があります。

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2017年2月号 月報

「転ばぬ先の杖」(第29回) ADRという手続をご存知ですか?

会員 壇 一也(57期)

1 みなさんは、トラブルが発生したときにどうされるでしょうか。

まずは、相手と話し合ってみるのが一般的だと思います。しかし、それでも解決しないときは、弁護士に相談されるのが一番かもしれません。

ところが、弁護士に相談しても勝ち目がないとのアドバイスを受けることも、もちろんあると思います。

私たち弁護士としても、決して安いとは言えない費用をいただいて事件の処理をする以上、安請け合いをするわけにはいきません。弁護士が介入しても相談者の方の希望を叶えることが難しい場合は、私たち弁護士は、はっきりとそのように説明しなければなりません。

しかし、それでも納得できない・・・ということもあると思います。

今回は、そのような相談者の方について、私が弁護士としてどのように対応し、その方がどうすることを選択し、そしてその結果どうなったのかについて概括的にお話ししたいと思います。

2 事案の内容

あることが原因で、ご主人が精神的に不安定になられました。主に経済面での不安を訴えられるようになりました。ご主人は、実のお母さんに相談した結果、お金を貸してもらえることになりました。ただ、条件として生命保険の受取人を奥様から、ご自身(ご主人のお母さん)に変更して、担保とすることを求められました。奥様は、その必要はないとご主人に伝えましたが、ご主人の不安は続いたため、やむを得ずご主人に任せることにしました。それからしばらくして、奥様宛に保険金の受取人がお母さんに変更になったとの通知が保険会社から届きました。それから間もなくしてご主人は自死されました。なお、ご主人は、結局、お母さんから借入れをしていませんでした。

そして、保険金は、そのままお母さんに支払われました。

3 相談の内容とアドバイス

これらの経緯から、奥さんは、お母さんに対して、受領された保険金の支払いを求めました。ところが、お母さんは、これに応じられることはありませんでした。

そのため、奥さんは、私のところに相談にいらっしゃいました。奥さんは、相談に来られた時点で、理屈ではお母さんに保険金を支払ってもらうことは難しいということは理解されていました。そのため、奥さんには半ば諦めざるを得ないとの気持ちであった一方で、やはり納得できないとの思いも強くお持ちでした。

このような奥さんの気持ちを踏まえて、私は、理屈では奥さんの希望を叶えることは難しいことを説明したうえで、「これ以上悪くなることはないことからダメ元で再度話し合いを求めてみてはどうですか。」と提案しました。これに対し、奥さんも「できることはやってみてダメだったら諦めます。」ということで再度話し合いを求めることにしました。

4 具体的な解決手段の選択

私は、理屈では難しい案件であることもあり、極力、かける費用も抑えられる方法を考えました。その結果、選択した方法が福岡県弁護士会の裁判外紛争解決手続(以下「ADR」といいます)です。

このADRとは、福岡県弁護士会所属の弁護士が間に立って双方の意見を聞いたうえで適切な紛争の解決を目指す制度です。

このADRを利用するためには、1万円(別途消費税)の申立手数料がかかるだけです(なお、仮に何らかの解決が得られた場合は、別途成立手数料がかかります)。そのため、万が一、お母さんが保険金を支払ってくれない場合であっても、奥さんが負担すべき費用は1万円だけで済ませることができます。

そして、実際にこのADRを利用して、お母さんと話し合った結果、こちらが求める金額の一部を支払ってもらえることで和解が成立しました。

5 最後に

このような解決を図ることができたのも、お母さんに奥さんの気持ちを理解していただけたことが大きかったと思います。そして、そこに至るまでには、ADRで弁護士の関与の元、十分な話し合いをできたことが大きかったと思います。

もちろん、全ての案件でこのような解決を図れる保証はありません。しかし、まずは弁護士に相談していただくことで、何らかの解決の糸口を見つけることができるかもしれません。

お気軽に弁護士にご相談ください。

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2016年11月号 月報

「転ばぬ先の杖」(第28回) 「整骨院での施術について」(交通事故委員会)

会員 黒野 賢大(64期)

1 はじめに

この「転ばぬ先の杖」シリーズは、月報をご覧になった一般市民の方に、法的な取り扱いや弁護士の取り扱い業務を知っていただくためのコーナーとなっております。

今回は、交通事故委員会から交通事故の際の賠償問題について取り上げたいと思います。

2 交通事故の被害に遭われた方で、「整骨院に通院したいが、病院に許可をもらわないといけないのか」「整骨院への通院を保険会社から打ち切る旨の連絡が来たがどうしたらいいのか」といった内容の相談を弁護士が受ける場合があります。

そこで、被害者の整骨院への通院の際の施術について、実務上の取り扱いについて紹介したいと思います。

3 判例・実務上、整骨院での施術費が交通事故の賠償として認められるためには、原則として、医師の同意(施術についての指示を受けること)が必要とされています。

もっとも、医師の指示を受けなければ全く認められないものではなく、下記(1)から(5)の事情や、患者(被害者)側の事情(整形外科への通院の困難性、副作用回避、時間的拘束)等を考慮して適正な範囲で施術費が認められるものと考えられています。

  1. 施術の必要性 → 施術を行うことが必要な身体状況にあること。これは、各施術が許される受傷内容であることを前提に、従来の医療手段では治療目的を果たすことが期待できず、医療に代えてこれらの施術を行うことが適当である場合、又は、西洋医学的治療と東洋医学に基づく施術とを併施することにより治療効果が期待できる場合である必要があると考えられています。
  2. 施術の有効性 → 治療の効果(症状緩和の効果)があることが必要と考えられています。
  3. 施術内容の合理性 → 受傷の程度や症状の程度に応じたものであることが必要と考えられています。
  4. 施術期間の相当性 → 受傷の内容、治療経過、疼痛の内容、施術の内容及びその効果の程度などから施術を継続する期間が相当であると判断できなければなりません。
  5. 施術費の相当性 → 報酬金額が社会一般の水準と比較して妥当であることが必要だと考えられています。

4 上記のような取り扱いによれば、整骨院での施術についての医師の指示がない場合で、整骨院での施術内容に全く変化がなく、施術の効果が全くなく、1年間整骨院に通い続けた場合に施術費が賠償されないということは想像できると思いますし、一方で、事実上、整骨院の通院を保険会社が承諾して、数か月の通院であれば、それほど問題なく施術費全額を支払ってもらえることになると思います。

しかし、施術費がどの範囲で認められるかという点は、上記のように様々な事情をもとに判断されることになりますので、後から施術費の一部を賠償してもらえなかったということにならないように、早期の段階で専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

その他に、過失割合や慰謝料・休業損害の算定など、交通事故における賠償の法的問題は多岐にわたります。

早期に弁護士に相談することで、賠償にまつわる様々な悩みを弁護士に任せ、治療に集中できる環境づくりをするという意味でも、まず、お気軽に弁護士に相談されてみてはいかがでしょうか。

5 福岡県弁護士会では、以下ように交通事故の法律相談を行っております。

交通事故無料電話相談:092(741)2270
(月・火:午後1時~午後3時30分、 水~金:午後1時~4時)
無料面接相談:お問い合わせ 092(741)3208

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2016年10月 1日

「転ばぬ先の杖」(第27回) 福岡入国管理局に弁護士を派遣する制度ができました

会員 丸山 明子(61期)

今年6月から、福岡入国管理局に収容されている外国人のために、弁護士を派遣して、相談を実施する制度の運用が始まりました。この制度は、福岡入管局に収容されている外国人が、弁護士の助言を必要とする時に、入管の職員に申し出れば、48時間以内(土日祝を除く)に弁護士が入管に出向き、無料で相談に応じるというものです。

入国管理局内の収容施設に収容される外国人は、退去強制事由に該当すると疑うに足る相当の理由があるとして、主任審査官という入国管理局の職員が発布する令状に基づき収容されており、電話などで連絡を取ったり、施設内で家族などと面会したりすることは可能ですが、施設外に出ることができません。その後の手続で退去強制令書が発布されれば、そのまま国外に退去させられてしまいます。

日本では、退去強制事由に該当すると疑うに足ると判断された外国人は全件収容するという全件収容主義が取られているのですが、収容された外国人でも仮放免許可を受ければ、施設外で生活をしながら退去強制手続を受けることができるため、この仮放免許可の申請手続で弁護士の助言や代理が必要な場合が想定されます。仮放免許可が出される場合、300万円以下の保証金を納める必要がありますが、弁護士が身元保証となる場合や出頭義務の履行に協力を申し出る場合には、仮放免許可の判断にあたり積極要素として適正な評価がされるとともに、保証金の決定に当たっても最小限の額となるよう配慮されるようになっています。

また、退去強制事由自体を争う、退去強制事由に該当するとしても在留特別許可を取ることにより退去強制を免れる、難民としての認定を求めるという場合も想定されます。この場合、その後の退去強制手続で予定される違反審査、口頭審理、異議申立、訴訟等の手続において、弁護士の助言や代理人としての活動が必要な場合が想定されます。この他、一般的な民事や刑事の法律相談にも応じています。

中国や東南アジアからの観光客の増加に加え、外国人の創業を促進するため福岡市が国家戦略特区に指定されたことも相まって、福岡を訪れる、または滞在する外国人の数は年々増加しています。万が一のため、新たに始まったこの弁護士会の取り組みについて、身近な外国人の方にお知らせください。

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