福岡県弁護士会コラム(弁護士会blog)

2016年11月号 月報

あさかぜ基金だより・番外編 ~徳之島より戻ってきました~

月報記事

会員 今井 寧子(64期)

元・あさかぜ所員の今井(小池)寧子と申します。平成23年12月の弁護士登録と同時にあさかぜ基金法律事務所に入所しました。その後、平成25年8月1日より鹿児島県の徳之島に赴任し、3年の任期を終え、この度福岡に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いします。

初めての徳之島

忘れもしない、平成25年7月31日、私は生まれて初めて徳之島の地に降り立ちました。その年は、後に奄美群島全体で雨乞いをするほど晴天続きの日々で、私が徳之島に着いたときにも青い空と青い海、ギラギラと輝く太陽に迎えられました。その輝く太陽に負けないように私もこれからこの地で輝こうと決意を新たにしたものでした。一方で、徳之島(子宝)空港に降り立ったときに、青い空などの次に目に入ってきたものが、「全国闘牛サミット」なる横断幕であり、これからの生活に一抹の不安を覚えたことはここだけの秘密です。

平成25年8月1日、法テラス徳之島法律事務所は、無事に開所の運びとなりました。奄美群島における2大地元紙である南海日日新聞と奄美新聞に取材に来ていただき、翌日には、奄美新聞ではなんとカラー写真付きで1面を飾りました。

その後、なぜか私の両親も出席し、なんだか結婚式の披露宴のようになってしまった開所式があったり、初めての島での台風を経験したりしながら(大変恐ろしい経験でした。)、徐々に徳之島での生活にも慣れていきました。

徳之島での活動

徳之島は、8つの有人島からなる奄美群島のうちの一つであり、人口2万5000人ほど、主な産業は農業(サトウキビ栽培)という(ちょっぴり賭け事も好きだけど)のどかなのどかな島です。

そんな徳之島での活動を少しご紹介します。

一番の思い出は、やはり「初めての管財事件」です。徳之島に赴任して比較的早い時期に依頼を受けたのですが、本当に何もかもが初めてだったので、軽くパニックでした。にもかかわらず、私の主な任務は、闘牛用の牛の査定、その牛に価値があるのであれば換価すること、という困難を極めるものでした。なんと、私は、闘牛牛の管理者になってしまったのです。ひとまず、その牛を見に行かねばなりません。牛小屋をたずねると、大きくて、黒い牛が「ぶもももも」と鳴いています。その牛は、800キログラムあるそうなのですが、それでも、階級は軽量級。大きい牛は1トンを超えるそうです。なお、闘牛用の牛の価値は、牛同士で喧嘩をさせてみないと分からず、勝数が多くなればなるほど、その価値は上がっていき、100万円を超える価格で取引されることもあるそうです。一方で、勝てない牛はただの牛。それどころか、食用の肉としては、筋肉ゴツゴツで、そう美味しいものではないので、2、3万円の価値しかないそうです。うんうん、勉強になりますね!

その他、「先生からは都会の香りがする」とお客様に言われてしまうほど都会育ちの私には、特に土地問題等では慣れないことも多かったですが、色々な方々の助けもあり、なんとか3年の任期を終えることができました。

徳之島とあさかぜと

紙面も尽きてきましたが、あさかぜだよりなので最後に大事なことを。徳之島史上、弁護士が常駐するのは私が初めてであり、それが使命感となる一方で、島に一人きりという孤独感に苛まれることも実は結構ありました。そんななか、あさかぜで指導担当をしてくださった先生方に事件の相談が出来たり、あさかぜ出身の先輩方にお話を聞いていただいたりして、仕事の面でも精神的にも支えていただき、あさかぜ出身で良かったなあと思うことが多々ありました。また、あさかぜにいると自然と色々な先生方と交流する機会が増え、それが赴任後の糧となっているなあと感じることもありました。

時代は変わっていきますが、あさかぜ共々今後とも何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

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