福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2007年10月号 月報

IT コラムIT初心者のIT活用(?)法

月報記事

会員 後藤 富和(55期)

コンピューターやインターネットについては、使ってはいるけれど理屈は分からない、手引書や説明書を読んだこともなく見よう見真似で覚えたに過ぎないIT初心者の私にとって、このコラムの執筆は不適任だと思うのですが、私と同様にIT初心者の方もいらっしゃると思いますので、その方々に向けて書きたいと思います。

【ノートパソコン】
出張が多いので、使用しているパソコンは、スペック云々よりも耐加重90キロという頑丈さと重量2キロ以下という軽さで選んだノートパソコンです。その代わりデザインはダサダサです。

【PHS・無線LAN】
出張時には、このパソコンにカード式のPHSを差し込んで、電波が届くところどこでもメールの送受信、インターネットの接続が可能な状態にしています。

また、日弁連会館は無線LANが完備されています。日弁連の事務局に自分のパソコンを持参すれば、日弁連会館で無線LANが利用できるように設定をしてくれます。ですから、日弁連会館では、自分のパソコンの電源を入れるだけで、LANに接続されます。

このように、どこでもメールの送受信やインターネットの接続が可能な状態にし、事務局員への指示や準備書面の起案提出などが出張中でもできるようになります。外部からの電話がかかってこない分、出張中の方が効率的に書面を書けたりします。この原稿も、熊本出張中に出先で書いて送信したものです。

【リモートメール】
パソコンを開くことが出来環境では、私はリモートメール(リモメ)を利用して、パソコンのアドレス宛に来ているメールを携帯電話でチェックするようにしています。この機能は、メールの「転送」ではなく「覗き見る」だけですから、携帯でメールをチェックしてもパソコンで再度、そのメールを受信することが出来ます。朝、息子を幼稚園に送って事務所まで歩く間にリモメでメールをチェックするようにしています。

【PDF・インターネットディスク】
ノートパソコンを持ち歩くことで、出先でも準備書面を起案しそれを事務所に送信して提出するということが可能です。ただ、準備書面を書くために相手方から届いた書面や資料などを確認する必要がありますが、いちいち記録を持ち運ぶのは大変ですし、また、FAXで届いた相手方からの書面を出先で見たいという時に困ります。そういう時には、事務員に書面をスキャナーで読み取ってもらいPDF化(電子情報化)し、メールに添付して送ってもらうようにしています。そうする事で、出先でも書面が読めるようになります。

また、インターネット上にインターネットディスクという貸し倉庫のような物を借りていますので、書面の量が多い場合や画像などデータが重い場合は、インターネットディスクにアップしてもらい、そこにアクセスしてそれらを何時でもどこでも見ることができるようにしています。

私が加入している「よみがえれ!有明海弁護団」でも準備書面や、書証、資料をインターネットディスクにアップして、弁護団員がいつでも閲覧・取得できる状態にしています。紙資源消費の削減にもなりますし、いちいち書棚から必要な書面を探さなければならない手間が省けます。弁護団を組むような大規模な事件においては、インターネットディスクなどの活用が必須になってくると思います。

昨年、委員をした日弁連人権大会実行委員会でも、インターネットディスクと同様のブリーフケースをネット上に設置していました。これにより数百ページに及ぶ人権大会報告書の起案をスムーズに行うことができました。

【パワーポイント・プロジェクター】
近時、憲法に対する市民の関心が高まっており、度々、憲法講演の依頼を受けます。その際、プロジェクターを持参して、パワーポイントを使って講演をするようにしています。プロジェクターに付属していたリモコンを使えば、パソコンを遠隔操作することが出来るので、パソコンの前に座ったままでなく、通常の講演のように自由に動き回りながら、講演をすることが可能となります。

【事務所ホームページ】
事務所のホームページは、ホームページビルダーというソフトを使って所員が手作業で作っています。ですから、制作費はかかっていません。このホームページをわが事務所では毎週1回更新するようにしています。ここ数年、ホームページを見てから来たという相談者も増えています。

【今後の計画】
弁護士のスケジュール管理について、わが事務所では、事務員が弁護士の手帳を手書きで書き写して把握するという前近代的な手法によっています。これでは、刻々変化するスケジュールの動向に対応することが出来ません。そこで、電子手帳などを導入して、弁護士が手元でスケジュールを入力したならば、即時に事務局にもその情報が伝わるようなシステムを作りたいと考えています。

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