福岡県弁護士会コラム(会内広報誌「月報」より)

2002年12月号 月報

釜山弁護士会との懇親会 

月報記事

南谷敦子

今年も釜山地方弁護士会の弁護士の皆さんが、ご夫人とともに福岡にいらっしゃった。この交流会・懇親会は今年で一二年目になる。毎年福岡県弁護士会の会員も春に釜山を訪問し、盛大なる歓待を受けているときいている。私も経験があるが、韓国に行ったことがあるという人の話を聞くと、たいてい、たいへん素晴らしい接待を受けたということが多い。という訳で、福岡県弁護士会も負けられないと思いながら、国際委員会メンバーを中心に交流会や懇親会の準備をさせていただいた。

平成一四年一〇月一八日金曜日午後、皆さん福岡にご到着。夕方からシーホークで交流会が始まった。国際委員会の内田敬子会員の司会で、テーマは2つ、家庭内暴力の防止関連法規と韓国での金利規制で、日本でもホットな問題だ。前者は釜山の文興晩弁護士から、後者は朴瑛柱弁護士からご報告いただいた。

さて、実は私はこの交流会の間、ご夫人方を観光バスで小戸のマリノアまでご案内し、東洋一の大きさだという観覧車に乗っていた。

マリノアにはアウトレットショップがあり、私も観光案内という職権を利用して買い物でもしようとそわそわしていたのだが、この日はスマップのコンサートで交通渋滞が予想されるとのことで観覧車に乗っただけでシーホークにとんぼ返りだった。

懇親会は午後七時から、国際委員会の紫牟田洋志会員の司会で、福岡県弁護士会会員のご夫人も参加して始まった。日韓の弁護士がテーブルを囲み、通訳がついた。テーブルでは皆、お互いのことをもっと知りたい、でも言葉が通じない、通訳は一人しかいない、というので通訳を奪い合っての懇親会だった。お酒が入るにつれ会はますます盛り上がり、日韓マイクを奪い合ってのスピーチ合戦も始まってとても楽しかった。通訳を通じてなので、各国の笑いには時差があった。釜山弁護士会元会長の金 基弁護士が、会長でいらした国武格会員や荒木邦一会員と過去ずいぶん飲んで盛り上がった話をされ、歴史ある釜山との交流の深さをしみじみと思った。今後、釜山弁護士会と福岡県弁護士会は中国・大連の弁護士会との交流も進めていくとのこと。釜山の会員名付けて「三角関係の構築」(会場笑)。また、太田晃会員と松井仁会員は、見事な韓国語でスピーチをされ、釜山会員には大受けであった。

最後に釜山弁護士会からおみやげの「絵」をいただいた。とても立派なもので、曰く「韓国の有名な作家による貴重な作品」だそうだ。これに対応して、福岡県弁護士会からもおみやげの「有田焼の絵皿」をお渡しした。有田焼は日本の焼き物の原点なのであるが、「くやしいことに」その有田焼の原点は朝鮮にあるのだ・・とは南谷洋至会員のあいさつ。これもまたたいへん美しい絵皿であった。

こうして、盛大に会は幕を閉じた。

釜山の皆さんは、翌日から新幹線で広島・四国へと旅立たれるそうで、強行軍だ・・。

終了後、通訳をして下さった皆さんは御馳走を前に腹ぺこ状態であったので、一緒に二次会をすることとなった。皆さん、大塚芳典会員の一声でお集まりいただいた方々で、福岡の専門学校や大学で勉強されている「新進気鋭」と呼ぶにふさわしい学生達だ。今回の会ではたくさんの法律用語が飛び交い(「当番弁護士」「法律扶助」など)、通訳はとても難しかったが非常に勉強になった、もっと勉強したい、と紅潮した顔で話しており(酒のせいか?)、韓国の若者のエネルギーは素晴らしいなあと感心した。その後、  メールアドレスの交換などしつつ、私も日韓交流を目指すこととした。

外国の法律家と交流する機会があるときにいつも思うのは、折角知り合えた方々と本当に長く交流することができたらなということだ。どうしても一過性の飲み会でちょっとかじっただけの付き合いで終わってしまいがちで残念なのである。今回、金 基のご夫人が英語を話し、「同じ年頃の娘がいるのよ」と、私にとても親しく接して下さったことが忘れられない。この出会いを大切にしなければ・・・

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