弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

ファンタジー

2009年2月 1日

獣の奏者、王獣編

著者:上橋 菜穂子、 発行:講談社

 いやあ、とても面白いです。ワクワクドキドキする痛快ファンタジーです。『ハリーポッター』の第一作を読んだときと同じように興奮してしまいました。いえ、別に変な意味ではありませんので誤解しないようにお願いします。
 ファンタジーですので、物語の紹介はいたしません。ただ、オビに書かれているキャッチコピーは次のようなものです。
 王国の陰謀に勇敢に立ち向かう少女、エリン。獣を操る技を身につけた彼女が選んだ未来とは?
ふむふむ。でも、それだけでは分かりませんよね。王獣(おうじゅう)とは何か、闘蛇(とうだ)とは何か、王獣と闘蛇が戦ったらどうなるのか。ともかく手にとって読んでみる価値はあります。ちょっと疲れたな。気分転換したいな。そう思ったときには最適ですね。そして、あとがきを読んで、私は驚きました。なんと、著者は『ミツバチ、飼育・生産の実際と蜜源植物』という本を読んでヒントを得たというのです。そして、養蜂に関わる場面については、実際に養蜂している専門家に教えを乞い、ゲラもみてもらったというのです。
すごいですよ。ミツバチから、これだけのファンタジーを着想したというのですから。やっぱり、世の中にはすごい人がいるものです。
 テレビのアニメになって放映されているようですね。

(2006年11月刊。1600円+税)

  • URL

2008年8月29日

獣の奏者・闘蛇編

著者:上橋菜穂子、出版社:講談社
 「ハリー・ポッター」は映画は全部みましたが、本の方は途中、3巻まで読んで頓挫しています。でも、一巻目は、ともかくすごい衝撃を受けました。人間の想像力って、こんなにすごいのかと感嘆したのです。先日、最終巻である7巻が出ましたが、そこにたどり着くのはかなり先になりそうです。ところで、ファンタジーの分野では、この本もすごいという評判を聞いて、遅ればせながら読むことにしました。
 な、なるほど、すごいですね。思わず車中で読みふけってしまいました。
 「年少読者だけに読ませておくのはもったいない」とオビに書かれていますが、そのとおりです。我が家の子どもたちが幼いころ、斎藤隆介・滝平二郎の「花咲き山」とか「八郎」を何回となく読みきかせてやりました。そんな絵本の世界が、この本を読んでいるうちにまざまざとよみがえってきたのです。絵本は、子どもに読み聞かせしている大人にとっても面白いものです。何度よんでも面白く、飽きませんでした。もちろん、子どもたちにも大受けでした。登場人物になり切って、その声色を変えて、役者になったつもりで読みすすめていきました。
 ここでは、闘蛇というものが登場します。絵本ではありませんから、その姿形は読み手が想像するしかありません。それがまた、いいわけです。
 ファンタジーの筋を紹介するのは野暮そのものです。推理小説の謎ときをするなんて愚の骨頂でしょう。ファンタジーは、その文章であらわされている雰囲気を全身全霊で受けとめ、楽しみ浸るための物語です。主人公の少女エリンになり切って、母の死を悲しみ、また、闘蛇とともに飛び立ち躍動するのです。そこにこそ、ファンタジーの醍醐味があります。
 でもまあ、表紙のウラに書かれている粗筋を紹介するくらいなら許されるでしょう。
 獣の医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は、処刑されてしまう。孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出会う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと結審するエリンだった。そのことが、やがて王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに・・・。
 そうなんです。このファンタジーは、子どもの世界だけでなく、大人のドロドロした政治もからまり、いくつもの伏線を張りながら複雑な展開をみせ、次を待ち遠しくさせるのです。すごい想像力に感嘆させられます。
 フランスに行ったとき、あちこちで日本のマンガが売られているのに改めて驚かされました。MANGAと書かれている大きなコーナーがあり、私の知らない作者のマンガがたくさん並んでいました。私もそのうちのひとつを買ってフランス語の勉強をしてみました。絵でストーリーが分かりますので、なかなか勉強になりました。
(2006年11月刊。1500円+税)

  • URL
1

カテゴリー

Backnumber

最近のエントリー