弁護士会の読書

※本欄の記述はあくまで会員の個人的意見です。

ネパール

2016年6月 6日

ネパール、村人総出でつくった音楽ホール


(霧山昴)
著者 横井 久美子 、 出版 本の泉社 

 心がじわんと温まる、いい本です。ネパールの山中に、音楽堂をつくり、子どもたちにギターを教え、大集会で合奏を披露したというのです。すばらしいことです。こんな話を聞くと元気が出ます。
著者は、田川の亡き角銅立身弁護士が懇意にしていた歌手でもあります。私も著者のCDは何枚も持っています。聞いて元気の出る歌が私は好きです。
 ネパールには、もちろん私は行ったことがありませんが、ヒマラヤを遠望できる山地です。
 標高1400メートルの秘境。電気もガスも水道もない。山奥の大自然のなかで、自給自足で生きるマガール族64家族500人が暮らすサチコール村。
 ここに、著者はなんと8回も訪問しています。ジープを降りてから、サチコール村にたどり着くまで4時間も歩いて登らなければいけません。私より少し年長の著者は登山の経験もないというのに、これに挑戦したのでした。偉いですね・・・。
 そして、2014年3月、サチコール村に日本人の寄付によって音楽ホールが堂々完成したのです。つくったのはサチコール村の村人たち。すべて人力で、つくりあげた音楽ホールは100人を収容する。
 たくさんの写真によって、そのイメージを具体的につかむことが出来ます。
 サチコール村の食事は朝10時と夕方7時の1日2食。ただし、朝7時と午後2時にお茶の時間がある。主食はトウモロコシやお米。肉を食べることは、ほとんどない。
 村人にとって、お客をもてなす最大のものは、ご馳走である水牛の子ども。祈りを捧げてから、子牛をさばく。この村で出されるミルクも水牛のミルク。
 サチコール村の子どもは、小さい子でも自己肯定力が強く、自分はできると信じて疑わず、何でもやりたがる。また、できる子は、すぐにそれを他の子に教えたがる。
これって、いいことですよね。ネパールの山奥にも学校があり、子どもたちはそこで一生けん命に勉強しているのです。
 この村では、何か新しいことをするときには、全員集会を開いて決める。これまた、とてもいいことですね。
村人はきれい好きで、トイレもきれい。洗濯もよくするし、食器や鍋などもピカピカにきれいにしている。ただし家の中に床はなく、土の上で裸足で暮らしている。
きらきら目の輝いてる子どもたちにギター演奏を教えると、たちまち上手に弾ける子が出てきます。それで、大集会で演奏することになります。すごいことです。
やっぱり、子どもにとって必要なのは、親のたっぷりした愛情の次は、なんといっても教育なんですよね・・・。
 とてもいい本です。ぜひ、みなさん買って読んでみてください。
(2016年3月刊。1400円+税)

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